ジブリ映画『紅の豚』考察ネタバレ感想/ラスト結末は?豚になった理由は?
スタジオジブリ映画。地中海で賞金稼ぎをする孤独な豚の大人の物語です。ミラノ工房の孫娘フィオに再設計してもらった飛行艇で、1度は敗北したアメリカ人のカーチスと再戦するが...。人間にもどれるのか?ジーナやフィオとの関係は?(ネタバレ感想あらすじ↓)
映画名/邦題 | 紅の豚 |
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日本公開日 | 1992/7/18 [予告] 上映時間:93分 |
監督・キャスト | 宮崎駿 |
キャスト 出演者 | 森山周一郎、加藤登紀子、桂三枝、上條恒彦、岡村明美 |
映倫区分 | 日本:G(年齢制限なし) |
配給/製作 (画像出典) | 東宝/スタジオジブリ |
日本興行収入 | 47.6億円 |
世界興行収入 | 0.015億USドル [出典] |
平均評価 平均:100換算 *批評家と一般は単純平均 | 80(私の評価は含まず) |
シリーズ 関連作品 | ジブリ映画一覧 |
ネタバレ感想『紅の豚』解説と評価
以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!
スタジオジブリ映画ですが、本作のファンタジー要素は主人公が豚の姿であることだけです。しかも内容は子ども向けではなく大人用で、ヒロインのジーナの声優を演じた加藤登紀子が主題歌を歌ったことなどジブリ映画としては異例だらけです。
子どもの頃に「ジブリ映画」として観た時は、面白いけど期待ほどではないという感想でした。大人になってから観ると、マルコやジーナのやりきれなさや、マルコのかっこよさなどがわかるようになったけど、逆にラストの決戦が陳腐に思えてきます。
ストーリーはシンプルで無駄が少ないのは評価できますが、最後の決戦に至るまでの経緯に工夫がなく、勝負の結果も予想の範囲を超えないのは少し残念です。賞金稼ぎエピソードをあと1つ2つ見たかったし、ラストアクションにも必然性と緊迫感がほしかったです。
マルコが豚になった理由は?
マルコが豚になった理由は最後まで語られないけど、ファシストの手助けをするイタリア空軍から脱退するために、自らの意思でブタになる魔法をかけたのだと解釈します。戦死する戦友の中で1人だけ生き残り「雲の平原」を飛んだ体験も影響してそうです。
マルコはジーナへの想いを封印しながら、戦友がジーナと結婚するのを祝福してきて、彼らが先に亡くなるのを見てるうちに、国家や戦争の虚しさに気づいて自分の殻に閉じこもったのでしょう。もしマルコが明るいイタリア人なら求婚してたと思います。
ジーナも周囲の人々も「豚差別」することなく、むしろその生き様や信念にひかれて協力してくれる人があとをたちません。大切なのは外見よりも中身だと教えてくれます。
ポルコ・ロッソの意味は?
イタリア語で「赤いブタ」「紅の豚」という意味ですが、ののしりぎみに「豚野郎」というニュアンスもあります。元の本名はマルコ・パゴットですが、その呼び名を知ってる人間はジーナ以外には少なそうで、主に「豚」や「ポルコ」と呼ばれています。
登場キャラクター。ジーナはスパイ?
マルコはイタリア人やラテン系というより日本人っぽいです。賞金稼ぎの依頼を受ける時、信念を曲げないのはかっこいいです。マルコと対極に描かれたのがライバルのカーチスです。カーチスは手段を選ばないというほどの悪者ではないけど、富や名声や良き妻を得ることに迷いはなく、典型的なアメリカ人です。
複雑なマルコの感情を「簡単に明るく」ほぐしていくのが、工房ピッコロの孫娘フィオです。ただ、あれだけ美人で頭脳も根性も持ってるフィオが豚姿のポルコに恋していくような流れは、男性というかおやじにとって都合良すぎる気もします。
ジーナは声のいいシャンソン歌手で、飛行機乗りたちに大人気です。ジーナの3度の結婚相手の全員が飛行艇パイロットで、いずれもマルコの冒険仲間でした。ジーナは無線を傍受できる装置を持ち、スパイの疑いもありますが、その技術を使ってマルコたち4人の冒険野郎をサポートしてたのかもしれません。
マルコは人間にもどれた?ジーナとの結末は?
ラストでフィオにキスされたポルコは、カーチスの反応からも人間の姿にもどったのだと思います。ジーナの賭けがどうなったかは秘密だそうですが、ラストの空撮映像でホテル・アドリアーノの裏庭の海面に赤い飛行艇が停泊してるのが見えます。
マルコとジーナが結ばれたのか、フィオとの関係はどうなったのかは不明ですが、個人的にはマルコはジーナの4人目の夫になって、時々遊びに来るフィオとも仲良しでい続けたのだと思います。フィオは工房ピッコロを引き継いだようです。
若者特権の輝ける未来を感じさせる陽性キャラのフィオは、ラストのキスで「ディズニー映画定番の真実の愛」のような奇跡を見せてくれますが、あの役割をなぜジーナではなくフィオに演じさせたのか宮崎駿監督の真意はわかりません。
映画『紅の豚』の舞台はクロアチア?
マルコの拠点はアドリア海の孤島なので、イタリアに近いと思います。ただ、街の風景はクロアチアのドブロブニクにそっくりなので、参考にした可能性も高そうです。
かっこいい名言集
映画『紅の豚』のキャッチコピー「カッコイイとは、こういうことさ。」(糸井重里)
ポルコ・ロッソ「飛ばねえ豚は ただの豚だ」「バカヤロウ。そういうものは、一番大事な時にとっとけ!」「あの野郎 フィオを見て、豚に真珠だと言いやがった」「ファシストになるより豚の方がマシさ」「豚に国も法律もねえよ」
マダム・ジーナ「マルコ、今にローストポークになっちゃうから。あたし嫌よ、そんなお葬式」「ここではあなたのお国より、人生がもうちょっと複雑なの」
私の評価 67/100(60が平均)
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