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映画『サウダーヂ』評価は?感想ネタバレ/地方の閉塞感!若者や移民が望む先

更新
映画 サウダーヂ
タイトル/邦題 サウダーヂ
日本公開 2011.10.22 [予告↓]上映時間 167分
映画監督富田克也
キャスト
出演者
鷹野毅、伊藤仁、田我流、ディーチャイ・パウイーナ、尾崎愛
配給/製作(C)REALWAVE、空族/「サウダーヂ」製作委員会
製作費0億円
参考Wiki
平均評価★★★★★79私の評価★★★★★57
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『サウダーヂ』あらすじ(ネタバレなし)

山梨県甲府市で活動するHIPHOPグループ「アーミービレッジ」の猛は、派遣の土方で働き始める。両親は自己破産してパチンコ逃避、弟は精神を病んでいる。土木建築現場には、ブラジルやタイからの移民労働者が過酷な労働条件で働く。土方一筋の精司や、タイ帰りの保坂とタイ..(ネタバレあらすじ↓)

『サウダーヂ』予告動画

ネタバレ感想『サウダーヂ』考察や評価レビュー

この先はネタバレありの感想考察です。他の映画はおすすめ映画ジャンル別も参考にしてください。映画 サウダーヂ

★★★★★ 57点/100(60が平均)

『サウダーヂ』は、さびれつつある日本の地方都市で、もがき苦しみながらも暮らしている人々の、群像ドラマ映画です。主人公の1人である猛はHIPHOPグループの一員で、社会への不満をラップにぶつけています。

この映画のおすすめ、5つのポイント

  • 地方都市での閉塞感が伝わる
  • 狭い社会でも幸せに生きる人はいる
  • コミュニケーションが雑だと好転しない
  • 外国人労働者の日常を少しだけ見れる
  • あやしく軽薄な人々が交差して楽しい

少し残念?つっこみどころ、4つのポイント

  • 見てられないくらいイタイ人ばかり
  • 感情移入できる登場人物がいない
  • 扱う社会問題が多すぎる。しかも解決しない
  • ラストはわけわからず気分も悪い

ネタバレ感想や結末

『サウダーヂ』は、地方の閉塞感を、HIPHOPのラッパーや、離婚してタイへ行きたい土方や、ブラジルやタイからの移民労働者やその他の視点から描こうとした、社会派の意欲作です。こんな世界は見たことないけど、ありそうな気がします。

地方都市から出ないで、ラップやHIPHOPで社会への不満をぶつけながら成功を目指す映画には『SR サイタマノラッパー』シリーズもありますが、『サウダーヂ』はより大きな社会問題をあつかっています。その分、いろんな主張が薄まってるのが残念です。

HIPHOPをあつかう映画は増えてますが『サウダーヂ』のラッパー猛は、気性が荒くて不良っぽいのがイヤです。『SR サイタマノラッパー』や『モヒカン故郷に帰る』の主人公たちとは大違いです。

HIPHOPの活動で社会の不満をぶつけてもいいけど、それを実生活にも持ち込むと、ただの「文句を言うだけの人」になってしまいます。ラッパー=不良ではないので、あのキャラには全く感情移入できません。

ただ猛が、土方の年配者がパチンコや風俗の話しかしないのを見下したり、同僚がタイパブで現実逃避するのを最低だと思う気持ちは、とてもよくわかります。普通の会社員でも無駄な飲み会とかは山ほどあります。

ところで地方とはいえ、ここまでひどいことになっている理由は何かと考えると、まず東京に近いため働き手やショッピングがそちらへ流れてしまう「ストロー現象」のせいです。若い人ほど都市部に定住するため、地方では子どもも減る一方です。

この映画の中では、コミュニケーション不足がさまざまな問題を引き起こしています。例えば精司とその嫁は、それぞれ自分の将来しか考えてなくて、相手のことを全く気づかいません。嫁はエステシャンの仕事中の会話も心がない感じです。あやしい水の販売は地方では定番なのでしょうか。

精司はタイパブで働くミャオと一緒にタイへ行くことを考えますが、ミャオは家族に送金するために日本国籍の取得すら考えています。もし精司が資産家か、まともに働いて稼いでる人なら、ミャオも喜んで付いていくでしょうけど、将来設計もなく夢を語るだけでは生きていけないですよね。

精司は、タイ人には納豆をすすめるのに、自分はパクチーは食べないことが物語るように、自分のことしか考えていません。コミュニケーション能力以前に、他人への想像力がとぼしすぎます。精司の嫁も猛もまひるも、みんな同様です。

ビンちゃんこと保坂は、かなりの楽観主義者で、この街で仕事がなくなったら、いつでもタイに行けばいいと考えてる気がします。彼のコミュニケーションにも心がない感じがします。マリファナ栽培してるため、ドラッグの効果かもしれませんが。

猛の元恋人のまひるも、コミュニケーション能力が低いです。相手の話を全く聞いてないのは、マウンティングの弊害なのか、ドラッグのせいなのか、現実を直視しないクセが転じてそうなったのかはわかりません。かなりイタイ人物です。美心会の3人よりもイタイです。

このように日本人の若者には、まともにコミュニケーションできる人が出てきません。それに対して、ブラジル人、タイ人、フィリピン人などは、家族でどの国へ行くか話し合ったり(答え出ないけど)します。日本人よりも緊迫感があるので、将来のことをよく考えています。

結末/ラストシーン

サウダージとは、ブラジル人のポルトガル語で、郷愁、憧憬、憧れ、追い求めてもかなわぬもの、などの意味があります。映画の中では「山王団地」をサウダーヂと聞き間違えるシーンがありましたが、うまく考えたものです。

この映画は良いテーマをあつかってるのに、なんか登場人物たちを好きになれず、同感すらできなくて残念でした。みんなコミュニケーションが不足しているだけでなく、自分のことしか考えてないことが多くの悲劇をまねいてる気がします。

特に猛は、HIPHOP仲間たちからも浮いてきて、ブラジル人グループの「スモールパーク」に人気も奪われてしまい、その怒りをどこへぶつければいいのか混乱したのでしょう。その結末が、デニスを刺して、笑顔で自首していくのですが、最後の笑顔は誰にも届いていません。

こんなに後味の悪い映画は久々でしたが、逆にそれが今後の日本の特に地方都市を象徴している気がしました。つまりコミュニケーションが足りず、自分のことでせいいっぱいの「地方都市」がやがては孤立し、誰にも相手されなくなるという結末です。

いろんな意味で実験的な映画だと思います。私はしっくりこなかったけど、映画レビューサイトでの評価は高いので、ぜひ一度は観ることを、おすすめします!DVD化してないので、劇場かBS/CS/有料ネット配信での上映を待つしかないのでしょうね。

他の映画はおすすめ映画ジャンル別も参考にしてください。

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ゆめぴょん(仮名・管理人/執筆/映画好き)
ゆめぴょん@ピクシーン
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