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映画『リリーのすべて』感想ネタバレ評価あらすじ/女性に目覚めた夫を愛する妻

更新
映画 リリーのすべて
タイトル/邦題 リリーのすべて
日本公開 2016.3.18 予告↓上映時間 120分
映倫区分日本 R15+(15歳以上)USA R
参考世界興行収入Wiki
製作国イギリス、アメリカ、ドイツ
原題/英題The Danish Girl
映画監督トム・フーパー
キャスト
出演者
エディ・レッドメイン、アリシア・ヴィキャンデル、ベン・ウィショー、マティアス・スーナールツ、セバスチャン・コッホ、アンバー・ハード
配給/製作(C)東宝東和、フォーカス・フィーチャーズ(USA)/ワーキング・タイトル・フィルムズ、プリティー・ピクチャーズ、アルテミス・プロダクションズ、リヴィジョン・ピクチャーズ、セネター・グローバル・プロダクションズ
世界興行収入0.6億US$
製作費約US$ 15,000,000(約17億円)
平均評価★★★★★73私の評価★★★★★62
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『リリーのすべて』あらすじ(ネタバレなし)

アカデミー賞受賞作。1926年、デンマークの首都コペンハーゲン。風景画家のアイナー・ヴェイナーは肖像画家で妻のゲルダに頼まれて、女性モデルの代役を勤めた時に、内在していた女性を意識した。ゲルダは面白がって夫をリリーとしてパーティーへ連れていくが、男性と親しくする姿を見て当惑する。やがてリリーとして過ごす時間が多くなり、ゲルダも受け入れていく。何人かの医師に精神病を告げられるが、性別適合手術を提案する者が現れ...(ネタバレあらすじ↓)

『リリーのすべて』予告動画

ネタバレあらすじや感想『リリーのすべて』考察・評価レビュー

この先はネタバレありのあらすじや感想/考察です。他の映画はおすすめ映画ジャンル別も参考にしてください。映画 リリーのすべて

★★★★★ 62点/100(60が平均)

『リリーのすべて』は、風景画家で良き夫でもあったアイナーが、妻ゲルダにより与えられたきっかけで自分の中の女性性に気づいてしまい、リリーとして生きることを決断していく、実話ベースのドラマ映画です。世界初の性転換手術の話でもあります。ゲルダの変化が見どころです。

この映画のおすすめ、8つのポイント

  • 昔のトランスジェンダーの苦悩
  • 夫が女性になっていく妻の葛藤
  • 女性になるにつれ男性を愛す姿
  • 妻ゲルダが応援していく流れ
  • 悩みの大きい方が画家で成功
  • 妻は愛すまま、夫は友情に変化
  • 世界初の性転換手術
  • ゲルダ、リリーの演技が見事

少し残念?つっこみどころ、4つのポイント

  • 実話を都合よく変えている
  • アイナーの心理がわかりづらい
  • リリーのゲルダへの態度が辛い
  • エンタメ性は薄い

『リリーのすべて』ネタバレあらすじや結末

1926年、デンマークの首都コペンハーゲンで、アイナー・ヴェイナーは風景画家として成功していましたが、妻ゲルダは肖像画家としては認められていませんでした。ある日、モデルが来なくてアイナーに女装させて描いてると、友人がリリーと名付けました

それ以来、アイナーは自分の中の女性に目覚めはじめます。最初は妻ゲルダも面白がって女装させて外出したり、リリーの絵を描いたりします。女装してパーティーに連れていくと、リリーは男性のヘンリク・サンダールに声をかけられ、キスして鼻血を出してしまいます。

ゲルダはついに当惑してケンカになります。しかしアイナーの女性への変化は加速していき、ヘンリクにも会いに行きます。ゲルダは夫を病院に連れていきますが、その当時の医学では精神病としか診断されません。

リリーをモデルにゲルダが描いた絵は高く評価されていきます。一方で、内在する葛藤が消えていくアイナーは、絵を描くことに興味がなくなります。やがて2人はパリに移り、ゲルダはアイナーの旧友ハンスに相談します。

ゲルダがハンスを連れて帰ると、アイナーではなくリリーが迎えてくれ、ハンスとの思い出話をはじめました。ハンスはアイナーのことを親身に考えてくれますが、ゲルダに恋心を抱き告白します。しかしゲルダは「私はまだアイナーの妻」と言い断ります。

アイナーはリリーに女装してる時間が長くなり、ゲルダに「夫と話したい」と言われても元に戻れず、ゲルダを悲しませます。まだゲルダを愛してるアイナーは、悩みながら中途半端な女装で公園を歩いてると、2人組にからまれて殴り倒されてしまいます。

ハンスがすすめる医師の何人かに診てもらいますが、やはり精神疾患とされます。しかしヴァルネクロス教授だけは、リリーの心情を理解した上で女性になる手術を提案します。そしてアイナーは男性ではなくなる手術を受けます。

ゲルダと共にデンマークに戻ったリリーは、デパートガールとして女性以上に女性らしく働きはじめます。やがて2回めの女性になるための危険な手術を受けるため、ゲルダの反対も聞かずにリリーはヴァルネクロス教授のもとへ戻ります。

2回めの手術後、リリーは危険な状態でしたが、彼女の願いを聞いて、ゲルダとハンスと3人で外へ出ます。リリーはゲルダの手を握りながら、亡くなります。後日、ゲルダとハンスは、ハンスがアイナーにキスしたヴァイレへ行きます。リリーから預かったスカーフが元気に空を舞いました。

『リリーのすべて』感想や印象的シーン

身近にはない話なので、感情移入はしにくいのですが、こういう貴重な体験を見れるのが映画の素晴らしさだと、あらためて実感しました。最後まで献身的だったゲルダは、妻としてもリリーの友人としても素晴らしい人物で、演じたアリシア・ヴィキャンデルがかわいすぎます。

最初、アイナーが出てきた時、とてもきれいで女性的な顔だと思いました。演じたエディ・レッドメインは珍しい顔だけど、女性的だと感じたことはないので、内に女性を秘めた演技をしていたのでしょうね。『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』では全く違う人に見えます。

そんなアイナーは最初から、ゲルダの女性服やストッキングを手に取った時、興味をもった顔つきをします。そしてゲルダのために女装してモデルになりきった時、閉じ込めていた感情にスイッチが入ってしまった瞬間が最も印象的なシーンでした。そのへんの表情変化は素晴らしいです。

ゲルダも変わり者なので、面白がって女装したアイナーを連れ出して、ますますリリーの覚醒を助長します。リリーの化粧や女装がだんだん上手になり、女性にしか見えなくなる様子は、計算してたにしても化粧するスタッフの技術の高さを表しています。

次に印象的だったのは、ゲルダに連れられ女装して行ったパーティーで、ヘンリク・サンダールという男性にキスされ鼻血を流したシーンです。この瞬間アイナーは女性として引き返せなくなったのでしょう。初潮や処女喪失のメタファー(隠喩)だと思います。

ヘンリクは後にリリーのことをアイナーと呼ぶので、この時点でも男だとわかってキスしたのでしょうね。そうだとすれば、心も体も男だけど、男性を恋愛対象とするゲイだということになります。

この当時はゲイも含めてLGBTにとっては生きづらい時代だったけど、悩んでた男女はもちろんいたと思います。男の体で生まれたけど、心は女で恋愛対象は男であるアイナー(トランスジェンダー)と、男だけど同性愛者(ゲイ)のヘンリクは、いずれ高い確率で出会えたのかもしれません。

昔のLGBTの生きづらさは映画『イミテーションゲーム』などでも描かれていますが、パーティー会場や貸衣装屋などでも、おそらく女装を見抜かれて多くの視線を集めます。アイナーが1人で公園を歩いている時に、2人組の男に暴行されたのも、そんな時勢を表してるのでしょう。

最終的にアイナーの女性化に賛成するゲルダですが、さすがにすぐには納得できません。男性として愛して結婚までしたのですから当然です。女装するアイナーに「夫であり続けてほしい」と言うと、「努力してみる」と返され、男に戻るつもりはないことが判明します。ゲルダはつらいですね。

ゲルダの立場で考えると、アイナーはいつまでも自分の夫で愛する対象です。でもアイナーはリリーになると、女性は恋愛対象ではないため、ゲルダを妻ではなく親友としてしか見れないのでしょう。だからゲルダに対する態度が、冷たく自己中にも感じてしまいます。

アイナーはリリーになるにつれ、内に秘めた葛藤が消えていき、それまで成功してた風景画家に興味を失います。一方で葛藤の増えたゲルダは、肖像画家として複雑なリリーを描くことにより評価を高めていきます。悩んだ者が良い作品を作るという、芸術家の皮肉を描いているのでしょうか。

アイナーは昔、ヴァイレでハンスにキスされたことを打ち明けますが、その瞬間に内なる女性を意識したことは間違いないと思います。その理由としては、ヴァイレの風景画を熱心に描いてただけでなく、ハンスとの再会時に女装してリリーになっていたことからも明らかです。

そのハンスにゲルダが頼る理由はよくわかりませんでしたが、ハンスはゲイやトランスジェンダーではなく、多くの人と同じような異性愛者だったので、魅力的なゲルダに恋するのは当然です。ゲルダは一度は断りますが、アイナーの死後はどうなったのでしょうか。

当時はLGBTの概念はまだ広まってなかったので、ほぼ全ての病院でアイナーは精神病と診断されます。それで途方にくれていたため、ヴァルネクロス教授が性別適合手術を提案した時には、リリーは初めての理解者として盲目的に信じたのだと思います。恋愛感情もあったかもしれません。

一方でゲルダは、先例のない手術をして実績を残したり、学術的な興味が優先してるようなヴァルネクロス教授を、どこか疑ったような印象はありました。それでも最後はアイナーの希望を優先することにします。

ラストは悲しい結末になりますが、かつては愛したゲルダと、自身の女性性に気づかせてくれたハンスに看取られながら、女性の心と体で死んでいけたリリーは幸せだった気もします。ヴァイレで元気に空を舞うスカーフは、そんなリリーの気持ちを表しているようでした。

テーマ的に家族や友人などと見るには向きませんが、性の不一致に悩む人についてや、夫がどう変わろうと愛し続ける妻の物語としては必見の価値ありなので、ぜひ1度は観ることをおすすめしたいです!

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ゆめぴょん(仮名・管理人/執筆/映画好き)
ゆめぴょん@ピクシーン
興行収入は毎週更新!2019新作48本/2018年190。驚き/社会性/感情動かす/多幸感/ストーリー重視。海外旅行135国
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