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映画『華麗なるギャツビー』評価は?ネタバレ感想考察

映画華麗なるギャツビー

『華麗なるギャツビー』あらすじ概要

アメリカの古典小説の再映画化。1920年代、ニューヨークへやってきた作家志望のニック・キャラウェイは、隣家の豪邸で毎夜豪華絢爛なパーティーを開く謎の大富豪ジェイ・ギャツビーから、彼の生い立ちを聞かされる。その豪邸の向こう岸には、ニックのいとこのデイジーが上流..(ネタバレ感想考察↓)

映画名/邦題 華麗なるギャツビー
日本興行収入11.3億円興行収入ランキング
世界興行収入3.5億USドル [出典]
製作費1.0億USドル
平均評価★★★★★70私の評価↓は含まず)
原題/英題The Great Gatsby
日本公開日 2013/6/14 [予告↓]上映時間 143分
映倫区分日本 G(年齢制限なし)USA PG-13
製作国アメリカ
映画監督バズ・ラーマン
キャスト
出演者
レオナルド・ディカプリオ、トビー・マグワイア、キャリー・マリガン、ジョエル・エドガートン、アイラ・フィッシャー
配給/製作/画像©Warner Bros. Pictures/Bazmark Films、Red Wagon Productions、Village Roadshow Pictures、A&Eテレビジョン

『華麗なるギャツビー』予告動画

ネタバレ感想『華麗なるギャツビー』解説や評価レビュー

この先はネタバレありの感想考察です。他の映画はおすすめ映画ジャンル別も参考にしてください。

私の評価 ★★★★★64/100(60が平均)[レビューサイト評価↑]

『華麗なるギャツビー』は、毎晩豪華なパーティーを開催する謎の大富豪ギャツビーが、向こう岸の豪邸に住むデイジーと恋に落ちるという、ラブストーリー・ドラマ映画です。ギャツビーの隠された秘密が明かされるにつれ、破滅の足音が聞こえてきそうです。

この映画のおすすめ、7つのポイント

  • 壮大な階級差ラブストーリー
  • 豪華な暮らしやパーティー
  • ギャツビーの登場シーン
  • 再会時や怒りのギャツビー
  • ギャツビーの秘密や過去
  • 女性の変わり身の早さ
  • 悲劇。最終的な勝者は誰?
映画華麗なるギャツビー

少し残念?つっこみどころ、3つのポイント

  • パーティーシーンなどが長い
  • 終盤からラストの歯切れの悪さ
  • 金持ち万歳?または悪役にした?

『華麗なるギャツビー』ネタバレ感想の総括

アメリカの古典小説を今ごろ映画化したものですが、現代風に言うと、華麗なるストーカーの金があるだけにこじらせた物語です。過去にはロバート・レッドフォード主演作もあるそうですが、ギャツビーはもとは貧乏だったことを考えれば、今回のレオナルド・ディカプリオの方があってる気がします。

この映画の見どころは、バブル時代のような当時のアメリカ上流階級の豪華絢爛たるパーティーシーンやお城のような豪邸、そして衣装などです。アカデミー賞でもそれらが評価されています。3Dとして撮影されたので、劇場公開の機会があればぜひ見に行ってみてください。

ストーリーはレオナルド・ディカプリオの過去作『タイタニック』『ロミオとジュリエット』と同様、悲劇的な恋物語ですが、ギャツビーの素性などが謎なのでサスペンス要素もあります。しかし結末の後味があまり良くないので、現代の映画版では変えてもよかったのではと思ってしまいました。

『華麗なるギャツビー』ネタバレ感想や印象的シーン

地方からニューヨークへ出てきた小説家志望のニック・キャラウェイ(トビー・マグワイア)は、ギャツビーの豪邸の隣に住むことになりますが、それはいとこデイジーの屋敷の正面近くでもあるということですよね。これは本人が意図したというより、物語的な都合だと感じました。

やがてギャツビーはニックをパーティーへ招待しますが、これもニックがデイジーのいとこだと知ったからだと思います。もしニックが現れなければ、ギャツビーはデイジーを誘うのに他の手段を用いる必要があったのです。そう考えると、傍観者であるニックとデイジーの関係が雑音になってしまいました。

ギャツビー邸の豪華なパーティーの様子は素晴らしいとしか言いようがないですね。こういう非日常的な光景をいとも簡単にのぞけるのも、映画の長所だと思っています。自分が誘われたなら、着ていく服がなくて尻込みしてしまいますが。。

しかしこれだけ毎晩パーティーが行われているのに、誰もギャツビー本人の顔を見たことないってのは、現実的はないと思うのですがどうなんでしょうか。ただそれゆえに、ギャツビー(レオナルド・ディカプリオ)の初登場での花火やあのドヤ笑顔が名シーンとして生きてきます

ギャツビーはもともと上流階級出身というわりには、あやしげな行動が多すぎて、ニックだけでなく視聴者も、ギャツビーが何かウソをついていると気づきます。わざとそう感じさせる作りにしてるのでしょう。

ギャツビーはもとは貧乏な農家の息子だったけど、ある日助けたお金持ちと親しくなり、彼の死後、彼の家族たちをだまして遺産を相続します。お金の使い方がうまくないため、すぐ資金は底をついて、戦争へ行くことになります。

戦争へ行っても、あるパーティーで両思いになったデイジー(キャリー・マリガン)のことを忘れられませんでした。しかしデイジーは親のすすめるトムとの結婚を断りきれなかったのです。結婚当日にギャツビーからの手紙を読んで、デイジーは泣きながら式を拒否したけど時すでに遅しでした。

そんな思い通りにいかなかった恋を再び花咲かせようと、戦争から戻ったギャツビーは、手段を選ばずビジネスで成功します。ギャツビーが金儲けした裏では泣いた人も多かったでしょうけど、その執念により大成功をおさめた姿は、当時のアメリカンドリームを体現してて、ニックも憧れた気がします

成り金となったギャツビーは、デイジーの住んでいる豪邸の対岸の真正面にお城のような大豪邸を築いて、彼女に興味をもってもらえるよう、毎晩のように豪華なパーティーを開催します。この遠回り感が「非モテをこじらせた成り金ストーカー」としてラノベにもできそうな題材だと感心しました。

そんなギャツビーがニックに頼んでついに、愛しのデイジーとのお茶会をセッティングしてもらいます。その再会までのギャツビーの動揺ぶりが、芝生や花やケーキや豪雨などの演出により、コメディ風でかわいくも見える、とても印象的な名シーンでした。

キャリー・マリガンが演じるデイジーはまさに小悪魔的で、彼女の言う「女性に必要なのは教養より愛嬌」にぴったりのキャラです。再会したギャツビーと2度めの恋に落ちます。夫トムとはうまくいってないので、いつか離婚してギャツビーと一緒になることもほのめかし、いわば保険をかけます。

デイジーの夫トム・ブキャナン(ジョエル・エドガートン)は根っからの上流階級者で、そうでない者を見下しています。だから成り金のギャツビーについても調査して、彼が健全ではないやり方で富豪になったことや、デイジーが不倫していることも知ります。そんな彼自身も浮気しています。

『華麗なるギャツビー』結末/ラストシーン

ギャツビーはなかなか自分のもとへ来ないデイジーにしびれを切らして、関係者を集めた席でついにトムに不倫の件を話します。そして「デイジーは君(トム)のことを愛したことはない」と極論というかギャツビーの一方的な希望を述べますが、デイジーには「彼のことも愛していたわ」と否定されます

結果的にデイジーのこの一言により、ギャツビーの心は穏やかを保てなくなります。その直後にトムの放った、血統の違いやギャングの隠れみのなど悪徳ビジネスに関する発言が決めてとなって、ついにギャツビーは「シャラープッ!!」とトムに殴りかかろうとします。これで一気にデイジーの心は冷めてしまいます。

ギャツビーがキレたのは、彼の出自が貧しい家だったからという見方もできますが、このような状況になったら上流階級でも同様にふるまっていたでしょう。むしろギャツビーがキレた理由は、自分の味方だと思ってたデイジーが、トムとも楽しく過ごしてたという事実を想像したからだと思います。

その後でトムがなぜ、デイジーをギャツビーと一緒に帰したのかわかりませんでしたが、おそらくもう勝負が決したと思ったのでしょう。帰り道はデイジーが運転します。その見覚えある車を見てトムが来たと勘違いしたトムの不倫相手が、車の前に飛び込んできてはねられて死んでしまいます。

その後を走ってきたトムは、不倫相手の夫にギャツビーが犯人だと言い、死んだ女性の不倫の相手もギャツビーだと思うように仕向けます。そしてトムは混乱するデイジーを連れて旅する支度をします。

ギャツビーも混乱してたのか、のんきにプールで泳ぎながら、デイジーからの電話を待ちます。そして鳴ったと思いきや、屋敷に侵入したトムの不倫相手の夫に、後ろから銃殺されてしまいます。ギャツビーは何が起こったか全くわからないうちに死んでしまったと思います。実行犯も自殺します。

結局鳴った電話は心配したニックからで、デイジーではなかったんですよね。マスコミは、ひき逃げ犯も不倫相手もギャツビーと報道し、不法ビジネスも暴かれてしまいます。それで葬式には、ニック以外の誰も来ませんでした。

ひどいのはデイジーで、全ての罪がギャツビーになすりつけられても沈黙して、葬式にも出ず、トムと一緒に旅行へ出かけてしまいます。まだ良心が痛む表情が見られるだけましです。今後も生き続ける自分の保身を考えると、当然の振る舞いかもしれませんが。

こんな結末では、上流階級で大金持ちのトムの1人勝ちなので、全く納得できないしストレスがたまるだけです。トムにとっては、自分の不倫相手とその夫と、デイジーの不倫相手のギャツビーがみんな死んでしまい、デイジーとこれまでどおり暮らすことができます。

デイジーが車でひき逃げした時に意味ありげに何度も出てきた「神の目の看板」は、全てを見ていたぞといわんばかりなのに、実際の犯人であるデイジーは神の目すらすり抜けて逃げきります。ギャツビーはビジネスでは大成功したけど、恋愛ではデイジーやトムに完敗で終わります。

ニックはギャツビーが主人公の小説を書きます。彼は作者であるF・スコット・フィッツジェラルドの投影なのでしょうか。ギャツビーに別れ際に言った「君の周りはクズばかりだ。君だけが価値がある」は、同じく上流階級ではないニックからしか出ない言葉だと思います。ラストでタイトルに「The Great」を付け足します。

少し古くささはありますが、3Dにも対応した豪華絢爛たる豪邸やパーティーや服装などは見る価値ありです。そしてギャツビーという夢を実現するためだけに生きた男の人生についても、ぜひ1度は観ることをおすすめしたいです!

他の映画はおすすめ映画ジャンル別も参考にしてください。

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