映画『グリンチ』評価は?ネタバレ感想考察あらすじ/孤独と愛の衝突?本物クリスマスプレゼント?

『グリンチ』あらすじ概要
ミニオンズのイルミネーション製作の心温まるファンタジー映画です。緑のグリンチは犬のマックスと太ったトナカイのフレッドと一緒に、楽しそうなスーの村からクリスマスを盗もうと計画するが...。計画は成功するのか?少女の優しい願いとは?(ネタバレあらすじ↓)
映画名/邦題 | グリンチ |
原題/英題 | The Grinch |
日本公開日 | 2018/12/14 [予告↓]上映時間 86分 |
映倫区分 | 日本 G(年齢制限なし)USA PG |
製作国 | アメリカ |
映画監督 | スコット・モシャー |
キャスト 出演者 | グリンチ:ベネディクト・カンバーバッチ(大泉洋)、シンディ・ルー:キャメロン・シーリー(横溝菜帆)、ラシダ・ジョーンズ(杏)、キーナン・トンプソン(秋山竜次)、ナレーター:ファレル・ウィリアムス(宮野真守) |
配給/製作/画像 | ©東宝東和/イルミネーション・エンターテインメント |
シリーズ/関連 | ミニオン/イルミネーション映画 |
日本興行収入 | 13.2億円(興行収入ランキング) |
世界興行収入 | 5.1億USドル [出典] |
製作費 | 0.8億USドル |
平均評価★★★★★66(私の評価↓は含まず)
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『グリンチ』予告動画
『グリンチ』ネタバレあらすじ
この先はネタバレありのあらすじです。続編前作や関連映画は、ミニオン/イルミネーション映画一覧もご参考に。
スーの村(スーヴィル)ではクリスマスが近づくにつれ楽しい雰囲気で満ちあふれています。一方、山奥で犬のマックスと1人孤独に暮らす緑色のグリンチ(声:ベネディクト・カンバーバッチ。日本語吹き替え:大泉洋)は、クリスマスが大嫌いです。
グリンチはスーの村での買い出し中に、元気な少女シンディ・ルー(キャメロン・シーリー。吹き替え:横溝菜帆)とぶつかり皮肉を言って去ります。隣人のブリクルバウム(ケナン・トンプソン(ロバート秋山竜次))は例年の3倍も祝うとはりきります。
グリンチがクリスマスを盗む方法とは?(ネタバレあらすじ)
グリンチは巨大なクリスマスツリーを破壊しようとするが失敗してライトアップし、逆に盛り上げてしまいます。グリンチは孤独だった子ども時代のトラウマから、村人の楽しいクリスマスを盗もうと思いつき、まずブリクルバウムの屋根のソリを盗みます。
グリンチは孤独な太ったトナカイのフレッドにソリをひかせようと計画するが、フレッドには妻子がいて家族のもとへ帰ります。クリスマスイブ当日、グリンチは犬のマックスにソリを引かせて、スーの村の家々の煙突から侵入してプレゼントを盗みまくります。
シンディルーのサンタクロースへの願いとは?(ネタバレあらすじ)
最後の一軒で、サンタクロースを捕まえようとするシンディ・ルーの罠にかかり「忙しすぎるママを楽にしたい」との願いを聞いて少し後ろめたくなるが、グリンチは村の全プレゼントをソリで運んで崖から落とそうとします。
スーの村では、サンタクロースに直接願いを言ったシンディルーが責任を感じてます。プレゼントを盗まれた村人は輪になり歌います。グリンチはハート3倍で改心しかけるが、全プレゼントは崖から落ちてしまい、グリンチは引っ張り上げようとするが...。
ネタバレ感想『グリンチ』解説や評価レビュー
この先はネタバレありの感想考察です。続編前作や関連映画は、ミニオン/イルミネーション映画一覧もご参考に。
イルミネーション作品や原作や過去の映画化について
ミニオンズのイルミネーション製作の、心温まるファミリー対象のファンタジー映画です。主人公が少しスネた悪役キャラなのは、怪盗グルー・ミニオンシリーズや『SING シング』とも共通しています。
最近のアニメ映画は、世界ではディズニーアニメとピクサー、日本ではスタジオジブリが高く評価されてますが、子どもと一緒に観れる映画はユニバーサルのイルミネーションが一番だと感じてます。
イルミネーション映画の特徴は、悪役の毒の強さやいたずらのレベルがディズニー映画と比べるとひどくて、最後まで直接的な救いが描かれないこともあるのですが、それを笑いに転じているのは上手いです。ミニオンも悪役の助手になるのが生きがいですからね。
もう1つの特徴として、ディズニー、ピクサーや過去のユニバーサルのアニメと比べても、イルミネーション作品のストーリーはシンプルで雑です。しかし社会派テーマやリアルを描こうとしない分、エンタメ性コメディ性は増して単純に楽しめるのが長所です。
グリンチの原作は、1957年のドクター・スースの児童文学『いじわるグリンチのクリスマス』(原題:How the Grinch Stole Christmas!)です。2000年に、ロン・ハワード監督、ジム・キャリー主演で実写映画『グリンチ』も公開されました。

日本語吹き替え声優について
本作は主役グリンチの声優を『ドクターストレンジ』のベネディクト・カンバーバッチが演じたことでも話題ですが、日本では残念ながら字幕版での上映は少ないです。でもこの独り言の多い難しい吹き替えを、大泉洋は違和感なく演じてます。
私が最も気に入った吹き替えは、シンディ・ルーを演じた横溝菜帆です。本物の子ども(子役)だと知って驚きです。似た声と似た話し方を過去にも聞いた気がしたのですが誰だったのでしょう。あとナレーターの是非はともかく、宮野真守の声はさすがです。
シンディ・ルーの母ドナの吹き替えは女優の杏、ブリクルバウムの吹き替えはお笑い芸人のロバート秋山竜次が演じてますが、それほど長く話すシーンはないため違和感はないです。本音を言うと全て声優を使ってほしかったけど、全体的に悪くはなかったです。
テーマは「クリスマスに孤独者を無視する社会」への批判?
グリンチが、スーの村からクリスマスを盗もうと決意した理由は、幼少時代に誰からもプレゼントをもらえず、一緒に笑いあえる家族もいなかったトラウマからです。もしその時から今までに、グリンチを孤独から救う人が現れてたら、この決意はなかったのです。
ただし、孤独なグリンチを救わなかったスーの村人たちだけが悪いわけではありません。勝手に1人で山奥にこもって、村人と一切関わろうとせず「自ら孤独を愛した」グリンチも悪いです。社会に関わらない人を突然ディナーに誘うなんてあり得ませんからね。
これは都市部などを中心に、親戚や近所の人と交流せずに暮らす人々への皮肉のようにも感じます。村社会のようなプライバシーのない生活も批判されるけど、全く人と関わらないと、グリンチのような犯罪を事前に抑止する存在も現れないのでしょう。
また、現代はSNSなどネットで何千人との交流も可能ですが、そんな人もスマホやPCを離れたリアルでは、1人で食事してたり、ネットで知り合った薄いつきあいの人とだけ飲み会してたりするのでグリンチ予備軍だらけです。
そういう点から本作のテーマは「面倒でも少しづつでも社会とつながりを持ちましょう。周囲に孤独な人を作らないよう寛容に受け入れる気持ちも持ちましょう」のように考えられます。私も都市に住んでるので改善は難しいけど肌ではそう感じます。
トナカイのフレッドはグリンチの投影?
最初グリンチは、ソリを引くためだけに太っちょトナカイのフレッドを家へ連れ帰りますが、一緒に食事したり、一緒のベッドで寝たりするうちに愛情がわいていきます。特にベッドで寝る時、最初は迷惑そうだったグリンチの顔が少しだけ笑顔になります。
緑色で人間からはみ出してるグリンチは、太りすぎて仲間からはみ出し者のトナカイを、似た者同士として自分と重ね合わせたように感じます。それなのにフレッドが家族のもとへ戻ったため、よけい誰も信じられなくなりクリスマスを盗む計画を決行しました。
グリンチの隣人ブリクルバウムも毛むくじゃらの異質な顔をしているので、グリンチが仲良くしていた時期があったかもしれません。しかし家族に囲まれてるブリクルバウムを見て、グリンチの方から離れたのではないかと深読みしてしまいます。
グリンチを改心させたのはシンディルーの優しさ?
グリンチはシンディ・ルーの「いつも忙しい母親を楽にしてあげたい」との優しい願いを聞いて、少し動揺します。そして盗んだクリスマス・プレゼントを全て崖から落とそうとした時、シンディ・ルーが自分のせいにして泣くのを見てさらに後ろめたく感じます。
プレゼントが崖から落ちるのを支えた時、トナカイのフレッドとその家族や犬のマックスも手伝ってくれたので、生まれて初めて「自分は1人で生きてるわけじゃない」と気付かさハートが3倍になったのだと思います。「例年の3倍のクリスマス」が伏線でした。
そういう意味では、グリンチの改心のきっかけを作ったのは少女シンディ・ルーだけど、それを実現させたのは「最も身近な存在による愛情と優しさ」です。つまり、犬のマックスや一緒に寝たトナカイのフレッドたちの愛情と優しさです。
結末とエンドロールでのほっこりできるオマケ
孤独だったグリンチはシンディ・ルーの家族のクリスマス・ディナーに招待されて、めでたしめだしとなります。エンドロールでは、グリンチやシンディ・ルーのその後も少し描かれますが、グリンチの発明のおかげでママのドナは家事がかなり楽になります。
シンディ・ルーがサンタクロースを捕まえてお願いした内容が放置されず、良いエンディングだと感じます。でもできれば、シンディ・ルーが成長したら神だのみではなく、自らママのお手伝いなどをしてあげればいいのになと期待します。
同時上映の『ミニオンのミニミニ脱走』と総括
『ミニオンのミニミニ脱走』は、語るほどのストーリーもないショートムービーですが、本編『グリンチ』の鑑賞をジャマしないのでこれくらいでいいと思います。『グリンチ』がミニオンと同じイルミネーション作品ってこともアピールできますし。
『グリンチ』をラストまで見て気になった点は、プレゼントを盗んだグリンチが全く罰を受けないどころか、あっさり孤独から解放されてしまうのが少し子どもだましに感じました。グリンチが罪をつぐなった後で、自ら社会へとけ込んでいく姿が見たかったです。
それでも本作は原作があるからか、今までのイルミネーション作品と比べるとアラやツッコミどころは少なめで、とても良い話をおもしろおかしく、最高のアニメーション技術で見せてくれます。家族で観れる新しいクリスマス映画としておすすめしたいです!
続編前作や関連映画は、ミニオン/イルミネーション映画一覧もご参考に。
『グリンチ』シリーズ順番・映画ランキングや映画賞

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