映画『怪物の木こり』ネタバレ感想解説/結末は?真犯人の正体と動機は?絵本の謎?
『怪物の木こり』あらすじ概要
絵本『怪物の木こり』の怪物を模倣した連続猟奇殺人事件が発生し、サイコパスな弁護士の二宮彰もねらわれます。警視庁、外科医、容疑者らクセある人物がからみあう中、次の犠牲者が…。なぜ脳を奪う?なぜ二宮?(ネタバレ感想考察↓)
映画名/邦題 | 怪物の木こり |
日本興行収入 | 3.3億円(興行収入ランキング) |
平均評価★★★★★69(私の評価↓は含まず) | |
シリーズ/関連 | サスペンス/ミステリ映画 |
日本公開日 | 2023/12/1 [予告↓]上映時間 118分 |
映倫区分 | 日本 PG12(小学生指導必要) |
映画監督 | 三池崇史 [キャスト↓] |
配給/製作/画像 | ©ワーナー・ブラザース映画/OLM、楽映舎 |
参考/出典 | 公式サイトWiki |
『怪物の木こり』予告動画
キャラ ランキング(キャスト/出演者/吹替声優)
個人的なキャラクターランキングです。
※キャラクター名(キャスト/出演者)
- 1位杉谷九郎(染谷将太)サイコパス?な外科医。二宮の友人
- 2位戸城嵐子(菜々緒)冷静な警視庁のプロファイラー
- 3位二宮彰(亀梨和也)サイコパスな弁護士
- 4位剣持武士(中村獅童)乾警部が関わった事件の関係者
- 5位乾登人(渋川清彦)警視庁捜査一課だったが、数年前の事件で所轄へ
- 6位荷見映美(吉岡里帆)二宮の婚約者。父による政略結婚に従う
- 7位東間翠(柚希礼音)ある研究のため実験を行う脳外科医
ネタバレ感想『怪物の木こり』解説や評価レビュー
この先はネタバレありの感想考察です。続編前作や関連映画は、サスペンス/ミステリ映画一覧もご参考に。
原作は小説?監督やキャストについて
映画『怪物の木こり』の原作は、倉井眉介による2019年の同名スリラー小説です。「このミステリーがすごい!」大賞を受賞。
監督の三池崇史は、最近は『初恋』『土竜の唄 FINAL』『妖怪大戦争 ガーディアンズ』等を監督。
主演の亀梨和也は『事故物件 恐い間取り』『ジョーカー・ゲーム』等、菜々緒は『マスカレードホテル』『劇場版TOKYO MER』等、吉岡里帆は『ホリック xxxHOLiC』『ハケンアニメ!』等に最近出演。
他、柚希礼音、渋川清彦、染谷将太、中村獅童、みのすけ等も出演。
昔の事件の概要は?連続殺人の共通点は?
冒頭、マッド脳外科医の東間夫婦が、誘拐した子供達の脳をいじり実験体としてる現場に警察が踏み込みます。妻は自殺し、逮捕された夫も獄中死。絵本『怪物の木こり』を模倣したような事件で、手術された子どもが絵本を読んでます。
有能な弁護士の二宮彰(亀梨和也)は、怪物マスクに斧で襲われ、脳を負傷して入院。二宮は裏では殺人もいとわず、友人の外科医の杉谷(染谷将太)に隠蔽をまかせてます。杉谷は患者に人体実験を行い、2人とも典型的なサイコパス。
二宮は医師から「脳チップ」を埋め込まれてることを、初めて聞かされます。杉谷によると「倫理・共感」を司る部位とのこと。その頃、脳を盗む連続殺人事件が発生し、被害者は児童養護施設の出身者という共通点が。二宮も施設出身者です。
一方、警視庁のプロファイラー戸城(菜々緒)は、犯人像にせまりながらも、3人目の被害者を出してしまいます。相棒の乾(渋川清彦)は捜査一課時代に、容疑者の剣持(中村獅童)を殴ってしまい所轄勤務になったそうです。
以上が序盤あらすじ。登場人物のほとんどが「サイコパス」で、犯人探しが面白くなりそうな導入部です。特に二宮や杉谷の悪事を早々に明らかにしたのは驚きました。サイコパスというより、完全に「殺人鬼」ですね。
そしてミステリの謎の1つにもなりそうな「脳チップ」の存在も序盤で明かされます。これにより「脳泥棒」の動機に気づいた人も多いでしょうね。そして「倫理観が欠落してる『サイコパス』」が重要なテーマの1つであることも想像できます。
脳を奪う理由は?脳チップの機能とは?
脳チップは、不自由な手足を動かすため開発され、その後犯罪者などに埋め込まれたが30年以上前に廃止。プロファイラー戸城は、違法捜査で二宮のカルテを見て「脳泥棒」犯人の目的が「脳チップ」を奪うためだと気づきます。
二宮は、弁護士事務所を乗っ取るため、婚約者の荷見映美(吉岡里帆)の父も殺害したほどのサイコパスでしたが、脳チップ破損後は、少しずつ共感性が芽生えてきました。それをおそれた共犯者の杉谷は、怪物マスクをかぶり襲うがバレます。
二宮は映美のことを愛おしく感じてきて、一緒に自分が過ごした施設へ。二宮の両親は不明だが、たまに電話で性格テストされたことを知ります。その後、映美が誘拐され、二宮はかつての東間夫妻の研究室へ呼び出されます。
以上が中盤あらすじ。殺人犯が脳泥棒する理由が判明しますが、序盤で脳チップの存在が明かされたため意外性は感じずやや残念な構成。二宮の脳チップが破損しサイコパス性が薄れていく過程も、もっとわかりやすく描写した方がよかったかも。
杉谷が怪物マスクかぶって襲ってきたシーンも雑音でした。施設へ行った収穫もいまいち。導入部がよかっただけに、この中盤以降の展開や演出の稚拙さが目立ち、全体的には薄くボヤケた物語になってます。
結末は?真犯人の正体と動機とは?主役の生死は?
一方、行方不明となった乾警部が殺人犯の特徴に近いことから、戸城や警察が自宅へ踏み込むが見当違いでした。映美を救いに行った二宮は、怪物マスクの罠で負傷。真犯人の正体は剣持(中村獅童)と判明。
20年前の東間夫妻の実験の目的は、自分の息子のサイコパス気質を治療するためでした。サイコパスにする脳チップを開発し、人体実験で多くの子どもを犠牲にしながらサイコパス治療法を研究。二宮と剣持は、実験体の生存者でした。
数年前、剣持は乾に殴られた時にチップが破損し、妻の殺害を悔やみ、チップを埋め込まれたサイコパス達を殺害しはじめました。剣持は、施設時代に二宮を逃がそうとして失敗したことを謝罪し、もう疲れたと周りに火をつけ自害。
その後、二宮の弁護士事務所へプロファイラー戸城が来て、必ず逮捕すると言い去ります。二宮は、婚約者の映美に父殺害の件をわびるが、映美に脇腹を刺されます。二宮は映美を逃した後に絶命…
以上がラスト結末までのネタバレありあらすじです。乾警部を真犯人と疑うシーンは不要でした。そこに警察が集まったのは本当に無能。容疑者が少なすぎるので、真犯人の正体もそれほど意外性はなかったですね。
東間夫妻が人体実験してた理由も納得感は薄いです。そもそも10人以上の子どもを殺害した夫妻じたいがサイコパスだし、サイコパスは犯罪ではないので治療する必要もないのでは?マッドサイエンティストだから常識は通用しないのでしょうが。
剣持がサイコパス達を連続殺人してた理由も薄いです。殺す必要はなくて、気絶させて脳チップを取り出せばいいのでは?手術方法のメモも持ってたようだし。
父親を殺害したことがバレたのに、映美と抱きあう二宮の心理も理解できなかったし、二宮を刺した映美の行動も不自然。普通なら警察に通報するでしょう。と、終盤はツッコミどころだらけ。脚本がうまくいってない感じですね…
映画『怪物の木こり』ネタバレ感想と私の評価
このミス大賞作の映画化ということで、原作未読だがミステリ好きなので観賞。過去の事件、絵本、クセありキャラとサイコパスの渋滞など、序盤はかなり期待させられました。
しかし中盤以降は、ミステリ邦画の悪い点が目立ってきて、ミステリ的にもスリラー的にも中途半端で焦点が定まらず、強引な展開だけで最後まで押し切られた感じで消化不良。おそらく原作小説を読んだ方がよさそう。
それでも、クセある俳優女優人による「サイコパス芸」は見もので、亀梨和也、染谷将太、菜々緒、中村獅童、渋川清彦などの演技合戦は貴重ですね。ミステリ好きじゃない人も、そんなサイコパス芸を見るために観賞するのはありかも。
続編前作や関連映画は、サスペンス/ミステリ映画一覧もご参考に。
『怪物の木こり』シリーズ順番・映画ランキングや映画賞
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