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映画『あの人が消えた』考察ネタバレ感想/ラスト結末や真相は?タイトル回収が見事!

あの人が消えた 映画/ドラマ

配達員の丸子は「人が消える」と噂のマンションで住人の秘密を知り、小説家志望の先輩に相談。真相を探る2人は大事件に巻きこまれ…(ネタバレ感想あらすじ↓)

映画名/邦題あの人が消えた
日本公開日2024/9/20 [予告] 上映時間:104分
監督・キャスト水野格[キャスト
配給/製作
(画像出典)
TOHO NEXT/日テレアックスオン、ダブ
日本興行収入2.2億円(興行収入ランキング
平均評価
平均:100換算
(興収・評価: 2024.10.8更新)
75私の評価は含まず)
シリーズ
関連作品
ミステリ/サスペンス映画一覧
参考・出典公式サイトWiki映画館

キャラ・ランキング(キャスト/出演者)

個人的なキャラクターランキングです。
※キャラクター名(キャスト/出演者/声優)

  1. 丸子/まるこ(高橋文哉)若い配達員。WEB小説作家コミヤチヒロのファンに
  2. 島崎(染谷将太)302号室の住人。挙動不審な男
  3. 小宮(北香那)205号室の住人。WEB小説作家と同名だが…
  4. 荒川(田中圭)丸子の面倒見のいい先輩。小説家志望
  5. 長谷部(坂井真紀)301号室の住人。おしゃべり女性
  6. 巻坂(中村倫也)201号室の住人。まともに見えるがゴミの分別を守らない
  7. 沼田(袴田吉彦)303号室の住人。引っ越し先を探している男
  8. 寺田(菊地凛子)警視庁の捜査官
  9. 梅沢富美男: 本人役で出演
  10. 流川翼(金澤美穂)203号室の住人

ネタバレ感想『あの人が消えた』解説と評価

以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!

『あの人が消えた』映画オリジナル?監督/キャストは?

映画『あの人が消えた』は、監督・脚本の水野格による映画オリジナルのミステリー映画です。水野格はテレビドラマ『ブラッシュアップライフ』を監督して注目されました。

主演の高橋文哉は『交換ウソ日記』『ブルーピリオド』等、田中圭は『あなたの番です 劇場版』『女子高生に殺されたい』等に最近出演。

他、北香那、染谷将太、中村倫也、坂井真紀、袴田吉彦、菊地凛子などが出演。

次々と人が消えるマンションとは?噂は本当?

「次々と人が消えるマンション」という表現は、中盤で丸子が通報した交番の警官が発言したのみです。冒頭で消えた住人女性はまだ発見されてない状況で、雑談好きの長谷部も語ってないのでウワサになってません。真相隠しの宣伝文句ですね。

警官がその言葉を発した理由は明かされませんが、島田(染谷将太)のお笑い芸人企画を調べもせずに本気で信じたのでしょうか。すぐバレるので公安警察だと名乗ったシーンは、小宮の作り話だと思います。

たとえ人が消えるアパートでも、配達員の丸子があそこまで踏み込んでいいはずはなく、その部分が最もノイズでした。上司に「次トラブルしたら解雇」とパワハラ風におどされるが、確かに仕事より調査優先なので上司の方が正しそう。

コミヤチヒロのファンとはいえ、小宮の容姿がタイプだったのは明白で、かわいい人を守りたい気持ちで仕事をないがしろにした部分はあったはず。そんな不順さにモヤモヤ感は残るが、最後に引き返せないしっぺ返しをくらうので同情に変わりますが…

真相1:あやしい島崎と小宮の正体は?

沼田(袴田吉彦)から「島崎が大声でもめてて血まみれの女もいた」、巻坂(中村倫也)から「島崎が気絶した小宮を部屋に運んでた」、長谷部(坂井真紀)から「島崎はベランダで血痕まみれで喫煙してた」と聞いた丸子は、島崎を追って小宮の部屋へ。

数分後、丸子のことが気になった先輩・荒川(田中圭)も来て、小宮と島崎から事情を聞きます。小宮によると2人は公安警察で、選挙妨害を計画する爆破犯が潜伏中のこのアパートに住みこみで捜査してるとのこと。

小宮こと「須藤/すどう」と島崎こと「別府/べっぷ」は公安上司の「寺田/てらだ」の指示で潜伏中。丸子が落したメモを携帯番号と思いかけた先の「梅沢富美男/うめざわとみお」は無関係で、警官の「相馬/そうま」には公安だと話したと。真犯人は巻坂だったそう。

巻坂は可燃ごみに金属などを混ぜて捨ててたが、それを仲間が回収して別の場所で爆弾として組み立ててたそうです。その現場をおさえた小宮が一斉逮捕。別府は巻坂を逮捕して爆弾事件は発生前に解決できたそうです。

島崎はともかく小宮が全く公安警察に見えないと思ったが、演技力のせいではなく後述の真相につながるから問題なし。梅沢富美男は、本物の俳優が本人役で出演。公安が配達員に話す内容ではないし、島崎が英国MI6に出入りしてたとか苦笑したがすぐ後に感心に変わります。

この部分の章題は「須藤と別府、寺田と梅沢、そして相馬」みたいな意味深ですが、これ見た時点で真相に近づけた人はいると思います。スパイ転生のトリックの伏線回収に気づけた人なら。あの人が消えた 映画/ドラマ

真相2: 本当の2人の正体とは?

公安警察2人により事件は解決と聞いた丸子は、ふと部屋の書籍棚をながめ「須藤や別府」の文字を見つけます。丸子はコミヤチヒロ名義のWEB小説「スパイ転生!」の最新回のトリック「登場人物たちの頭文字が解決の鍵」を先輩に話してました。

小宮の話の登場文物の頭文字「す・べ・て・う・そ」に気づいた丸子は物を落して先輩・荒川に警告し、丸子がファイルを投げたタイミングで、テーブル下でナイフを小宮に突きつけてる島崎を荒川がおさえ警察を呼んで一件落着。

島崎の正体は連続殺人犯小宮の正体はWEB小説家コミヤチヒロで、島崎におどされて部屋に監禁され、アパートで3人目の犠牲者になる寸前でした。

真相3: 2人目の犠牲者の正体は?タイトルの意味は?

先輩・荒川と丸子は警察に現場で聴取されます。アパートの女性住人「流川翼」が行方不明になってたが、島崎が流川の部屋で殺害したのが判明。2人目の小宮が無事だったのに、警察は「連続殺人事件」と発言。

2人目の犠牲者は小宮の部屋の浴槽にいるとのことで、丸子がのぞくと……なんと丸子本人!真相は、丸子はこの部屋に入ってすぐ隠れてた島崎に殺害されてたのです。それ以降の会話は死んだことを受け入れられない丸子が地縛霊として聞いてたのです。

島崎を捕まえるため、物を落して先輩の気を引いたり、ファイルを投げたりしたのは心霊現象でした。そして小宮と本のタイトルの頭文字で会話し、最後は「さ・よ・な・ら」と成仏していきます。

その瞬間、タイトルの「あの人が消えた」が。とても見事なタイトル回収です!

真相4: 住人の頭文字が全てを予言してた?

そもそも丸子が関わったアパート住人の順番に頭文字をならべると、丸子のその後を表していました。

ごみ分別しない「巻坂/まきさか」、不在の「流川/るかわ」、推し作家?の「小宮/こみや」、おしゃべりな「長谷部/はせべ」、あやしい雰囲気の「島崎/しまざき」、引っ越し先を探し中の「沼田/ぬまた」の順。

彼らの頭文字は「ま・る・こ・は・し・ぬ」=「丸子は死ぬ」となり、かなり序盤に丸子の行く末は明示されてたことになります。パズル的なので物語とは関係ないけど、ミステリーのトリックとしては面白いし好きな演出です。

エンドロール後、丸子の行き先は?本名の意味は衝撃?

成仏した丸子はS級スパイの丸子夢久郎に転生し悪役令嬢を守るミッションに挑みます。それはまさに、丸子がコメントで応援したWEB小説家コミヤチヒロの話題作『スパイ転生!』と同じ設定です。

生前、丸子は小説家志望の先輩に「死んだ後は、あんな人生を歩みたい」と話してたので、夢が実現したようですね!

ちなみに本名の丸子夢久郎の意味は、映画『シックス・センス』主人公マルコム・クロウからだと思います。くわしい理由は『シックス・センス』のネタバレになるので書きませんが、ラストが衝撃の映画の代名詞なのでまだの人はぜひ観てほしい。

蛇足的な展開だが、全体がライトノベルぽいノリではあるので、エンドロール後の最後の最後まで楽しませてくれる演出としてハマってると思うし個人的にも好み♪

映画『あの人が消えた』ネタバレ感想と私の評価

観たい洋画がないのであまり期待せず観た、という消極的な選び方で初日に映画館で鑑賞。内容も陣容もミニシアター系ぽいのにシネコンで大丈夫?と大変失礼なことも考えながら観たが、なんと見事に心つかまれてしまいました!♪

邦画ミステリーには期待してなかったが見事だったと『夏目アラタの結婚』の時も書いたが、映画『あの人が消えた』のどんでん返しの連続や、予想できなかった展開はそれ以上。なめてたが、いい意味で裏切られました。

作中作『スパイ転生!』の書評として丸子が「よくある設定やネタの連続だが、うまく再利用してる」みたいなことを言うが、まさに本作の書評としても当てはまります。ある意味、登場人物が自分の出演作を評するメタ構造にもなってて「デッドプール」のように第4の壁を超えてます。

同時期公開の『ラストマイル』でも物流についての社会問題が描かれてて必見ですが、本作ではそんな社会性には一切焦点を当てず、完全にエンタメとして描いてるのでかなりライトで好みはわかれそう。

演出や撮影は多少安っぽさも感じたが、出演者が演技でカバー。特に染谷将太、田中圭は役に応じた素晴らしさ。高橋文哉、北香那は一瞬違和感があったが、後に公安じゃなかったり死後だったりが判明すると適役だったと脱帽です。

脚本は稚拙さはあるがラストまで観ると大好きな部類。真相2までは大まか予想できたが、最後にあのトリックまで使ってくるとは驚き。面白いミステリー映画を作りたい!という気概が伝わってきて創作者として信頼でき次作も楽しみ♪

ドラマ『ブラッシュアップライフ』は面白いがコントぽさが気になりそこそこだったが、本作『あの人が消えた』はミステリー映画としてもとても楽しめるし、人にすすめたくなる作品です!

私の評価 75/100(60が平均)

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