ハガレン実写3『鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成』感想ネタバレ解説考察/結末は?国の陰謀とは?お父様の正体は?
『鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー』の続編(後編)。危機を脱したエド達は、父の顔した謎の男に遭遇。一方、国家と軍の陰謀を阻止するため、大佐やシン皇子らも立ち向かうのだが…。約束の日とは?父親の過去とは?(ネタバレ感想あらすじ↓)
映画名/邦題 | 鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成 |
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日本公開日 | 2022/6/24 [予告] 上映時間:142分 |
監督・キャスト | 曽利文彦[キャスト] |
映倫区分 | 日本:G(年齢制限なし) |
配給/製作 (画像出典) | ワーナー・ブラザース/OXYBOT |
日本興行収入 | 2.4億円 (興行収入ランキング) |
平均評価 平均:100換算 | 61(私の評価は含まず) |
シリーズ 関連作品 | マンガ実写化一覧 前作『鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー』2.8億 |
キャラ・ランキング(キャスト/出演者)
個人的なキャラクターランキングです。
※キャラクター名(キャスト/出演者/声優)
- ヴァン・ホーエンハイム(内野聖陽)エドとアルの父。「お父様」と同じ顔だが…
- キング・ブラッドレイ(舘ひろし)アメストリス国軍の大総統だが…。片目は眼帯。ホムンクルス憤怒のラース
- エドワード・エルリック(山田涼介)国家錬金術師。右腕と左足がオートメイルの「鋼の錬金術師」
- お父様(内野聖陽)ホーエンハイムと同じ顔。全ホムンクルスを生んだ謎の男…
- ロイ・マスタング(ディーン・フジオカ)アメストリス国軍大佐。炎をくり出す「焔の錬金術師」
- スカー(新田真剣佑)傷の男。国家錬金術師を憎む復讐者。イシュヴァールの民
- リン・ヤオ(渡邊圭祐)東の大国シン国の第十二皇子。不老不死を求めてアメストリスへ
- アルフォンス・エルリック(水石亜飛夢)エドの弟。エドが右腕を犠牲に魂だけを鎧に定着
- ランファン(黒島結菜)リン・ヤオの腹心
- エンヴィー(本郷奏多)「嫉妬」のホムンクルス。変身能力
- イズミ・カーティス(遼河はるひ)エルリック兄弟の師匠
- セリム・ブラッドレイ(寺田心)大総統の養子だが…
- オリヴィエ・ミラ・アームストロング(栗山千明)アメストリス国軍少将「ブリッグズの北壁」。アレックスの姉
- メイ・チャン(ロン・モンロウ)東の大国シン国の王位継承候補者。スカーに近づく
- ウィンリィ・ロックベル(本田翼)オートメイル技師。エドとアルの幼なじみ
- リザ・ホークアイ(蓮佛美沙子)マスタング腹心の中尉。正確な射撃手「鷹の目」
- グラトニー(内山信二)「暴食」のホムンクルス
- アレックス・ルイ・アームストロング(山本耕史)アメストリス国軍少佐「豪腕の錬金術師」
- トリシャ・エルリック(仲間由紀恵)エドとアルの亡き母親。ホーエンハイムの妻
ネタバレ感想『鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成』解説と評価
以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!
ハガレン3部作完結?前作までネタバレあらすじ
映画『鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成』は、荒川弘の漫画『鋼の錬金術師』通称ハガレンを原作とする実写映画3部作の3作目。『鋼の錬金術師』『鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー』の続編かつ後編。
亡き母の「人体錬成」に失敗し、兄エドは右腕と左足をオートメイル化、弟アルは体をなくしエドにより魂だけを鎧に定着。アルの体を戻すため「賢者の石」を探すエドは、それが「多くの人命から生成」されたと知ります。
エドとアルは傷の男スカーに敗北。父ホーエンハイムと再会後、エドはクセルクセス遺跡へ。シン国の第十二皇子リン・ヤオと組み、エド達はスカーと戦うが、両親のかたきと知り銃を向けたウィンリィを止めたすきに、スカーは逃亡。
父ホーエンハイムと再会達は、キングブラッドレイ大総統に圧倒され、ランファンが左腕を犠牲にして逃げ切ります。リンは大総統もホムンクルスと確信。スカーは、大総統が殲滅を指示したイシュヴァールの民の生き残りです。
エドが捕らえたスカーに、ウィンリィは「両親を殺害された理不尽はゆるせないが復讐はしない」と。グラトニーに喰われ「不完全な真理の中」でエド、リンヤオは、怪獣化エンヴィーと戦うことに。スカーは逃亡。
国家の陰謀とは?グラトニーからの脱出方法?
前作ラストで、暴食グラトニーに喰われたエド(山田涼介)は、リン・ヤオと、怪獣化した「嫉妬」エンヴィーと戦闘中、クセルクセス遺跡からヒントを得ます。エンヴィーも説得し、人体錬成で体を外に再構築しグラトニーから脱出。
その時、グラトニーは鎧のアルフォンスと共に地下の「お父様」の所にいました。お父様は、エドとアルの父ヴァン・ホーエンハイムと同じ顔形ですが、全ホムンクルスを生んだ元凶です。その場では錬金術が発動せずエド達はピンチ。
リンは合意の上で「賢者の石」の集合体であるホムンクルス「強欲」グリードを注入され、以降はリンとグリードの精神が体の取りあいに。傷の男スカーとメイ・チャンが現れ、錬丹術は発動したため一同はお父様からの逃亡に成功。
スカーの兄が残した研究書をメイ・チャンが解読し「アメストリス国の全体が人体錬成の国土錬成陣」であることをつきとめます。イシュヴァールに続く最後の「血の門」を築かせないため、エドは北端ブリッグスへ向かいます。
以上が序盤あらすじ。原作ファンとしては、この1話だけで完結するの?と疑いましたが、冒頭からものすごい情報量とスピード感で「制作陣のやる気」を感じました。ただ、原作もアニメも知らない人がついてこれるのかは不安。
「嫉妬のホムンクルス」エンヴィーの怪獣化と「怠惰のホムンクルス」スロウスのCGはさすがに貧弱でしたが、日本映画としてはがんばった方でしょうか。家で観るなら違和感ないかも。予算のせいか暗いシーンが多すぎなのも残念。
「錬金術」は使えないが「錬丹術」は使える点についての説明はなかった?けど、その成立と性質の違いは前作でもほぼふれてないのでスルーの方向でしょうね。ただ、終盤の戦闘も含めてもう少し効果的に錬丹術を見せてほしかったかも。
父ホーエンハイムの正体と衝撃の過去とは?
北部ブリッグズで、エドはアレックスの姉オリヴィエ少将(栗山千明)に事情を告げます。「怠惰のホムンクルス」スロウスが、築いた地下坑道(国土錬成陣)から出現するが、ブリッグズ兵とオリヴィエが動きを止めます。
しかし計画されたように北方ドラクマ国が攻めてき、セントラルからのレイブン中将がスロウスも復活させて実権を掌握。レイブンは、ウィンリィも同行させてエドに圧力をかけます。オリヴィエは大総統にとりいりセントラル幹部に。
マスタング大佐(ディーン・フジオカ)は、セントラルの全幹部が「永遠の命」を欲してホムンクルス側であることをつきとめるが「憤怒のホムンクルス」ラースこと大総統にとっては「人柱」なので生かされます。
メイは国土錬成陣を阻止する「裏錬成陣」に気づき、スカーは準備の旅へ。アルは父から衝撃の過去を聞きます。奴隷23号は『フラスコの中の小人』に血を与えたことで「ホーエンハイムの名と50万人分の永遠の命」を授かりました。古代クセルクセス王国の全国民の命と引き換えに。
ブリッグズ描写はかなり削られてて、原作では魅力的だったオリヴィエの活躍も少なくて、栗山千明の無駄使い。衝撃的なホーエンハイムの過去もあっさり語られたけど映像で見せられると、原作ストーリーの傑作ぶりをあらためて実感。
キング・ブラッドレイ大総統が、人柱とはいえマスタングを自由にしたり、オリヴィエを幹部にしたのは、後の展開から考えると大失敗ですね。人間を見下したホムンクルスの余裕でしょうけど「人間」に情を抱いてた面もありそう。
お父様の正体は?大総統と養子セリムは何者?
お父様の正体は、元「フラスコの中の小人」です。クセルクセス王国の錬金術師が錬成し、奴隷23号が血を与えたことで強大に成長し、100万人の人命を犠牲にした「賢者の石」でホーエンハイムと同じ肉体を手に入れました。
さらには「地球」を生命体とする「真理の扉」を開き「神」を取りこむため、自らの7つの感情(七つの大罪=傲慢/色欲/強欲/嫉妬/怠惰/暴食/憤怒)を、賢者の石を持つホムンクルスとして切り離して「約束の日」の準備を進めました。
キング・ブラッドレイ大総統は最後に作られた「憤怒のホムンクルス」ラースだが、幼少期から鍛えられた人間に賢者の石を注入した「人間ベース」です。リン・ヤオが「強欲のホムンクルス」化したグリードも同様に人間ベース。
そして大総統の養子セリム(寺田心)の正体は、最初に作られた「傲慢のホムンクルス」プライド。幼い子どもを「容れ物」にしてるが、全ホムンクルスの兄かつリーダーです。影をあやつり攻撃。
原作では圧倒的な戦闘力と残酷性を見せつけたプライドだが、本作『鋼の錬金術師3』では、ホーエンハイムの錬成陣にアルと閉じこめられたり、エドにわりとあっさり倒されたりと「いいとこなし」で残念キャラで終わりました。
「フラスコの中の小人」の本当の正体は、原作も含めて最後まで不明。「真理の扉」の先の黒いモヤモヤの一部ですが、どうやってフラスコに錬成したのかも不明だったはず。「奴隷23号の血が特別」だった可能性はありそう。
約束の日とは?人柱の条件と5人とは?大総統の最後?
約束の日とは、皆既日食の日にお父様が国土錬成陣を発動し、アメストリス全国民の命と引き換えに「地球規模の真理の扉」を開き「神」を取りこむ日。五角形の錬成陣に「真理の扉」をのぞいて帰った5人の「人柱」を必要とします。
5人の人柱とは、亡き母を人体錬成したエド、アル、エド,アルの師匠で亡き子を求め子宮を失ったイズミ・カーティス、クセルクセス全国民で人体錬成したことになったホーエンハイム、プライドが強引に人体錬成させて目を失ったマスタング大佐。
その前にマスタング大佐は謀反を起こし、セントラル軍とブリッグズ兵を掌握。大総統の列車も爆破。生還した大総統が立ちはだかるが、ブリッグズのバッカニア、シン国のフーの犠牲と、グリード、スカー、ランファンの猛攻で敗北。
キング・ブラッドレイ大総統は「人間ベース」だからか、他のホムンクルスより人間を評価してるし愛情を感じてるようです。そんな人間との最後の戦いにも充実を感じ、フーを殺害されたランファンとの対話時は涙シーンです。
原作マンガほどは大総統のバトルを描ききれてませんが、誇りに満ちた満足しきった表情での戦闘シーンは、舘ひろしのグッジョブではないでしょうか。師匠イズミ・カーティスの活躍も描ききれてませんが、こちらは不満なし。
お父様の結末は?生き残るのは誰?アルは人間に?
若返ったお父様は最強だったが、ホーエンハイムが対話してきた賢者の石の魂達と、彼が各地に賢者の石を設置し「日食の月の影」での裏錬成陣(中心部でスカーが発動)と、グリードの裏切りと、ラースとプライドの死などで弱ります。
それでも「神」をとりこんだお父様は、協力な破壊光線や疑似太陽などで圧倒。最終手段として、メイの力で真理の扉を開いたアルは魂を放棄して死ぬ代わりに兄エドの右腕を復活させます。
その意志を尊重したエドと、みんなの連続攻撃でお父様の「賢者の石の魂」をけずり続けます。ついには、魂が足りなくなり「フラスコの中の小人」は「真理の扉」に引きづりこまれ、世界は救われます。
エドは最後に「真理の扉」を開き「錬金術師の能力」と引き換えに「弟アルの魂」と等価交換。「真理」が初めて「正解」と言い、アルが人間の姿で復活。2人はウィンリィの所に戻ります。
亡き妻トリシャの墓前で息絶えたホーエンハイムが「早かったのね」とトリシャ(仲間由紀恵)に迎えられたのは涙。マスタング大佐は失明で絶望するが、「あなたの目になる」とホークアイに支えられ大総統を目指しそう。
スカーは、マスタングの部下マイルズがイシュヴァール人の混血だと聞かされ、彼の誘いでイシュヴァール復興に。賢者の石を手に入れ、シン国の皇帝になるリン・ヤオは、メイ・チャンを含む全継承者の家族の安泰を約束。
錬金術師でなくなったエドは旅を決意するが、ウィンリィに「おまえの人生と、オレの人生、等価交換しよう」とプロポーズ。ウィンリィは「バカじゃないの。私の人生すべてあげるよ」と等価交換の法則をくつがえします。
私の評価 65/100(60が平均)
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