映画『火喰鳥を、喰う』衝撃の真相とは?ラスト結末は?考察ネタバレ感想

信州の夫婦、久喜雄司と夕里子に「ヒクイドリ、クイタイ」と記された先祖の謎の日記が届き不可解な出来事が続きます。超常現象専門家・北斗総一郎に解明を依頼するのだが…(ネタバレ感想あらすじ↓)
| 映画名/邦題 | 火喰鳥を、喰う |
|---|---|
| 日本公開日 | 2025/10/3 [予告] 上映時間:108分 |
| 監督・キャスト | 本木克英[キャスト] |
| 配給/製作 (画像出典) | KADOKAWA、ギャガ/フラミンゴ、アークエンタテインメント |
| 日本興行収入 | 2.3億円 [出典] 興行収入ランキング |
| 平均評価 平均:100換算 | (興収・評価: 2025.10.15更新) 66 |
| 参考・出典 | 公式サイトWiki上映映画館 |
キャラ・ランキング(キャスト/出演者)
個人的なキャラクターランキングです。
※キャラクター名(キャスト/出演者/声優)
- 北斗総一郎(宮舘涼太)超常現象専門家。夕里子の大学時代の先輩
- 久喜夕里子/くきゆりこ(山下美月)大学の事務職員。雄司の妻
- 久喜雄司/くきゆうじ(水上恒司)大学の助教授。夕里子の夫。虫が苦手
- 与沢一香(森田望智)信州タイムス記者。久喜家に貞市の日記を届ける
- 瀧田亮(豊田裕大)夕里子の弟。大学生
- 久喜伸子(麻生祐未)雄司の母。夫は交通事故死
- 久喜保(吉澤健)雄司の祖父。貞市の弟
- 久喜貞市(小野塚勇人)久喜保の兄。太平洋戦争時にニューギニア島で戦死
ネタバレ感想『火喰鳥を、喰う』解説と評価
以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!
『火喰鳥を、喰う』原作は?監督とキャストは?
映画『火喰鳥を、喰う』の原作は、原浩によるミステリーホラー小説です。横溝正史ミステリ&ホラー大賞の受賞作。
監督の本木克英は最近『シャイロックの子供たち』『カーリングの神様』なども監督。
主演の水上恒司は『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』『八犬伝』等、山下美月は『六人の嘘つきな大学生』『山田くんとLv999の恋をする』等、宮舘涼太は『映画 少年たち』『おそ松さん』等に最近出演。
先祖の久喜貞市とは?火喰い鳥とは?
久喜雄司(水上恒司)と夕里子(山下美月)の夫婦は、祖父の久喜保と雄司の母・伸子の実家で暮らしてます。ある日、信州タイムス記者の与沢一香(森田望智)と玄田が、ニューギニア戦線の地からそこで戦死した保の兄・久喜貞市の日記を持ってきます。
貞市は戦死前、森に生息する火喰い鳥に執着。異様な日記に動揺する家族の前で「貞市は生きてる」と玄田がつぶやくが正気に戻ると覚えてません。夕里子の弟・亮が日記の最後ページに「ヒクイドリヲクウ、ビミナリ」と書くが覚えておらず夕里子は消します。
その後、墓石の貞市の部分だけ削られたり、貞市と戦線を共にし生還した1人が火事で焼死、1人は戦死したことになったり、雄司の祖父・保が行方不明になったりと災いが続きます。夕里子は大学の知人で超常現象専門家・北斗総一郎(宮舘涼太)に調査依頼。
以上が序盤あらすじ。小説は未読ですが映画序盤の展開が興味深くて読みたくなりました。映画は全編においてダイジェストっぽくて、演出も薄めになってるのはホラー好きより大衆向けにするためかもだが、印象に残りづらくて少し残念…
玄田のつぶやきは後に仕込みだと暴かれるが、弟・亮による書き込みは日記の「過去改変の能力発動」のはじまりです。そして次々と過去改変が起こることから、本作はただのミステリではなく、オカルトありのファンタジーホラーだと判明。
貞市は生きてる?次々と現実改変が…
北斗は夕里子への恋心を隠さず雄司を不快にさせるが、日記には貞市の強烈な思念による「籠り(こもり)」が感じられると警告。幼い頃から特別な感知力の夕里子は孤独だったが、同じ力を持つ北斗の執着は苦手で裏山に逃げたところ、高校同級生の雄司と再会したのがなれそめ。
北斗と共に貞市の墓へ行くと祖父・保の名に変わってました。また、記者・与沢によると日記に関わった人々の記憶もメールも消失。北斗は「4人が貞市の生存を信じたため現実になった」と言い、4人に日記に「貞市は死亡」と記述させ事実を戻そうとします。
その後も3日前に盗まれた軽トラが十数年もの置き去り状態で発見されたり、雄司が戦地をさまよい怪我しかけたり、謎のチヤコ宛の電話や夕里子の弟・亮の存在が消えたり。雄司は日記を燃やそうとするが、北斗は解呪の儀式まで待てと言います…
以上が中盤あらすじ。北斗総一郎の登場によりミステリーぽい展開になるが、彼は推理能力を発揮するわけではなく夕里子に執着してるだけの男だとわかってきます。実績についての言及もないので、夕里子は同じ能力者に頼っただけなのかな…
北斗の指示で「貞市の死を認め」ても過去改変は止まらず、チベット僧による解除の儀式を準備するが結局は詐欺だったのでしょうか。後にこの事件のトリガーを作ったのは北斗だと判明するが、日記の思念の強さを読み違えたのかも。
ラスト結末は?真犯人の正体は?勝者は誰?
雄司と夕里子は儀式を待てず北斗を訪ねます。雄司は、北斗こそが墓石の貞市を削り、玄田に貞市が生きてると言わせた真犯人だと暴露。北斗はそれを認めるが日記の力は予想以上だったと。謎の白い少女に向かった夕里子はガラス破片で重傷に。
夢うつつの雄司は自分が14歳で死亡した世界や戦地をさまよい、再び北斗と対面して埋められた夕里子を見て逆上。「最後は執着強い方が勝つ。虫も殺せない君に僕を殺すよう仕向けた」と言う北斗を雄司はなぐり殺します。
雄司は家にいる火喰い鳥の顔した老人・貞市も殺そうと…。別世界になり貞市が孫娘チヤコと会話。そこへ北斗が妻の夕里子と訪ねてきます。プラネタリウムで働く雄司は、外で夕里子とすれ違い、両者とも振返りなつかしさを感じるのでした。
以上がラストまでのネタバレあらすじ。たびたび登場する白い少女や別の北斗は何者なのか最後まで不明でしたが原作読めばわかるのでしょうか。映画版では終盤の展開にロジックを感じられず、かなり残念な脚本に仕上がってます。
オカルトホラー作品なのでリアルさは不要だが、ある程度納得できる論理性はほしかったかも。後半から怒涛の展開だったので見落としはあったかもしれません…。ほぼ北斗総一郎の計画どおりだが、生への強い執着心で貞市こそが勝者だったと感じます。
映画『火喰鳥を、喰う』ネタバレ感想と私の評価
原作小説は未読ですが、ミステリ・ホラー好きとしては気になってた作品なので初日に映画館で鑑賞。思ってた以上にファンタジー寄りだったが、中盤から最後まで予測できない展開がつづき楽しめました!
ただ、小説と違ってリアルな実写映像にするには無理ある描写も多いので、もう少し脚本に工夫がほしかったとは思いました。ミステリは北斗総一郎の計画だったことのみで、あとは「貞市の生への執着」というオカルト部分が色濃いので人を選ぶ作品かも。
出演者は知らない役者ばかりで心配したが問題なかった気がします。特に北斗総一郎を演じた宮舘涼太の異質感、線は細いのに心は強そうに見えた山下美月、モブと思ったら意外と登場した森田望智、ひたすら振り回される水上恒司らは好演。