映画『IT イット それが見えたら終わり』ネタバレ感想/ラスト結末は?失踪事件を考察!恐怖の周期は仲間と克服
スティーブンキングの人気小説の映画版。地方都市デリーで、消息不明の弟ジョージィを探すビル、いじめられる転校生ベン、父に暴行されるベバリーなど7人の少年少女は、町の失踪者の真相に近づくが…。「それ」の正体や弱点は?27の意味?(ネタバレ感想あらすじ↓)
映画名/邦題 | IT イット それが見えたら、終わり。 |
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日本公開日 | 2017/11/3 [予告] 上映時間:135分 |
製作国 | アメリカ |
原題/英題 | IT |
監督・キャスト | アンドレス・ムシェッティ(キャスト) |
映倫区分 | 日本:R15+(15歳以上) USA:R |
配給/製作 (画像出典) | Warner Bros. Pictures/ニュー・ライン・シネマ |
日本興行収入 | 22.0億円 (年間23位) |
世界興行収入 | 7.0億USドル [出典] |
製作費 | 0.4億USドル |
平均評価 平均:100換算 *批評家と一般は単純平均 | (興収・評価: 2024.8.17更新) 71(私の評価は含まず) |
シリーズ 関連作品 | ホラー/パニック/バイオレンス映画一覧 続編『IT イット THE END それが見えたら、終わり。』18.4億 |
登場キャラクター(キャスト/出演者)
- ビル・デンブロウ(ジェイデン・リーバハー。田谷隼)弟の行方不明を自分の責任だと思い、今も探してる。ルーザーズのリーダー
- ベバリー・マーシュ(ソフィア・リリス。近藤唯)ルーザーズの紅一点。成長が早くていじめられ、家では父から暴行を受けてる
- ベン・ハンスコム(ジェレミー・レイ・テイラー。田村睦心)太めの転校生でいじめられてる。ベバリーに想いをよせる
- リッチー・トージア(フィン・ウォルフハード。平田真菜)おしゃべりでお調子者のメガネ少年
- マイク・ハンロン(チョーズン・ジェイコブス。渡辺拓海)アフリカ系の黒人少年。屠殺場で育てられてる
- エディ・カスプブラク(ジャック・ディラン・グレイザー。小林由美子)ぜんそくで臆病な少年。心配性で太った母に縛られてる
- スタンリー・ユリス(ワイアット・オレフ。地蔵堂武大)厳格なユダヤ教司祭ラビの息子
- ペニーワイズ(ビル・スカルスガルド。多田野曜平)子どもにしか見えない不気味な道化師(ピエロ)姿で…
- ヘンリー・バワーズ(ニコラス・ハミルトン。平井貴大)不良グループのリーダー。警官の息子
ネタバレ感想『IT イット それが見えたら、終わり。』解説と評価
以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!
原作や過去作と監督や出演者や子役たち
原作は1986年に発表された、スティーヴン・キングのホラー小説『IT』です。1990年に映像化され、アメリカではテレビシリーズとして二作に分けて放送されました。その当時の子ども達は大人になってるだろう「27年後」の劇場版です。
監督のアンディ・ムスキエティは映画『MAMA』をギレルモ・デル・トロ製作総指揮のもと原案・監督した後、本作『IT イット それが見えたら、終わり。』監督に大抜擢されたようです。
主要キャラクターは子役なので、日本ではまだあまり知られてませんが今後ブレイクするかもしれません。特にビル役のジェイデン・リーバハー、ベン役のジェレミー・レイ・テイラー、ベバリー役のソフィア・リリスはいい顔で演じてます。
「IT それ」ことピエロのペニーワイズは、イケメン俳優ビル・スカルスガルドが、恐ろしさとコミカルさと愛きょうが混在したような演技で存在感を発揮しています。
テーマは「負け犬も集まれば恐怖を克服できる」?
ホラー映画なので視聴者と登場人物を恐がらせようとするシーンが多いのは当然ですが、主要キャラクターは7人の子ども達なので『スタンドバイミー』を連想させるような青春冒険映画の雰囲気も強いです。ホラーよりむしろそこにひかれました。
本作『IT イット』の主要キャラの子ども達は、誰もが家族や学校でうまくいってない点で共通してて、優しかったり弱気だったりして不良グループにもいじめられがちです。7人は負け犬同盟(ルーザーズクラブ)を結成します。
登場する大人たちは暴力的、負け犬、役立たずばかりで、子どものあこがれになりにくい存在です。デリーの街もデトロイトのように廃れた地方都市です。そんな環境で育つ子はトラウマや恐怖を抱えやすく「それ」の標的になりやすそうです。
ちょうど街では行方不明の子どもが増え続けている時期で、ビルは排水溝に消えた弟を探しています。7人はそれぞれが違った恐怖の対象を幻覚で見ます。転校生ベンは友達がいなくて図書館でデリーの歴史を調べるうちに謎へ近づきます。
やがて負け犬たちは巨大な悪にねらわれてることがわかります。1人ずつでは他の行方不明者と同じ運命をたどったのでしょうけど、ルーザーズは力を合わせて「恐怖」を克服していき悪に立ち向かいます。日本の少年マンガに近い構造ですね。
ルーザーズクラブと幻覚の一覧
家族とうまくいってなかったり、学校の不良グループにいじめられてたりする7人が集まり「ルーザーズ・クラブ」を発足させます。メンバーの一覧と彼らが見た幻覚の一部は次のとおりです。
- ビル: きつ音ぎみ。亡き弟ジョージィ
- ベン: 太めの転校生。赤い風船や首なし死体
- ベバリー: 紅一点。父から暴行。浴室で髪や血まみれ
- マイク: 屠殺修行中の黒人。ピエロや焼けた両親
- リッチー: おしゃべり眼鏡少年。ゾンビのような腐敗者
- エディ: 太った母が拘束。ぜんそく。感染症患者
- スタンリー: ユダヤ教ラビの息子。ゆがんだ顔の女性
他には、いじめっこ不良グループ・リーダーのヘンリー・バワーズも重要人物です。ヘンリーは父が警官で、強く支配されてきたことに反発をいだいています。
「それ」の正体とは?能力や弱点は?
恐怖の対象である「それ」の真の正体は明かされず、続編『IT イット THE END それが見えたら終わり』に持ちこされました。本作ラストの戦いでは昆虫ぽい造形が見られ、エサを貯蔵したり浮かせる糸などはクモを連想させます。
「それ」はセミのように27年周期で目覚めて、地下の排水路を移動し、子どもを中心に地下へさらって食料としてるようです。冬眠時の蓄えのためか、捕らえた子ども達をまゆのような糸で空中に浮かせて貯蓄しています。
「それ」は赤い風船を持つピエロのペニーワイズや様々なものに変身できます。見る者のトラウマによる「恐怖」を幻覚で見せる能力がありますが、恐怖を感じない大人等には幻覚を見せられず攻撃しづらそうです。
「IT それ」の幻術攻撃による恐怖の克服法の1つは「仲間で団結し、支え合うこと」です。圧倒的な恐怖の対象ペニーワイズですが、負け犬たちでも集まれば倒すことができるという設定が多くの人に受け入れられて人気となったのでしょう。
ベバリーへの絵ハガキラブレターの送り主は誰?
ベバリーは、受け取った絵ハガキに書かれた詩「君の髪は冬の火。1月の残り火。僕の心も燃える」をビルからのラブレターだと思いました。しかし真相は、ベンが送り主です。本作『IT イット』では、最後まで勘違いのまま終わります。
「27」にまつわるトリビアネタとは?
「IT それ」は27年周期で目覚めて子ども達を食料としています。1986年にスティーヴン・キングが発表したホラー小説で、1990年にTV版が制作されました。その27年後の2017年に本作『IT イット それが見えたら終わり』が公開されました。
本作のアメリカでの公開日「2017年9月8日」の数字を全て足し算すると「27=2+1+7+9+8」になります。公開の年や日は偶然だったと発表されていますが驚きの事実です。
『IT イット それが見えたら終わり』私の評価や推しキャラと続編
スティーヴン・キング原作の名作ホラー小説の実写映画版『IT イット それが見えたら終わり』は、ホラー映画としてはかなり恐い部類にはいります。一方で青春映画『スタンドバイミー』のような要素もあり、学生など若い層にも人気です。
主要キャラクターはルーザーズクラブの7人でも多いのに、その家族や不良グループまで登場して幻覚も混ざるので最初は混乱しがちです。しかしキャラの特徴づけがしっかりしてるため、後半ははっきり区別できるので素晴らしいデキです。
私の推しキャラは、ベバリーを見守り続けるが恋は成就しないベンです。不良ヘンリーからは犯罪レベルのいじめを受けるので、ラストでヘンリーが倒された時にはスッキリしました。制作陣のねらいどおりでしょうけど(笑)
本作『IT イット それが見えたら終わり』は、R指定にもかかわらずアメリカ・世界・日本でも想定以上のヒットだったため、原作後半も続編『IT イット THE END それが見えたら、終わり。』として公開されます。「それ」と大人になったルーザーズとの決着がどうなるか楽しみです!
- 名作オカルトホラーのリメイク
- 原作はスティーブンキングの小説
- 少年少女の冒険と恐怖体験
- 少年少女の青春ストーリー
- 子どもキャラが特徴的
- 恐怖だけでなく好奇心もわく
- 訳あり家庭と子どもの自立
- 負け犬も団結すれば恐怖を克服
- ピエロの正体は?完結するのか?
- ひどい大人ばかり登場
- いじめがひどく警察に行くべき
- 古井戸や廃墟が放置状態?
- ピエロの出現条件がわかりにくい
- ベバリーがビルを選ぶ理由が不明
- 「IT イット」の正体がまだ不明
私の評価 72/100(60が平均)
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