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映画『サイレント・トーキョー』評価は?ネタバレ感想考察/犯人の正体と目的は?結末は?

映画サイレントトーキョー

『サイレント・トーキョー』あらすじ概要

原作小説は秦建日子によるクライムサスペンス。クリスマスイブの東京。恵比寿に爆弾を仕掛けたという電話で出向いたTV局員と主婦が犯人に仕立てられます。真犯人は生放送での首相対談を要求するが…。ハメはずす者達の運命は?(ネタバレ感想考察↓)

映画名/邦題 サイレント・トーキョー
平均評価★★★★★65私の評価↓は含まず)
日本公開日 2020/12/4 [予告↓]上映時間 99分
映倫区分日本 G(年齢制限なし)
映画監督波多野貴文 [キャスト↓]
配給/製作/画像©東映/ROBOT
日本興行収入4.4億円興行収入ランキング

『サイレント・トーキョー』予告動画

キャラ ランキング(キャスト/出演者/吹替声優)

個人的なキャラクターランキングです。
※キャラクター名(キャスト/出演者)

キャラ・ランキングは公開後すぐ更新します!

  • 1位山口アイコ(石田ゆり子)事件に巻きこまれる主婦
  • 2位須永基樹(中村倫也)不可解な行動を取る孤独なIT企業家
  • 3位印南綾乃(加弥乃)真奈美の同僚で須永に心惹かれる会社員
  • 4位朝比奈仁(佐藤浩市)東京で起きた連続爆破テロ事件の容疑者
  • 5位世田志乃夫(西島秀俊)渋谷署刑事課の警部補
  • 6位泉大輝(勝地涼)世田とバディを組む生真面目な新人刑事
  • 7位高梨真奈美(広瀬アリス)興味本位で犯行予告現場に来てしまう会社員
  • 8位来栖公太(井之脇海)犯人に仕立てられるKXテレビ契約社員
  • 里中(毎熊克哉)26年前カンボジアPKOに参加した自衛隊員
  • 里中の妻(白石聖)夫を献身的に支える
  • 私立探偵の田中(野間口徹)ある人物を探している
  • 須永尚江(財前直見)須永の母。再婚をひかえている
  • 総理大臣の磯山毅(鶴見辰吾)突然のテロに直面して対応

ネタバレ感想『サイレントトーキョー』解説や評価レビュー

この先はネタバレありの感想考察です。他の映画はおすすめ映画ジャンル別も参考にしてください。

私の評価 ★★★★★62/100(60が平均)[レビューサイト評価↑]

原作と監督や佐藤浩市など主要キャスト

原作は、『アンフェア』原作でも有名な秦建日子(はた たけひこ)による長編小説『And so this is Xmas』(『サイレント・トーキョー And so this is Xmas』に改題)。舞台化もされ、劇団「秦組」により上演されました。

監督の波多野貴文は、『SP』『ブラッディ・マンディ』などのテレビドラマや映画など多くの作品で、監督・演出などをつとめています。クライムサスペンスを得意としてるようなので『サイレント・トーキョー』とは相性がよさそうです。

佐藤浩市は、最近では『空母いぶき』『Fukushima50』などが印象的です。石田ゆり子は『望み』『マチネの終わりに』等、西島秀俊も『空母いぶき』『人魚の眠る家』等で活躍中。

他のキャストも豪華で、広瀬アリス、中村倫也、勝地涼、白石聖、財前直見、鶴見辰吾など、若手俳優女優とベテランがそろっています。

映画サイレント・トーキョー

恵比寿での爆破事件の目的は?

爆破予告を信じず出向いたKXテレビ社員は、夫?へのクリスマスプレゼントを購入した主婦の代わりにベンチに座ることになります。ベンチには、30kg以上の重量がないと爆発する爆弾が仕掛けられてますが、これは地雷への伏線ですね。

主婦の山口アイコ(石田ゆり子)は犯人におどされてるようで、もう1人のKXテレビ契約社員の来栖に腕輪爆弾をはめ、用意されたマンションの一室で渋谷爆破の予告動画を配信します。犯人の要求は「内閣総理大臣との生放送会見」です。

恵比寿では、ゴミ箱が上方向に爆発したり、液体窒素で無効化されかけたベンチ爆弾が爆破しますが、光と音だけの「おどし」で死傷者は出ませんでした。恵比寿の爆破事件の目的は「爆弾と仕掛けが本物だと示した」ことです。

そして「これは戦争だ」という強いメッセージを残しますが、残念ながら平和ボケした日本の東京では、人々にまったく響きません。首相が戦争できるような憲法改正をすすめてる様子は、実際の首相を皮肉ってるようにも感じます。

他に、あやしい行動のIT企業家の須永(中村倫也)、その須永に想いをよせる綾乃(加弥乃)と先輩の真奈美(広瀬アリス)、渋谷署の世田(西島秀俊)とそのバディ刑事の泉(勝地涼)等が登場しますが、カンいい人はもう犯人予想できますね。

渋谷の大爆破こそ一番やりたかったことでは?

映画『サイレント・トーキョー』は明確な主人公はおらず、群像劇としていろんな人物からの視点が描かれます。考えがよめないIT企業家の須永はあやしい行動が多くて、爆破予告された渋谷へも出向きます。中村倫也はぴったりのキャラです。

その須永を好きになりかけてる綾乃は、先輩の真奈美のすすめで渋谷の有名イタリアンレストランを予約するが、須永には断られて真奈美と一緒に行くことにします。渋谷署の世田と後輩の泉は、渋谷ハチ公前の周辺で犯人を探します。

爆破予告が知れわたっても渋谷スクランブル交差点は、若者、カップル、YouTuber、自撮り美女、業界人であふれてます。集まった人々は爆破予告を信じていません。しかも首相はテロに屈せず、渋谷爆破テロ事件で大勢の死傷者がでます。

現実でもそういう人達は多そうですが、新型コロナの感染拡大を経験中の私達は「日本人はもう少し臆病で、賢明な行動をとる」ことを知っています。皮肉にもコロナ禍のせいで、映画『サイレント・トーキョー』はリアルに感じませんでした。

渋谷スクランブル交差点での大爆発こそ、原作者や監督や制作陣が一番見せたかったシーンだと感じます。時期的にもハロウィーン、クリスマスイブ、成人式が続き、ハメはずしすぎたバカな若者が渋谷で騒ぐ映像はよく目にしますが「不快なので一掃したい」という思いを感じます。

この渋谷爆破テロは、この映画の数少ない見どころであり、個人的にも度肝をぬかれました。この規模の大爆発は、最近の邦画実写ではめずらしいです。YouTuber吹っ飛びはすごかったけど、スローモーション多用がなければ、もっと迫力を感じられたのに。

あと、綾乃たちや刑事が、あの人混みの中でIT企業家の須永を見つけられたのは都合がよすぎますね。知り合いでも渋谷のあの場所で見つけるのは、スマホがないと不可能だと実感してますよ。

IT企業家・須永が犯人か?不要な演出の数々

バディは負傷したが、なぜか刑事の世田は無傷で、ビルの屋上にいる犯人らしき男を逮捕します。しかしその来栖は犯人に指示されただけです。ブレスレット爆弾はニセ物で、聴取後はすぐ返され、KXテレビの独占インタビューからも逃亡します。

一方、渋谷の爆破に巻き込まれて後輩の綾乃が死んだかもしれない真奈美は、IT企業家の須永をあやしんで自宅を訪ねます。この行動には違和感あるし、PCや資料を施錠せずに放置した須永の軽率さも物語進行のためのご都合主義に思えます。

しかも警察が、須永がいるカフェや、主婦と佐藤浩市がいるレストランをすぐつきとめたのも驚き。スマホのGPSや監視カメラにしても、そのシーンを一瞬でも見せてほしいですね。結局、須永は爆破犯ではなく、行方不明の父が容疑者と判明。

カフェの店員が朝比奈仁(佐藤浩市)だったのでしょうか。他にも無駄な演出が多く、世田刑事と管理官が昔の事件を語ったり、誰でも言いそうな「爆弾から50m離れた」から犯人と疑ったり、来栖がすぐ解放されたり、罪を感じて正社員化を棒にふる話なども不要と感じます。

爆破犯人の正体とは?目的と結末は?

真奈美からの通報で須永を捕らえた世田刑事らは、須永の父・朝比奈仁にたどり着きます。世田も警察も自らの捜査ではなく、通報からの芋づる式なので優秀さは不明。朝比奈はレインボーブリッジへ行ければ、爆弾解除コードを教えると約束。

朝比奈は同伴の主婦の山口アイコと、東京の爆破テロ事件の真相やその要因となった過去について語ったり回想します。警察が知ることができるのは、そのほんの一部なので、事件の真相を知る者は、最後まで朝比奈と山口アイコだけなのでしょう。

爆破の真犯人は山口アイコです。アイコの夫・里中と朝比奈は、アジアに海外派遣された自衛官でした。ある日、地元少女が「あなた達が戦争を拡大し、家族を奪った」と言い残して地雷自爆し、朝比奈と里中の考え方は一変

里中はまだ若い妻を生徒として、爆弾や仕掛けを教えこんだ後、自殺します。精神を病んでたようです。年月が流れ、その妻・山口アイコは、現総理が軽々しく「戦争を肯定」することや国民に、警鐘を鳴らす目的で爆破事件を実行しました。

しかし最後の東京タワー爆破は「もう一度、国を信じてみたい」という理由で、解除コード「War is Over」(戦争は終わった)を伝えます。朝比奈とアイコはレインボーブリッジから落下自殺。動機や目的が浅すぎて共感できませんでした。

戦争を体験したわけでもないアイコが、PTSDで自殺した夫のかたきうちだけで、これほどの大惨事を引き起こしたのは疑問。また、そもそも夫も自爆少女の言葉だけで狂ったのなら、実際に戦争参加した人はみんな危険人物になりそうで恐怖です。

映画『サンレントトーキョー』私の評価と感想

ポップで華やかなクリスマスイブの東京の街並みや、セレブ風の女性の幸福そうなショッピング風景が、大音量の爆発音でかき消される序盤は「すごい映画が観れそう」という期待感で高まりました。渋谷での爆破シーンは邦画史に残りそう

しかし群像劇として視点が変わり続けるのがめまぐるしすぎて混乱し、過去の光景まで混ざるのでメインストーリーに集中できませんでした。物語の集束のさせ方や動機の解明も回想だけですませたのは残念。凄腕刑事は何もしてないのでは?

真犯人の正体は序盤で気づけるし、爆破テロを止めようとする?佐藤浩市のちぐはぐな行動もミスリードさせるためにしか見えなくて残念でした。広瀬アリスの大げさ演技は監督指示かもしれないけど、加弥乃の自然な雰囲気は好み

出演俳優女優はそこそこ豪華で、見せたいシーンは見事に決まってたので、社会派やミステリや人間ドラマを期待せず軽いエンタメとして観るならオススメできる映画です。クリスマスで騒ぐ愚民を気にいらない人には超絶おすすめ!

他の映画はおすすめ映画ジャンル別も参考にしてください。

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