映画『X-MEN2』考察ネタバレ感想/ラスト結末は?敵の正体と目的は?
X-MENシリーズ旧三部作の2作目。ホワイトハウスでミュータントにより大統領暗殺が企てられ、アメリカ政府はストライカーに「恵まれし子らの学園」の調査を指令。プロフェッサーXは投獄されたマグニートーに会いに行くが…(ネタバレ感想あらすじ↓)
映画名/邦題 | X-MEN2 |
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日本公開日 | 2003/5/3 [予告] 上映時間:136分 |
製作国 | アメリカ |
原題/英題 | X2 X-Men United |
監督・キャスト | ブライアン・シンガー |
キャスト 出演者 | ヒュー・ジャックマン、パトリック・スチュワート、イアン・マッケラン、ハル・ベリー、ファムケ・ヤンセン |
配給/製作 (画像出典) | 20th Century Fox/Marvel、ザ・ドナーズ・カンパニー、バッド・ハリー・プロダクション |
日本興行収入 | 18.0億円 (年間28位) |
世界興行収入 | 4.0億USドル [出典] |
製作費 | 1.1億USドル |
平均評価 平均:100換算 *批評家と一般は単純平均 | (興収・評価: 2022.12.22更新) 73(私の評価は含まず) |
シリーズ 関連作品 | X-MEN映画一覧 |
ネタバレ感想『X-MEN2』解説と評価
以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!
映画『X-MEN2』ネタバレ感想や解説
前作『X-メン』の成功をうけての2作目なので、世界観やキャラの説明は極力なくして、スピーディに展開していく流れは、シリーズの中でも良い効果を出せてる方だと思います。キャラも特徴的で描き分けも十分なので、覚えやすいし混乱しないのも楽しめる要因となっています。
ただ、どのキャラにも見せ場や特徴を示すシーンを用意してるため、逆にどのキャラにもスポットが当たらず、群像劇としてもどっちつかずな印象はあります。同時進行の場面も多いため、頭の切り替えが大変だし、キャラに愛着もわきにくいのは少し残念です。その分、短時間でダイナミックなストーリー作りには成功しています。
前作で少し明らかになったウルヴァリンの過去探索は意外と期待はずれでしたが、アダマンチウムを移植された場所でのラストバトルには興奮できます。リーダーのはずのプロフェッサーXやマグニートーの役立たずぶりも前作同様。サイクロップスにももう少し活躍してほしいのですが、この3部作は「ジーンの章」だから仕方ないですかね。
ストーリーは場面切り替えで混乱しがちですが、ストライカーを軸に考えるとわりとスッキリして、よく練られてる気がします。ミュータントを一気に全滅させるには、この方法しかないと思います。ストライカーとマグニートーは両極端な思想の持ち主ですが、それぞれの過去や境遇が理由なので、彼らが改心する物語も見てみたいかも。
今回はミュータント対人間の戦いが多めで、ミュータントどおしの戦闘アクションは時間的にも少なったけど、各自の能力の使いどころをじっくり見れた感じなので好みです。ミュータントどおしの戦闘は次作『X-MEN ファイナル ディシジョン』でたっぷり見れそうなので期待しかないです。
ネタバレあらすじ感想や解説
前作『X-メン』の自由の女神像での戦いにより、プロフェッサーXことチャールズ・エグゼビア(パトリック・スチュワート)率いるX-MENは、人間に敵対するブラザーフッドのマグニートーことエリック・レーンシャー(イアン・マッケラン)を捕まえ、政府管轄のプラスチック製の牢に投獄します。
そしてウルヴァリンことローガン(ヒュー・ジャックマン)は、記憶を取り戻すためにアルカリ湖の周辺を探索します。そんなある日、ホワイトハウスの観光客にまぎれた、テレポート能力を持つミュータントのナイトクローラーことカート・ワグナーは、大統領暗殺を企てますが、最後はどこかへ消え去ります。
プロフェッサーXはセレブロでナイトクローラーの居場所を特定し、ジーン・グレイ(ファムケ・ヤンセン)と、ストームことオロロ・マンロー(ハル・ベリー)に捜索を任せます。そしてプロフェッサーXは、投獄中のマグニートーに面会に行きますが、ストライカーの秘書でミュータントのレディ・デスストライク(ケリー・ヒュー)に捕まります。
一方、アメリカ政府はX-MENがナイトクローラーをかくまっていると判断して、ウィリアム・ストライカー(ブライアン・コックス)に「恵まれし子らの学園」でのミュータント摘発を依頼します。ウルヴァリンが学園へ戻った夜、ストライカー部隊が襲撃に来て、生徒数人が拉致されます。
ウルヴァリンはローグことマリー・ダンキャント(アンナ・パキン)、アイスマンことボビー・ドレイク(ショーン・アシュモア)、パイロことジョン・アラダイス(アーロン・スタンフォード)と脱出します。その頃、変身能力を持つミュータントのミスティークことレイヴン・ダークホルム(レベッカ・ローミン)も、マグニートーを脱走させます。
ナイトクローラーの瞬間移動による襲撃は、人間がミュータントを甘く見すぎだと感じられるシーンです。ウルヴァリンは過去や記憶を探索に行ったけど、実験されたことしか分からなくて拍子抜けです。ちなみに出生や能力覚醒の瞬間や親兄弟や記憶を失くした経緯は『ウルヴァリン X-MEN ZERO』でわかります。
プロフェッサーXは平和主義のせいか、前作同様に警戒心が甘くてあっさりと捕まり利用されそうになります。恵まれし子らの学園も彼がいなければ、人間の中部隊ていどに簡単に制圧されてしまい残念です。マグニートーの牢獄脱出も含めて、ご都合主義は多いけど、人間もミュータントも相手に適応してない時期だとも考えられます。
ウルヴァリンらはアイスマンの実家へ行くが、両親や弟にはミュータントへの偏見があり警察に通報されます。ウルヴァリンは頭を撃たれて倒れ、パイロは怒りを抑えきれずに警官隊を炎で攻撃し、ローグがそれを止めます。ウルヴァリンは治癒能力で起き上がり、X-MENはジーンが乗ってきた戦闘機で立ち去ります。
しかし戦闘機は空軍機に攻撃され、ストームの竜巻やジーンのテレキネシスでミサイル軌道をそらしますが、一発が直撃して落下していきます。そこにマグニートーが現れ、金属を操れる能力で墜落はまぬがれます。ウルヴァリンらは、マグニートー、ミスティークと協力しあうことになり、アルカリ湖のダムへ向かいます。
ジーンとストームは教会でナイトクロウラーを捕らえていて、大統領暗殺はストライカーが計画したことを知ります。ストライカーは息子ジェイソンがミュータントだったため妻が死んでしまい、それからミュータントを憎みはじめたようです。
今回はミュータントどおしのバトルは少ないけど、各キャラの能力を特徴的に見せてくれる演出は好きです。シリーズではたまにしか活躍しないパイロ、アイスマンも本気出せばストーム並の破壊力を感じます。X-MENシリーズでは敵役として欠かせないストライカーがミュータントを憎む理由も判明します。
映画『X-MEN2』ネタバレ結末ラスト
ストライカーは学園でセレブロの技術を盗み、アルカリ湖のダム施設にダーク・セレブロを建設しました。そして息子ジェイソンの幻覚能力で、プロフェッサーXを操り、セレブロで世界中のミュータントを死に追いやるつもりです。しかしその計画は実はマグニートーのアイデアで、彼は逆に普通の人間を全滅させるつもりなのです。
ストライカーの研究施設に着くと、ミスティークが変身能力で侵入し、ストームとナイトクロウラーは学園の生徒を救い出し、ジーンはサイクロップスを助けます。ウルヴァリンは『ウルヴァリン X-MEN ZERO』でアダマンチウムを移植されたような部屋で、彼と似た能力を持つデスストライクと戦い勝利します。
ストームとナイトクロウラーはテレポートでセレブロに入り、ジェイソンの幻覚からプロフェッサーXを救出します。ウルヴァリンらも合流して戦闘機へ乗り込むが離陸できず、ダム決壊で濁流にのみ込まれそうになります。その時、ジーンが外へ出て、ダムからの濁流を食い止め、戦闘機を浮上させますが、自分は水の中にのまれてしまい、みんな悲しみます。
後日、大統領が襲撃事件に関してテレビでスピーチ中にX-MENたちが侵入し、大統領以外の動きを止めたプロフェッサーXが「人間とミュータントの戦争を期待する人々がいて、両者には既に犠牲が出ています。過去の過ちを繰り返すか、新しき良き未来へ手を取り合うか」と言ってストライカーの資料を渡します。ウルヴァリン「見守っています」と言い去ります。
世界観の説明は終わってるため、最初からミュータント能力をおしみなく見せてくれる展開は楽しいです。バトルだけでなくマイノリティへの差別についての風刺や、人間側の残虐性なども描かれて、キャラの能力を見せる演出も素晴らしいので、ぜひ1度は観ることをおすすめします!
おすすめ8ポイント
- メインキャラが勢ぞろい
- キャラが特徴的で見せ場あり
- マイノリティ差別への社会風刺
- ウルヴァリンの過去少し判明
- ストライカーの行動理由判明
- マグニートーとの共闘
- ウルヴァリン対デスストライク
- ラストのジーンの決断
少し残念5ポイント
- ウルヴァリンの過去探索が雑
- プロフェッサーXの役立たず感
- マグニートーの活躍少ない
- ミスティーク変身をもっと警戒すべき
- ミュータント戦が少ない
私の評価 70/100(60が平均)
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