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映画『君の膵臓をたべたい』評価は?ネタバレ感想考察あらすじ/ラストに驚き?13考察とキミスイの意味?

映画君の膵臓をたべたい

『君の膵臓をたべたい』あらすじ概要

このタイトルで、ホラーや闘病やよくある難病もの映画を想像した人は、良い意味で裏切られる青春映画なので観てください!病気の人も健康な人も、高齢者も子どもも、1日の価値は同じだと教えてくれ、毎日大切に生きようと感じさせてくれます。(ネタバレあらすじ↓)

映画名/邦題 君の膵臓をたべたい
日本興行収入35.2億円年間13位
平均評価★★★★★77私の評価↓は含まず)
日本公開日 2017/7/28 [予告↓]上映時間 115分
映画監督月川翔
キャスト
出演者
浜辺美波、北村匠海、大友花恋、矢本悠馬、小栗旬、北川景子、桜田通、森下大地、上地雄輔
配給/製作/画像©東宝/「君の膵臓をたべたい」製作委員会

『君の膵臓をたべたい』予告動画

『君の膵臓をたべたい』ネタバレあらすじ

この先はネタバレありのあらすじです。他の映画はおすすめ映画ジャンル別も参考にしてください。

肝心なことは目に見えない。さよならで悲しませるくらいなら、仲良くならなければよかった」と国語の授業で教える志賀春樹こと「僕」(小栗旬)は、解体後に移動させる図書館の蔵書整理を頼まれます。図書室では、僕が生徒時代に整理した資料をもとに図書委員が整理中です。僕は学生時代を回想します。

山内桜良と過ごした学生時代!膵臓の役割とは?(ネタバレあらすじ)

山内桜良(浜辺美波。さくら)「君の膵臓をたべたい。昔の人は体に悪い部分があると、動物のその部分を食べたんだって」。僕(北村匠海)「バカバカしい」。桜良「私が膵臓(すいぞう)悪いって秘密知ってるからって。膵臓の役割知らないくせに」。僕「膵臓がないと人はエネルギーを得られなくて死ぬ」

桜良「少しは私に興味持ってくれたんだ」。僕「僕は他人に興味ないんだ。君がってことじゃなくてさ」。桜良「その『君』って呼び方、面白いからマネしようっと。他人に興味がないなんてもったいない。これ特別に貸したげる」。桜良は『星の王子さま』を手渡します。僕は桜良との出会いを思い出します。

さらに過去へ!桜良との出会いはどこで?(ネタバレあらすじ)

僕は盲腸手術で病院にいた時、「共病文庫」と書かれた日記帳のようなものを見つけ中を読んでしまいます。そこには「私はあと数年で死んじゃう。膵臓の病気で…」と書いてあり、クラスメイトで人気者の山内桜良のものだとわかります。桜良はクラスで1番地味な僕にバレたのに、いつもと変わらず笑っています。

僕は誰とも関わらないことで「自分の領域を守ってきた」のですが、桜良によって変わりはじめます。桜良は図書委員に立候補して本の分類を一緒に整理することになります。僕「死ぬ前にもっとやりたいことやりなよ」。桜良「君こそやりたいことないの?人はいつ死ぬかわからないから。この辺で最近通り魔事件もあるし。私も君も1日の価値は一緒だよ。じゃ日曜に駅前に集合ね」

待合場所に現れた桜良は「ホルモン食べに行こう。膵臓は『シビレ』って言うんだよ。君は私の秘密を知っても平気な顔でいるね」。僕「1番つらいはずの当人が悲しい顔見せないのに、他の誰かが泣いたりするのっておかど違いだから」。桜良は涙をこらえます。桜良はスイーツバイキングに僕を連れて行きます。

桜良「親友はいる?友人は?恋人は?女の子を好きになったことは?」。僕「1回だけ。なんにでも『さん』をつける人」。桜良「好きになった理由が素敵だね。別の人とつきあうなんて、その人は見る目がなかったんだね。私はこの前まで彼氏いたよ」。帰宅後、桜良「共病文庫に書いたよ」。僕「名前は書かないで」

死ぬ前に僕と一緒に過ごす理由とは?(ネタバレあらすじ)

翌日学校で桜良との行動が噂になってて、桜良「仲良しだから」と言うと、学級委員長の隆弘(桜田通。タカヒロ)「桜良さんはみんなと仲良いし、お茶しただけだろ」とフォローします。屋上へ出る僕を桜良は追います。僕「誤解されたよ。僕なんかより大切な友達と一緒に過ごす方が価値あると思うけど」

桜良「恭子(大友花恋。きょうこ)は感傷的だから病気の事を話したら会うたびに泣くから、そんな時間お互い楽しくないでしょ。ぎりぎりまで回りには隠しておきたい」。僕「君は本当に死ぬの?」。桜良「あと1年もつかどうか。君にしか話さない。君はただ1人、私に普通の毎日を与えてくれる人だから」

体育の授業中、クラスメイトの宮田一晴(矢本悠馬。通称ガム君)が桜良との仲を聞いてきてガムをすすめますが僕は断ります。現在のシーンで、花屋の恭子は僕を見つけてながめます。僕宛には滝本恭子の結婚式の招待ハガキが届いています。過去のシーンに戻り、桜良は週末に遠出したいと言います。

2人は新幹線で九州の博多へ向かいますが、僕は行き先も桜良の「はじめてのお泊り旅行」であることも聞かされておらず驚きます。桜良は「死ぬまでにやりたいことリスト」をつけています。桜良はラーメン、もつを食べたり大宰府天満宮の観光にも連れて行きます。2人はホテル側の手違いで夜景のきれいなスイートルーム同室に泊まることになります。

桜良は風呂に入り、リストに書いたとおりお酒も飲みます。桜良の強いすすめで「真実か挑戦」をトランプでします。僕はクラスの女子で外見では、桜良が3番目に好きだと白状します。桜良からの挑戦で僕は桜良をお姫様抱っこでベッドまで運び、一緒にベッドで寝ることになります。

死がせまる桜良は僕に恋愛してるのか?(ネタバレあらすじ)

翌朝、恭子から桜良に電話があります。桜良は僕に「1人にするのが心配な」恭子のことをお願いします。桜良は次は夏に旅行しようと言い、僕「いいかな。楽しかったし」。桜良「私も楽しかったから、お礼に私が死んだら、私の膵臓食べていいよ。人に食べてもらうと魂がその人の中で生き続けるんだって。私生きたい」

学校で隠された僕の上履きシューズを、一晴がトイレのゴミ箱から見つけてきてくれます。一晴「またあいつ(恭子)がにらんでるぞ」。隆弘「何かあれば相談してくれよな。おれ委員長だし」。桜良からのメール「今日は図書館行けないけど、君がわたしん家へ来ることになってるから」。僕は桜良の自宅へ行きます。

僕は桜良に借りてる『星の王子さま』を失くしたことを話そうとすると、桜良「君は私を彼女にする気はないよね」。僕「絶対ない」。桜良「OK、合格。死ぬまでにしたいこと最後の1つ、恋人ではない男の子といけないことをすること」と言って僕に抱きついてきます。桜良「な〜んてね。冗談だよ、冗談」

僕「ふざけるな!」と抱きつこうとすると、桜良「離して離して」、僕「ごめん」と家を出ていきます。外に出ると委員長の隆弘「どうしたの?家こっちじゃないよね。どうして山内さん家から出てくるの?桜良はどうしてこんなやつと」。僕「僕らはそんな関係じゃないよ。彼女しつこい前の彼氏が嫌いらしいよ」

隆弘は僕をなぐり倒して、盗み持ってた本『星の王子さま』を雨の道路にたたきつけます。家から出てきた桜良「もう私の周りの人達に近付かないで」と隆弘に言って、僕を家に入れます。桜良「私たちは偶然じゃなく運命でもなく、自分たちでしてきた選択が私たちを会わせたの。私たちは自分の意志で出会ったのよ」

僕「君にとって生きてるとは?」(ネタバレあらすじ)

桜良が入院したと恭子から聞いた僕は病院へ行き、授業の内容を教えます。桜良「君、先生になりなよ。だって教えるのうまいし。あっそろそろ恭子来るかも。2人には仲良くなってもらいたいから友達になる練習して」。僕「どうせ恭子さんには拒否られるよ」と帰りかけると、部屋の外で恭子に聞かれてます。

現在の僕は教師の「退職願い」(辞表)を机に用意して「教師になった理由、笑えるよな」と言うと、図書委員「やめないでね、先生。だって桜良さんが悲しむよ」。現在の恭子(北川景子)は桜良から借りたイヤリングをながめます。学生の恭子「桜良は友達のいなかった私のそばにいてくれた。傷つけたら絶対許さない」

御見舞に行った僕は学校中でストーカーだと噂されてることを桜良に伝えると、桜良「君がみんなと話さないからそう言われるのよ」。僕「みんながどう思ってるかは気にしない」。桜良「例えば、私が君をどう思ってるか気にならない?共病文庫に書くから、家族以外で君だけは読んでもいいよ。約束したから」

桜良からの旅行に行きたいという電話を断った僕は気になって、移された病室へ行くと、トランプで「真実と挑戦」をお願いされ僕が勝ちます。僕「君にとって生きるとは?」。桜良「誰かと心をかよわせること。自分1人じゃ生きてるってわからない。人との関わりが生きてるって証明だと思う。だから君がこうしてくれる日常が私にとっては宝物なんだ」

桜良「私に生きててほしいの?」。僕「とても」。桜良「君がそこまで私を必要としてくれてるなんて」とハグします。結局、桜良が真実と挑戦で何をしたかったのかはわかりません。季節はずれの桜を見たいと言った桜良のために、写真好きの一晴が北海道なら見れると教えてくれ、僕は初めてガムをもらいます。

予想外の展開!共病文庫の内容は?(ネタバレあらすじ)

一時退院した桜良がおめかしして僕に会いに来ます。メールでほめちぎるよう言われた僕は「僕は君になりたい…」と書いた文章を消して「君の膵臓をたべたい」を送信します。しかし待ち合わせ場所のケーキ屋に桜良は現れません。その日、桜良は向かう途中で、世間を騒がせてた通り魔犯に刺されて死亡してます。

現在の僕「甘えてたんだ。残りわずかの余命を彼女が全うできると思いこんでた。明日どうなるかなんてわからない、だから今この1日をこの瞬間を大切に生きなきゃいけないって彼女に教わったのに」。過去の僕は心の準備に1ヶ月かかり、葬式には行けなかったので、家へ線香をあげに行きます。

僕は桜良の母に「彼女の病気のこと知ってました。共病文庫を見せてほしい」と言うと、母親「これをある人に渡してほしいと言われたけど、あなただったのね」。共病文庫「●●君に共病文庫を見られたけど、彼は気にしないふりしてた。実は前から気になってた。本ばかり読んで自分と戦ってるみたい。もっと彼のことを知りたいから、同じ図書委員になった

共病文庫「死ぬまでにやりたいことリストを作った。彼が家に来た日、とても悪くて良い日だった。少し泣いた。今日は泣いてばかりだ。2週間の検査入院、こわかったけど彼を見ると泣きそうになり顔を隠した。彼と恭子を仲良くさせようとしたが難しそうだ。彼に聞きたいことがあったが真実と挑戦で負けた」

共病文庫「彼が帰り、たくさんたくさん泣いた。動けない日、何も食べられない日もあったが一時退院した日はなんだか元気だ。今日は会いに行くからね」。桜良の母親「本当にありがとう。あなたのおかげであの子はしっかり生きることができた」。僕「もう泣いていいですか?」と号泣します。

『君の膵臓をたべたい』ネタバレ結末と最後/ラスト

現在の僕は図書委員が見つけた「落書きされた図書カード」を見て「宝探しみたいに本を探す方が楽しいでしょ?」と言った桜良の言葉を思い出し、蔵書棚で『星の王子さま』を見つけ、桜良からの手紙も発見します。僕は急いで恭子の結婚式場へ行き、新郎の宮田一晴(上地雄輔)に「ガムいる?」と言われます。

一晴に連れられて花嫁姿の恭子と再会した僕は、恭子へ桜良からの「遺書」を手渡します。遺書「私は膵臓の病気でもう死んでるでしょう。黙っててごめん。大好きだから、恭子との時間を壊す勇気がなくて言えなかった。素敵な旦那さんとかわいい赤ちゃん産んで幸せな家庭を作ってね。追伸:彼とも友達になってね」

僕「友達になってもらえませんか」。恭子は泣き崩れながら「はい」と言い「なんでこんな時にバカ」。桜良から僕宛の遺書「見つけるのが遅い遅い。春樹って呼んでいい?前からそう呼びたかった。病院で聞きたかったことは『どうして私の名前を呼んでくれないの?』でした」。僕は退職願いを破ります。

桜良の遺書「最後まで名前で呼んでくれなかったでしょ?でも気づいた。いずれ失う私を友達や恋人など特別な人にしたくなかったのだと。私は誰とも関わらずたった1人で生きてる強い春樹にあこがれたんだ。春樹はその勇気を誰かに分けてあげて、誰かを好きになって私の分まで生きて!私は春樹になりたい、春樹の中で生きつづけたい。そんなありふれた言葉じゃダメだね。君の膵臓をたべたい

ネタバレ感想『君の膵臓をたべたい』解説や評価レビュー

この先はネタバレありの感想考察です。他の映画はおすすめ映画ジャンル別も参考にしてください。

私の評価 ★★★★★65/100(60が平均)[レビューサイト評価↑]

原作は小説投稿サイト「小説家になろう」で話題になりその後出版された、住野よるのデビュー作です。「キミスイ」の愛称で呼ばれることもあります。2016年の本屋大賞で2位に選ばれ高く評価する読者も多いようです。2018年にはアニメ映画化も決定してますが、そちらは少し不安でもあります。

2017年も「青春恋愛邦画」はたくさん上映されましたが、その中でも『君の膵臓をたべたい』(キミスイ)は最ヒット作です。タイトルからホラー映画を連想しそうですが、膵臓に関する難病ものです。病名は劇中で明らかにされません。内容は『世界の中心で、愛をさけぶ』ことセカチューに似ています。

現代パートの「僕」が学生時代を回想して物語は展開されます。偶然、病院で拾った「共病文庫」がクラスの人気女子の書いたもので、しかも膵臓の病気であと1年くらいしか余命がないことを僕は知ります。しかし取り乱さない僕を見て、桜良も秘密を共有できる相手として友達でも恋人でもない関係でつきあいます。

流れは完全にラブストーリーですが、両者とも最後まで明確には告白せず、恋人関係になることもありません。そこは『四月は君の嘘』に近い感じです。ただ「君の膵臓をたべたい」という言葉は2人にとっては「愛してる」以上に愛情や尊敬がこめられている気がします。

ストーリーはシンプルで、難病ヒット作の焼き直しに見える部分も多いけど、主演の浜辺美波の今しか表現できないフレッシュ感や、泣きそうで泣かない演技などにひきつけられて退屈することはありません。北村匠海の自分を抑制した演技も良かったです。2人とも俳優としては発展段階ですが今後が楽しみです。

物語としては無難に仕上げた感じで、大盛り上がりはしませんが、何度か涙しそうなシーンはあります。桜良をあそこで死なせる効果はそれほどなかった気もしますが、難病映画を見飽きた人たちの予定調和感をこわすのには成功していて、少し意外性もあり序盤の伏線を使ってるのは好みです。

桜良は恭子と僕を仲良くさせたかったようですが、それが友達レベルなのか恋人レベルなのかは不明です。結局中途半端で、しかも恭子と一晴が結婚することになった経緯もあまり語られないのは消化不良な点です。「ガム君と結婚」というのはミステリ要素ですが、からみが少なすぎてどんなキャラなのか不明だったので驚きもありません。

この作品が数ある量産スイーツ恋愛映画の中で特にヒットした理由は、浜辺美波の若さゆえの魅力とキャッチーなタイトル「君の膵臓をたべたい」、そして大人時代の小栗旬や北川景子の学生時代からの延長感などと感じます。お約束的な難病物語ですが、ストレートに泣きたい人、感動したい人にはおすすめです!

『君の膵臓をたべたい』13の疑問と考察・解説

本作の疑問と考察や解説です。小説とは違ってる内容もあります。ネタバレを含みます。

「君の膵臓をたべたい(キミスイ)」の意味は?

映画を最後まで見るとわかるように、僕と桜良にとっては「好きだ」「愛してる」以上に愛情と尊敬がこめられた言葉です。相手の膵臓を食べることにより「一体となる」「相手の中で生きつづける」という風に「永遠に一緒になる」ことも象徴しています。

映画君の膵臓をたべたい

すい臓とは?その役割とは?

消化液やインスリンなどのホルモンを分泌して、食べ物の消化やエネルギーを生み出すのを助ける内蔵の器官です。

桜良の膵臓の病名は?

桜良の病名はわかりませんが「膵臓ガン」とすれば転移がなくても5年生存率はかなり低いそうです。ただ、この年齢でかかる例はほとんどないため、かなり運が悪かったと思います。

桜良が僕に近づいたのは計画どおりなのか?

ラストの共病文庫で明かされるように、桜良は以前から僕のことが気になっていました。僕が共病文庫を拾ったのは偶然だと思いますが、そこで話す機会を得たことを利用して、桜良は図書委員にも立候補したのです。

または、桜良の発言「私たちは偶然じゃなく運命でもなく、自分たちでしてきた選択が私たちを会わせたの。私たちは自分の意志で出会ったの」から考えると、しつこい元カレの隆弘と別れた桜良は、計画的に僕に近づいた可能性も高そうです。

「僕」や「君」と呼びあう理由は?

僕こと志賀春樹(北村匠海)が、桜良(浜辺美波)のことを「君」と呼び続けたため、桜良もマネしたのです。桜良が僕に貸した重要アイテム『星の王子さま』でも、主人公は「ぼく」としか呼ばれないため、それに基づいてるとも考えられます。

ラストの共病文庫で桜良は「いずれ失う私を、友達や恋人など特別な人にしたくなかったから、最後まで名前を呼んでくれなかったのでしょ?」と書いていますが、僕の本当の気持ちはわかりません。

「私も君も1日の価値は一緒だよ」の意味とは?

余命の短い桜良に対して僕が「死ぬ前にもっとやりたいことやりなよ」と言いますが、僕が桜良より長生きできる保証はないので、桜良は「最近通り魔事件もあるし、私も君も1日の価値は一緒だよ」と言ったのです。

また、この言葉は重要な伏線にもなります。僕が寿命をまっとうできる保証がないのと同様に、桜良も膵臓の病気で死ぬまで生きられる保証はないのです。ラストで桜良は、膵臓の病気で死ぬのではなく、通り魔に刺されて死んでしまいます。

桜良が恭子ではなく僕と一緒に過ごす理由は?

恭子は感傷的なので、病気のことを話すと会うたびに泣いてしまうだろうから、桜良はぎりぎりまで恭子との時間を壊さず普通に接してほしかったのです。一方、【僕】は真実を知った後も態度が変わらず「普通の毎日」を与えてくれるので一緒に過ごせます。

また、最後の共病文庫で明かされるように、他人と接することなく本ばかり読んで自分と戦ってるみたいな僕のことを、桜良は以前から気になっていたようです。

『星の王子さま』の意味することとは?

上述のとおり「僕」「君」と呼び合う関係は『星の王子さま』を連想させます。冒頭の授業の「肝心なことは目に見えない。さよならで悲しませるくらいなら、仲良くならなければよかった」は『星の王子さま』と本作のテーマでもあります。

『星の王子さま』の「悲しませるなら仲良くなるべきではなかった?いや、思い出せるなら仲良くなった意味はある」は本作ラストにも結びつきます。また「勇気を持って他人に接し、旅に出よう」「自分の時間を大切に生きよう」も共通テーマです。

何度も出てくる「桜」の意味は?

桜良(さくら)と僕(春樹)は2人とも春を連想する名前で、桜の咲いてる季節に出会います。そして次の桜が咲く頃には入院中で見れず、季節はずれの桜を見せるため、僕は桜良の一時退院中に北海道旅行へ連れて行く約束をします。しかしそれはかないません。

桜は満開になると美しいけど、わずかな時間で散っていきます。その「はかなさ」が、若くして膵臓の病気になった桜良を連想させます。

また、桜良の発言「桜は散った後、数カ月後には芽をつけるが一度眠り、暖かくなると一気に咲く」は、桜良が図書館に残した「遺書」や家の「共病文庫」を暗示していると思います。桜良が死んだ後、それらを読んだ僕の中に「一気に咲く」のです。

病院の「真実と挑戦」で桜良が聞きたかったことは?

共病文庫で語られたとおり「どうして私の名前を呼んでくれないの?」です。結局僕は最後まで桜良の名前を呼ばなかったようです。共病文庫で桜良は「いずれ失う私を、友達や恋人など特別な人にしたくなかったのでは?」と書いています。

遺書の発見が12年後の結婚式直前なのは偶然?

桜良は僕が遺書を見つけるまで時間はかかると思ったけど、12年もかかるとは思わなかったでしょう。きっかけは、ガム君こと宮田一晴と恭子から結婚式の招待状が届いて、僕が過去を思いだしたことからです。

図書室の整理を頼まれたのは偶然ですが、それがなくても遺書は発見してたかもしれません。または超常的に考えると、桜良の意思がはたらいたとか、運命のいたずらと考えてもいいかもしれません。

「ガム君」の名前は?なぜ恭子と結婚?

結婚式の招待状やオフィシャルサイトから、ガム君の本名は「宮田一晴」(上地雄輔)だとわかります。それほど登場しないけど、僕の良き理解者で、隠された靴を見つけてくれたり、北海道の桜ならまだ見れると教えてくれたりします。

学生時代にガム君と恭子がからむシーンはありませんが、恭子が僕をにらみつけてる姿を何度も指摘してたので、もしかするとガム君は恭子に関心があったのかもしれません。オフィシャルサイトによると、ガム君こと一晴は恭子の実家の花屋で働いてるようです。

本作はラブストーリーではないのか?

恋愛だけでなく、友情、親子愛、兄弟愛、家族愛なども広い意味での「ラブ」ストーリーだと定義すると、本作もラブストーリーだと思います。「友だち以上、恋愛未満」ではなく「友だち以上、恋愛以上、家族未満」って感じでしょうか。

恋愛以上だと感じた理由は「君の膵臓をたべたい」という表現が「愛」を通り越して「春樹の中で生き続けたい」「春樹になりたい」という一種カニバリズム的な意味だと解釈できるからです。「一緒に暮らしたい」のではなく「一体になりたい」のです。

他の映画はおすすめ映画ジャンル別も参考にしてください。

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サイト管理人ゆめぴょん(映画・旅行好き)
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