映画『沈黙の艦隊 北極海大海戦』敵の正体は?やまと選挙の勝者は?ラスト結末は?考察ネタバレ感想

日米が極秘裏に開発した原潜を奪い世界に独立国「やまと」と宣言した海江田四郎は、東京湾で米第7艦隊を圧倒しNYへ。その背後を米の最新鋭原潜がねらい、日本ではやまとを軸に解散総選挙が…。(ネタバレ感想あらすじ↓)
| 映画名/邦題 | 沈黙の艦隊 北極海大海戦 |
|---|---|
| 日本公開日 | 2025/9/26 [予告] 上映時間:132分 |
| 監督・キャスト | 吉野耕平[キャスト] |
| 配給/製作 (画像出典) | 東宝/Amazon MGMスタジオ、CREDEUS |
| 日本興行収入 | 10.9億円 興行収入ランキング |
| 平均評価 平均:100換算 | (興収・評価: 2025.11.5更新) 80 |
| シリーズ 関連作品 | マンガ実写化一覧 前作『沈黙の艦隊』13.7億 |
| 参考・出典 | 公式サイトWiki上映映画館 |
キャラ・ランキング(キャスト/出演者)
個人的なキャラクターランキングです。
※キャラクター名(キャスト/出演者/声優)
- 海江田四郎(大沢たかお)日米開発の原潜の艦長。独立国やまと国家元首
- ジョン・A・ベイツ(ブライアン・ガルシア)政界の名門家の養子。最新鋭の米原潜の館長
- 大滝淳(津田健次郎)民自党のハト派議員。新党・日本鏡水会を発足
- ニコラス・ベネット(リック・アムスバリー)アメリカ大統領
- ノーマン・K・ベイツ: 政界の名門家の長男。最新鋭の米原潜の館長
- 山中栄治(中村蒼)海江田の原潜の副長
- 竹上登志雄(笹野高史)内閣総理大臣
- 海原渉(江口洋介)元内閣官房長官
- 市谷裕美(上戸彩)報道ニュースキャスター
- 海渡真知子(風吹ジュン)元幹事長
- 曽根崎仁美(夏川結衣)元防衛大臣。大悟派
- 影山誠司(酒向芳)元外務大臣
ネタバレ感想『沈黙の艦隊 北極海大海戦』解説と評価
以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!
『沈黙の艦隊 北極海大海戦』原作は?監督とキャストは?
映画『沈黙の艦隊 北極海大海戦』の原作は、かわぐちかいじ著の漫画『沈黙の艦隊』(1988-1996年に連載)。第14回講談社漫画賞一般部門を受賞。2023年1月時点で紙・電子の累計発行部数は3200万部突破。アニメ化もされました。
前作は映画『沈黙の艦隊』後、Amazonプライムビデオでドラマシリーズとして続きが制作され、本作はその続編となります。
監督の吉野耕平は前作から続投。長編映画では『水曜日が消えた』『ハケンアニメ!』を監督。
主演の大沢たかおは『キングダム 大将軍の帰還』などキングダム実写シリーズや『AI崩壊』等、津田健次郎は『劇場版トリリオンゲーム』『かくかくしかじか』等、上戸彩は『昼顔』『シャイロックの子供たち』等に最近出演。
独立国やまとに迫る正体は?違和感の秘密とは?
ドラマシリーズでは日本の洋上ドックで補給を終えた独立国やまと(原潜)がアメリカ艦隊の作戦をくぐり抜けて、国連総会出席のためニューヨークへ向かいます…
やまとはアメリカとロシア国境が入り組むベーリング海峡を抜けて氷山と流氷ただよう北極海を航行。ここはヨーロッパ諸国や中国も見守る海域だが、米大統領ベネットは最新鋭原潜のデータをさらすことと引き換えに各国の原潜を撤退させて戦場に。
名家ベイツファミリーの養子ジョン・ベイツ艦長は、やまと以上の原潜アレキサンダーで背後に迫り氷解音にまぎれて消えます。そして、やまと前方から現れてすれ違った直後に回頭して魚雷発射。海江田艦長は浮上して氷山ぎりで潜航し魚雷を氷にぶつけます。
さらに魚雷が迫るが、なぜか距離設定型で爆破され、海江田は違和感。高速移動も予測以上で、熟考した海江田は2隻いると結論づけます。通信なしで意思疎通し、1隻は常に安全地帯から攻撃し、1隻はおとりや誘い込みに専念…
以上が序盤あらすじ。原作漫画でシーウルフと呼ばれた原潜との戦闘は、原潜どおしの戦闘では当シリーズのハイライトです。深海とはいえ少し暗めなのが気になったが位置関係はわかりやすいように工夫されてて映像面も邦画実写では上位級で満足!
ただ細かい不満点をあげれば、魚雷や敵攻撃のかわし方であいまいな箇所が多かった点。いちお安全距離や音紋追跡か否かの発言はあるが、原作読んでない人には理解できないでしょうね。となると「主役には当たらない弾」と思われないか心配…
一方、北極海大海戦で最もミステリー要素となる「実は2隻いる」という展開はかなり劇的に描かれてて好みでした。大統領の「彼ら」発言や義兄からのルアーなど伏線もきいてきます。
やまと総選挙の行方は?北極海での勝者は?
日本では、やまと提案の「国家と切り離した世界的軍事組織の創設」に賛同する現総理・竹上が、国民総意を図るため解散総選挙を発表。官房長官・海原渉らと離党し新民自党を発足し海渡真知子ら民自党と離別。ハト派の大滝淳も離党し軍備永久放棄を掲げる日本鏡水会を政党化。
世論は二分される中、鏡水会も意外と人気。大滝はある奇策のため北欧でヘリチャーターし北極海へ。一方、海江田から核魚雷保有を生放送で聞き出した記者・市谷はTV局を追われ、フリー記者として海江田を見守るためNYへ出発。
北極海では通称ツインホーンズの危険海域を並外れた操艦で脱出したやまとを狙い、ノーマン・ベイツ艦長の原潜キングが魚雷発射。やまとは潜航でかわし爆破音にまぎれて敵2艦と一直線の位置に。海江田は躊躇せずキングに魚雷発射。キングはよけきれず上の氷を爆破し魚雷を誘発させるが操艦不能に。
あきらめず魚雷装填するキングを、やまとはとどめの一発で沈めます。仇討ちを考えたジョンだが義兄からの最期のピン(生きろ)を理解し降伏浮上。敬意を表した海江田のやまとも浮上。そこへヘリの大滝が現れ「やまと保険」を海江田に了承してもらいます。
以上が中盤あらすじ。『沈黙の艦隊』が異色なのは政治をしっかり描いてる点。目的が「世界平和」なので政治とは切り離せないが、政治家たちの細かい思惑や政党の行き来などにこんなに時間使う物語はめずらしいと思うが嫌いじゃないかも。
前作やドラマでは、ボケ上と言われた無能総理が戦時下で覚醒していく姿が見どころの1つでしたが、今回は大滝淳が「世界的な軍備永久放棄」からの「やまと保険」という奇策をぶち上げて全部持っていきます。現実的かはともかく発想の豊かさで原作者を尊敬!
大統領といい最新鋭原潜の撃沈といいアメリカを徹底的におとしめてるようだが、ひきょうな方法を使わないし義弟を犠牲にしないし最後に原子炉を閉鎖したりとキングは素晴らしい軍人です。大統領も考えた末にNY湾での攻撃を中止したのでトランプ大統領より良識はありそう?
ラスト結末は?海江田の戦い方とは?続編は?
アメリカの最新原潜すら沈めたやまとは改めて国家に依存しない軍事組織を世界へ提案し出航。この演説で総選挙も竹上の新民自党が勝利し第一党に。「平和が利益となるやまと保険」を目指す大滝は連立を提案後、保険を実現させるためロンドンへ。
ニューヨークに迫るやまとは浮上し戦闘意思がないと発信。しかし米第2艦隊は大統領命令で攻撃開始。やまとは潜航と浮上とたくみな操艦で魚雷をかわし、敵艦隊に魚雷ではなくアクティブソナーを発信して戦意ない事と擬似的な撃沈を示します。
大量の対潜兵器アスロックに追われたやまとは急浮上して背後の大爆発で水上をクジラのように飛んで着水。目の前の旗艦空母・ジョン・F・ケネディの攻撃より先にアクティブソナー発信で擬似的な第2艦隊全滅を示し、アメリカ入国許可を要求。
米軍上層部は戦闘継続を模索するが、ベネット大統領は一方的な攻撃はアメリカの権威を喪失させると考えて戦闘中止を命令。戦闘を記録した市谷ら報道陣は米軍から守秘契約を強要されます。海江田は「グッドモーニング、ニューヨーク」と発信し入国へ向かいます。
以上がラストまでのネタバレあらすじ。今回は北極海での原潜対決で終了すると予想してたが、ニューヨーク沖での海戦と空中浮遊まで見せてくれて大満足!が、逆にこの先だけでは映画続編としては物足りないし、ドラマは数話で終わるのではと心配…
原作ではアメリカ以外の国の首相や原潜も登場したが、今回の実写版ではほぼアメリカしか登場してません。これは世界各国への配慮なども考えられるが、この先を描くためにはアメリカ以外の国が必須となるので続編は制作されない可能性もあるのかな…
原作未読の人にとっては、国連総会、新たな軍事機構、やまと保険、日本の新政権、やまとの報道など全てが宙に浮いた状態で終わってるので何らかの続編は観たいですね。かわぐちかいじによる新章も歓迎だが、あの先はかなり難しそう。
映画『沈黙の艦隊2 北極海大海戦』ネタバレ感想と私の評価
原作漫画『沈黙の艦隊』は人生ベスト級に大好きなので前作に続く本作も初日に映画館で鑑賞。今回はハイライトの原潜対決の映像化が心配だったがまったく問題なくて一安心。もう少し明るくして、海中戦闘場面も観たかったが邦画にしては上位級。
海江田四郎を演じた大沢たかおの他、津田健次郎、笹野高史、江口洋介、上戸彩なども配役どおりに演じてて好感。ジョン・ベイツ、ベネット大統領を含めアメリカ人を演じた俳優も邦画にしては多かったが原作に近い印象でよかったです!
解散総選挙ややまと保険など漫画では盛り上がるが映像にするとバエないシーンも多くて制作陣も苦労しただろうけど、カットせずに描いてた点は評価したいと思います。原作未読者がどこまでついていけたのかは心配ですが…
上でも書いたとおり、本作ラスト直後から完結までの部分も映像化してほしいが映画では盛り上がりに欠けそうだし配信ドラマでは数話で終わりそう…なのでぜひ原作者による現代的な別ラストも観てみたいが否寄りになりそうなので難しいかな…
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