映画『F1エフワン』常識破りの作戦とは?勝者は?ラスト結末は?考察ネタバレ感想

新人ドライバーのジョシュアは自信家だが所属のエイペックスは最下位。チーム代表が勧誘した元戦友のヘイズは破天荒でメンバーと衝突。しかしヘイズの常識破りの作戦が最弱チームを導き…(ネタバレ感想あらすじ↓)
映画名/邦題 | F1(R) エフワン |
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日本公開日 | 2025/6/27 [予告] 上映時間:155分 |
製作国 | アメリカ |
原題/英題 | F1: The Movie |
監督・キャスト | ジョセフ・コシンスキー[キャスト] |
映倫区分 | 日本:G(年齢制限なし) |
配給/製作 (画像出典) | ワーナー・ブラザース映画/Monolith Pictures、Jerry Bruckheimer、Plan B Entertainment、Dawn Apollo Films |
日本興行収入 | 9.7億円 興行収入ランキング |
世界興行収入 | 2.9億USドル [出典] |
平均評価 平均:100換算 *批評家と一般は単純平均 | (興収・評価: 2025.7.8更新) 82 |
参考・出典 | 公式サイトWiki上映映画館 |
キャラ・ランキング(キャスト/出演者)
個人的なキャラクターランキングです。
※キャラクター名(キャスト/出演者/声優)
- ソニー・ヘイズ(ブラッド・ピット。堀内賢雄)過去に活躍したF1ドライバー
- ジョシュア・ピアース(ダムソン・イドリス。森本慎太郎)チームAPXの新人だがファーストドライバー
- ケイト(ケリー・コンドン。佐古真弓)APXのメカニック・リーダー。車体を開発中
- ルーベン・セルバンテス(ハビエル・バルデム。大塚明夫)チームAPXの代表。ヘイズの元チームメイト
- バーナデット・ピアース(サラ・ナイルズ。本田貴子)ジョシュアの理知な母親
- ジョディ(キャリー・クック。内田真礼)若手女性メカニック
- ピーター・バニング(トビアス・メンジーズ。森川智之)APXの経営者・オーナー
- キャッシュマン(サムソン・ケイオ。木村昴)ジョシュアの陽気なマネージャー
- キャスパー(キム・ボドゥニア。江原正士)APXのリーダー
- リコ・ファツィオ(ジョセフ・バルデラマ。三宅健太)APXメカニック
- ヒュー(ウィル・メリック。内田雄馬)APXメカニック
- ドッジ(アブダル・サリス。杉村憲司)APXメカニック
- チップ・ハート(シェー・ウィガム。加瀬康之)ヘイズの昔のチームのオーナー
ネタバレ感想『F1(R) エフワン』解説と評価
以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!
『F1(R)エフワン』原作は?監督とキャストは?
映画『F1(R)エフワン』は原作のない映画オリジナル作品です。ジョセフ・コシンスキー監督、プロデューサーのジェリー・ブラッカイマー、脚本のアーレン・クルーガー等『トップガン マーヴェリック』制作陣が集合。
撮影はF1(R)の全面協力を得て、グランプリ開催中のサーキットコースも使ったそうです。現役F1ドライバーで元世界チャンピオンのルイス・ハミルトンもプロデューサーとして参加しており本気度が伝わってきます。
プロデューサー兼主演のブラッド・ピットは『バビロン』『ブレット・トレイン』等、ダムソン・イドリスは『トレイン・ミッション』『デンジャー・ゾーン』等、ハビエル・バルデムは『リトル・マーメイド』『デューン 砂の惑星 PART2』等に最近出演。
伝説的ドライバーのヘイズとは?久々のレース結果は?
F1ドライバーの新星としてセナやプロストに迫ってたソニー・ヘイズ(ブラット・ピット)だがレース中の大事故の後、F1界から消えます。10年後、ル・マン耐久24時間レースに参加したヘイズはチームを優勝に導くがトロフィーも触らず去ります。
バハ・カリフォルニアでドライバー等をしてたヘイズを、元チームメイトのルーベン(ハビエル・バルデム)が勧誘。ルーベンが代表を務めるチームAPX(エイペックス)は最下位で借金だらけ。新人レーサーのジョシュアは腕はいいが自信過剰。
10年以上もF1から離れてて高齢レーサーのヘイズは、チームメンバーにもマスコミからも疑念を抱かれます。初レースでは同チームのジョシュアと順位をあらそって両者ともリタイアするという最悪の結果に…
ヘイズは、チームAPXのメンバーは優秀だと感じたが、最下位の理由は少しずつ歯車がかみあってないことだと気づきます。気後れしてミス多発の若手女性メカニックのジョディや、車体開発のケイト(ケリー・コンドン)らに声をかけます。
以上が序盤あらすじ。F1や車にくわしくないのでル・マンとの違いも不明だが、どこにいてもかっこいいブラット・ピットと、臨場感あるレースを何種類も観れるだけで映画館で観る価値はあり。
ヘイズが良き人ではないのは明らかだが、ジョシュアに順位をゆずらなかった理由は理解できなかったです。意地…ではないと思うが、記者会見時の「高齢者発言」を根に持ってたのでしょうか。それなら人間ちっちゃい…
ただ、ヘイズは外から来たこともあり、代表ルーベンやチームメンバーには見えてなかった課題にいくつか気づきます。それを1つずつクリアしていく流れは『トップガン マーヴェリック』と似てますね。
ヘイズの常識破りの戦術とは?チームの変化は?
ヘイズはチームの意識を変えるため批判覚悟のグレーな戦術を連発。レース前の周回時に車トラブルと思わせて遅れてスタートし、他車より高速で走ることによりタイヤとエンジンを温めて本番で有利に。ソフトタイヤで短期走行を繰り返し結果的にメカニックもきたえます。
故意に他車や自車の車の破片をコース上に散らし、セイフティカーを出動(通常の約40%に速度制限)させ、何度も追い越し禁止にします。多くの車はその間ピットインするが、ジョシュアにはさせずピットイン中の車を抜いて順位をあげさせます。
ヘイズはグレーな行いでF1界には嫌われて目をつけられるが「勝利への執念」という同じビジョンを見せられ、チームは一体化していきます。
ヘイズのセイフティ戦術で順位を上げたジョシュアはついに10位入賞を果たします。次レースではジョシュアのピットインを極力減らし、ヘイズはジェットストリーム走行でジョシュア車を温存してトップ争いに送り出します。
以上が中盤あらすじ。ヘイズの常識破りの作戦で結果オーライになっていくが、個人的にはグレーというよりブラックだと感じて賛同できません。スポーツのルールハックだとしても、他者を害する可能性が高い方法なので罰するべきかと。
人物像からは悪人ではないどころか、チームとルーキー思いの好人物なのは明らかなので、ヘイズには好印象です。
本作は「敵やライバル」がいない点が独特です。というより内部の人間関係を濃く描くため、ライバルにまで時間をさけなかった感じですかね。ライバルとの駆け引きよりも、チームプレーを重視して勝利をつかみとっていきます。

ラスト結末は?最後の勝者は?
ジョシュアは、コーナー後の直線で1位車を追い抜けとヘイズに言われたのに、その前に仕掛けて大事故になり入院。ヘイズはメカニックリーダーのケイトに「直線ではなくコーナーに強い車」の設計を依頼し、ジョシュア不在時にも順位を上げます。
ジョシュアは復帰後、事故をヘイズのせいにして2人はかみあわずレース結果も不調。車のパーツ不正も内部告発され以前の車に戻され、怒りながら走ったヘイズは大事故で入院。昔の事故でヘイズには2度目がないと知ったルーベンはヘイズの体を心配し解雇。
ヘイズは内部告発者の正体が、チームを好条件で売りぬきたい経営オーナーだと知りルーベンを守るためアブダビ最終レースに強引に出場。ジョシュアは自分の事故がヘイズの指示に従わなかったからだと反省し、ヘイズと息のあった走りを見せます。
ジョシュアはピットインせずに順位を上げるが、タイヤを変えたマクラーレン等に抜かれて4位まで落ちます。そこで偶然にもヘイズが強引な他車にぶつけられ事故車のままピットイン。レッドフラッグとなり全車ピットイン後に再スタート。
ジョシュアは幸運にもロスなしで短期走行に強いソフトタイヤに交換でき、ヘイズの修理もギリ完了。しかしヘイズが温存したジョシュアは1位車と接触。そこで3位のヘイズが優勝!。ルーベンの契約は継続となりチーム売却も無効に。ヘイズはバハへと去ります。
以上がラストまでのネタバレあらすじ。ジョシュアの事故は本人の自信過剰のせいだが、ヘイズの説明不足も感じます。0.1秒を争う瞬間なので言葉足らずも理解できるが「プランC」とか抽象的な議論ではなく事前に策を伝えるべきかと。
あとこの映画、構造的・脚本的に繰り返しや既視感の多さを感じます。まずクラッシュ・スピン・衝突が多すぎて慣れました。また、ジョシュアの大事故・入院のあと、ヘイズも同じ状況に。このへんはもっとシナリオを練ってほしかったかも。
最終レースでのヘイズのレッドフラッグは、努力した者、勝利に執着した者だけにおとずれる最後の「幸運」と考えていいのでしょうか。勝者は予定調和ではあるが「空を飛んでる」ようなスター、ブラット・ピットへの賞賛とも感じます。
映画『F1(R) エフワン』ネタバレ感想と私の評価
映画以外ではF1もカーレースもTVでさえ見たことないが、スピード感や迫力を期待して初日に鑑賞。F1レースの緊迫感とブラット・ピットのかっこよさだけでも、今年映画館で観る価値ベスト10入りです!
ただ、F1映画のよくある展開が多くて斬新さはなく、クラッシュや事故の繰り返しが多いのは気になりました。ヘイズの作戦がスポーツのルールハックとはいえ、ブラックすぎるのも賛同できずモヤりました。
とはいえ、ブラット・ピット、ダムソン・イドリス、ケリー・コンドン、ハビエル・バルデムらの好演と、予算大丈夫?と心配になるほどのF1レースシーンの本気度は一見の価値あり。できれば大スクリーンでの鑑賞がおすすめです!
