『トップガン マーヴェリック』感想ネタバレ解説考察/トムの生死は?極秘ミッションとは?
「トップガン」(1986)続編。トップガンに帰ってきたマーヴェリックは上官に理解されず、かつての相棒グースの息子とも対峙。それでも極秘ミッションのリミットはせまり…。生還できるのか?グースの息子との因縁とは?(ネタバレ感想あらすじ↓)
映画名/邦題 | トップガン マーヴェリック |
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日本公開日 | 2022/5/27 [予告] 上映時間:131分 |
製作国 | アメリカ |
原題/英題 | Top Gun: Maverick |
監督・キャスト | ジョセフ・コシンスキー[キャスト] |
映倫区分 | 日本:G(年齢制限なし) USA:PG-13 |
配給/製作 (画像出典) | 東和ピクチャーズ/Skydance、Jerry Bruckheimer、Tom Cruise Production、ニュー・リパブリック・ピクチャーズ |
日本興行収入 | 137.7億円 年間4位 / 歴代21位 |
世界興行収入 | 14.9億USドル [出典] (歴代13位) |
製作費 | 1.5億USドル |
平均評価 平均:100換算 *批評家と一般は単純平均 | (興収・評価: 2024.11.16更新) 86(私の評価は含まず) |
シリーズ 関連作品 | アクション/スポーツ/冒険映画一覧 |
キャラ・ランキング(キャスト/出演者)
個人的なキャラクターランキングです。
※キャラクター名(キャスト/出演者/声優)
- マーヴェリック/ピート・ミッチェル(トム・クルーズ。森川智之)海軍大佐。伝説的なパイロット
- アイスマン/トム・カザンスキー(ヴァル・キルマー。東地宏樹)海軍大将で司令官。昔のマーヴェリックのライバル
- ルースター/ブラッドリー・ブラッドショウ(マイルズ・テラー。宮野真守)海軍大尉。マーヴェリックの亡き相棒グースの息子
- ハングマン/ジェイク・セレシン(グレン・パウエル。中村悠一)トップガン生。海軍大尉。スピードに自信ある実力派
- フェニックス/ナターシャ・トレース(モニカ・バルバロ。内田真礼)紅一点の女性トップガン生。海軍大尉
- ペニー・ベンジャミン(ジェニファー・コネリー。本田貴子)バーの女主人。マーヴェリックの旧友
- アメリア・ベンジャミン(リリアーナ・レイ。水瀬いのり)ペニーのひとり娘
- ボブ/ロバート・フロイド(ルイス・プルマン。武内駿輔)トップガン生。海軍大尉。まじめ
- サイクロン/ボー・シンプソン(ジョン・ハム。加瀬康之)海軍中将
- ハンマー/チェスター・ケイン(エド・ハリス。菅生隆之)海軍少将
ネタバレ感想『トップガン マーヴェリック』解説と評価
以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!
トップガン2?トップガン1のネタバレあらすじ
【参考】『トップガン1作目』日本の興行収入67億円
直感的な名パイロットのマーヴェリックは、敵機ミグを余裕の背面飛行で追い返し、恐怖で固まった仲間クーガーも無事に着艦させます。クーガー退官により、マーヴェリックと相棒グースはエリート訓練学校トップガンに派遣されます。
マーヴェリックは、ライバルのアイスマンと成績を競い、女性教官チャーリーとは恋仲に。訓練中、不慮の事故でグースを亡くしたマーヴェリックは自信をなくすが、教官ヴァイパーから「父は友軍を救って犠牲に」とはげまされます。
緊急出撃命令でアイスマン達2機が出撃するが敵は6機で苦戦。マーヴェリックも出撃するが恐怖で逃亡。しかし復帰し敵4機撃墜し撤退させます。マーヴェリックは相棒の死を乗り越え、トップガン教官に推薦され、恋人チャーリーとも再会。
今じゃないの意味?マーヴェリックの経歴は?
前作直後、トップガンの教官になったマーヴェリック(トム・クルーズ)は、向いてなくて2ヶ月でやめたそうです。その後もパイロットは続け、イラク等の紛争地でも戦ったが異端児のままで地位は「大佐」どまり。
約30年後の現代、戦闘機よりも無人戦闘機ドローンに予算が費やされる時代に突入してます。新型戦闘機でマッハ10に到達したマーヴェリックは、上官から「パイロットは必要なくなる」と忠告されるが「だが今日じゃない!」と反論。
マーヴェリックは、トップガンの生徒時代にライバルだったアイスマン(ヴァル・キルマー)の推薦で、再びトップガンの教官に戻ります。今回は極秘ミッションを達成するためのエリートパイロット数名を鍛えて選抜するのが目的です。
以上が序盤のネタバレあらすじです。前作ラストでトップガン教官になったマーヴェリックは、すぐにやめたそうです。管理職よりも生涯現役プレイヤーが向いてるマーヴェリックなので、その事実は聞いても驚きませんね。
また、恋人チャーリー(ケリー・マクギリス)ともうまくいかなかったようで、その後の恋愛歴や結婚歴は不明です。戦地を転々としたことから特定の恋人はいなかったような雰囲気です。
現実の戦争でも無人戦闘機ドローンが活躍し始めてるので、多くの戦闘では本当にパイロットは不要になるのでしょう。マーヴェリックも現実をつきつけられますが、旧式戦闘機を乗りこなす技術が後半に伏線として見事に回収されます。
マーヴェリックの「(パイロット時代の終焉はいずれくるが)今じゃない」の一言は「映画館は終わり、配信が主流の時代が来るかも。だが今じゃない」のよう。自ら率先してパイロットや映画の成功例を示し、可能性を感じさせてくれる最高の上司です。
グースの息子ルースターとの因縁とは?
トップガンの教え子には、マーヴェリックの亡き相棒グースの息子ブラッドリー・ブラッドショウ/通称ルースター(マイルズ・テラー)もいます。ルースターは教官マーヴェリックに対して怒りをぶつけてきて因縁がありそう。
前作で描かれたグースの死は、機体の故障によるものでマーヴェリックの責任は一切ありませんでした。ルースターが怒りをぶつける理由は、海軍への志願書をマーヴェリックが破棄して4年も入隊が遅れたためです。
マーヴェリックがそうした理由は、息子を海軍に入隊させたくないグースの妻キャロル(メグ・ライアン。公開未登場)の意向に賛成したためです。しかし結局ルースターは自力で海軍に入隊し、エースパイロットに登りつめました。
ルースターは、ハングマンから「ルースター(おんどりの意味)の名前どおりおそい」とやじられたり、マーヴェリックから「考えて飛ぶな。まず感じろ」と助言されるが、正確な飛行技術と冷静な判断力で終盤に大活躍します。
マーヴェリックとルースターの因縁も一緒に飛び続けることにより解消され、ラストではマーヴェリックとグースの関係をリピートするような展開(後述)で父親を継承する姿を見せてくれます。グースと同じ姿でピアノを弾くシーンもグッときました。
それにしても「4年間も無駄に」されたら、誰でも怒りたくなりますよね。大人になってからの職業選択は自分の意志なのでもっと早く尊重してあげるべきだったとは思います。グースに息子の勇姿を見せてあげたかったですね(涙)
マーヴェリックの秘策は?アイスマンとは?
トップガンに戻ったマーヴェリックが最初に聞いたのは、エースパイロットでさえ数機が犠牲にならないと達成できない「生還不可能な極秘ミッション」。しかしマーヴェリックは「時間こそが敵」として「生還可能ミッション」を策定。
上層部が「4:00」(4分)で計画したミッションを「2:30」に短縮することで全員の生還率をあげようと考えます。しかし気絶するほどの「G」や高速での渓谷超えと正確なミサイル爆撃(2つの奇跡)が要求され、隊員たちはついていけません。
マーヴェリックは、旧友であり大将までのぼりつめたトム・カザンスキー司令官/通称アイスマンの希望で再会。彼は病気で声も出せなくなりキーボードで会話。そしてミッション前に病死し、マーヴェリックも深い悲しみに。
アイスマンが大きな後ろ盾だったマーヴェリックは、サイクロン中将からトップガンだけでなくパイロット資格の剥奪もつきつけられます。極秘ミッションの作戦も「誰かが犠牲になる4分ミッション」に戻されますが…。
マーヴェリックは無許可で基地を飛び立ち「2:15」での模擬ミッションクリアを宣言。自らの飛行でこの作戦が実行可能だと見せつけます。ついにサイクロン中将の心も動かし、マーヴェリックを主機としてこの作戦が許可されます。
前作「トップガン」はTV放送で何度か観たけど「アイスマンは嫌な人」という記憶しかありませんでした。しかし最近見返したら「アイスマンが一番いい人」と思いなおしました。だから今回の死も号泣…。
そして直感的で無鉄砲なマーヴェリック(トム・クルーズ)が戻ってきてからの、単独飛行での超難関ミッション達成までの流れは、本作のハイライトに思えて(実際はこの後に2回以上ピークあり)また号泣…。あざといが大好きな展開。
極秘ミッションの内容は?作戦は成功?
今回の極秘ミッションは、ならず者国家(北朝鮮?イラン?)の濃縮ウランプラントを破壊すること。急勾配の2つの山に囲まれた谷底にある施設で、周囲も渓谷です。近くに滑走路つきの基地、第5世代のステルス戦闘機、多くの地対空ミサイルが配備。
GPSが妨害されてて、無人戦闘機ドローンやトマホークミサイル攻撃は不可能。第5世代機よりも、エースパイロットによる急降下爆撃ができるF-18がむいてます。数秒だけ先に戦艦からのトマホークミサイルで基地と滑走路を爆破し敵戦闘機を無効に。
爆撃機ダガー1のマーヴェリックは、ダガー3のフェニックス&ボブのレーザー照準で目標物を爆撃し奇跡1。爆撃機ダガー2のルースターは遅れを取り戻したが、ダガー4のペイバック&ファンボーイのレーザー照準が故障し、目視でプラント施設を爆撃し奇跡2。
急上昇で山を超えるが「G」で気絶しそうになったところへ、敵の地対空ミサイルが飛んでくるので回避行動が困難。被弾しそうなルースター機を救うために、マーヴェリック機が犠牲となり行方不明に。
前作『トップガン』の戦闘はドッグファイト(戦闘機vs戦闘機)メインでしたが位置関係がわかりづらく、誰が誰をねらい誰にねらわれてるのかさっぱりわかりませんでした。臨場感だけは当時一流でしたが、さすがに今は見劣りします。
今回の『トップガン マーヴェリック』は基地攻略なので前作との単純比較はできませんが、説明時と作戦時の全体図での見せ方がわかりやすくて、戦争映画にくわしくない私でも「なぜそうするのか」や「困難さ」も理解できて大満足。
マーヴェリックの生死は?トム・クルーズの継承?
被弾したマーヴェリックは脱出したが、敵の戦闘ヘリに追われます。上官の命令違反で引き返したルースターが敵ヘリを撃破するが、敵戦闘機に撃墜され脱出。合流した2人は、敵基地で旧式F14(前作のマーヴェリックとグースの搭乗機)を強奪。
前の操縦席にマーヴェリック、後ろ副操縦席にルースターが乗り、破壊された滑走路から無謀な離陸。敵の最新鋭第5世代戦闘機2機にバレてドッグファイトに。奇襲で1機落とすが、性能の違いを見せつけられ大苦戦。最後の機銃で逆転勝利。
新たな敵機への武器はなく急上昇で逃げるのみですが、高速で来たハングマン機に救われます。マーヴェリック機は燃料も切れ、前輪もなくなってたが、空母の甲板員が張ったネットで着陸成功。恋人ペニーと娘アメリアと家族になりそうな雰囲気で終了。
予想では「極秘ミッションクリア後、マーヴェリックが生徒を救うため犠牲に…」と思ってたのですが、まさかその後にもこんな胸熱ドラマが続くとは完全に意表をつかれました。良い意味で。「あそこにF14が…」から涙があふれて…。
昔マーヴェリックがグースと乗ってたF-14戦闘機に再び乗る展開だけでなく、前にマーヴェリック、後ろにグースの息子ルースターという当時の役割を再現することで、2人とも過去を追体験するトラウマ乗り越え療法になってて見事。
旧式F14で、最新鋭の第5世代戦闘に勝つのは不可能でしょうけど、渓谷の低空飛行を何度も訓練したマーヴェリック達の方に「地の利」はあり、敵が旧式をなめてたことも勝因なのでしょう。ただ、敵が「機銃だけの敵機」に気づかないわけもなく上昇して有利になれたと思うのですが。
全編とおして、マーヴェリックが、自分も生涯現役のプレイヤーとして若手達に継承している姿が描かれます。それはまるで、トム・クルーズが若手俳優女優たちに、身をもって継承してるようにも感じられ、素晴らしい脚本です!
映画『トップガン2 マーヴェリック』私の感想と評価
前作『トップガン』には全く思い入れなくて、今回の新作も直前まで観るか迷ったのですが、今年2022年のベスト3に入りそうなくらい大好きで楽しめました。30年以上ぶりの続編としてはこれ以上ないくらい最高の出来栄えです!
正直、最近観た前作は「親の七光りがエコひいきで選抜」されたり「都合よすぎるヒロインが都合よく恋人に」なったり「ドッグファイトがわかりづらかったり」とマイナス印象でしたが、今回の前日譚として観ることはおすすめします。
本作『トップガン マーヴェリック』は、同年公開『スパイダーマン ノーウェイホーム』とは違う方向性で過去作へのリスペクトを感じ、古い作品の続編の正しいあり方を教えてくれたような気がします。
『トップガン』はトム・クルーズの出世作としても有名ですが、今回は主演だけでなく製作にも加わっており「作りてのトムが、1視聴者の視点や望むシーンもよく理解してる」ことがわかります。ミッションインポッシブルシリーズが指示されるのも同じ理由ですね。
アイスマンとグースへのリスペクト、130分におさめた編集手腕、自ら立案作戦を成功させるシーン、ミッション達成後のルースターとの共闘など。古き良きコテコテ展開の中に、現代風のスピード感と情報量の多さをバランスよく見せてくれ、笑って号泣できた素晴らしい映画です!
私の評価 85/100(60が平均)
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