映画『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』ネタバレ感想考察/首謀者の正体は?ギギの能力とは?
逆襲のシャアから12年後の宇宙世紀105年。地球へ向かうハサウェイ・ノアは、反連邦マフティーを名乗るハイジャック犯を倒した時、少女ギギと連邦軍大佐ケネスと運命的な出会いを…。「Ξ」の読み方と意味は?ハサウェイの正体は?(ネタバレ感想あらすじ↓)
映画名/邦題 | 機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ |
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日本公開日 | 2021/6/11 [予告] 上映時間:95分 |
監督・キャスト | 村瀬修功[キャスト] |
映倫区分 | 日本:G(年齢制限なし) |
配給/製作 (画像出典) | 松竹ODS事業室/サンライズ |
日本興行収入 | 22.3億円 (年間15位) |
平均評価 平均:100換算 | (興収・評価: 2024.8.15更新) 77(私の評価は含まず) |
シリーズ 関連作品 | SF/ファンタジー映画一覧 |
キャラ・ランキング(キャスト/出演者)
個人的なキャラクターランキングです。
※キャラクター名(キャスト/出演者/声優)
- ハサウェイ・ノア(小野賢章)地球連邦軍ブライト・ノアとミライの息子。軍役を経験後いまは…
- ギギ・アンダルシア(上田麗奈)容姿端麗な謎の美少女。ハサウェイ、ケネスと同じ地球行きに乗り合わせる
- ケネス・スレッグ(諏訪部順一)地球連邦軍大佐。マフティー殲滅部隊キンバレー部隊の司令としてダバオ空軍基地に赴任
- レーン・エイム(斉藤壮馬)ケネス配下のエースパイロット。ガンダム型「ペーネロペー」を操る
- エメラルダ・ズービン(石川由依)赤髪で姉御肌の女性。マフティーのMSパイロット。メッサー1を操る
- ガウマン・ノビル(津田健次郎)野性的な顔。マフティーのベテランパイロット。メッサー2を操る
ネタバレ感想『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』解説と評価
以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!
ハサウェイの正体は?マフティーとは?
映画『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』は三部作の1作目。宇宙世紀79年(U.C.0079)一年戦争『機動戦士ガンダム』(1979/TV)から、93年(U.C.0093)第二次ネオ・ジオン戦争『逆襲のシャア』(1988/映画)を経て12年後の物語です。わかりやすい宇宙世紀年表は公式サイト中段からダウンロードできますよ。
主人公ハサウェイ・ノアは、一年戦争で活躍した連邦軍所属のブライト・ノアとミライ・ヤシマの息子で、いわばエリートです。逆襲のシャアでは、アムロ・レイとシャア・アズナブルとも接して、多感期の人格形成に大きな影響を受けました。
冒頭でハサウェイは、植物監視官として地球に降ります。しかし成長した本当のハサウェイ・ノアの正体は、別名マフティー・ナビーユ・エリンであり、反地球連邦組織マフティーのリーダー格です。
反地球連邦組織マフティーとは、地球を私物化し汚染を加速させている「地球連邦政府の腐敗した特権階級」の粛清を目的とした秘密結社です。地球連邦政府から見ればテロリスト集団なので、対マフティのキンバレー部隊を組織。
ハサウェイと同じ特権階級シャトル「ハウンゼン」で地球に降りたケネス・スレッグは、このキンバレー部隊の新司令官です。着任後、キンバレー部隊は「キルケーユニット」に改名。部下のレーン・エイムは、ガンダム型モビルスーツ「ペーネロペー」パイロットです。
ギギの能力は?ニュータイプとは?
冒頭でハイジャックされたハウンゼンを、ハサウェイとケネスが救うシーン(Aパート)は見どころです。ギギと男2人との出会い(ガンダムの定番)だけでなく、主要3キャラの性格や能力をまとめて見せるシーンとしても素晴らしい導入です。
ハサウェイとギギがいきなりテレパシーで会話するのは、学校教育では存在を否定されているという「ニュータイプ」だからです。宇宙へ出て重力から解放された人類の一部が「ニュータイプ」と呼ばれる超能力者になった世界の物語です。
さらにギギ・アンダルシアは、勘がするどくてウソを見抜いたり、少しだけ未来予知もできるようです。また、それらの能力を無意識に使ってなのか、かなりの強運の持ち主で、それゆえケネスはそばにおこうとします。
ハサウェイは正義?アムロとシャアを受け継ぐ者?
ハイジャックの影響で香港行きシャトルは、フィリピン南部ダバオ(インドネシア[私の旅行記]やオーストラリアの北)に到着。ハサウェイは街で仲間にテロ攻撃を指示します。
ハサウェイ・ノアは「アムロ・レイのガンダム」型を引き継いだのに「シャア・アズナブルの信念/思想」も引き継いだため、完全にテロリストに成長しています。父ブライト・ノアや母ミライからよりも、強いカリスマにひかれたからでしょう。
マフティーのモビルスーツ「メッサー」を出動させ、ホテル泊の地球連邦政府高官をためらいなく殺害します。自分の宿泊ホテルの上階を破壊させるのはやりすぎですが、先がよめるニュータイプの能力を過信してるようにも思えます。
しかしケネスのキルケー部隊が応戦するのはよめてなかったようで、結果的に無関係な街の人々を死傷させます。また、ハサウェイは騒動中にマフティーに合流予定でしたが、ギギから離れられなくて、仲間のガウマンが捕虜にされます。
ハサウェイがギギにひかれるのは、少女性とニュータイプの共感性だと思いますが、ガンダムシリーズではおなじみの展開です。アムロもシャアもカミーユも。それで仲間を危険にさらしたのはリーダー失格なのに、誰もとがめないのは違和感。
新ガンダム「Ξ」の読み方と意味は?モビルスーツ戦の賛否は?
マフティーに戻ったハサウェイは、アナハイム・エレクトロニクス社からの新型モビルスーツ「Ξガンダム」を高高度コンテナで入手。「Ξ(クスィー/クサイ)」はギリシア語で「ν/N(ニュー)」の次。『逆襲のシャア』でアムロ・レイが最後に搭乗した「νガンダム」の継承を意味しています。
わざわざ宇宙から地球へ降りたのに、たいした用事もなくまた宇宙へ上がったり、大気圏突入時に戦闘するのも「ガンダムシリーズの定番」ですね。
「Ξガンダム」と「ガンダムタイプ・ペーネロペー」との戦闘は興奮したけど、速すぎ暗すぎでわかりづらくて残念。大人の戦線を見てきたハサウェイが策士としても上手でしたが、正々堂々にこだわるレーン・エイムも憎めないキャラですね。
ダバオの街でのモビルスーツ戦も同様に暗さが気になりました。一方、最新のアニメ技術で描かれるガンダムのバトルには胸が高鳴って涙出ました。このクオリティで一年戦争、Z、ZZもリブートされたら絶対観たいですね。否定派もいそうだけど。
ただ、本作『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』1作目ではキャラ紹介と人間ドラマに重点がおかれて、モビルスーツ戦が少ないので「ロボットアニメ」を期待した人には物足りないでしょう。今回は「一般大衆の目線で見たモビルスーツの凶器性/テロリズム」が強調されてます。
『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』私の評価と感想と続編
ガンダム作品は久々に観たのですが、特徴的な台詞、個性的なキャラと関係性、名シーンになるようなかっこいい演出、それらを盛り上げる音楽・効果音・映像美など、愛され続けるには理由があることを思い出しました。
小説はかなり前に読んだので細かい変更点には気づけなかったけど、うっすら覚えてた核心部分でも何度も驚かされたので、脚本の質も素晴らしいと思います。ただ、モビルスーツ戦が少なくて、しかも暗くてわかりにくい点は不満でした。
また、3部作の1作目なのでキャラとモビルスーツのお披露目で終わったのは少々盛り足りなく感じました。2時間半x二部作くらいの方が前後編ともに見ごたえあると思うのですが、3回に分けた方が物販も売れるというビジネス事情はありそう。
本当の意味での作品評価は3部作が完成しないとわかりませんが、3部作の1作目としては高く評価したいです。しかし1本の映画としては平均点。残り2作の続編はもっと盛り上がる展開なので、今から楽しみで早く観たいです!
私の評価 65/100(60が平均)
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