映画『さんかく窓の外側は夜』ネタバレ感想考察/驚きの真相とは?謎のJKの秘密とは?
霊の視える三角は、除霊師・冷川に見出され、バディで未解決連続殺人事件の捜査に協力。やがて謎の女子高生ヒウラエリカにたどりつくのだが…。ヒウラエリカとは何者か?(ネタバレ感想あらすじ↓)
映画名/邦題 | さんかく窓の外側は夜 |
---|---|
日本公開日 | 2021/1/22 [予告] 上映時間:102分 |
監督・キャスト | 森ガキ侑大[キャスト] |
映倫区分 | 日本:PG12(小学生指導必要) |
配給/製作 (画像出典) | 松竹/ワタナベエンターテインメント、ハピネット、Seed&Flower、Y&N Brothers、リブレ、トーハン、松竹ブローキャスティング |
日本興行収入 | 3.8億円 (興行収入ランキング) |
平均評価 平均:100換算 | (興収・評価: 2024.8.15更新) 67(私の評価は含まず) |
シリーズ 関連作品 | マンガ実写化一覧 |
キャラ・ランキング(キャスト/出演者)
個人的なキャラクターランキングです。
※キャラクター名(キャスト/出演者/声優)
- 半澤日路輝/ハンザワヒロキ(滝藤賢一)霊やオカルトを一切信じない刑事
- 冷川理人/ヒヤカワ リヒト(岡田将生)霊を払える除霊師。警察の未解決事件にも手を貸す
- 三角康介/ミカド コウスケ(志尊淳)霊が視える書店員。冷川に見出されて助手に
- 非浦英莉可/ヒウラエリカ(平手友梨奈)謎の女子高生。呪いをあやつれる?
- 石黒哲哉(筒井道隆)新興宗教団体の教祖
- 半澤冴子(桜井ユキ)半澤刑事の妻
- 非浦松男(マキタスポーツ)非浦英莉可の父親。教祖である石黒の側近
- 逆木一臣(新納慎也)非浦英莉可のボディガード
- 三角則子(和久井映見)三角の母親
- 慶子/弁護士(北川景子)
ネタバレ感想『さんかく窓の外側は夜』解説と評価
以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!
原作は漫画?監督や平手友梨奈らキャスト
原作は、ヤマシタトモコによる日本の漫画です。ちょうど2021年1月で連載終了したようです。ブロマンス/ボーイズラブ漫画と見られることもあるようですが、実写映画でどう見せるかは興味深いです。
監督の森ガキ侑大は、CMやテレビドラマを手かげて、2018年の初長編映画『おじいちゃん、死んじゃったって。』で高く評価されました。脚本の相沢友子は、映画『重力ピエロ』『プリンセストヨトミ』『本能寺ホテル』等を手掛けています。
主演の岡田将生は『何者』『銀魂』『ジョジョの奇妙な冒険』に、志尊淳は『帝一の國』『フォルトゥナの瞳』に、元欅坂46アイドルの平手友梨奈は『響 HIBIKI』に出演。
『響』で平手友梨奈と共演した北川景子の他、滝藤賢一、和久井映見、筒井道隆、桜井ユキ、マキタスポーツ、新納慎也などもキャストに入っているので楽しみです。
元欅坂46アイドル平手友梨奈が出演してることへのオマージュもありそうです。例えば欅坂46の楽曲『エキセントリック』の「もうそういうのウンザリなんだよ」というセリフは、私でさえ気づきました。
三角と冷川と半澤刑事の能力とは?
幼い頃から霊を見ることができた三角康介/ミカドコウスケ(志尊淳)は、いじめられて親にも打ち明けられずに、書店員として静かに暮らしてました。ある日の仕事中も霊が現れ、現実世界を(ぼやかして)区別できるようメガネを外します。
そこへ霊媒師の冷川理人/ヒヤカワリヒト(岡田将生)が現れ、三角をバックハグして霊視能力を借りて除霊します。冷川に勧誘された三角は契約書にサインし、霊媒師の助手として、半澤刑事の未解決連続殺人事件にも捜査協力します。
犯人を霊視した三角と冷川は半澤刑事と共に、バラバラ連続殺人事件の被害者の体パーツで作られた一体の死体を見つけます。犯人の霊は「ヒウラエリカにだまされた…」と叫びます。
別の事件で訪れたビルで、三角は謎の女子高生の幻影にはばまれて気絶します。事前に冷川が外に描いた「三角形」と「霊を信じない能力」を持つ半澤刑事のおかげで三角は救われます。
導入部も含めて序盤の見せ方はうますぎるし、キャラも立ってるのでかなり引きこまれました。BL漫画ぽい男性同士のバックハグもあるけど控えめで、主要テーマとしては描かれません。三角のひょろさ加減は少し気になります。
バラバラ連続猟奇殺人事件の被害者の体パーツで一体の死体を作るのは、島田荘司の某有名ミステリ小説(ネタバレなのでタイトルふせる)と同じですね。メイントリックではないのでオマージュのようにも感じます。
半澤刑事に呪いきかない理由?2人拉致の理由?
少し前の時間軸で、女子高生の呪い屋・非浦英莉可(平手友梨奈)は女性弁護士(北川景子)を呪いで交通事故死させます。非浦英莉可の父は、新興宗教団体の教祖(筒井道隆)に心酔してるようです。三角の見た幻影JKの正体は英莉可です。
半澤刑事は、事件ビルに近づく女子高生に事情を聞こうとするが、半澤の妻・冴子(桜井ユキ)が倒れた事に気をとられて逃げられます。英莉可の呪いは「信じない」半澤刑事にはきかず、(宝くじ当選も信じる)妻に死の呪いをかけたのです。
契約での呪縛に気づき助手をやめた三角は、半澤の妻の前で冷川と久々に再会。帰り道で拉致された2人は、呪いの副作用で倒れた非浦英莉可を救うよう脅迫されます。三角は率先して英莉可を救うが、彼女の記憶内で見た冷川に不信感。
映画『響 HIBIKI』で平手友梨奈と共演してた北川景子が、カメオ出演でいきなり呪い殺されてショック!後に宗教団体の障害となる弁護士と判明しますが、未遂の半澤の妻も含めかなりの数を呪殺したヒウラエリカが無罪なのは納得できません。
「呪殺」では逮捕できないとしても、ラストで心を開いた非浦英莉可が「教祖の命令だった」と自白すれば事件にできると思います。殺人事件の解決がメインではないにしても、殺された人達をないがしろにしすぎた残念な脚本です。
元欅坂46アイドルの平手友梨奈の演技は少し心配したけど、年齢に見合わない眼力(めぢから)と緊迫感から風格を感じました。一部で話し方に力がないと感じたけど、慣れたらアイドル出身女優の中で頭角をあらわしそうと期待もできます。
冷川の過去とは?続編の予想?残念な点?
半澤刑事の妻を救うため、三角は非浦英莉可の協力を得てビル内の「ケガれの貯金箱」へ侵入。英莉可が汚れの呪縛を喰い破り、自分の体の中へ入れてるすきに、三角は内部へ入るが汚れに耐えきれずダウン。そこを冷川が救いに来ます。
三角が筒(カレイドスコープ)をつかむと、冷川の過去が見えます。幼少時の冷川は、母が狂信的な信者だった新興宗教団体の「神の子」として社会から隔離されて霊能力を利用されてました。母に会えないのを教団のせいと感じ過ごしてました。
ある日、呪われた信者を観た冷川は、そばにいた信者の石黒から「呪い」を教えられ、教団員たちを呪って殺し合いさせました。しかし母まで死なせてしまい、心を閉ざした冷川はその時の記憶をなくします。その後、半澤刑事が保護しました。
「汚れの貯金箱」には呪い殺された霊などの恨み・怨念が集められてて、呪いの力を増幅する役目を果たしてたようです。それを破壊したので、とりあえず新たな強い呪いは発生せず一件落着。しかしJKエリカの手には呪いのような血が…。
ちなみに、幼い冷川に呪いを教えた石黒は、その後に別の宗教団体の教祖となり、狂信的信者の娘つまり非浦英莉可の呪術の力も借りて勢力を拡大させました。原作未読ですが、映画の続編があるなら、冷川・三角・非浦英莉可vs教祖の石黒となるのでしょうか。
ヒウラエリカ演じる平手友梨奈が、汚れを喰らうシーンは壮絶でした。このためにJKに設定したのでしょう。しかしその後の展開がこの映画をダメにしてます。特に三角の能力が拡大解釈されすぎて、ご都合主義がすぎると感じました。
三角は「霊視能力」の持ち主ですが、つながった人の「記憶を見る能力」「タイムリープに近い能力」まで使えてしまいます。「汚れの貯金箱」の破壊方法が抽象的なのも残念。大量殺戮者の冷川とエリカが無罪放免なのも理解不能です。
『さんかく窓の外側は夜』私の評価や感想
最近の邦画ミステリは、あおるだけあおって残念な結末になったり「天才を描ききれなくて駄作化」する傾向にあるけど、本作『さんかく窓の外側は夜』の序盤は、それらをくつがえすほどの勢いがあり今年ベストを期待しました!
岡田将生、志尊淳のバディぶりは充分に描ききれてないけど満足できるレベルだし、アイドル出身の平手友梨奈もセリフは少なめだが本当に呪い屋をできそうな眼力と汚されぶりは健闘してました。個人的には滝藤賢一のハマリ具合いが好みです。
中盤以降の平手友梨奈と滝藤賢一の参戦は楽しいのですが、タイムリープに近い記憶をのぞく能力が発現したあたりからチート・失速を感じました。終盤の解決方法も抽象的すぎるし、大量呪殺した冷川とエリカが被害者ぶってるのも違和感です。
序盤の勢いと論理性を保てたなら、間違いなく2021年上半期ベスト入りしたと思うので本当に残念。せっかく原作漫画を大幅改変したのなら、後半まで脚本の質を維持してほしかったです。それでも続編があれば観たいほどには気に入ってます!
私の評価 64/100(60が平均)
シリーズやジャンル⇒マンガ実写化一覧