『リボルバーリリー』ネタバレ感想解説/結末は?敵の正体と目的は?続編は?
1924年の大正末期、関東大震災後の帝都・東京。居酒屋の女将の大曽根百合は、実は元凄腕スパイでした。百合は少年・慎太を救ったことで、陸軍の精鋭部隊に追われることになるが…。陸軍が敵?山本五十六の狙いは?(ネタバレ感想あらすじ↓)
映画名/邦題 | リボルバー・リリー |
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日本公開日 | 2023/8/11 [予告] 上映時間:139分 |
監督・キャスト | 行定勲[キャスト] |
映倫区分 | 日本:G(年齢制限なし) |
配給/製作 (画像出典) | 東映/シネバザール、エビスコープ、東映東京撮影所 |
日本興行収入 | 6.5億円 (興行収入ランキング) |
平均評価 平均:100換算 | (興収・評価: 2024.8.14更新) 69(私の評価は含まず) |
シリーズ 関連作品 | アクション/スポーツ/冒険映画一覧 |
キャラ・ランキング(キャスト/出演者)
個人的なキャラクターランキングです。
※キャラクター名(キャスト/出演者/声優)
- 小曾根百合(綾瀬はるか)居酒屋の女将。元凄腕スパイ。リボルバー銃の使い手
- 謎の男(清水尋也)陸軍に雇われてる?暗殺者
- 奈加(シシド・カフカ)百合とは旧知。居酒屋で働く
- 岩見(長谷川博己)リリーのそばにいる弁護士
- 琴子(古川琴音)百合とは旧知。居酒屋で働く
- 山本五十六(阿部サダヲ)海軍を仕切る。陸軍を牽制。岩見とは旧知
- ヤクザ組長(佐藤二朗)財界ヤクザの親分
- 細身慎太(羽村仁成@Go!Go!kids/ジャニーズJr.)陸軍に追われて百合をたよる
- 小沢大佐(板尾創路)陸軍大佐。手段を選ばない
- 慎太の父(豊川悦司)陸軍に追われる。生死不明
ネタバレ感想『リボルバー・リリー』解説と評価
以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!
原作は小説?監督やキャストは?
原作はハードボイルド作家・長浦京の小説『リボルバー・リリー』。映画は、オリジナルストーリーも加えたアクションサスペンス。監督の行定勲は『世界の中心で、愛をさけぶ』『ピンクとグレー』『窮鼠はチーズの夢を見る』等も監督。
主演の綾瀬はるかは『レジェンド&バタフライ』や『奥様は取り扱い注意』やNHKドラマ『精霊の守り人』にも出演。
長谷川博己は『はい、泳げません』でも綾瀬はるかと共演。『シンゴジラ』や劇場版も含む『MOZU』シリーズに出演。他、羽村仁成、シシド・カフカ、古川琴音、清水尋也、ジェシー、阿部サダヲ、野村萬斎、豊川悦司らが出演。
リボルバーリリーとは?今はどこに?
関東大震災から1年後の東京。大曽根百合(綾瀬はるか)は、10年前は日本のある機関で養成され、57人もの暗殺に関わった凄腕スパイのリボルバーリリーでした。今は引退し、奈加(シシド・カフカ)、琴子(古川琴音)と居酒屋を経営。
そこへ顔見知りの岩見弁護士(長谷川博己)がどら焼きの差し入れを持ってきます。百合はヤクザ組長(佐藤二朗)から何か話を持ちかけられ秩父に出かけます。電車内で陸軍に押さえられてる少年を救い、一緒に列車から飛び降ります。
追手の陸軍を簡単に倒した百合は、細身慎太と名乗った少年が百合を探してたことを知ります。慎太は家族を皆殺しにされ、行方不明の父からたくされた書類を百合に渡します。百合は岩見に細見家の調査を依頼。
以上が序盤あらすじ。洋画や今風の邦画なら冒頭で激しいアクションがあり、アバンタイトルで観客の心をワクワクさせるのですが、本作は説明文だけで静かに始まり残念。綾瀬はるか、シシド・カフカ、古川琴音の雰囲気は期待させます。
最初に「アクション映画ではなくアクション風映画」と気づかされます。基本的に戦闘は暗くて見えないか、やられ役のスタント頼り。列車内の激しい戦闘がある公開中の『ミッションインポッシブル デッドレコニング PARTONE』と比較されるとつらいかも。
同行した男の正体は?細見の生死は?
百合と慎太は陸軍から逃げる途中、地元の男に見つかり、しかたなく同行させます。船で追う陸軍隊は水中爆弾でふりきるが、同行男が銃を向けます。男の正体は、百合と同じく機関で養成された諜報員(清水尋也)。慎太の書類を奪い逃亡。
居酒屋に預けられた慎太は陸軍にさらわれるが、百合が圧倒的な強さで救出。弁護士の岩見は内務省に連行され、台湾で百合ら諜報員を養成した機関のことと、陸軍の資金難を支えるため雇われた投資家・細見の正体を聞きます。細見は銀行と「バニシング契約」(年1回更新しないと没収)中で期限はあと10日。
細見(豊川悦司)は、争いのない時代を目指すため、陸軍へ資金を提供せず追われました。細見は書類と暗号を、旧知の大曽根百合に渡すよう、息子の慎太にたくしました。細見は国松老人と共に陸軍と戦うが、最後は自害して果てました。
以上が中盤あらすじ。百合が陸軍を水中爆弾で倒した方法はグッドアイデア。アガりました。ただその後の、謎の諜報員の男がグダグダして百合を銃殺しない展開は意味不明。この時点で「主役は撃たれない、撃たれても死なない」ゆるさが…
追われてるはずの慎太とのんびり散歩する琴子も違和感でしたが、不思議ちゃんなので仕方ないかも。岩見を連行した内務省の目的はなんとなく理解できたが回りくどすぎ。視聴者への説明タイム?
慎太の父・細見と国松が陸軍と銃撃戦するシーンは、本作で一番の見ごたえあるアクションでした。細見は動けなくなるまで戦ってほしかったけど、演技力というよりは予算の都合で自害にしたのでしょうね。残念…
バニシング契約というのは面白い設定だけど、10日間というリミットのわりに緊迫感を演出できてないのは、もったいない。そのリミットに向けて、両陣営とも作戦を練って戦えば、もっと緊張感ある展開にできたはず。
結末は?細見の正体と目的は?山本五十六の狙いは?
百合は慎太の家族写真で、慎太の父・細見の正体が、百合がかつて愛したたった1人の男性であることに気づき衝撃を受けるが慎太には話しません。男は百合との子が死んだ後、死を偽装して細見と名乗り家族を作り、戦争のない世界を目指して資金を貯めてたようです。
元海軍士官の岩見は、山本五十六(阿部サダヲ)大佐に百合と慎太の保護を依頼。山本は細見の隠し資金全額と引き換えに、慎太のみの保護を了承。しかし陸軍との関係上、百合と慎太は自分達だけの力で海軍省へたどり着く必要があります。
百合は慎太に銃の扱いを教え、2人でマンホールから海軍省の近くに出ます。待ち受けてた狂気の軍人を倒し、何度もリボルバーに弾をこめて海軍省の前の陸軍隊を倒すが進めません。岩見が助けに来て、バイクごと爆発させて陸軍を粉砕。
細見と奈加と琴子の援護射撃で、慎太は山本五十六のいる海軍省へ入り保護されます。血まみれの百合が資金の使い道を聞くと山本五十六は「10年間、開戦をおくらせ、その間に開戦派を抑える」と。
海外へ行く前に慎太は、帰国したら百合に会いに行くと約束。慎太を狙ってた陸軍大佐は、内務省?のヤクザ組長に暗殺されます。電車内で岩見は百合に愛の告白をしようとするが、眼帯の男が襲ってきて百合は戦闘開始。
以上がラストまでのネタバレあらすじ。細見の正体が本作『リボルバー・リリー』の一番の衝撃ネタなのでしょうけど、映画ではあまり有効に演出できてませんでした…。年の差婚なのはいいけど、百合のもとを去った理由に納得感ないし…
百合と慎太が海軍省へ入るまでのラストバトルは、制作陣的には一番のハイライトシーンだったのでしょうがイマイチ。この少人数に敗れた陸軍は戦争で使えるわけないので解散でしょうね。陸軍が子ども1人を殺そうとするのも気持ち悪いし。
奈加と琴子が助っ人に来た時は少しアガったが、活躍はほとんど見せてもらえず残念。敵は一発で倒れるのに、百合は棒立ちでも血が出るだけで生還、というのはさすがにツッコミどころ。せめて野村萬斎のドレスが防弾性という設定はほしい。
山本五十六の回答は山本五十六らしかったし、莫大な資金でも10年しか持ちこたえられないというのも当時の情勢を考えると納得。ただ、そこまで資金がほしかったのなら、百合たちをもっと援護しても良かったのでは?と違和感。
映画『リボルバー・リリー』私の感想と評価と続編
本作『リボルバー・リリー』は公開直前に知ったほどに事前情報もSNSでの期待投稿もなく、小規模かと思いきやキャストは豪華で驚き。邦画にしてはそこそこお金もかかってそうなので、周知されてないのはもったいないと思ったが…
初日に観るとその理由が判明。NHKぽさのある起伏の少ない「スパイアクション風の映画」なので、洋画やアニメのアクションを見慣れてる層にはささりません。実際に観客の平均年齢は高めで、上映時間と体感時間の長さからか、居眠りやトイレ離席が多かったのは気になりました。
綾瀬はるか、清水尋也、シシド・カフカ、長谷川博己、等の闇な雰囲気は良くて、先の展開を期待させます。また、かっこよさにこだわった演出も多々あり、監督や制作陣の意気込みは感じたけど、説明台詞の多さが動きを止めてて残念。
肝心のアクションは、暗さや霧で視界不良だしわざと映さないので、そこは重視してないのでしょう。それでもスパイ映画なら格闘アクションは観たかったところ。合戦のない信長『レジェンド&バタフライ』と同じ失望。
興行収入しだいでは続編も作れそうな終わり方。佐藤二朗による暗殺や、百合と岩見にせまる眼帯の男との戦闘で終わったので物語は続けられそう。続編あれば、NHKぽさのない起伏ある本格スパイアクション映画を期待したいです!
私の評価 56/100(60が平均)
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