映画『樹海村』評価は?ネタバレ感想考察/呪いの正体は?犬鳴村との関連は?
富士の樹海に入ったYouTuberが行方不明になり、視聴者たちが捜索へ。その1人である響は、不気味な箱を発見した仲間が次々と災難にあい、姉との幼少時代を思い出すのだが…。樹海村とは?生き残るのは?(ネタバレ感想あらすじ↓)
映画名/邦題 | 樹海村 |
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日本公開日 | 2021/2/5 [予告] 上映時間:117分 |
監督・キャスト | 清水崇[キャスト] |
映倫区分 | 日本:G(年齢制限なし) |
配給/製作 (画像出典) | 東映/ブースタープロジェクト |
日本興行収入 | 6.8億円 (興行収入ランキング) |
平均評価 平均:100換算 | (興収・評価: 2024.8.15更新) 49(私の評価は含まず) |
シリーズ 関連作品 | ホラー/パニック/バイオレンス映画一覧 続編『牛首村』5.6億 |
キャラ・ランキング(キャスト/出演者)
個人的なキャラクターランキングです。
※キャラクター名(キャスト/出演者/声優)
- 天沢響/ヒビキ(山田杏奈)次女。引きこもりがちで霊感が強く、コトリバコの事を知ってる
- 天沢鳴/メイ(山口まゆ)長女。妹を理解できない。真二郎といいなかだが…
- 天沢琴音(安達祐実)鳴と響の母親
- YouTuberアキナ(大谷凜香)犬鳴村にも登場したユーチューバー。今度は…
- 出口民綱(國村隼)樹海にくわしい地元民
- 阿久津輝(神尾楓珠)美優と結婚し新居へ引っ越し。鳴ともなかよし
- 片瀬美優(工藤遥)輝と結婚し新居へ引っ越し。妊娠中
- 鷲尾真二郎(倉悠貴)鳴や輝らの仲間。鳴とはいいなか
- 天沢唯子(原日出子)鳴と響の祖母
- 野尻雄二(塚地武雅)精神病院の医師
ネタバレ感想『樹海村』解説と評価
以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!
『犬鳴村』復習は必要?監督や山田杏奈らキャスト
映画『犬鳴村』の成功(興行収入14億円)により「実録!恐怖の村シリーズ」第2弾『樹海村』の制作が発表されました。監督はホラー映画を作り続けてる清水崇が続投。『犬鳴村』との関連はほぼないので、予習復習は不要です。
主演は『ミスミソウ』『屍人荘の殺人』等で強い個性を発揮してた山田杏奈です。W主演の山口まゆは、個人的には初めて観るけど多くのテレビドラマに出演してます。工藤遥は2020年の『のぼる小寺さん』で注目されました。
その他、國村隼、安達祐実、原日出子、神尾楓珠、倉悠貴、大谷凜香、日置有紀、高橋和也、塚地武雅などが出演。
続編ではないが「恐怖の村シリーズ」第3弾『牛首村』の感想もご参考に。
富士の樹海の黒歴史とは?犬鳴村との関連は?
冒頭で、國村隼が演じる謎の男と女性が、富士の樹海から飛び出してきたボロボロの幼女2人を保護します。その十数年後、『犬鳴村』でも登場したYouTuberアキナ(大谷凜香)が富士の樹海で生配信中に行方不明になります。
その視聴者の1人・天沢響/ヒビキ(山田杏奈)は警察に事情聴取されます。他の視聴者5人もオフ会的に集まり、富士の樹海へアキナを探しに行きます。樹海におびえた響は1人で帰ります。その後、響の友人達も美優を探しに樹海へ入ろうとするが、國村隼に止められます。
中盤までで「箱」があまりからまない樹海の描写は以上です。『樹海村』というタイトルのわりに「樹海」での展開は少ないです。ラストでの強烈な樹海については後ほど。『犬鳴村』との直接関連はYouTuberアキナの再登場だけでしょうか。
映画内でも語られるとおり「富士の樹海」の神に捧げるため、生きた人間がいけにえとして連れてこられた歴史があります。なんと昭和のはじめまで、その風習は続いたとか(どこまで創作なのか不明)。現代は自殺の名所になってます。
コトリバコの呪いの正体とは?
響は、姉の鳴/メイ(山口まゆ)の友人、阿久津輝(神尾楓珠)と片瀬美優(工藤遥)の新居への引っ越し手伝いに行きます。その床下で発見した「箱」通称コトリバコは、関わった者を滅ぼし、家系もとだえるほどの呪いの箱でした。
美優の流産や大家の死などを体験し、鳴は恋人・鷲尾真二郎(倉悠貴)の実家の寺に「箱」のお祓いを依頼。しかし失敗し、寺も放火されて真二郎の父は死亡し、真二郎も大やけどで入院。放火犯人の響は逮捕され精神病院送りに。
その後、美優は樹海で行方不明になり、鳴と響の祖母、輝、真二郎も…。コトリバコとは、樹海に捨てられた人たちが切り落とした薬指を集めた箱です。呪いの正体はその怨念。箱を樹海に返すと、周囲への呪いが解けると聞いた鳴は1人で樹海へ入ります。
樹海村だけではシンプルな話になるからか「呪いの箱=コトリバコ」を登場させたアイデアは素晴らしいです。無関係に思える樹海村と箱のエピソードが、徐々に集約されていく展開も見事。ただ、時系列やシーン切替が雑でわかりにくいです。
あと、寺でのおはらいや響の放火は、物語のスピードを落としてるだけなので不要。響を閉じ込めるのが目的だろうけど、閉じこめずに動けるようにした方が山田杏奈も活躍できたし、物語的にも良かったと思うのですが。
樹海村とは?箱との関係は?冒頭の幼女の正体は?
樹海村とは、樹海に捨てられて死にきれなかった人たちが集まった村です。コトリバコは、樹海村の人々の薬指を入れた箱で、その怨念は自殺者を呼び集め、好奇心で足を踏み入れた者も森の一部として取りこんでいます。
YouTuberアキナ、美優らも木の一部になってましたが、それは幻影やイメージ絵と思いきや國村隼にも見えてました。大規模な調査、お祓い、木の伐採は行われなかったので捜索隊には見えないファンタジーなのでしょうか。
樹海村に箱を返した鳴は、樹海の亡霊たちに襲われるが、母(安達祐実)の亡霊や響の幽体離脱?により救われます。響は、体を精神病院に残したまま、精神は森の一部に取りこまれながら姉を逃がします。
冒頭で助けられた幼女2人は、母が犠牲になって逃した娘・鳴と響だったのです。母は娘たちを守るため、箱を樹海村に返しに来た時、娘2人を逃して、森の空洞に落ちて朽ち果てたのです。娘2人は國村隼らに保護され、祖母と暮らし始めました。
ラストにかけての、樹海の亡霊、森への取りこみ、母親の霊、響(山田杏奈)の幽体離脱での参戦など、超能力バトルのような何でもアリ展開はかなり雑で残念。樹海の呪いとしても、ロジックやルールの線引きはしっかり考えるべきかと。
エンドロール中の家族の意味は?続編は?
主要キャストのエンドクレジットの後、若そうな夫婦と娘が洗濯してます。ねねと呼ばれる幼い少女は、何かに誘われるように「箱」のようなものに近づきます。すると響(山田杏奈)の声で「箱には近づくな」と警告されて終わります。
箱は明らかに、響も取りこまれた「コトリバコ」です。響の精神や霊が箱の中に生きてるなら、続編での復活もありそうです。『犬飼村』や新たな「恐怖の村」シリーズとつながっていくのかもしれません。
『樹海村』興行収入しだいでしょうが、続編でユニバース化もありえるかも。夫婦の顔を映さなかったのは、まだ役者が決まってないからでしょう。最近は芸能人の不祥事も多いので、撮影が始まるまで伏せといた方がリスクも少ないのでしょう。
『樹海村』私の評価と感想
樹海のおそろしさや「コトリバコ」の不気味さを見せる前半は、傑作ホラー映画になりそうな予感がしました。無関係そうな箱と樹海村が結びつく展開も見事。調子のったYouTuberが行方不明になるのも今風でうなづけました
しかし、箱をおはらいし放火した当たりからスピード感が落ち、夢や幻影や記憶で表現しすぎるのも、もったいなく感じます。最も残念だったのは樹海モンスターとのラストバトルで、最後は響の遠距離スタンドで姉を救う「何でもあり」展開。
あと、仲良し5人グループで美優が結婚相手の輝と鳴とのいい関係を気にするのですが、後にこの三角関係がいかされてないので描く必要なかったのでは?と思います。グループから疎外された鳴がすぐ受け入れられるのも違和感。
『犬鳴村』も『樹海村』も心霊というより具現化したモンスター映画に近いため、ホラーにしては「こわさ」を感じません。ロジックやルール付けは『犬鳴村』の方がやや上です。続編は思いきって能力者バトルにすればユニバース構想もできるのでは?
私の評価 63/100(60が平均)
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