映画『牛首村』感想ネタバレ解説考察/アノ風習や村の真相は?動画女性の正体は?
奏音は、自分そっくりの女子高生が牛首マスクをかぶせられた心霊動画に驚き、富山県の坪野鉱泉へ。そこで「牛首村」と呼ばれるおぞましい場所を見つけるのだが…。生き残る方法は?過去に何が?(ネタバレ感想あらすじ↓)
映画名/邦題 | 牛首村 |
---|---|
日本公開日 | 2022/2/18 [予告] 上映時間:115分 |
監督・キャスト | 清水崇[キャスト] |
映倫区分 | 日本:G(年齢制限なし) |
配給/製作 (画像出典) | 東映/ブースタープロジェクト |
日本興行収入 | 5.6億円(興行収入ランキング) |
平均評価 平均:100換算 | 59(私の評価は含まず) |
シリーズ 関連作品 | ホラー/パニック/バイオレンス映画一覧 前作『樹海村』6.8億 |
キャラ・ランキング(キャスト/出演者)
個人的なキャラクターランキングです。
※キャラクター名(キャスト/出演者/声優)
- アキナ(大谷凜香)詩音のクラスメイト。心霊動画の企画者
- 山崎壮志(松尾諭)富山で奏音と蓮を坪野鉱泉に案内
- 雨宮奏音/かのん(Kōki, )都内の女子大生。心霊動画視聴をきっかけに牛首村に近づく
- 謎の女性(芋生悠)奏音の前に何度か現れる女性
- 三澄妙子(竜のり子)詩音の祖母。牛首村について何かを知ってる
- 三澄詩音/しおん(Kōki, )富山の女子大生。奏音との関係は…
- 香月蓮/れん(萩原利久)奏音のクラスメイト。動画の女子高生を一緒に探す
- 倉木将太(高橋文哉)詩音の恋人
- ミツキ(莉子)詩音のクラスメイト。アキナのアシスタント
- 三澄実(麿赤兒)詩音の祖父
- 三澄風歌(堀内敬子)詩音と暮らす母
- 雨宮直樹(田中直樹)奏音と暮らす父
ネタバレ感想『牛首村』解説と評価
以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!
恐怖の村3作目?舞台は?監督や主演Kōki,について
映画『牛首村』は、『犬鳴村』『樹海村』に続く「実録!恐怖の村シリーズ」の第3弾です。舞台である富山県に実在する心霊スポット「坪野鉱泉/つぼのこうせん」でも撮影されたようです。
清水崇監督は、映画『呪怨』シリーズ、『犬鳴村』『樹海村』も監督しました。
主演のKōki,は、木村拓哉と工藤静香の次女です。二世タレントとして期待と残念さが両立して語られますが、初主演かつ映画デビューの本作『牛首村』の興行収入結果は、Kōki,の成否を示すので注目してます。
萩原利久は、最近では『アイネクライネナハトムジーク』『花束みたいな恋をした』等に出演。
YouTuberアッキーナ再登場?彼女の結末は?
『犬鳴村』『樹海村』でも登場したユーチューバーのアッキーナ(大谷凜香)が再登場。北陸地方の最恐の心霊スポット「坪野鉱泉」に、クラスメイトの詩音とミツキと共に侵入し、心霊動画をライブ配信。
アキナとミツキにいじめのように閉じ込められた詩音は、何者かの手につかまれたままエレベーターごと地階まで落下。しかし遺体は発見されませんでした。その後、アキナは狂ったか呪われたかで、坪野鉱泉から飛び降り自殺。ミツキも牛首トンネル前で車に飛び込んで自殺。
アキナは毎回登場しては死亡してるので「恐怖の村シリーズ」は「アキナ・ユニバース」かも知れませんね。何作目かのシーズン完結編の主人公かラスボスはアキナなのでは?と予想しています。
坪野鉱泉・牛首トンネルとは?旅館で過去に何が?
友人(本人は恋人希望)の蓮(萩原利久)にアキナの動画を見せられた奏音/かのん(Koki,)は、落下後に行方不明になった女子高生が自分にそっくりでショックをうけ、蓮とともに富山県の坪野鉱泉へ向かいます。
地元の山崎と知り合い、車で送ってもらう途中、心霊スポット「牛首トンネル」を通ります。牛首トンネルは、牛首村の八坂神社の神様「牛頭大王」から命名されたそうです。牛の頭、人の体の地蔵がまつられてたが首なし地蔵となり今は行方不明。
トンネルを抜けた瞬間、車で少女をひいたが錯覚だったようです。あの少女はYouTuberアキナの助手ミツキの霊だったのでしょう。奏音、蓮、山崎は、それ以外にも詩音や牛首の霊を、鏡やガラス窓や気配などで何度も感じます。
坪野鉱泉とは、富山県の史跡「坪野城址跡」裏の倒産した温泉旅館の通称で、北陸随一の実在する心霊スポットです。経営者が行方不明となり廃墟は残され、プールで男児が水死したり、オーナーが首つったり、霊が徘徊すると噂されてます。
動画少女の正体と生死は?幼少時の事件の真相は?
詩音の彼氏の倉木に案内された奏音らは、詩音の自宅へ案内されます。すると出張中のはずの父が出てきて、詩音と奏音は双子で、その母と父は離れて暮らしてたことを、始めて奏音に説明。寝たきりの祖母は奏音に「詩音を救って」と。
奏音は薄々双子の存在を感じてたようです。そして今も詩音が生きてることを感じとります。エレベーターで消息不明になった詩音は異次元の扉をくぐり?タイムリープして?、昔の双子捨て穴で何者かから逃げながら生きのびてます。
あの光景は、詩音が行方不明になった4歳の時の記憶なのかもしれません。当時の奏音も証言したとおり、あの時にアヤコの霊が詩音にのり移ったのかも。そもそもあの事件は「双子を嫌う村人」が詩音を穴に落とした可能性すら考えられます。
この両親からKoki,は生まれないでしょ、というツッコミはおいといても、今まで娘たちに何も説明してなかったのは納得しかねますね。劇中の牛首村では今でも「双子を嫌う風習」が残ってて、娘を守るために別居したのでしょうけど。
牛首村の風習とは?謎の少女の正体とは?
祖母の代の牛首村の風習では、双子の片割れは神から人の子となる7歳時に、牛首をかぶせられて深い穴に投げ捨てられたそう(現実ではなく映画での話)。おば捨て山と同様、貧乏な村が生き残るための人減らしの意味もあったとか。
奏音が何度か妄想した謎の少女(芋生悠)の正体は、祖母・妙子の双子姉妹の片割れアヤコです。アヤコは7歳の時に、いたずらで牛首をかぶり、誤って妙子の代わりに穴へ捨てられました。2年後も生きてたが、村人に気味悪がられ殺害された?
詩音、奏音が迷い込んだ穴は時代をまたいだようですが、時系列がとても分かりづらかったのは残念。祖母の時代なのか、詩音が行方不明になった時なのか、現代なのかゴチャゴチャしてます。視聴者を混乱させるにしてもロジックはほしいところ。
奏音の結末は?牛首村の呪いを解く方法とは?
「牛首村の話に関わった者は死ぬ」の予言どおり、車で案内してくれた山崎は牛首の妄想を見た後エレベーターで惨死。おそれてバスで東京へ帰る蓮も変死。蓮が坪野鉱泉の屋上から立ちションして呪われたのは『ミッドサマー』を思い出します。
詩音の恋人の倉木と奏音はタイムリープして、穴で生きのびてたアヤコが村人に殺害された?現場を目撃。そこで発見した詩音と一緒に脱出。追ってきたアヤコや双子の霊たちを外に出られないよう施錠。助けないの?と思いましたが。
しかし村人の双子霊や、詩音に憑依したアヤコに追われて崖へ。奏音は幼少時の記憶「蝶が死んだから、双子ぽい蝶も一緒に死の世界へ」を思い出し、アヤコに取り憑かれた詩音を抱いたまま飛び降ります。恋人だった倉木も一緒に。
すると、現代の坪野鉱泉のエレベーター下に転送され、奏音も詩音も倉木も生還。牛首村の呪いを解く方法は「一緒に死ぬ覚悟で落ちてあげる」ことだったのでしょう。つまり「愛」。今回は姉妹愛と恋愛が詩音を救いました。
「愛」こそが救う唯一の方法というのはよくある展開なのでいいのですが、呪いやタイムリープや異空間転送?とかが混在するご都合主義の連続で、脚本としては破綻してるのでは。なんでもありの夢オチに近いのは、シリーズ共通の課題ですね。
映画『牛首村』私の感想と評価と続編
「恐怖の村シリーズ」は回を重ねるごとにホラー味とこわさがなくなり、ホラー好きとしては残念ですが、観る層を広げる戦略としては正しいのかも。R指定にして『リング』のように容易には生還できない方がホラー好きにはウケそうですが。
キムタクと工藤静香の娘で、実績ない二世タレントが簡単に主演に選ばれたことで炎上してましたが、予想よりは演技面も問題なかったです。ただ、台詞は単語単位で切られ、なるべく周囲に説明させてたので、日本語話せるのが確認できた程度。
Kōki,以外の俳優女優に演技派をそろえなかったのも、Kōki,を守る上では正解だったかも。ただ、映画を盛り上げるタレントがいないため、観終わった後に何も残りません。口コミでも広まりにくいので、映画としては苦しい結果になりそう。
「恐怖の村シリーズ」は『犬鳴村』がそこそこ好評でしたが、3作目まで興行収入は下降線。本作『牛首村』が10億円を越えられないと続編もKoki,の将来も厳しいかも?冒頭で書いたとおり、アキナ・ユニバースのループを止める完結編には期待!
私の評価 55/100(60が平均)
シリーズやジャンル⇒ホラー/パニック/バイオレンス映画一覧