映画『ウィキッドふたりの魔女』オズの魔法使いの正体・秘密?/ラスト結末は?考察ネタバレ感想

魔法と幻想の国オズのシズ大学の寄宿舎でルームメイトになった、緑肌のエルファバと美しき人気者グリンダ。当初は衝突ぎみだがやがて友情を深める2人。この出会いがオズの国の運命を…(ネタバレ感想あらすじ↓)
映画名/邦題 | ウィキッド ふたりの魔女 |
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日本公開日 | 2025/3/7 [予告] 上映時間:161分 |
製作国 | アメリカ |
原題/英題 | wicked |
監督・キャスト | ジョン・M・チュウ[キャスト] |
映倫区分 | 日本:G(年齢制限なし) |
配給/製作 (画像出典) | 東宝東和/Marc Platt Productions |
日本興行収入 | 公表後すぐ更新 興行収入ランキング |
世界興行収入 | 7.2億USドル [出典] |
平均評価 平均:100換算 *批評家と一般は単純平均 | 80 |
参考・出典 | 公式サイトWiki上映映画館 |
キャラ・ランキング(キャスト/出演者)
個人的なキャラクターランキングです。
※キャラクター名(キャスト/出演者/声優)
- ガリンダ・アップランド(アリアナ・グランデ=ブテーラ。清水美依紗)魔力が全くないが美しく陽気で人気者の女性
- エルファバ・スロップ(シンシア・エリヴォ/幼少期:カリス・ムソンゴレ。高畑充希)強大な魔力と緑色の肌を持ち誤解されがちな女性
- フィエロ・ティゲラール(ジョナサン・ベイリー。海宝直人)ハンサムで自由きままなウィンキーの王子
- ボック・ウッドスマン(イーサン・スレイター。入野自由)グリンダに恋するマンチキン
- ディラモンド教授(声:ピーター・ディンクレイジ。山寺宏一)話せるヤギ。シズ大学の歴史教授
- マダム・モリブル(ミシェル・ヨー。塩田朋子)シズ大学の魔法学部長。天候をあやつる
- オズの魔法使い(ジェフ・ゴールドブラム。大塚芳忠)国を統治する偉大で恐れられる魔法使い
- ネッサローズ・スロップ(マリッサ・ボーディ/幼少期:セシリー・コレット・テイラー。田村芽実)エルファバの妹。足が不自由。ボックに好意
- シェンシェン(ブロンウィン・ジェームス。ゆりやんレトリィバァ)グリンダの大学時代の友人
ネタバレ感想『ウィキッド ふたりの魔女』解説と評価
以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!
『ウィキッドふたりの魔女』原作は?後編は?監督とキャストは?
映画『ウィキッド ふたりの魔女』の原作は人気ブロードウェイミュージカル『ウィキッド』です。その映画版であり本作は2部作の前編。後編『Wicked: For Good』はアメリカでは2025年末に公開予定だが日本では2026年公開が濃厚。
監督のジョン・M・チュウは最近『クレイジー・リッチ!』『イン・ザ・ハイツ』等を監督し注目されています。
W主演のシンシア・エリヴォは『ハリエット』『ピノキオ』等、アリアナ・グランデはNetflix『ドント・ルック・アップ』やテレビドラマ『サム&キャット』等に最近出演。
他、ジョナサン・ベイリー、ミシェル・ヨー、ジェフ・ゴールドブラム、ピーター・ディンクレイジ等も出演。
オズの国の大学の2人の魔女の出会いは?
冒頭、オズの国を苦しめた「西の悪い魔女」が倒されたとの知らせで人々は歓喜。そこへ北の善い魔女グリンダが現れ、町の人から「悪い魔女は最初から悪だったのか」と聞かれ「かつて友人だった…」となつかしい話をはじめます。
エルファバは、緑ドリンクを飲みながらの母の不倫の末に誕生。強い魔力を持ってたが全身が緑の肌で幼少期から誰にも愛されずに成長。父は、足の不自由な妹のネッサローズを愛しシズ大学へ入学させ、エルファバに世話係を命じます。
エルファバは人々の陰口に耐えきれず魔法を使ってしまうが、モリブル学部長がかばい素質あるエルファバを個人授業のため入学させます。裕福な家庭出身で美しく、ピンクドレスで着飾ったガリンダのルームメイトにします。
映画化も何度もされたので複数回観てる『オズの魔法使い』なので「悪い魔法使い」も知ってるが、前日譚『ウィキッド』は初めて観ました。ミュージカルファンにはおなじみの物語とか。原作者は別で二次創作的なことも初めて知りました。
冒頭の「悪い魔女は生まれつき?」の答えはノーですね。出生の秘密もひどく、人と違う姿で誰にも愛されないどころか常に陰口を言われながら成長すれば「悪い魔女」になるのも無理はないと思えたが語られた真相はいい意味で予想外。
グリンダとエルファバが仲良しに?きっかけは?
ガリンダは豪華な個室のすみをしぶしぶエルファバに与えるが嫌悪感。エルファバは全生徒から避けられ陰口を言われるが孤独には慣れてます。ガリンダをグリンダとしか発音できないヤギのディラモンド教授は動物差別になげきます。
ウィンキーのハンサム王子フィエロ・ティゲラールが転校して来るとすぐ人気者に。王子は生徒たちを人気ダンスクラブへ誘います。ガリンダは王子に近づくため、言い寄ってきたボックを足の不自由なネッサローズの同伴者として説得。
盛り上がるクラブだが、緑のエルファバが黒ドレス黒ハットで入場すると陰口が。しかしモリブル学部長から魔法の杖を与えられたガリンダはエルファバの推薦と知り心動かされます。自分が与えた黒ハットに後ろめたさもあり、ガリンダがエルファバと一緒に踊りだすと他生徒も改心。
中盤はガリンダとエルファバの衝突から和解の展開。ガリンダは根が悪いわけではなく、世間知らず苦労知らずで生きてきたため欲望に忠実で無自覚に自己中心的で軽薄なだけで悪意はないのでしょう。だからこそ本当の改心も期待できなそうだが…
そんなグリンダの武器は「人気者であること」。一方のエルファバの武器は「他人をおそれさせる強大な魔力」。2人が戦う時、単純比較ではエルファバの圧勝に思えるが、人心を得てない君主が勝つことはないため明るい未来は見えませんね。
フィエロ王子の存在意義は今回だけでは不明だが軽薄で自由気ままなだけでなく、エルファバの緑肌を見ても嫌悪感がない点は他の学生と違い独特の感性ですね。いちおグリンダを選んだが、今後エルファバ側につく可能性もあるのかな?

オズの魔法使いとは?グリンダ誕生の瞬間?
ヤギのディラモンド教授が動物による授業は最後と言い残して連行されます。授業中、檻の中の子ライオンを助けるため、エルファバは教師も生徒も眠らせて王子と一緒にライオンを逃がします。それを見たモリブル学部長の便りでオズの魔法使いはエルファバを招待。
エルファバを見送るガリンダは、動物を擁護する王子の気を引くためヤギの発音「グリンダ」への改名を宣言。オズの首都エメラルドシティへの鉄道に乗ったエルファバはグリンダを勧誘し一緒に出発。シティでは魔法書グリムリーの歴史を観賞。
現在グリムリーを持つオズの魔法使いは巨人…と思いきや操ってた男が出てきてエルファバを祝福。エルファバは勧められるままに魔法書グリムリーの呪文を唱えると、衛兵の猿に翼が生えて苦しみだします。動物と共生したいエルファバは疑問を感じます。
終盤はエルファバとグリンダが和解後、いよいよ人間至上主義が進む世界で、エルファバが夢だったオズの魔法使いとの会合に向かうという前編のクライマックスとなります。逃がした子ライオンはオズの魔法使いのあのライオンになるのかな?
グリンダへの改名はまさかのフィエロ王子に向けてだったのは驚きだが、いちお動物差別へのささやかな抵抗にもなってて「善い行い」と「人気」の両取りという天才的な処世術はさすが。鉄道へ乗るのも熟考なしだが瞬間的な計算高さは天性かと。
ラスト結末は?オズの魔法使いの正体は?2人の魔女の決断は?
オズの魔法使いの正体はグリムリーも読めない詐欺師で、人間共通の敵として動物差別を推進。モリブル学部長もその一味。彼らは共にオズの国を治めようと説得するが、エルファバは魔法書グリムリーを奪い逃走。グリンダ、翼の猿軍団が追いかけます。
追いつめられたエルファバが翼の呪文を唱えると、ほうきに魔法がかかります。グリンダはオズの魔法使いとの和解をすすめながらもエルファバに理解を示し背中をおします。国中に動物虐待の悪い魔女と知れわたったエルファバは空飛ぶほうきで西の空へ。
強大な魔力でオズの国中が停電となり、翼の猿軍団はエルファバを追います。グリンダはオズの魔法使いたちに捕まります。妹ネッサローズやフィエロ王子もエルファバの行動に何かを感じます。
ラストはオズの魔法使いとモリブル学部長の正体と野望が明かされ、エルファバだけが彼らに対峙していく展開となり号泣。エルファバの性格を知ってるモリブル学部長が先をよめなかったり、グリムリーを奪われる可能性に気づかなったのは疑問。
エルファバの黒ハット、黒マント、空飛ぶほうきがそろったり、翼の猿軍団の誕生などのエピソードは興味深い。グリンダがエルファバに付いて行かなかった理由は不明確だが、マイノリティへの道は選んだことないので必然かと。
映画『ウィキッド ふたりの魔女』ネタバレ感想と私の評価
普段 映画館でミュージカル映画は観ないのだが、洋画成分ほしいのと恋愛要素少なそうなので観賞したところ予想外に号泣。昨年の『トランスフォーマーONE』や大好きな『マレフィセント』要素もあるので好きなのは当然かも!
倒すべき悪い魔女エルファバよりも、圧倒的に悪く見える学生時代のグリンダ(後の善い魔女)だが、人気者を維持するために世間の目や体裁を最優先とする考え方が結果的に生きやすくさせてます。不自由にさえ感じなければ。
ミュージカルや音楽映画は物語が止まるのが苦手で本作も少しそう感じたが、2人の素晴らしい歌唱力や圧巻の音楽には多幸感を感じ映画館で観てよかったと思えました。
後編『Wicked: For Good』は日本では来年公開になりそうだが、オズの魔法使いで周知の結末への過程と解釈をどのように見せてくれるのか楽しみ。エルファバに光が当たることを期待しながら公開を待ちたいです!