映画ドラマ評価ピクシーン Pick Scene映画ブログ/評価ランキング/興行収入/ネタバレあらすじ感想

『スパイの妻 劇場版』評価は?ネタバレ感想考察/実話?国家機密とは?夫婦の結末は?

映画スパイの妻 劇場版

『スパイの妻 劇場版』あらすじ概要

1940年の満州で、国家機密を知った優作は、正義のためにその事実を世界に公表しようとします。妻の聡子は夫の決意を知り、幼なじみの分隊長も巻きこんでとんでもない行動に出るが…。タイトルの意味?夫婦は再会できる?(ネタバレ感想考察↓)

映画名/邦題 スパイの妻 劇場版
平均評価★★★★★71私の評価↓は含まず)
日本公開日 2020/10/16 [予告↓]上映時間 115分
映倫区分日本 G(年齢制限なし)
映画監督黒沢清 [キャスト↓]
配給/製作/画像©ビターズ・エンド/C&Iエンタテインメント
シリーズ/関連TVドラマ映画化一覧
日本興行収入2.5億円興行収入ランキング

『スパイの妻 劇場版』予告動画

キャラ ランキング(キャスト/出演者/吹替声優)

個人的なキャラクターランキングです。
※キャラクター名(キャスト/出演者)

  • 1位福原聡子(蒼井優)優作の妻。夫が何かを隠してることに気づき行動に出るが…
  • 2位福原優作(高橋一生)貿易会社「福原物産」を営む。満州である出来事を目にしてしまい…
  • 3位津森泰治(東出昌大)聡子の幼なじみ。神戸憲兵分隊本部の分隊長
  • 4位駒子(恒松祐里)福原家の身の回りの世話係
  • 野崎医師(笹野高史)優作に満州での薬品入手を依頼
  • 竹下文雄(坂東龍汰)福原物産で働く優作の甥。満州へ優作と同行
  • 金村(みのすけ)福原家の執事
  • 草壁弘子(玄理)優作が満州から連れ帰った?謎の女性

ネタバレ感想『スパイの妻 劇場版』解説や評価レビュー

この先はネタバレありの感想考察です。続編前作や関連映画は、TVドラマ映画化一覧一覧もご参考に。

私の評価 ★★★★★65/100(60が平均)[レビューサイト評価↑]

ヴェネチア国際映画祭で受賞!監督やキャスト

本作『スパイの妻』は、2020年6月にNHK BS8Kで放送されたテレビドラマを劇場版として公開した作品です。ヴェネツィア国際映画祭で、コンペティション部門の銀獅子賞(最優秀監督賞)を受賞した話題作です。

黒沢清監督は、ホラー映画や不穏な日常を描く作品を得意としてるイメージです。脚本は黒沢清に加えて、濱口竜介(『寝ても覚めても』)、野原位(『ハッピーアワー』)の3人で手がけたそうです。

主演の蒼井優は、数々の受賞歴を持つ国民的女優で、今回のような気丈な妻役には最適です。スーツを着こなす高橋一生とは『ロマンスドール』でも夫婦役だったので相性はよさそう。長身な東出昌大は、軍服姿や軍人役がにあいそうです。

映画スパイの妻 劇場版

序盤から伏線だらけ?スパイ映画撮影やイギリス商人も

冒頭、イギリス商人ドラモンドがスパイとして逮捕されます。取引相手だった福原優作(高橋一生)は、分隊長の津森泰治(東出昌大)に注意されるが、スパイ疑惑を笑います。優作はすぐにお金や手を回して、ドラモンドは釈放されます。

ドラモンドは、優作と妻の聡子(蒼井優)に反物をプレゼントして、まだ日本軍が進出してない上海へと飛び立ちます。後のエピソードで、ドラモンドの正体はスパイだった(優作が嘘ついた可能性もある)ことが判明して驚くと同時に伏線だったと思いました。

その後、優作は中国大陸の満州へ出張します。さみしい聡子は、山で会った幼なじみの泰治を自宅へまねきます。同行してた女中・駒子(恒松祐里)の「え?」の表情は、私たち視聴者と同じく「夫不在時に男性を招くの?」を表現してました。

聡子は洋服や欧米製品やウィスキーについて、泰治に「時勢を考えろ」と注意されます。聡子が典型的な富裕層で楽観的で世間知らずであるとわかるシーンです。2週間遅れで帰国した優作には、大衆の中でも抱きつくくらい夫大好きです。

忘年会では、優作が撮影・編集した自主制作映画(作中作)が公開され、妻の聡子もスパイ役として熱演します。ダイヤル式の金庫を開けるシーンもあり、後に「スパイする妻」の伏線であることがわかります。

謎の女性の死因は?嫉妬と不倫が引き金に?

聡子は神戸憲兵分隊長の泰治から、有馬温泉の旅館たちばなで働く草壁弘子(玄理)という謎の女性の死を聞きます。旅館たちばなには、優作と満州へ同行後に会社をやめた、おいの竹下文雄も宿泊中。彼が弘子を満州から連れてきたそうです。

聡子は、優作と草壁弘子との不倫を疑い「嫉妬」で夫に追求するが「嘘はつきたくないので信じてくれ」と言われます。分隊長の津森泰治が幼なじみの聡子に、優作と弘子の不倫をにおわせた理由は任務以外に「嫉妬」もあったように感じます。

聡子は有馬温泉の旅館たちばなへ行って文雄を追求し「英訳した謎のノート」を優作に渡すよう頼まれます。旅館の前は憲兵隊で見張られてました。夫の不倫疑惑がはれると、聡子は優作が「スパイの夫」である疑惑をいだき始めます。

結局、草壁弘子は旅館たちばなの主人により殺害されたことが判明。この理由もおそらく「嫉妬・不倫」がらみです。だから、弘子の死にはスパイ容疑は無関係だったと思われます。文雄は翻訳に必至で気づいてなかったのでしょうね。

国家機密の内容は?731部隊の実話?

文雄から預かった人体などが描かれたノートを盗み読んだ聡子は、夫の優作を再度追求して真相を聞き出します。優作と文雄が満州で知り得た国家機密とは、関東軍(日本軍)がペスト菌等の細菌兵器を人体実験した証拠です。

草壁弘子は、研究所で働く医師の看護婦として働いてましたが、事実を記したノートを盗んだ後、優作らにかくまわれて一緒に帰国したようです。聡子は優作不在時に、金庫からノートとフィルムを盗んで、人体実験映像も見てしまいます。

序盤の「スパイ映画撮影」時に、ダイヤル錠の金庫を開けたことが伏線となってますが、ダイヤルを変更してない優作はスパイには向いてないと思います。または、この時点では「優作はわざと開けさせた」と思ったけど、それは深読みでした。

聡子は、文雄から預かった国家機密ノートを、憲兵分隊長の泰治に提出します。憲兵に連行された優作は、文雄が拷問されてスパイ活動を自白したと聞かされて警告されます。帰宅した優作は、聡子を密告者と呼びます。

聡子がノートを憲兵に渡したのは驚いたけど、文雄が「優作も共犯」と白状すれば夫も逮捕される危険もあったので、リスク高い行動です。また、優作の「夫婦の幸福より正義を選ぶ」という信念の理由も不明瞭で気持ち悪いです。

満州の関東軍による人体実験は「731部隊」が実際に行ったとも言われてますが、実験データ・資料・証拠が不十分で、日本政府も否定してます。戦後に日本政府とアメリカが隠蔽したという噂もありますが、真相はまだ闇の中です。

だましあい勝者は?優作は死亡?2人の再会は?

聡子は国家機密の書かれたノートを憲兵に提出しましたが「英訳ノートとフィルム」は廃棄された金庫に隠してました。聡子と優作は、それを持ってアメリカへ亡命することにします。優作の考えで2人は別行動でアメリカへ向かいます。

優作のことが大好きで離れたくない聡子は猛反対するが、アメリカでの再会を約束されて従います。結婚記念日を利用して資産を高級腕時計に変えます。そして聡子は神戸港から米へ向かう貨物船のコンテナに隠れるが、憲兵隊に逮捕されます。

分隊長の泰治は密航者は死刑だと言うが、聡子が持ってたフィルムを映写すると「撮影したスパイ映画」にすり替えられてました。「お見事!」と発狂して気絶した聡子は、その後精神病院に入院となります。

1945年3月、精神病院の聡子を見舞った野崎医師は、優作の船が日本軍の潜水艦に沈められた噂を話します。退院をすすめられた聡子は「私は狂ってません。それが今の日本では狂ってるということなのです」と言います。

やがて精神病院は空襲で破壊され、終戦をむかえます。優作の死亡も確認されたが、偽造の可能性もありました。終戦から数年後、聡子はアメリカへ渡りました。真相は一切明かされないので、ミステリーとしては微妙なラストです。

そこで真相を推測します。優作が聡子を上海へ連れて行かなかった理由は、愛する妻を危険にさらしたくなかったのだと思います。そして憲兵に聡子を通報したのも優作でしょう。フィルムが偽物なら、逮捕されないと思ったのでしょう。

優作は上海からアメリカへ渡れず、イギリス人ドラモンドに同行してインドのボンベイからイギリスへ行ったのかも。生物兵器の証拠を使うまでもなく、日本の敗戦は濃厚となりました。終戦後、アメリカで優作と聡子は再会したと思いたいです。

タイトル『スパイの妻』の本当の意味とは?

映画内で聡子が優作に「私がスパイの妻になってもいいのですか?」と問いかけるシーンがあり、これがタイトル『スパイの妻』であることに異論はありません。つまり「夫=スパイ の妻」です。

これ以外に夫である優作を出し抜いて「ノートを盗んだり憲兵に提出した」聡子こそがスパイであるという見方もできます。「スパイ=妻。スパイである妻」つまり「スパイの妻」ダブルミーニング(二重タイトル)になってると感じます。

『スパイの妻』私の評価と感想

ミステリー映画っぽいタイトルなので期待して観ると、物足りなさを感じます。夫婦どおしで「愛する者を守るために、だましあい」を繰り広げますが、そこまでリスクをおかす必然性が感じられず冷めてしまいました。

もとはNHKドラマだったそうで、やや高齢者向けな雰囲気や、説明調のセリフ、大げさな演出や舞台ぽい話し方などは、一般映画と比べると違和感だらけです。そもそも劇場公開する必要はあったのでしょうか?

「夫と一緒にいられる幸福を優先する」聡子の気持ちや、「正義を優先するが妻だけは守りたい」優作の思いは伝わりました。夫婦愛のヒューマンドラマに、サスペンス要素を追加したと考えれば良い脚本なので、映画版としてリメイクを期待したいです。

続編前作や関連映画は、TVドラマ映画化一覧一覧もご参考に。

『スパイの妻 劇場版』シリーズ順番・映画ランキングや映画賞

ゆめぴょん画像
サイト管理人ゆめぴょん(映画・旅行好き)
興行収入は毎週更新!2024新作29、2023年198本鑑賞。好み⇒謎/驚き/社会性/感情動かす/多幸感/ストーリーと演出を重視/本格ミステリ/SFファンタジー/ホラー/アニメ/MCU。135国 海外旅行ブログ
新作おすすめ映画の感想ネタバレ考察や評価もチェック!
最近更新の映画ランキングやネタバレ感想
サイト管理人ゆめぴょん(映画・旅行好き)
ゆめぴょん@ピクシーン
興行収入は毎週更新!2024新作29、2023年198本鑑賞。好み⇒謎/驚き/社会性/感情動かす/多幸感/ストーリーと演出を重視/ホラー/本格ミステリ/アニメ/MCU
映画ランキングやシリーズ一覧
ホーム 関連作一覧 興収ランキング
検 索
目 次