映画『ウルヴァリンSAMURAI』考察ネタバレ感想/ラスト結末は?日本が舞台?新幹線も
X-MENシリーズ外伝三部作の2作目。アダマンチウムの爪と治癒能力を持つミュータントのウルヴァリンことローガンは、親友に呼ばれ日本へ行きその孫娘マリコにひかれます。しかしある陰謀で治癒能力を失い抗争に巻きこまれ…(ネタバレ感想あらすじ↓)
映画名/邦題 | ウルヴァリン SAMURAI |
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日本公開日 | 2013/9/13 [予告] 上映時間:125分 |
製作国 | アメリカ、オーストラリア |
原題/英題 | The Wolverine |
監督・キャスト | ジェームズ・マンゴールド |
キャスト 出演者 | ヒュー・ジャックマン、福島リラ、ウィル・ユン・リー、ファムケ・ヤンセン、ハル・ヤマノウチ |
映倫区分 | 日本:G(年齢制限なし) USA:PG-13 |
配給/製作 (画像出典) | 20th Century Fox/Marvel Entertainment、シード・プロダクションズ |
日本興行収入 | 8.1億円 興行収入ランキング |
世界興行収入 | 4.1億USドル [出典] |
製作費 | 1.2億USドル |
平均評価 平均:100換算 *批評家と一般は単純平均 | (興収・評価: 2024.12.9更新) 62(私の評価は含まず) |
シリーズ 関連作品 | X-MEN映画一覧 前作『ウルヴァリン X-MEN ZERO』評価65 続編『LOGAN ローガン』6.9億 |
ネタバレ感想『ウルヴァリン SAMURAI』解説と評価
以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!
X-MEN映画『ウルヴァリン SAMURAI』ネタバレ感想
『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT』等なぜ日本を舞台にしたいのか謎だが、残念ながら日本舞台の洋画は『ラスト サムライ』以外はほぼ興行的には厳しい結果になっています。本作は日本の独特さを詰めこみすぎてて好きです。
ストーリーはないわけではないが次々と展開を追うだけでやっとなので、見終わった後に考えると矢志田家のお家騒動に巻き込まれたウルヴァリンことローガンということになるのでしょう。
戦闘アクションの面白さは最強硬度のウルヴァリンが入るとどうしても単調になるのですが、今回はユキオという忍者ぽい女子の立ち回りも入るため、メリハリついて前作より楽しめました。敵もヤクザ、忍者、二刀流の侍、パワードスーツ(シルバー・サムライ)、ミュータントとバラエティ豊富。
とんでも日本の描写は賛否分かれそうです。あと、サスペンス要素を盛り込みたいのでしょうが、勢力が次々と現れて、そのたびにボスキャラを倒していく様子はだんだん面倒になってきて、何が目標だったのか見失いそうにもなります。もう少し、1本筋を通したストーリー構成が見たかった気もします。でも日本人にはいろんな意味で楽しい映画だと思います。
ネタバレあらすじ感想や解説
1945年8月9日、ウルヴァリンことローガン(ヒュー・ジャックマン)は、日本の長崎の捕虜収容所に捕らわれていました。そこへアメリカ軍により原爆投下されますが、直前に日本軍の青年ヤシダ/矢志田市郎が捕虜を解放してくれます。矢志田は仲間のように切腹できず逃げ遅れます。恩を感じたローガンは身を焼きながらも矢志田を救い、その回復能力を見られてしまいます。
それから時が経ち『X-MEN ファイナルディシジョン』のラストで、愛するジーンを殺したローガンは自己嫌悪や罪悪感から、カナダでひっそり浪人のように暮らしています。そこへ日本人女性ユキオ/雪緒(福島リラ)が現れ「矢志田」の名前を出すと、ローガンは日本行きを決意します。矢志田邸に着くと風呂で体を洗われます。
矢志田市郎は事業で成功して「矢志田産業」を大企業にまで成長させましたが、老いてガンで死を待つ身です。ヤシダは原爆から助けてもらったお礼に、ローガンを不老不死の地獄から解放する代わりに、その治癒能力を自分に移植するよう提案しますが、ローガンは断ります。
1945年の出来事は時系列的には、『ウルヴァリン X-MEN ZERO』の冒頭でチームXに所属していた頃の話だと思われます。その後、ベトナム戦争にも従軍します。『ウルヴァリン SAMURAI』では不死身のウルヴァリンが原爆でも死ななかったエピソードが興味深いですが、放射能をあびても再生できるのは、まさに不死身です。
ユキオ/雪緒は女性忍者で、人の死を予知できるミュータントですが、髪が赤色なのは日本マンガのキャラの髪色がカラフルなことに起因してるのでしょうか。矢志田は被爆したのに、鉄の扉で防護しただけでこの年齢まで生きてるのはあり得ない気もしますが、主治医ドクター・グリーンが優れていたのかもしれません。
矢志田邸に泊まったローガンは、またジーンの悪夢に悩まされます。その夜、ヤシダの部下のグリーン博士に奇妙な薬物を投入され、後にわかりますがローガンは治癒能力を失います。そしてヤシダが死亡して葬儀が行われ、ローガンも参席します。ヤシダの息子の矢志田信玄(真田広之)やその娘の真理子(TAO)もいます。
葬式の場の僧侶に刺青があることを見つけたローガンは、いきなり撃たれて痛みを感じて治癒しないことに気づきます。僧侶に変装したヤクザ軍団は真理子をさらおうとしますが、ユキオ、ローガン、屋根の上の弓使いハラダ/原田剣一郎(ウィル・ユン・リー)などの抵抗により阻止して、ローガンと真理子はパチンコ店で敵をまいて新幹線に乗り込みます。
ローガンは治癒能力は低下してるものの不死ではあるようです。新幹線のトイレで手当してるとヤクザ軍団が来て、列車の上で格闘アクションになります。新幹線にドス1本刺して吹き飛ばされないヤクザは、もはやミュータントに近い強さで驚きです。ローガンはなんとかヤクザを全滅させます。
ローガンと真理子はラブホテルに潜伏して、そこの息子の獣医にローガンは手当してもらいます。いくら獣医でもラブホテルの1室?にヤギとか動物を飼ってる設定はやりすぎだと感じます。真理子は海の幸、山の幸の和食を作ったり、ご飯に箸を突き立てるのはダメだと注意したり、ハラダと恋人だったが政略結婚させられることなどを語ります。
2人は長崎へ行き、ローガンは矢志田を助けた地下牢跡をみながら過去を回想します。矢志田は助けてもらったお礼に日本刀を渡そうとしますが、ローガンは再会まで持っててくれと言います。ローガンは寝てる時に「ジーン」の夢でうなされますが、真理子は少しづつ恋心を抱き、やがて2人は結ばれます。
葬式の鎧、屋根の上のボディガード、忍者?、ヤクザ、パチンコ、新幹線、ラブホテル、日本刀など、とんでも日本だらけです。でも細かい風習なども研究されてて、他の日本を扱った映画に比べると違和感は少ない気がします。それでも詰め込みすぎで、欧米ではウケないでしょうね。ローガンと真理子の恋愛も不要に感じます。
日本を象徴する新幹線の上で、ヤクザと戦うシーンも無理矢理感はありますが楽しいです。葬式での戦闘アクションは、X-MENシリーズでは珍しく人間どおしの格闘中心なので、ユキオの忍者っぽい立ち回りや、屋根の上の弓使いなど、日本風とマーベルがうまく融合されてる感じが良いです。
真理子は「クズリ」の話をしますが、これは「ウルヴァリン」の和名で、クマとイタチの中間のような中型雑食哺乳類のことです。前作『ウルヴァリン X-MEN ZERO』でローガンが一緒に暮らした女性ケイラが名付け親です。ちなみにローガンはその後、記憶を失ったため、ケイラのことも一切覚えてないのがせつないです。
真理子はヤクザに連れ去られ、ユキオと合流したローガンは、真理子の父シンゲンが政略結婚させようとしてる相手の法務大臣ノブロー・モリ/森信郎(ブライアン・ティー)を黒幕だとにらみ、向かいます。死を予知できるユキオはローガンの死を察知して行くのを止めますが、かまわずローガンは乗り込みます。
ノブローは法務大臣の権力を使って金髪美女を連れ込んでましたが、ローガンに脅されて白状します。矢志田は延命のため、会社の資産の全てを使って世界中からアダマンチウムを集め、ローガンの治癒能力も必要としました。息子のシンゲンはそれを隠し、会社再生のために娘の真理子と法務大臣を政略結婚させることにします。
しかし矢志田は次期社長に真理子を任命しようとしてるようです。全て話した後、ローガンはノブローを窓から突き落とします。ユキオ「下にプールあるの知ってたの?」ローガン「知らなかった!」というギャグなやりとりのとおり、小物の法務大臣ノブローは命だけは助かります。
映画『ウルヴァリン SAMURAI』ネタバレ結末ラスト
真理子は実の父シンゲン・ヤシダ/矢志田信玄(真田広之)に拉致されています。矢志田市郎が自分より真理子を有能な後継者と見出したことに嫉妬して、シンゲンは実の娘の真理子を殺そうとします。しかしミュータントのヴァイパーことグリーン博士(スヴェトラーナ・コドチェンコワ)に負傷させられ、真理子も奪われてしまいます。
信玄の屋敷の医療機器で、心臓に取り付いたクモ型ロボットを発見したローガンは、アダマンチウムの爪で腹に穴を開けて手を心臓まで突っ込んで、体内ロボットを取り出しますが、心拍数は0になってしまいます。その間、ユキオが日本刀の二刀流のシンゲンと戦います。ユキオが間一髪のところ、ローガンが復活します。
この戦闘アクションは、真田広之、福島リラとも良い動きしてます。ローガンが復活してシンゲンと戦うと、わりとあっさり勝負つきますが、これはアダマンチウムの硬度が強すぎるため、剣を交えることができないからでしょう。ちなみに自分の心臓に手を突っ込んで、一度死ぬのは『ジョジョの奇妙な冒険 第3部』ラスト近くの承太郎と似てますね。
一度はシンゲンを助けたウルヴァリンことローガンも、再び斬りかかってきた時には刺し殺します。ローガンは真理子を追って、矢志田の屋敷へ向かいますが、ハラダが率いる忍者軍団の弓攻撃により捕われてしまいます。なぜ振り向いてアダマンチウム爪で弓矢や縄を切り落とさないのか不思議です。
グリーン博士ことヴァイパーに囚われたローガンは、動き出すシルバー・サムライにより、アダマンチウムの骨と再生能力を吸い取られます。そこへ真理子が邪魔しに入り、真理子に想いをよせるハラダもヴァイパーを裏切ってローガンに加勢しますが殺されます。ヴァイパーとはユキオが戦い勝利します。
シルバー・サムライの中身はなんと死んだはずの矢志田市郎で、ローガンの力を吸い取ってどんどん若返ります。しかしラストで真理子が矢志田の生身の部分を刀で突き刺し、ローガンがとどめを刺して落下させます。結局、矢志田家は父シンゲンが娘を殺そうとし、その娘の真理子が祖父イチロウを殺そうとする最悪の結果となります。
矢志田産業は真理子が社長として存続することになり、ローガンとユキオは一緒に飛行機で去ります。それから2年間はどこで何をしたのか、ボディガードとして付いて行ったユキオの消息、その後ローガンが真理子と会ったのかなどは全て不明です。
エンドクレジットの途中。その2年後、空港で金属が飛び交い、人々の動きが止まります。ローガンはマグニートーことエリック・レーンシャー(イアン・マッケラン)とプロフェッサーXことチャールズ・エグゼビア(パトリック・スチュワート)と再会し、ミュータントの敵が現れたことを告げられて終わり『X-MEN フューチャー&パスト』に続きます。
全体的に日本のとんでも描写は多いけど、飛び道具のないX-MENのウルヴァリンと武士や侍や忍者との戦闘は相性が良いと感じます。戦闘アクションもそこそこ良いし、日本人なら楽しめるシーンもあるので、ぜひ1度は観ることをおすすめします!
おすすめ5ポイント
- 日本舞台で忍者や侍やヤクザ
- 日本独特文化も様々登場
- ユキオのアクションが良い
- ウルヴァリンが最高に苦戦
- アクションシーンは楽しい
少し残念5ポイント
- 日本の誤解表現が多い
- 日本を強引に詰め込みすぎ
- 無駄に勢力が多くて混乱
- 展開がごちゃごちゃしすぎ
- ラストにひねりがない
私の評価 60/100(60が平均)
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