映画『ウルヴァリンX-MEN ZERO』考察ネタバレ感想/ラスト結末は?ローガン誕生?
X-MENシリーズ外伝3部作の1作目。少年ジェームズは父親の死を見たショックでミュータント能力を覚醒。兄ビクターと生きのびてストライカーのチームへ。しかし任務に疑問を持ったジェームズは脱退し…(ネタバレ感想あらすじ↓)
映画名/邦題 | ウルヴァリン X-MEN ZERO |
---|---|
日本公開日 | 2009/9/11 [予告] 上映時間:109分 |
製作国 | アメリカ、ニュージーランド、オーストラリア |
原題/英題 | X-Men Origins Wolverine |
監督・キャスト | ギャビン・フッド |
キャスト 出演者 | ヒュー・ジャックマン、リーブ・シュレイバー、ダニー・ヒューストン、ウィル・アイ・アム、リン・コリンズ |
配給/製作 (画像出典) | 20th Century Fox/20th Century Fox、マーベル・エンターテインメント、ザ・ドナーズ・カンパニー、シード・プロダクションズ |
日本興行収入 | |
世界興行収入 | 3.7億USドル [出典] |
製作費 | 1.5億USドル |
平均評価 平均:100換算 *批評家と一般は単純平均 | (興収・評価: 2024.8.29更新) 65(私の評価は含まず) |
シリーズ 関連作品 | X-MEN映画一覧 |
ネタバレ感想『ウルヴァリン X-MEN ZERO』解説と評価
以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!
映画『ウルヴァリン X-MEN ZERO』ネタバレ感想や考察
『X-メン』1作目以前のウルヴァリンの物語であり、スピンオフ1作目です。サイクロップスやプロフェッサーXも出てきますが、セイバートゥース、エマ・フロスト、デッドプールは本シリーズとは違う時間軸での扱いで別人です。ちなみに2024年には『デッドプール&ウルヴァリン』も公開。
ウルヴァリンことローガンの生い立ちやミュータント能力の発現の瞬間から、アダマンチウムの爪を移植されたり、ラストで記憶を失くしてさまよう理由などが明かされます。愛したケイラのことを覚えてないラストはせつなすぎますね。
物語がご都合主義的に進むのが気になります。例えば、ケイラは人間の精神をコントロールできるならラストのストライカーのように操って簡単にエマを取り戻せたのではないかと思います。それができなかった理由が全く描かれていません。ビクターが裏切られた後もストライカーを殺さない理由もわかりません。
X-MENシリーズに一貫してある「差別する者とされる者」「ミュータントよりも、人間の方が恐ろしい」というテーマは描かれています。ミュータントであるケイラの方が、人間よりも平和的な解決をのぞんだことも皮肉。
ネタバレあらすじ感想や解説
1845年のカナダで、後にウルヴァリンとなるジェームズ・ハウレットは父親が殺されるのを目撃したショックで、手から骨の爪が生えるミュータント能力が覚醒し、犯人でビクターの父トーマス・ローガンを殺害します。ところがローガンこそが、ジェームズの本当の父親だと判明すると、動揺して家を飛び出します。実の兄ビクターもそれを追います。
ジェームズ・ローガン(ヒュー・ジャックマン)と兄ビクター・クリード(リーヴ・シュレイバー)は、それから1世紀以上も、南北戦争、第一次、第二次世界大戦、ベトナム戦争などを経験して、戦闘法を身につけます。ビクターの性格はさらに凶暴になり、ベトナム戦争時に村人に暴行を行おうとし上官も殺してしまいます。
そんなビクターをかばって弟ジェームズも一緒に銃殺処刑されますが、2人ともミュータントの再生能力があるため死にません。そこへウィリアム・ストライカー(ダニー・ヒューストン)が現れ、ミュータント特殊部隊「チームX」にスカウトします。チームXでは、ストライカーの指示で非人道なミッションをいくつもこなします。
ジェームズはチームXのメンバーで、瞬間移動(テレポート)できるジョン・ライス(ウィル・アイ・アム)やおしゃべりで高い身体能力を持つウェイド・ウィルソン(ライアン・レイノルズ)などと仲良くなります。アフリカのラゴスで、ストライカーは隕石に含まれる高硬度の金属に興味を示します。ジェームズは民間人さえ殺す非情なミッションに納得できず、チームを脱退します。
ローガンの生い立ちが映画では初めて明かされます。ローガンことジェームズとビクターは本当の兄弟なのに、ジェームズだけが優遇されて育ったため、ビクターはジェームズに対してうらみのような感情を持ち続けるのでしょう。ところで彼らは爪と再生と不老と聴力という最低4つの能力を、なぜ持ち合わせたのでしょうか。
6年後、ジェームズは父の姓ローガンを名乗り、カナダでケイラ・シルバーフォックス(リン・コリンズ)という女性とともに静かに暮らしていました。そこへストライカーが現れ、解散したチームXのメンバーをウェイドも含めて何者かが殺害してるので、阻止するため仲間になるよう迫りますが、ローガンは断ります。
ケイラはローガンに、月に恋する精霊がだまされて人間界に来て戻れなくなった、おとぎ話をします。その精霊の名は「ウルヴァリン」です。後日、兄ビクターが現れ、ケイラを殺害します。怒ったローガンはビクターに復讐しようとするが、倒されて骨の爪も折られてしまいます。
敗れたローガンの前にストライカーが現れ、ビクターに復讐するために、ローガンの骨に隕石から抽出した高硬度の金属アダマンチウムを移植することを提案します。常人では耐えられない手術でしたが、ローガンのミュータント再生能力とケイラへの思い出により、アダマンチウム移植は成功します。
実はこれはストライカーが軍レベルで進めていた「ウェポンX計画」で、不死身に近いウェポンXと、彼から抽出したDNA移植により誕生させるウェポンXI(イレブン)により、ミュータント全滅を企んでいたのです。そしてローガンの記憶を消去しようとしますが、超人並の聴力でこれを聞いたローガンは逃亡して老夫婦の家へ逃げ込みます。
しかしストライカーの部下エージェント・ゼロは善良な老夫婦を殺害して、ローガンをヘリと装甲車で襲います。ローガンはアダマンチウムの爪を使ってゼロを倒し、無線でストライカーに宣戦布告して去っていきます。ローガンは昔のチームXの仲間のケストレルことライスを尋ねて、ビクターの居場所を探ります。
ローガンはライスとともに、ガンビットことレミー・ルボー(テイラー・キッチュ)にビクターの島の場所を聞きに行きますが、島からの追跡者と思われて攻撃されます。ガンビットは物質にエネルギーを流しこんだり、それを放出するミュータント能力を持ち、カードにエネルギーをこめてローガンを攻撃してきます。
一方、ライスはビクターと戦いますが、短距離テレポートを先読みされて殺されます。それを見たローガンはビクターに飛びかかりますが、ガンビットに邪魔されてしまいます。しかしガンビットはローガンが追っ手でないとわかると、自分の飛行機でストライカーの研究所のあるスリーマイル島まで送り届けます。
映画『ウルヴァリン X-MEN ZERO』ネタバレ結末ラスト
スリーマイル島の研究施設ではストライカーが、ミュータントの子どもたちを監禁して、その能力を元チームXのおしゃべりのウェイド・ウィルソン(ライアン・レイノルズ)の体に結合移植して「ウェポンXI」(デッドプール)を作り出していました。そして死んだはずのケイラも生きていて、ストライカーのスパイだったと判明します。
ローガンはショックで去ろうとしますが、ケイラの悲鳴を聞いて戻り、ビクターを殺そうとします。しかしケイラの「あなたは獣ではない」の言葉で殺すのはやめます。ケイラは実は、妹エマを人質に取られていて、ストライカーの言いなりになっていたのですが、ローガンへの愛は真実でした。2人は捕らわれてる子どもたちを解放します。
ローガンはウェポンXIことデッドプールと戦闘になります。おしゃべりしないようにか口は縫いつけられていてアダマンチウムの剣を手から出し、ローガンの再生能力、サイクロップスの目から怪光線、ライスの瞬間移動など、優れた能力の全てを持ち合わせているため、ローガンでさえ勝ち目はありません。
『デッドプール』はこの後、単独主演映画で大ヒットしますが、この『ウルヴァリン X-MEN ZERO』のガリガリなデッドプールとは別人?別の時間軸?のようで、つながりはなさそうです。ただ演じるライアン・レイノルズは同じです。個人的にはデッドプール単独映画の方が面白いと思うし好きです。
デッドプールことウェポンXIがローガンにとどめを刺そうとした時、セイバートゥースこと兄ビクターが加勢します。「ローガンは俺が殺す」と言いますが、本当は先ほどローガンに命を救われたので少し恩を感じたのではないかと思います。2人でも苦戦しますが、協力してウェポンXIを倒します。
ビクターはそのまま逃げ去ります。ローガンは崩壊する施設の下敷きになりそうなところを、ガンビットに助けられます。そして子どもたちを逃がす時に撃たれて重傷のケイラを、抱きかかえて脱出しようとしたところを、ストライカーのアダマンチウムの銃弾で脳を撃たれてしまい、記憶を失くします。
ストライカーはケイラも殺そうとしますが、足をケイラに触られ精神をコントロールされて、銃を捨ててずっと歩き続けることになります。ケイラはそのまま息を引き取ります。目覚めたローガンは、ガンビットもケイラのことさえ覚えてなくて、1人で逃亡を続けることになります。そして1作目『X-メン』につながるようです。
解放されたミュータントの子どもの中には、目からレーザービームを発射できる若きスコット・サマーズ(後のサイクロップス)や、全身をダイヤモンドに硬化できるケイラの妹エマ・フロストもいました。スコットは心の声に導かれ、皆をプロフェッサーXことチャールズ・エグゼビア(パトリック・スチュワート)の元へ連れていき脱出に成功します。
X-MEN以前の物語で、ローガンが不死身のウルヴァリンに生まれ変わる瞬間が見れるスピンオフ1作目です。ウルヴァリンとデッドプールの対決が見れる唯一の作品でもあるため貴重なので、ぜひ1度は観ることをおすすめします!
おすすめ8ポイント
- マーベルのSF戦闘アクション
- 1作目X-MENの以前の物語
- ローガンの能力発現の瞬間
- ローガンとビクターの兄弟対決
- 後のX-MENの若き姿
- デッドプールvsウルヴァリン
- ケイラの解決法が平和的
- ローガンとケイラの別れが悲しい
少し残念5ポイント
- たんたんと進みすぎ
- 演出面でワクワクしない
- 戦闘に論理性がなく力技
- キャラに魅力を感じない
- デッドプールの扱いが雑
私の評価 57/100(60が平均)
シリーズやジャンル⇒X-MEN映画一覧