マーベル映画『デッドプール』評価ネタバレ感想/ラスト結末は?敵の正体と目的は?第四の壁?
X-MENシリーズ外伝。自分が末期がんと知った元傭兵ウェイドは、謎の人体実験で不死身に。しかし醜い姿になったため、デッドプールとして組織へ復讐するのだが...(ネタバレ感想あらすじ↓)
映画名/邦題 | デッドプール |
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日本公開日 | 2016/6/1 [予告] 上映時間:108分 |
製作国 | アメリカ |
原題/英題 | Deadpool |
監督・キャスト | ティム・ミラー |
キャスト 出演者 | ライアン・レイノルズ、モリーナ・バッカリン、エド・スクレイン、T・J・ミラー、ジーナ・カラーノ |
映倫区分 | 日本:R15+(15歳以上) USA:R |
配給/製作 (画像出典) | 20th Century Fox/Marvel、ザ・ドナーズ・カンパニー |
日本興行収入 | 20.4億円 年間28位 |
世界興行収入 | 7.8億USドル [出典] |
製作費 | 0.6億USドル |
平均評価 平均:100換算 *批評家と一般は単純平均 | 76(私の評価は含まず) |
シリーズ 関連作品 | X-MEN映画一覧 続編『デッドプール2』18億 |
ネタバレ感想『デッドプール』解説と評価
以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!
『デッドプール』ネタバレ感想の総評
マーベル・コミックの実写映画化で、コメディ要素の多いSFアクションです。権利上の関係で『マーベル・シネマティック・ユニバース』には合流できません。また、予算の都合で『X-メン』のメンバーも出せなかったようです。デッドプールは『ウルヴァリン: X-MEN ZERO』にも登場してるけど、パラレルワールド的な扱いになっています。
暴力や性描写シーンが多いため、子どもと一緒に観るのはおすすめしません。日米ともにR指定です。他のマーベル映画は、ほとんど子どももOKですが、この作品だけは過激さが容赦ないです。下品なギャグも多いので、そういうのが苦手な人と見る時も要注意です。
今回はデッドプール誕生の物語なので、メインストーリーはシンプルです。現在過去入り混じって少し混乱しますが、結局は自分を改造した組織に復讐するだけの話です。それなのに、笑える要素が満載で、戦闘アクションもスピーディで楽しいし、何よりデッドプールを好きになってしまいます。
映画内のデッドプールが、視聴者に話しかけるという「第四の壁」を超えてくるのは、最初は違和感あるけど、慣れると一体感がわいてくる感じで、今度はいつ話しかけてくれるのか気になってしまいます。そして軽妙だったり下品だったりするギャグの数々もあきれ半分で笑ってしまいます。
『デッドプール』おすすめ7ポイント
- X-MENの外伝的なSFアクション
- マーベルの異色ヒーローコメディ
- 戦闘アクションがスピーディ
- 能力バトル的な要素あり
- 第四の壁の突破やパロディ
- 2人のX-MENのまじめぶり
- X-MENの学園も登場
『デッドプール』少し残念5ポイント
- 過去と現在の時制に混乱
- メジャーX-MENが見たい
- 敵キャラの存在感薄い
- デッドプール八つ当たり?
- デッドプールが殺しすぎ
『デッドプール』ネタバレあらすじと感想
『X-メン』と同じ世界の物語です。だから世界にはミュータントが存在しますが、気にせず暮らしていたウェイド・ウィルソン(ライアン・レイノルズ)が主人公です。『ウルヴァリン: X-MEN ZERO』ではチームXでウルヴァリンことローガンと一緒にミッションをこなしていました。
ウェイドはヴァネッサ(モリーナ・バッカリン)にプロポーズして幸せ絶頂だったのに、末期がんになり余命を宣告されてしまいます。そこへ謎の組織がやってきて、ガンを治すだけでなくヒーローのような力まで手に入れられるとリクルートしにきます。
そんなあやしい誘い、普通なら断るでしょうけど、ウェイドはヴァネッサのために生きつづけることを選択します。ほっておくとどうせ死んでしまうのですから、延命する手段を選ぶのは間違ってないと思います。それにしても組織のねらいはよくわかりません。
ウェイドは組織の施設で、エイジャックス(エド・スクライン)に会います。彼もここで実験を受けたそうです。そしてウェイドには細胞を変異させる薬品を投与し、誘発させるために過酷な拷問をつづけます。そしてついにウェイドは不死身の体と驚異的な身体能力を身につけますが、全身は火傷のようにただれてしまいます。
『ウルヴァリン: X-MEN ZERO』でのデッドプールは、ウルヴァリン(ヒュー・ジャックマン)の細胞も移植して、ウルヴァリンとも対決します。今作ではその部分はないけど、不死身や再生能力は身に付けます。そしてローガンやヒュー・ジャックマンに関するギャグを連発して笑えます。
この人体実験の被験者を探すのが、組織のねらいだったと思われます。そう考えると、この組織は良心的にも思えてきます。悪の組織なら、被験者を拉致誘拐してきたり、死刑囚などを使ったりするでしょうから。だからこそ、悪役(ヴィラン)として倒す理由は薄れてしまっています。
デッドプールの誕生、そして復讐開始
施設を抜け出したウェイドは、焼けただれた全身をヴァネッサに見られたくなくて、彼女の元へ戻らず、マスクとコスチュームを着ることにします。ミシンで縫うシーンは笑ってしまいます。
デッドプールという名前は、いつも通っていたバーで行われていた、死人がでるかどうかの賭け事にちなんで付けられました。そして元の体に戻してもらうため、エイジャックスを探す過程で、チンピラやマフィアをやっつけていくので、町のヒーローともなります。
やがてエイジャックスの手下たちも見つけて殺しまくります。いくら悪人相手でも殺しすぎなので、普通の法律ならデッドプールは犯罪者になると思うのですが、そうならないのは、何か理由があるのかご都合主義だかわかりません。
そしてエイジャックスを捕まえて「元の体」に戻してもらいたいのでしょうけど、完全に元に戻すと末期がんまで戻るため、デッドプールが何をしたいのかもよく理解できません。単純に全身を醜くした組織に復讐したいだけ、とした方がわかりやすかった気がします。
高速道路での戦闘シーンで映画の冒頭に戻ります。デッドプールの弾丸数が少なくて、カウントしながら倒していくのは、リミット感が出てうまい展開です。映画的にはスローの使い方がスタイリッシュで、低予算をうまくカバーしています。
エイジャックスを捕まえるところで、エックスメン(X-MEN)のメンバーである、コロッサス(ステファン・カピチッチ)とネガソニック・ティーンエイジ・ウォーヘッド(ブリアナ・ヒルデブランド)の2人が現れます。そしてX-MENの一員になれと言いますが、デッドプールの事情も知らずに割り込んできて説得する展開も強引だと感じます。
しかもX-MENシリーズの映画を全部見てても、この2人は誰?となるので、もっとメジャーなメンバーを出せなかったのか残念です。予算の都合だというのは、デッドプールによってバラされますが(笑)。デッドプールが腕を切り落として生えてきた小さな腕も笑えます。
急に出てきた盲目の老婆アルとの会話は面白いけど、存在意義はよくわからなかったです。目が見えないから、ウェイドがマスクなしでも安心できるということでしょうか。タクシー運転手との会話も楽しいですが、無賃乗車のヒーローは前代未聞だと思います。
『デッドプール』ネタバレ結末/ラストシーン
X-MENの2人のせいでエイジャックスが逃げて、ヴァネッサまで人質にとられます。しかもこの2人のX-MENは戦闘には強いけど、あとはあまり頼れない能力の持ち主です。2人はもっと責任を感じてください。エイジャックスのアジトの戦闘でもデッドプールのギャグ満載です。
ヴァネッサを助けたデッドプールは、元の体に戻れないと知ると躊躇なくエイジャックスを射殺しますが、彼やこの組織は行ったこと以上に制裁された感じがします。X-MENや他のマーベル作品と比べると、悪役の規模が小さすぎますが、はじまりの物語だからこんなもんでしょうか。
ヴァネッサとの再会シーンでマスクを脱ぐと、ヒュー・ジャックマンの仮面を被ってたのは爆笑です。用意してたことに驚きです。ラストのキスシーンで物語は終わります。
デッドプールはいろいろ型破りなヒーローですが、最も顕著なのが「第四の壁」の突破です。これは視聴者に話しかけたり、意識してることを表します。自分がヒーローを演じてることを、自らでわかっているのです。コミックでも読者に語りかけるようです。
ヒュー・ジャックマンのネタだけでなく、今のプロフェッサーXはどっちの俳優だなどと、平気で映画の中での事情をギャグにしまくります。エンドロール後も第四の壁を超えて「もう帰れよ」とか「続編ではケーブル登場」「メル・ギブソン?ドルフ・ラングレン?」とか話しかけてきます。
マーベルやDCなどのまじめなヒーロー映画をあまり好きでない人も、コメディ作品として楽しめます。ただ流血や下品ギャグが多いため、基本的には1人で観ることをおすすめしますが、許容できるなら家族や友人とつっこみながら見ても面白いかもしれませんよ。
私の評価 81/100(60が平均)
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