ディズニー映画『プリンセスと魔法のキス』考察ネタバレ感想/ラスト結末は?愛と夢どちら?
ディズニーアニメ映画。ウェイトレス・ティアナは亡き父の夢レストラン開業を目指しており、注文されたベニエを運びます。そこで魔術師にカエルにされた王子に要求され、キスすると自分もカエルに。2匹は魔法を解く旅へ出るのだが…(ネタバレ感想あらすじ↓)
映画名/邦題 | プリンセスと魔法のキス |
---|---|
日本公開日 | 2010/3/6 [予告] 上映時間:97分 |
製作国 | アメリカ |
原題/英題 | The Princess and the Frog |
監督・キャスト | ジョン・マスカー、ロン・クレメンツ |
キャスト 出演者 | アニカ・ノニ・ローズ、ブルーノ・カンポス、キース・デビッド、ジェニファー・ルイス、ジョン・グッドマン |
映倫区分 | 日本:G(年齢制限なし) USA:G |
配給/製作 (画像出典) | Walt Disney Studios Motion Pictures/Walt Disney Animation Studios |
日本興行収入 | |
世界興行収入 | 2.6億USドル [出典] |
製作費 | 1.1億USドル |
平均評価 平均:100換算 *批評家と一般は単純平均 | (興収・評価: 2024.8.25更新) 74(私の評価は含まず) |
シリーズ 関連作品 | ディズニーアニメ映画一覧 前作『ボルト』16.5億 |
ネタバレ感想『プリンセスと魔法のキス』解説と評価
以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!
ディズニー映画『プリンセスと魔法のキス』ネタバレ感想や考察
ディズニーアニメ映画では初めての黒人プリンセスだそうです。最初はタイトルと画風と予告を見ても、あまり興味がわかなかったのですが、1度見ると食わず嫌いを反省しました。ストーリーはシンプルなようで、テーマやメッセージ性が他の作品以上に深いです。
ただ、おかしな点やご都合主義も目立つので、それらが気になった人は最後までノレないかも。ディズニー作品の2大テーマ「愛」「夢」では愛を優先するのがディズニーらしいし、両方の総取りという結末も少し都合よすぎるかと。
しかしそれらのアラや欠点を補うくらい、ラストには素晴らしい演出やロジックがあります。特にホタルのレイの存在は忘れられないくらい強烈。ティアナとナヴィーンの将来は少し心配だが、それくらいの方が現実的でいいのかも。
この映画のおすすめ、6つのポイント
- 夢をあきらめないティアナたち
- 夢をかなえるには努力が大切
- 夢より大切なこととは?
- ホタルのレイが何度も泣かせる
- プリンセスと魔法のキスのロジック
- 子どもや家族と一緒に楽しめる
少し残念?つっこみどころ、4つのポイント
- ファシリエの目的や行動が意味不明
- 夢より愛が大切の根拠が不明
- ティアナと王子の恋に納得感がない
- ワニは何か努力した?
『プリンセスと魔法のキス』ネタバレあらすじ解説
ディズニーが5年ぶりに製作した、2Dのアニメ映画だそうです。3DとはピクサーのCGアニメなどです。そして冒頭からストーリーの革新性を強調します。白人で富豪のシャーロットが、王子と結婚が目標のプリンセス物語にうっとりしてるのに対し、黒人の娘ティアナは現実的で、自分の夢を目標にしています。
アメリカのニューオリンズでレストランのウェイトレスをしながら、亡き父の夢だったレストランの開業資金をためている、アフリカ系黒人のティアナは、幼なじみで大富豪のシャーロットに、仮面舞踏会で得意料理のベニエを注文されます。そこでティアナは、プリンセスの衣裳を着ることになります。
街はマルディグラ・カーニバルの準備と、マルドニア王国からやってきたナヴィーン王子の歓迎でにぎわっています。しかしナヴィーン王子は、ブードゥーの魔術師ドクター・ファシリエにより、魔法でカエルにされてしまいます。魔法を解くため、舞踏会場でプリンセス姿のティアナにキスを要求します。
カエルにキスなんて絶対イヤだと思ったティアナですが、しぶしぶキスすると、なんと自分もカエルになってしまいます。追われる2匹は、森の湿地帯へと逃げ込みます。そこで臆病だけど、いつか人間とジャズ演奏するのが夢のトランペットを吹けるワニのルイスと出会い、魔法を解けるママ・オーディを一緒に探すことになります。
ルイスの方向音痴のせいで道を迷った時、ホタルのレイ(レイモンド)に出会います。彼はエヴァンジェリーンに恋していますが、それはホタルではなく、夜空にひときわ輝く一番星(一等星)です。一行は苦労しながらもママ・オーディに会い「望むものでなく、本当に必要なものを考えよ」と言われます。
ディズニーアニメにしては深くて考えさせられるメッセージですね。ナヴィーン王子は苦労知らずで金使いもあらく、金持ちのシャーロットと結婚して一生楽に暮らしたいと思ってるクズのような人間です。一方のティアナは夢のためなら苦労や努力をいとわず、人生を楽しむことを知らない堅物です。
ティアナは幼少期に「星が夢を叶えてくれる」と言うと、父に「星は希望を与えてくれるけど、夢は努力しないと実現できない。そして本当に大切なものを忘れないで」と言われます。そして後に母には「パパは夢よりいいもの、愛(つまりティアナ)を得たわ」と言われます。これらが最大のテーマのようです。
道中ひかれあっていたティアナとナヴィーン王子ですが、2人が人間に戻るには王子が、仮装パーティーでのプリンセス役であるシャーロットに0時までにキスする必要があると考えます。ナヴィーンが貧乏なティアナにひかれたり、怠惰な王子にティアナが恋していく理由はわかりませんが、無いものねだりでしょうか。
ディズニー映画『プリンセスと魔法のキス』ネタバレ結末ラスト
ナヴィーン王子はドクター・ファシリエらにつかまり、その王子の付き人だったローレンスが魔術で王子に変えられて、シャーロットにプロポーズします。ティアナはそれを王子だと勘違いして失望します。ファシリエがなぜそんな面倒なことをするのか意味不明ですが。
しかしホタルのレイは真実を見抜きます。ここまであまり役に立たないブサイクな蛍だと思ってた人は「あなたもナヴィーン王子と同じく、人を外見でしか判断できない浅はかな人間です」と言われたようで、恥ずかしく感じるでしょう。そう、私もです。すみません。。
ディズニーアニメには、最初に真実に気づいて主人公に気づかせてくれるキャラが存在します。『アナと雪の女王』ではトナカイのスヴェン、『塔の上のラプンツェル』では馬のマキシマス、『ボルト』ではハムスターのライノ、『ベイマックス』ではタダシなどです。
ホタルのレイはティアナをさとしますが、落ち込んでるティアナはレイに「エヴァンジェリーンはただの星よ」と暴言をはきます。そんなことを言われてもレイはティアナのために命をかえりみず、ドクター・ファシリエから魔術のペンダントを奪い、ティアナに渡しますが、ファシリエに踏みつぶされてしまいます。
ファシリエはペンダントを返せば、ティアナのレストラン開業の夢もかなえられる、と誘惑しますが、レイに本当に大切なもの「真実の愛」を見せられたティアナは、夢を叶えられなかった父も愛で幸せだったと気付き、魔法のペンダントを壊します。するとファシリエはブードゥーの魔物たちに引きずられ殺されました。
0時を過ぎてしまい、ティアナとナヴィーンは人間に戻れなくなります。2人とワニのルイスやレイの仲間たちは、友情愛のために勇敢に死んでいったホタルのレイに別れを告げると、なんと1つの光が空へと昇り、エヴァンジェリーンの隣に輝きます。レイの夢は叶い、永遠の愛が実った瞬間です。
それで真実の愛に気づいたティアナとナヴィーンは、結婚して一生カエルとして暮らすことを覚悟してキスすると、なんと人間に戻ります。その理由はディズニー映画史上最高のロジックで驚きました。つまり、王子と結婚を誓ったティアナがプリンセスになり、プリンセスと魔法のキスした王子が人間に戻れたわけです。
2人はレストランを開業して、ワニのルイスがジャズ演奏して、空に輝く2つの星がみんなを見守ります。全員の夢がかなったわけです。ワニのルイスはそれほど努力が見えなかったけど、悩んだからいいんですかね。ナヴィーンと婚約したと思ってるシャーロットが、ティアナに嫉妬して仲悪くならないか心配です。
ディズニーアニメらしく、つっこみどころやご都合主義が満載ですが、それを上回るメッセージ性やテーマの強調が、それまでのディズニー作品にはなかった要素だと感じました。最後のロジックにも納得感ありますので、多くの人にぜひ一度は観ることをおすすめしたいです!
私の評価 72/100(60が平均)
シリーズやジャンル⇒ディズニーアニメ映画一覧