ネトフリ『三体』全8話ネタバレ感想解説/結末は?人類の未来は?どこまで描く?
中国のベストセラーSF小説の実写ドラマ化。1960年代、人類に絶望した科学者が宇宙に発信…。そして現代、科学者の自殺が続き、調査を始めた人々は全人類に関わる衝撃の事態にまきこまれ…。自殺の理由は?異星人が出現?(ネタバレ感想あらすじ↓)
映画名/邦題 | 三体 |
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日本公開日 | 2024/3/21 [予告] |
製作国 | アメリカ |
原題/英題 | 3 Body Problem |
監督・キャスト | デレク・ツァン[キャスト] |
配給/製作 (画像出典) | Netflix |
平均評価 平均:100換算 | 75(私の評価は含まず) |
シリーズ 関連作品 | SF/ファンタジー映画一覧 |
参考・出典 | 公式サイトWiki |
キャラ・ランキング(キャスト/出演者)
個人的なキャラクターランキングです。
※キャラクター名(キャスト/出演者/声優)
- オギー・サラザール(エイザ・ゴンザレス)「オックスフォード5」のナノ素材科学者
- ジン・チェン(ジェス・ホン)「オックスフォードの5人」の科学者
- ジャック・ルーニー(ジョン・ブラッドリー)「オックスフォード5」の科学者。富豪
- ソール・デュランド(ジョヴァン・アデポ)「オックスフォード5」の科学者
- 葉文潔/イエ・ウェンジエ(ロザリンド・チャオ/若い頃:ジーン・ツェン)宇宙物理学者。文化革命時に父を失う
- ウィル・ダウニング(アレックス・シャープ)「オックスフォード5」の科学者。教職。ジンに恋
- マイク・エヴァンズ(ジョナサン・プライス)石油会社の所有者。現在の所在は不明
- タチアナ(マルロ・ケリー)奇跡を知る謎の女性
- ダーシー(ベネディクト・ウォン)謎の科学者 連続自殺事件を探る捜査官
- トマス・ウェイド(リーアム・カニンガム)ダーシー捜査官が従う上位組織の上官
- ソフォン(シー・シムーカ)VRゲーム内に現れる女剣士
- ラジ・ヴァルマ(サーメル・ウスマニ)ジン・チェンの婚約者。軍人
ネタバレ感想『三体』解説と評価
以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!
原作は中国発?監督とキャストは?
Netflixドラマ『三体』の原作は、中国の劉慈欣/リウ・ツーシン/リュウ・ジキンによる同名の長編SF小説です。2008年に出版され、20カ国以上で翻訳されて、2019年時点で全世界累計発行部数2900万部を突破。
ネトフリの本作『三体』シーズン1では、1巻目『三体』と2巻目『三体II 黒暗森林』の一部が描かれてます。舞台はイギリスの「オックスフォード」に移されたようです。配信開始日時は、2024年3月21日の16時からです!
アジア作品では初のSFのヒューゴー賞を受賞。原作小説『三体』は、バラク・オバマ元大統領や、Facebook創立者でCEOのマーク・ザッカーバーグ、映画監督ジェームズ・キャメロン、日本ゲームデザイナーの小島秀夫も愛読者であると公表してます。
デレク・ツァン監督に加え、大ヒットドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』にも関わったデビッド・ベニオフ、D・B・ワイスと、アレクサンダー・ウー等も制作陣に入ったことでも話題です。
(第1話)オックスフォード5とは?主要キャラ紹介
タイトル:カウントダウン
1966年、文化大革命時の中国。北京清華大学の壇上で「神はいるともいないとも言えない」と発言した科学者が紅衛兵達に殴り殺されます。それを見てた娘の葉文潔も優秀な科学者だったが、中国・内モンゴルの木材伐採場の強制労働に送られます。
2024年、イギリスのロンドンで宇宙物理学者が壁に奇妙な数字を残して自殺。オックスフォード大学の量子加速器の女性科学者ヴェラ・葉は、ソール・デュランドの「神は信じない」を聞いた後、冷却水に飛び込み自殺。
葬式にはソールを含む「オックスフォード・ファイブ」と呼ばれる5人の若き科学者オギー、ジン、ウィル、ジャックも出席。オギーだけ見えてるカウントダウン数字を知ってた謎の女性は「研究をやめろ」と。彼女の予言どおり明晩の夜空に点滅運動「宇宙のウィンク」が世界中で観測されます。
ジン・チェンは、ヴェラ教授の母の葉文潔から謎のヘルメットを譲られます。それをかぶると高品質なVRゲームがスタート。科学者の自殺を捜査中のダーシー捜査官はその「テヘランのヘルメット」と「マイク・エヴァンズ」を捜索中。
以上が『三体』1話目の簡単あらすじ。壮大な物語の序章は想像したよりもスロースタートですが、主要キャラを紹介し、今後はじまる大混乱の下地をしっかり描いてる印象です。オックスフォード・ファイブ5人と捜査官の群像劇です。
まだ何もわかりませんが、当面は捜査官が「科学者たちの謎の連続自殺事件」を追いながら、オックスフォード5が「カウントダウン」「宇宙のウィンク」「謎のVRゲーム」等の奇跡に遭遇し解明しようとする展開になりそうです。
(第2話)葉の絶望の決断は?VRの内容は?
タイトル:紅岸
オギーは、合成ダイヤを切断できるナノ繊維の実験に成功するが研究打切りを決断。するとカウントダウン停止。ジンはVRゲーム内の「文明137」で殷の紂王に謁見。太陽の弱い恒紀に時を進めて、乱紀に乾燥した者達を「再水化」。
しかし氷河期が来て世界は滅亡し、レベル2では科学の力で救えと助言されます。ジャックは同じVRゴーグルでは拒絶されたが、自分用が送られてきてプレイし、ヘンリー8世と謁見。ウィルは膵臓がんのステージ4だとジャックに告白。
1968年、中国の内モンゴルで、宇宙に信号を発信する研究者に抜擢された葉文潔/イエ・ウェンジエは、電波を増幅するために太陽へ向けて発信。上官にも秘密で。
1977年、中国で電波天文基地の候補地を探してる葉は、野鳥を救うマイク・エヴァンズに会い自然破壊を止めると約束。父を殺害した唐紅静/タン・ホンジンは右手を失ってました。宇宙から信号受信した葉は「応答すると征服されるぞ」の忠告に反し「私達は自分の問題も解決できない。到来を歓迎」と発信。
以上が『三体』2話目の簡単あらすじ。葉が宇宙人とファーストコンタクトした、かなり重要なエピソードだと思われます。父を殺害され、強制労働させられ、父のかたきはもっと酷い仕打ちにあってたと知り、絶望しかない中での最悪の選択。
最近のTVやSNSでの炎上騒ぎを見てると、葉と同じ決断をする人は少なくないと感じます。VRゲームでは、ジンとジャックが「太陽により滅亡する世界」を見せられるが、どこかの星で実際に起きたことのようです。
(第3話)VRの目的と仕掛け人の正体とは?
タイトル:世界の破壊者
捜査官は、スイスのCERNで32人目の科学者自殺の現場へ行き、VRヘルメットを見つけ解析に出します。オギーはジャック宅で、ヴェラ教授が死ぬ前に被ってたVRヘルを見つけ、ジンとジャックにやめさせます。しかし2人は同時プレイでレベル2ヘ。
文明152で、ジンは教皇グレゴリウス1世に「3つの太陽の重力による三体問題」を説明するが、焼きつくされた世界で2人だけ生存。女剣士が宣言したレベル3では、クビライ・カンの歓楽街ザナドゥで、ジンは「三体問題は予測不可能」と教えます。
しかし王に仕えるニュートン達が3000万人の兵で「巨大そろばん」を作り乱紀と恒紀を計算。釜ゆでの刑のジンとジャックが、3恒星直列まで時を進めると重力で世界は滅亡。ジンは「三体問題は解かず人命救助こそが第一」と気づきます。
一方、VRゲームを監視するマーク・エヴァンズは「優秀な2人をサミットへ」と。彼が会話する「主」は「人類が存続するためには恐怖が必要」と。招待状を受けたジンとジャックはレベル4で、女剣士と少女から彼らの目的を聞かされます。
不安定な3連星系で滅亡の危機にある「三体人」は、ある中国人(若かりし葉)の誘いで、1000隻の星間艦隊により4光年先から地球へ向かってるとのこと。ジャックは信じず帰宅するが、案内役タチアナに殺害されます。
以上が『三体』3話目の簡単あらすじ。リアルなVRゲームの目的は、マーク・エヴァンズが「主」の力を借りて優秀人材を選別するためと判明。主とは、葉が前話で呼んだ異星人のことで、彼らが3連星系に住んでた頃の混乱をVRで見せてます。
不安定な3連星系では、何度も生物が滅亡したようだが、最新の生物は地球人よりも高度な文明を築いてるようです。通称「三体人」はマークと葉に接触し、優秀人材を取りこんだ宗教のような感じにしたかったのでしょうか。
(第4話)招待場所に現れた者は?三体人の速度は?
タイトル:我が主よ
オギー、ソール、ウィルはジャックの死を悲しみ、ジンは止めなかったことを悔やみます。招待に応じるか悩むジンだが、捜査官に協力を要請されて行くことに。案内された場所には、葉文潔も現れ「三体人は400年後に到着するので迎える準備を」と。
そこへ警官隊が突入して大混乱。多くの犠牲者がでた中、ジンは警官隊に守られて脱出。葉は捜査官にとらわれます。
1982年、ロンドンで葉と再会したマーク・エヴァンズは、継承した石油会社の「財力を有効に使いたい」と。
現在、10年間 行方不明だったマークは、アレクサンドリア沖のタンカー「審判の日」号にいると判明。
マークが「主」と呼ぶ存在は「敵に気づかれた」と警告。赤ずきんを読んであげて「人類はウソをつく」と教えたマークに対し「理解した」と言った主は「あなたもウソをつくので、共存できない」と去っていきます。
以上が『三体』4話目の簡単あらすじ。VRゲームでの言動が評価されたジンは、ヴェラ・葉教授の母 葉文潔がサミット開催者だと知ります。三体人の到来が400年後であり、4光年先からなので光速の約1%(4/400)であることも判明。
後に、三体人は多次元も扱えるとわかるが、それでもワープ航法や光速航行の技術を確立できてない点は、一般的なSF作品との違いを感じます。地球側も日本漫画のようなロボットでの迎撃とか考えない点が、かなり現実的ですね。
(第5話)三体人の最初の攻撃は?エヴァンズの結末は?
タイトル:審判の日
ジンは警官隊に警護されてます。ウィルはジャックから多額を相続するが、今以上の治療は望んでません。オギーは、マーク・エヴァンズのタンカーを止めるために、パナマ運河でナノ繊維を使ってせん滅する計画を求められて悩みます。
ナノ繊維の研究の封印を解いたオギーは、カウントダウンされないことがわかり喜ぶが、タンカー上の罪のない人々の死を許容できません。計画には海軍が関わり、ジンの婚約者ラジも責任者としてのぞみます。
そしてパナマ運河に侵入してくるタンカーを、無数のナノ繊維で切り刻みます。子どもも含む全乗客が切り刻まれて、重要データを持ち出したマーク・エヴァンズも死亡。葉は、マークの死は「主がウソつき人類を見放したから」と知り落胆。
マークのデータをジンとウェイドがVRで体感。400年後には人類が三体艦隊を迎撃できるため、三体人は陽子コンピューター「ソフォン」2台を地球上で多次元展開し科学の進化を止める作戦を開始。三体人の言葉「地球人は虫けら」が世界中に伝播。
以上が『三体』5話目の簡単あらすじ。パナマ運河でのナノ繊維による大虐殺は、本作シーズン1で最も残酷なエピソードです。原作どおりかは不明ですが、もっと平和的にマークのみを目標にできるような方法がなかったのか疑問。
三体人が「人類がウソをつくこと」に今ごろ気づいたのもツッコミどころかと。しかし逆に三体人が「ウソつかないこと」は弱点として利用できるのでは?。陽子コンピューターを送れたのなら、地球人の滅亡も簡単そうだがそれは目標じゃないのでしょうね。
(第6話)星群計画とは?ヴェラの自殺理由は?
タイトル:星群計画
「天の巨眼」出現で400年後の三体人到来を世界中が知り宗教団体も登場。各国は軍備強化。トマス・ウェイドはウィッチウッド・マナー屋敷で、地球防衛の星群計画を開始。ジンは1000個の核兵器で加速し光速1%に近づける宇宙船を提案。
オギーはパナマの件で悩み、ジン依頼のナノセイル開発も断ります。ラジも星群計画に志願するが、ジンにパナマの件を聞かれ告白。ジンを想うウィルは、自分とジャックからの遺産も使い「星 DX3906」を購入。
捜査官に尋問される葉/イエは、葉とマーク・エヴァンズとの娘ヴェラの自殺理由が、彼らの計画を知ったからだと自白。葉は釈放されるが、見張りはつけられます。
以上が『三体』6話目の簡単あらすじ。ついに「三体人」の存在が世界に知られ、400年後なのに買いだめや自殺や宗教活動などが活発になります。この混乱は現実でも起こりそう。パナマ虐殺に加担したオギーはPTSDになったかも?
現実的な回答しか出せない科学者の中、ジンの発案はぶっとんでるけど、今ある技術を使いこれくらいのヒラメキがないと異星人には対抗できないでしょうね。ウィルの星購入の意味は不明ですが、後の伏線になるのでしょうか。
(第7話)宇宙船に乗るのは誰?葉が向かった先は?
タイトル:前進あるのみ
オギーはナノセイルの技術を世界公開し開発を開始。余命わずかなウィルは、購入した星をジンに内緒で贈ります。
光速1%の宇宙船でも200年後に三体人と接触するため、ウェイドは「コールドスリープ/冷凍冬眠」の技術を確立。三体人に拾ってもらうために有人とするが、核兵器300しか用意できず軽量制限のため重量2kgの超優秀者の「脳」しか運べないと。三体人が脳から人を復元できることを期待して。
その「階梯/かいてい計画」に手を上げる科学者はおらず、ウェイドは選出した第1候補ウィルに依頼。ウィルは人類へではなくジンへの忠誠を誓い、ソールの制止もきかずに了承。ウィルの脳は摘出され、冷凍睡眠され探査機に。
葉/イエは、VR内の少女に似てたヴェラの墓を参り、かつて働いた内モンゴルの巨大アンテナのもとへ向かいます。そこへ、生きのびてソフォンから葉の殺害任務を命じられたタチアナが来て、2人は一緒に夕陽をながめます。
以上が『三体』7話目の簡単あらすじ。探査機を光速1%に近づけるための核兵器が1000から300に減り、人ではなく「脳」しか乗れなくなり、オックスフォード5の中で役立ってなかったウィルの存在意義が出たのは見事な伏線回収。
しかし宇宙での核汚染とかは地球に影響をおよぼさないのでしょうか。それ以前に核爆弾を300回も爆発させて計算どおりの航路を保てるのか疑問。ただ、そういう代案のない考え方は、あの場にいた無能科学者たちと同じで「今できる最善の方法」にかけるしかないのも納得。
(第8話/最終話)面壁者とは?
タイトル:面壁者
ソールは自動運転車の事故で恋人を目の前で亡くすが、最近殺害された葉と同様に、異星人によるソール殺害計画だったと捜査官に忠告されます。ソールが案内された安全場所では「面壁計画」の執行者「面壁者」3人の任命式が行われます。
ソフォンにより地球上の情報と会話は全て三体人に筒抜けだが「思考」は読まれないため、国連は「壁に向かい単身で三体攻略を立案する面壁者」を使命。面壁者は、国際法をおかさなければ全ての物資とあらゆる命令権限を有し理由も不要。
1人目は軍略家の侯・柏霖/フー・ボウリン上将、2人目はイスラム国に対抗してきたレイラ・アリチ教授、3人目はソール・デュランドが選出されます。ソールは自身でも予想外だったので断るが、その発言すらも作戦と思われ警護はつきます。
ジン発案の探査機が打上げられ、オギーのナノセイル/帆を核爆弾で加速するのも成功したが、数回目でワイヤーが破損し探査機とウィルの脳は宇宙の彼方へ。作戦失敗したウェイドは、女剣士ソフォンから「おまえは有能ダ。視覚を支配した」と警告されます。
気落ちするジン、ソールを、ダーシー捜査官は大量発生したセミ林へ案内して「虫けら」がくじけない光景を見せます。タチアナは、送られてきたVRヘルメットを「1人生き残れば全員助かる」の伝言カードを読みながら装着。
以上が『三体 シーズン1』ラスト/8話目/最終話までのネタバレあらすじ。面壁者の部分は2巻目・第2部『三体II 黒暗森林』の一部です。ジンとウェイドによる探査機打上げの失敗は予想どおりだが「ウィルの脳」は残念すぎ。何かにつながると期待。
ここからは「面壁者」vs「三体人」の戦いがはじまりそうで楽しみですが、VRゴーグルを入手したタチアナの位置づけも重要になりそう。続編シーズン2はなるべく早く観たいですね!
Netflixドラマ『三体』ネタバレ感想と私の評価
『三体』は中国の原作SF小説がベストセラーとして話題になった頃から気になってたのですが、単行本で数冊あったため読むのを躊躇してました。すると、漫画、アニメ、別ドラマ版、Audibleまで登場し、ネトフリ版まではかわし続けてきました。
なのでネトフリ版がどのくらい原作に忠実なのかは知りませんが第1印象は「最近の作品の中ではスロースタートだが、壮大な物語を予感させる下地感は好き」。もっとスピーディーで濃厚なSFを予想してたが、それは続編シーズンになりそうです。
「絶望者が最悪を呼びこむ」「敵対者の襲来への準備」もよくある展開ですね。とはいえ、制作費のかかった映像は圧巻で、じっくり描かれる人間ドラマも好感できるため、2024年を代表するネトフリドラマになりそうな予感。
本当の評価は、次作シーズン2へ持ち越しなので、なるべく早く(1-2年以内)に見せてほしいと続編待望です!
私の評価 73/100(60が平均)
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