映画『エイリアン』考察ネタバレ感想/ラスト結末は?会社の陰謀は?
エイリアン・シリーズ1作目。宇宙船ノストロモ号は地球に帰還中、地球外生命体信号を発する小惑星へ着陸。すると卵から出た何かが襲ってきて…(ネタバレ感想あらすじ↓)
映画名/邦題 | エイリアン |
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日本公開日 | 1979/7/21 [予告] 上映時間:117分 |
製作国 | アメリカ |
原題/英題 | Alien |
監督・キャスト | リドリー・スコット |
キャスト 出演者 | トム・スケリット、シガニー・ウィーバー、ヴェロニカ・カートライト、ハリー・ディーン・スタントン、ジョン・ハート、イアン・ホルム、ヤフェット・コットー |
映倫区分 | 日本:G(年齢制限なし) USA:R |
配給/製作 (画像出典) | 20th Century Fox/ランディ・ワイン/ドナルド・シャセット・プロ |
日本配給収入 | 14.5億円 |
世界興行収入 | 1.0億USドル [出典] |
製作費 | 0.1億USドル |
平均評価 平均:100換算 *批評家と一般は単純平均 | (興収・評価: 2022.7.23更新) 83(私の評価は含まず) |
シリーズ 関連作品 | エイリアン映画一覧 続編『エイリアン2』評価83 |
ネタバレ感想『エイリアン』解説と評価
以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!
映画『エイリアン』ネタバレ感想や考察
エイリアンシリーズ1作目で、もはや古典ですが映画好きには知らない人がいないくらいの有名作です。主演のシガニー・ウィーバーや、監督のリドリー・スコットの出世作にもなりました。今見るとさすがに古臭さや武器のしょぼさも感じますが、最後まで息つかせない展開は見事です。
ストーリーは、任務を終えて貨物を地球へ運ぶ宇宙船が、地球外生命体からの信号をキャッチしたので調査に出かけ、そこで未知の凶暴生物と接触して戦うという今ではありきたりになった物語です。宇宙人とはファーストコンタクト?にもかかわらず、敵対する可能性も考えずそれほど警戒してないのが不思議です。
しかしこのツメの甘さというか、楽観主義はシリーズ全体を通して継承されてると感じます。危機管理やセキュリティに関する認識がかなり甘い世界での話だと割り切っていいと思ってます。そうでなければ、ヘルメットや防護服なしで未確認生物を触ったり倒そうとしたりしないはずです。
この作品はエイリアンの造形や怖がらせ方など、いろいろ発明したと思いますが、エイリアンの成長過程は特にそう感じます。ただ単に成体が人間の内部に卵を産み、幼体が出てきたなら普通の展開ですがエイリアンシリーズでは、フェイスハガーという段階が独特です。
卵から出たフェイスハガーが、人間の口から内部にエイリアンのもとを植えつけ、フェイスハガー自体は役目を終えて死んでしまいます。しばらくすると腹を破ってチェストバスター(幼体)が出てきて、人やエサを食べるうちに、幼体がエイリアン成体に成長して、また卵を作るようです。
序盤で出てきたU字型宇宙船や巨人(スペースジョッキー)については、『プロメテウス』『エイリアン コヴェナント』などでも、人類やエイリアンの創造主とともに語られますので、気になる人はそちらも観ることをおすすめします。
おすすめ8ポイント
- SFサバイバル・ホラー映画
- ジャンルムービーを確立
- 『エイリアン』シリーズ1作目
- エイリアンの生態や造形は発明級
- ホラー要素もたっぷり
- シガニーウィーバーの出世作ぶり
- 謎の宇宙船や宇宙人が登場
- 最後まで気をぬけない
少し残念7ポイント
- 未来の割にテクノロジーがしょぼい
- 乗組員の危機管理が不十分
- コンピューターが古すぎる
- 音楽や効果音で怖がらせすぎ
- 極秘使命を簡単にのぞける?
- ロボットのアッシュが弱すぎ
- あのシャトルなら4人乗れそう
『エイリアン』ネタバレあらすじや解説
西暦2122年、ウェイランド・ユタニ社の宇宙貨物船ノストロモ号は、鉱石を採掘後に地球へ帰還中です。コールドスリープ(冷凍睡眠)中だった7人の乗組員は起こされますが、地球到着ではなく、コンピューターAI「マザー」が知的生命体らしき電波信号を受信し、そちらへ航路を変更したことがわかります。
科学主任アッシュ(イアン・ホルム)「ウェイランド・ユタニ社との契約書には、知的生命体らしき物を発見した場合は調査することと記載されている」。貨物を宇宙に置いたまま、発信源の小惑星(続編で惑星LV-426と判明)に着陸したノストロモ号は、嵐でエンジンが故障し修理する間、滞在することになります。
船長アーサー・ダラス(トム・スケリット)、一等航海士ギルバート・ケイン(ジョン・ハート)、二等航海士の女性ジョーン・ランバート(ヴェロニカ・カートライト)の3人は小惑星の調査に出かけ、U字型宇宙船とその中に操縦席のような所に座ったまま化石化した巨人宇宙人(スペースジョッキー)を見つけます。
ケインは船底へ降りて調査中、卵のようなものをのぞきこんだ時、何かが顔に飛びかかります。一方、船内のリプリー(シガニー・ウィーバー)は信号は警告であると解析し、戻ってきた3人を船内へ入れるのを拒否します。ケインに有機体が付着したため、規則では24時間隔離の必要があるためです。
しかしアッシュが手動でエアロックを開けて3人を中へ入れます。医療室でケインの顔にサソリ似の生物(フェイスハガー)が張り付いてるのがわかり、昏睡状態の彼に酸素を供給して延命してることが判明します。引きはがそうとすると強い酸の体液か血液が流れ、床を貫通して船の下層まで溶かすのであきらめます。
しばらく後、フェイスハガーは顔から離れて絶命します。リプリーはすぐ廃棄すべきと提案しますが、アッシュは貴重な地球外生命体なので持ち帰ると主張し、船長ダラスもなぜか従います。アッシュは出発2日前に急に担当者変更で選ばれたそうです。ノストロモ号は貨物をつなげて、あと10ヶ月の地球へ出発します。
やがてケインが元気に起きてきて、みんなで一緒に食事しますが、急に苦しみだして腹を引き裂いてヘビのような生物(チェストバスター)が飛び出し、すばやくどこかへ消えます。フェイスハガーはチェストバスター(幼体)を産み付ける役割だったようです。手分けして動体センサーで船内捜索をはじめます。
リプリーのチームはセンサーに反応したロックを開けると、船中猫ジョーンズが逃げていき、機関士サミュエル・ブレット(ハリー・ディーン・スタントン)が1人で後を追い、リプリーらは捜索を続けます。ブレットは脱皮した抜け殻のようなのを見つけ、直後にエイリアン(成体)に襲われ連れ去られます。
乗組員たちは協議して、1人が通気口に入って火炎放射器でエイリアンを追い立てることになります。その役割は船長ダラスが志願します。しかしエイリアンは知能も高いらしく、待ち伏せするダラスを殺害します。ランバートはシャトル脱出を提案しますが、4人全員は乗れないため却下されます。
リプリーは何も仕事しないアッシュに不信感を抱き、自分でコンピューターAI「マザー」を使って特別指令937を調べると「地球外生命体の調査及び標本採取し持ち帰ることを最優先。乗員の犠牲はやむを得ない」だとわかり、アッシュに詰め寄ると、逆にリプリーが殺害されそうになりますが、仲間に助けられます。
映画『エイリアン1作目』ネタバレ結末ラスト
黒人の機関長デニス・パーカー(ヤフェット・コットー)とランバートがアッシュを殴り倒すと、なんとアンドロイドだと判明。頭だけ修理して尋問すると「会社はエイリアン捕獲だけが目的で、エイリアンにはモラル等なく凶暴で生存本能のみの完璧な生命体なので、人間に勝ち目はなく同情する」と笑います。
リプリーはアッシュを破壊してシャトル脱出することにします。リプリーはシャトル準備に行き、パーカーとランバートには冷却液を取りに行かせます。リプリーは猫のジョーンズにおどかされますが捕まえます。無線でパーカーとランバートの悲鳴を聞き駆けつけると、2人ともエイリアンに殺害されてます。
悲しむ間もなくリプリーはノストロモ号の10分後の自爆装置を起動し、シャトルへ向かいますが、進路にエイリアンがいて間に合わないため、自爆装置を解除します。しかし間に合わず、爆発は5分後です。エイリアンの姿は見えなくなったので、恐怖を感じながらもシャトルに搭乗してノストロモ号から脱出します。
わずかな差でノストロモ号の自爆装置が作動し、脱出した目の前で宇宙船と貨物は爆発します。リプリーは猫のジョーンズをコールドスリープ装置に入れた後、シャトル内にエイリアンの存在を確認し、見つからないよう急いで宇宙服を着ます。そして船内を操作して蒸気でエイリアンをおびき出します。
エアロックを開くが、エイリアンはふんばりリプリーはボウガンを撃ちこみ、エイリアンを宇宙空間へ飛ばします。それでもまだ噴射口付近でふんばるエイリアンに対して、リプリーはエンジン出力を上げて炎でエイリアンを宇宙空間へ飛ばします。
ついにエイリアンに勝利したリプリー(シガニー・ウィーバー)はたった1人だけになります。身分やこれまでの経緯などを報告用に録音した後、6週間後に地球周辺に着いた時に受信してもらえるよう設定し、リプリーもコールドスリープ装置に入って眠りにつきます。
今見るとさすがにコンピューターやテクノロジーが古すぎて気になりますが、ストーリー展開やエイリアンの造形などはよく考えられてるし、バイオレンス表現も意外と少ないので、最新作『エイリアン コヴェナント』を見る前などにも、ぜひ1度は観ることをおすすめします!
私の評価 64/100(60が平均)
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