『名探偵コナン隻眼の残像』真犯人の正体?原作より先の真相?ラスト結末は?考察ネタバレ感想

名探偵コナン劇場版28作目。長野県警の大和敢助は未宝岳で男を追跡中、雪崩に巻きこまれ負傷。10カ月後、勘助はある捜査に…。一方、毛利小五郎は元同僚の刑事から雪崩事故に関わる疑惑を聞かされるのだが…(ネタバレ感想あらすじ↓)
映画名/邦題 | 名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック) |
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日本公開日 | 2025/4/18 [予告] 上映時間:110分 |
監督・キャスト | 重原克也[キャスト] |
映倫区分 | 日本:G(年齢制限なし) |
配給/製作 (画像出典) | 東宝/トムス・エンタテインメント |
日本興行収入 | 133.2億円 年間1位 / 歴代28位 |
平均評価 平均:100換算 | (興収・評価: 2025.6.3更新) 78 |
シリーズ 関連作品 | コナン映画一覧 前作『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』158億 |
参考・出典 | 公式サイトWiki上映映画館 |
キャラ・ランキング(キャスト/出演者)
個人的なキャラクターランキングです。
※キャラクター名(キャスト/出演者/声優)
- 毛利小五郎(小山力也)私立探偵。眠りの小五郎。毛利蘭の父。コナンの保護者。元警視庁捜査一課 強行犯係
- 江戸川コナン(高山みなみ)黒の組織の薬品で小学生に。正体は名探偵の工藤新一
- 大和敢助/やまと かんすけ(高田裕司)長野県警 捜査一課の警部。諸伏高明と上原由衣とは幼なじみ
- 長谷部陸夫/はせべ りくお(関智一)長野の事件に興味を持ってる検察官
- 風見裕也/かざみ ゆうや(飛田展男)警視庁公安部 警部補。降谷零の協力者
- 諸伏高明/もろふし たかあき(速水奨)長野県警 捜査一課 警部。警視庁公安部 諸伏景光(ひろみつ)の実兄
- 安室透/あむろ とおる/降谷零/ふるや れい/バーボン(草尾毅)警察庁警備局警備企画課(通称ゼロ)公安警察捜査官
- 林 篤信(羽多野渉)山梨県警の刑事。捜査に協力
- 大友隆/おおとも たかし(山田孝之)長野の山中の炭焼き小屋の主人
- 毛利蘭/らん(山崎和佳奈)工藤新一の幼なじみで恋人。空手の達人
- 上原由衣/うえはら ゆい(小清水亜美)長野県警の刑事。大和敢助と諸伏高明とは幼なじみ
- 灰原哀/はいばらあい(林原めぐみ)元 黒の組織の一員シェリーだが幼女化。コナンが頼れる親友
- 鮫谷浩二/さめたに こうじ(平田広明)警視庁刑事総務課に所属。小五郎の元同僚。通称ワニ
- 円井まどか/つぶらい まどか(山下美月)国立天文台 野辺山に勤務する施設研究員。越智豊と働く
- 越智豊/おち ゆたか(松本保典)国立天文台の教授。阿笠博士の大学時代の後輩
ネタバレ感想『名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)』解説と評価
以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!
『名探偵コナン隻眼の残像』主キャラは?監督とゲスト声優は?
映画『名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)』は名探偵コナン劇場版の28作目。大和敢助(『漆黒の追跡者』以来15作ぶり)、諸伏高明(劇場版は初登場)、毛利小五郎がキーパーソンとなるようです。
コナン、灰原哀など主要キャラの声優はほぼ続投。安室透の声優は古谷徹の降板により、劇場版では初の草尾毅に変更。ゲスト声優として、大友隆を山田孝之、円井まどかを山下美月が担当。
『名探偵コナン隻眼の残像』興行収入の推移
興行収入も注目の映画『名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)』の推移は以下(色は1行毎に見やすくしてるだけ)。公式発表を見つけしだい追記します(SNSでの各種推定値は誤差が大きいため反映しません)。
- 公開1日目 4月18日(金) 10億5,842万2,300円/69万7,355人
- 公開2日目 4月19日(土) 12億4,631万4,200円/83万5,908人
- 公開3日目 4月20日(日) 11億3,387万0,200円/78万1,427人
- 4/20まで03日間 興行収入 34億3,862万6,700円/231万4,690人
- 4/23まで06日間 興行収入 44億4,000万円/300万人
- 4/27まで10日間 興行収入 63.4億円/431万人
- 5/06まで19日間 興行収入 104億8,085万円/726万6,010人
- 5/11まで26日間 興行収入 113億円/786万人
- 公開1日目 4月12日(金) 9.6億/63万人(962,785,780円/638,119人)
- 公開2日目 4月13日(土) 12.3億/83万人(1,239,818,980円/839,126人)
- 公開3日目 4月14日(日) 11.4億/77万人(1,149,889,740円/770,273人)
- 公開03日間 興行収入33.5億/227万人(3,352,494,500円/2,274,333人)
- 公開10日間 興行収入65億1,734万7,330円 /動員446万9708人
- 公開18日間 興行収入92億9,100万円 /動員644万9,000人
- 公開22日間 興行収入105億円 /動員732万人
- 公開31日間 興行収入128億円 /動員898万人
- 最終値: 興行収入158億円!(コナン歴代最高)
- 公開1日目 4月14日(金) 8億5883万7700円 /動員58万2776人
- 公開2日目 4月15日(土) 11億8941万1600円 /動員82万3358人
- 公開3日目 4月16日(日) 10億9813万8040円 /動員77万0273人
- 公開03日間 興行収入31億4638万円 /動員217.64万人
- 公開10日間 興行収入58億6665万4490円 /動員407万2179人
- 公開18日間 興行収入79.7億円 /動員557万人
- 公開24日間 興行収入103億0448万3700円 /動員728万0136人
- 最終値: 興行収入138.8億円(当時のコナン歴代最高)
大和敢助の隻眼の理由?追ってた男の正体は?
10か月前、長野県警 捜査一課の大和敢助は、逃亡犯を追跡中、左眼を銃弾で失明させられるが、何者かの残像を見ながら雪崩(なだれ)に巻きこまれて生死不明に。同僚の諸伏高明の機転で、隣の山梨県の病院で発見され残像以外の記憶は戻りました。
勘助が追ってた男の正体は8年前の強盗で逮捕され、仮釈放中に銃を携帯してた御厨。なだれ後、諸伏高明が御厨を逮捕。御厨の動機は強盗事件の相棒・鷲津隆への復讐。鷲津は司法取引で御厨の居場所を暴露して執行猶予に減刑されました。
しかし大和敢助の左眼を撃って失明させたのは御厨ではなかったようです。勘助は撃たれる前に「誰か」を見たようだが記憶があいまいに。ちなみに勘助を病院に導いた者も不明。療養中の勘助の面倒は、山梨県警の林が手伝ったようです。
現在。長野の国立天文台 野辺山の施設研究員の円谷まどかが何者かに襲撃され、生還し復職した大和勘助が捜査に。しかし巨大パラボラアンテナの稼働を見た勘助はなぜか隻眼のうずきに苦しみだします…
以上が序盤からの大和敢助まわりのあらすじ。本作では大和敢助が隻眼になった事件の詳細が語られます。何者かを追跡中に誰かに左眼を撃たれ、何かを見た…というあいまいな描写が多いだけにわかりにくい冒頭ですが徐々に明らかに。
といっても今回の事件は黒の組織が関わるような大事件ではなく、個人犯罪による小事件が重なっただけなので最近のコナン映画にしては地味めかも。ただ、インフレ傾向のアクションより物語を重視してる点は好みだし評価したいです。

最初の犠牲者は誰?毛利小五郎と関係あり?
同じ頃、毛利小五郎に元同僚のワニこと鮫谷が電話してきて、大和勘助の雪崩事故について小五郎と会って話す約束をします。翌日、小五郎と会う直前に鮫谷は至近距離で射殺され、コナンがスケボーで犯人を追うが逃げられます。
激怒した小五郎は警視庁の高木渉、佐藤美和子の同行で長野県警へ。本気の小五郎に同行を許されなかったコナンと毛利蘭は、ちょうど長野の天文台へ向かう阿笠博士と灰原哀と少年探偵団3人と一緒に長野へ。そして機転で小五郎達と合流。
コナンは電話で安室透に協力をあおぎ、自分につけられた盗聴器が公安の風見による物と気づきます。付けたのは山梨県警で隠れ公安の林。ワニこと鮫谷も隠れ公安で、勘助が雪崩に巻きこまれた日の真相に気づいたため殺害されたようです。
以上が中盤あらすじ。ワニ鮫谷が殺害されるのはコナン作品に慣れた人なら予想どおりだったでしょう。が、心臓直撃っぽい映像は衝撃的でしたね。今回は内容もやや難解だし、いよいよ子ども向けではなくなってきたかも…
スケボーでの道路交通法違反はいつも通りだが、派手に事故っても事情聴取すらないのはさすがに…。毎回 少年探偵団はマンネリ化してると思いつつ、コナンが便利使用するツールだと考えれば脚本的には楽なんでしょうね。
小屋の主の正体は?座禅草を供えたのは誰?
山で捜査中の大和敢助、上原由衣は何者かに銃撃され、近くの炭焼き小屋に避難。銃撃犯は近くにきた光彦も狙うが毛利蘭が空手で阻止し逃亡。元太は犯人をかんだ時に手袋の切れ端が歯にはさまり警察に提出し、鹿の革と判明。
勘助らが逃げた小屋の主・大友隆は、小雪崩を発生させて大雪崩を阻止アバランチコントロール装置を携帯。ライフルあざのある大友隆の正体は、執行猶予中に行方をくらました鷲津隆。鷲津らが傷つけた後に自殺した舟久保真希の墓に毎年 座禅草を供えており、真希の父は苦しみながらもゆるします。
勘助はまたライフルで狙われ、かばった諸伏高明が凍った湖に転落。亡き弟・諸伏景光の幻を見た高明は銃を氷上に発泡し発見され入院。次に犯人は雪崩を発生させます。コナンは、反対側も雪崩を発生させて相殺しようと酸素ボンベを蹴り上げます。
勘助は隻眼がうずき銃撃失敗。風見の銃を借りた小五郎が成功するが間にあわず小屋に逃げて生還。勘助は死亡…と伝えられるが、実は大友隆が救っており、犯人をあざむくためのコナンの入れ知恵でした。また、10か月前に雪崩から勘助を救ったのも鷲巣だったと判明。
以上が終盤にかけてのあらすじ。大和敢助、諸伏高明、コナンの切れ者3人がそろってるのに後手後手な対応なのは納得しがたいが、真犯人の機動力がすさまじすぎるんですよね。準備から全てを1人でやってるとは思えないスピード感。
炭焼き小屋の大友隆の存在意義は?と思ったが、被害者家族による「赦し」と「更生」の演出があり驚き。さすがにあの短時間でゆるせる遺族はいないだろうが、彼がいなければ大和敢助は2回死んでたことになるので心憎い演出…
諸伏高明の亡き弟・諸伏景光の登場は予測どおりだったが幻だけなのは残念。でも景光 生存の伏線ではないでしょうか。大和敢助 死亡の偽装もコナン恒例で見抜きやすかったが、現代ではコンプラ的に不謹慎・不適切すぎてそろそろヤメ時かと…
真犯人の正体と動機?検察官の正体?ワニの意味?
コナン、小五郎は関係者を天文台に集め、真犯人の正体は山梨県警の隠れ公安・林とあばきます。林の動機は、恋人・舟久保真希を自殺に追いやった鷲津と御厨への復讐と、自分の正体を知った大和敢助(失明も林の銃弾)と鮫谷の殺害。
林は改造銃を取り扱う権限もあり、ライフル弾を撃てる拳銃で鮫谷を殺害。また林は、国会で審議中の「司法取引の拡大案(重要情報を暴露すると証人保護プログラム対象となる等)」には反対で、犯罪者は罪を償うべきとの考えです。
だから林は天文台の移動パラボラアンテナを無断使用し、国家間の情報を盗んで政府をおどし法案廃止を狙ってたのです。勘助達の前に現れた謎の検察官・長谷部陸夫の正体は、内閣情報調査室付き検察で、鮫谷の情報から林を追ってました。
アンテナ車で逃げる林を、勘助や高明や風見が追います。コナンは灰原哀に指示し天文台のレーザーをスケボーに使った板で反射し林に照射。同時に毛利小五郎が風見の銃を借りて精密射撃で林の逮捕に協力。
以上がラストまでのネタバレあらすじ。情報量が多すぎて混乱するので1つずつ整理。大和敢助がパラボラアンテナを見て隻眼がうずいた理由は「林がパラボラアンテナを使ってる光景」を見ながら左眼に銃弾を受けたトラウマからでしょう。
鮫谷が電話で毛利小五郎の銃の腕前をほめてたが、アンテナ車を止めて伏線回収。雪崩止める時も小五郎は銃を使いました。民間人の銃使用は犯罪なので、安室、風見ら公安に弱みを握られたかも…
林が、雪崩で入院中の大和敢助の面倒を見た理由は、勘助が林を見た記憶が戻るか確認するため見張ってたのでしょうね。恋人を亡くした林が、犯罪者を守る司法取引をうらむ気持ちは理解できます。
が、パラボラまで借用して政府をおどす発想は常軌を逸してるし、直接害を与えられてもない鮫谷をあれだけ至近距離から射殺できる精神状態はもはや狂ってるし同情の余地はありません。
ずっとあやしい雰囲気だった検察官・長谷部の正体が内閣情報調査室付き検察だったのは驚き。公安以外にもまた頼れそうな組織・キャラが登場。今後、黒の組織との戦いでは内調や国家もからみそうなので、長谷部も人気が出そうなキャラ。
ちなみに鮫をワニと呼ぶのは出雲の日本神話「因幡(いなば)の白うさぎ」を連想させます。何度も出てくる「うさぎのキーホルダー」も以前の映画で観た記憶があるけど、どの回だったか…。黒の組織との最終決戦地は出雲なのでは?
エンドロール後オマケ映像は来年コナン映画ヒント?
投獄された林は、亡き舟久保真希との関係を秘匿することと引き換えに、安室透から隠れ公安の情報の口止めを強要されます。林は自身が否定した司法取引で、死刑から無期懲役へ減刑されるという皮肉。安室は小五郎の銃使用もカードにする雰囲気…
最後に「風の女神様……女神じゃないわよ、女海賊よ!」の声の後、2026年 劇場版コナン公開決定!の文字が。神奈川県警の萩原千速(はぎわら ちはや)と横溝重悟(よこみぞ じゅうご)がメインキャラになるのでは?と予想。
映画『名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)』ネタバレ感想と私の評価
名探偵コナンは原作漫画もテレビアニメ版も全く見てないが、最近の劇場版は数作つづけて観てる程度のライト視聴者です。今回の『隻眼の残像』は、昨年の『100万ドルの五稜星』よりは物語重視で好みでしたが『ゼロの執行人』には届かない印象。
本作は地味な事件の積み重ねで、クセキャラの登場も少なく、ミステリ的に先が気になる展開もないため興行収入は前年より苦戦すると予想。しかしフタを開けると初日はコナン歴代最高値で、制作陣もファンも一安心でしょうね。
ストーリーも地味めだが、爆発多めのアクションがインフレ傾向だったので、初期コナンに近い?ミステリぽい物語重視な感じは悪くないと思います。テーマ的には「被害者と加害者の和解・赦し・更生」や「司法取引の功罪」を描いており興味深いし。
キャラ印象の弱さは安室透を登場させることで補ってるが、遠隔地からの協力のみなので物足りなさは感じます。大和敢助の魅力をもう少し出せればよかったのですが…。上原由衣とのラブコメは…似たカップルが渋滞してて…。来年のキャラもカップルぽい?が初見なので楽しみ!
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