実写映画『はたらく細胞』考察ネタバレ感想/ラスボスの正体と退治法は?結末は?
日夜、体内環境を維持し続ける赤血球、白血球など細胞たち。女子高生の日胡(にこ)は健康的な生活を送るが、父の茂は不摂生な日々。そんな2人の体内でも細胞は戦いを繰り広げるが…(ネタバレ感想あらすじ↓)
映画名/邦題 | はたらく細胞 |
---|---|
日本公開日 | 2024/12/13 [予告] 上映時間:109分 |
監督・キャスト | 武内英樹[キャスト] |
映倫区分 | 日本:G(年齢制限なし) |
配給/製作 (画像出典) | ワーナー・ブラザース映画 |
日本興行収入 | 公表後すぐ更新 興行収入ランキング |
平均評価 平均:100換算 | 78 |
シリーズ 関連作品 | マンガ実写化一覧 |
参考・出典 | 公式サイトWiki上映映画館 |
キャラ・ランキング(キャスト/出演者)
個人的なキャラクターランキングです。
※キャラクター名(キャスト/出演者/声優)
- 白血球/好中球/U-1146(佐藤健)体内に侵入した細菌やウィルスを排除する
- 赤血球/AE3803(永野芽郁)酸素を体内、二酸化炭素を肺に運搬する
- 血小板(マイカ・ピュ)小サイズの細胞。血管の傷口に集合し止血
- NK細胞(仲里依紗)がん細胞やウィルス感染細胞に単独で戦いを挑む殺し屋
- キラーT細胞(山本耕史)リンパ球の一種。免疫細胞。強力な殺傷能力を持つ
- 白血病細胞(Fukase(SEKAI NO OWARI))骨髄球が白血球にならずに反乱し増殖
- 漆崎茂/うるしざき しげる(阿部サダヲ)不摂生にもほどがある父親
- 漆崎日胡/うるしざき にこ(芦田愛菜)健康まじめな女子高生。父と二人暮らし
- 先輩赤血球(加藤諒)ブラックな体内で働く先輩赤血球
- 新米赤血球(板垣李光人)ブラックな体内で働く赤血球
- マクロファージ(松本若菜)幼い赤血球らを指導。外敵とも戦う
- ヘルパーT細胞(染谷将太)外敵に対する的確な戦略を決める司令官
- 肝細胞(深田恭子)肝臓内で物質の代謝や解毒を行う
- 神経細胞(DJ KOO(TRF))ホルモンなどを分泌
- 外肛門括約筋(一ノ瀬ワタル)肛門ではたらく細胞
- 肺炎球菌(片岡愛之助)肺炎などを起こす毒性細菌
- 化膿レンサ球菌(新納慎也)常在菌だが疾患の原因となる場合あり
- 黄色ブドウ球菌(小沢真珠)創傷部などから体内に入りトラブルを引き起こす
- 武田新(加藤清史郎)日胡が気になってる男子高校生
ネタバレ感想『はたらく細胞』解説と評価
以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!
実写版『はたらく細胞』原作は?監督とキャストは?
映画『はたらく細胞』の原作は、清水茜による日本漫画です。本編は全30話で、発行部数はシリーズ累計1000万部以上。TVアニメ化、アニメ映画化もされた人気作品です。
監督の武内英樹は『翔んで埼玉』2作や『もしも徳川家康が総理大臣になったら』を最近監督。
主演の永野芽郁は『母性』『からかい上手の高木さん』等に、佐藤健はるろうに剣心 実写シリーズや『四月になれば彼女は』等、芦田愛菜は『星の子』『メタモルフォーゼの縁側』等に最近出演。
他、阿部サダヲ、山本耕史、仲里依紗、染谷将太、松本若菜、片岡愛之助、深田恭子、板垣李光人など豪華キャストが出演!
細胞の役割とは?いろんな外敵との戦闘結果は?
造血幹細胞に選別された赤芽球は、赤色骨髄でマクロファージ先生に指導されながら一人前の赤血球になる訓練を積みます。ある日、化膿レンサ球菌(常在菌が悪者に変異)に襲われた赤芽球は、白血球の幼少期・骨髄球に救われます。
成長した赤血球AE3803(永野芽郁)は肺からの酸素を全身の細胞に送り届け、二酸化炭素を排出する重要な役割を果たします。外敵の黄色ブドウ球菌が暴れ出し、ヘルパーT細胞(染谷将太)の命令でキラーT細胞(山本耕史)の殺傷部隊が出動。
赤血球は肺胞で二酸化炭素と酸素をガス交換。隠れてた肺炎球菌(片岡愛之助)に襲われるが、白血球U-1146(佐藤健)に救われます。肺炎球菌は気管支で自由を奪われ「くしゃみ」として体外へロケット発射されます。
日胡がすり傷をつくると体内の血液が大穴から放出されます。小さき細胞・血小板ちゃんたちが血栓で傷口をふさぎ、白血球や赤血球が血栓を強固にして一件落着。インフルエンザ菌は、NK細胞、キラーT細胞、白血球などの働きで駆除。
幼少期の赤血球と白血球との出会いから始まり、成長後の再会へとつながる展開は細胞の擬人化に慣れてない人にもわかりやすい構成で好感。外敵とのバトルが多かったが、日常の赤血球の仕事ももう少しだけ見たかったかも。
懸念だった?血小板ちゃんがかわいくて素晴らしく映画館内もわきました。戦闘アクションは佐藤健なので心配してなかったが『るろうに剣心』ぽい動きもあり、仲里依紗、山本耕史も加わってみごたえあり。
健康体と不摂生な体内のはたらく細胞の違いは?
女子高生・漆崎日胡/うるしざき にこ(芦田愛菜)は規則正しい生活で体内環境も良好。数々の外敵も基本的なはたらく細胞の能力だけで排除できます。日胡が恋すると体内では神経細胞のDJが盛り上げ、幸福ホルモンで細胞たちも活性化。
一方、不摂生な父・漆崎茂(阿部サダヲ)の体内は酒・煙草・ひどい食事などで崩壊寸前。そんなブラックな体内の新米赤血球(板垣李光人)は途方にくれるが、先輩赤血球に励まされ過酷ながら働きます。
アルコールが降り注ぐと赤血球は酔いを解毒するため肝臓へ。やさしくて美しい肝細胞(深田恭子)が癒やしてくれます。しかし奥では寿命を迎えた赤血球が食われて胆汁になるのを見せられ、新米赤血球は浮かばれない人生に悲嘆。
さらにジャンクフードまみれの父はトラック運転中にお腹を下しトイレまで我慢。体内では大脳に従う外肛門括約筋が、意識では動かせない内肛門括約筋を押して意図しない排便を止めてます。先輩赤血球は巻き込まれて排出されてしまいます。
健康体とブラック体内でのはたらく細胞の人生の違いが比較できて興味深いです。明日からは不摂生な点を改めようと思ってしまいます。ただ、健康体の日胡の白血病に対して、不摂生な茂が少し倒れただけなのはあり得るとしても映画的にはアンバランスかも。
腹痛によるトイレ間に合わない問題は不摂生でなくても誰でも起こる問題なので、その後に倒れた原因(血圧のせい等)や切れ痔にもっとフォーカスしてもよかったのかも。ただこのシーン、ポップコーンや食事中の人にはつらいですね(笑)
ラスボスの正体は?対抗策と代償は?ラスト結末は?
白血球は幼い骨髄球の指導もします。白血球に成長できない骨髄球は通常は排除されるが、反乱を起こす者が現れ増殖。体内の赤血球、白血球、血小板などは異常に少なくなり生命活動にも支障が。これが「急性骨髄性白血病」です。
成長した白血病細胞(Fukase)は師である白血球を倒し体内の免疫系は崩壊。入院した日胡は偶然にも、父の体内で働いてた新米赤血球を輸血されます。抗がん剤治療が開始されると、白血病細胞も通常細胞も区別せず駆除されます。
無限に増殖できる白血病細胞との戦いで、孤高の殺し屋・NK細胞(仲里依紗)もキラーT細胞も倒れます。弱りゆく日胡を救う唯一の方法は「骨髄移植」。その前に新しい造血幹細胞を拒絶しないよう現在の骨髄を空にし既存の血液細胞も死滅させます。
白血球U-1146は白血病細胞を倒して力つき、その遺言で体内に酸素を届け続けた赤血球AE3803も消滅。クリーンルームの日胡を父と恋人が笑わせて免疫を活性化。骨髄移植が成功すると新しい骨髄液により細胞が増え始めて日胡は回復。
医学部に合格した日胡の入学式に父と恋人も一緒に。くしゃみした日胡の体内では、スギ花粉と戦う新しい白血球と、それを見守りながら酸素を運ぶ新しい赤血球が今日もはたらいています。
実写映画版でのラスボスは「がん細胞」だと予想したがまさかの「白血病」。健康体の女子高生に起こるのは意外でいいと思ったが、体内での長い戦闘・荒廃に変化が少なく、日胡の病気演技も軽すぎるしCGも安っぽくて少し残念。
とはいえ、体内の血液細胞をほぼ死滅させて新しくする、という流れは現細胞にとっては悲劇だが人間にはハッピーエンドでエモ展開となるため映画的には劇的でいいかも。
実写映画『はたらく細胞』ネタバレ感想と私の評価
『はたらく細胞』はアニメ版のできがよくて大好きだったので、実写版映画は不安でした。しかし佐藤健のアクション、永野芽郁らの細胞ぽさ、血小板ちゃんのかわいさ♪全てが予想以上で、芦田愛菜、阿部サダヲには泣かされもしました。
CGやセリフの言い回しに少し違和感ある部分もあったが、全体的には世界観もキャラもとても大事にしていて好感を持てます。るろ剣を思い出させるアクションは素晴らしくもっと見たかった一方、外敵とのバトルにはもっとバリエーションがほしかったが原作もわりと単調なんですよね。
本気で語ると教育映画っぽくなるが、原作どおりとはいえコミカルと説明のバランスがよくて初めての人でも理解しやすくて楽しめそうです。TVドラマではなく実写映画にした意義はあると感じたが、あと1,2つテーマ性と見どころがあればもっと推せたかも。
シリーズやジャンル⇒マンガ実写化一覧