映画『遺書、公開。』考察ネタバレ感想/真犯人の正体と動機は?ラスト結末は?

私立灰嶺学園の2年D組に担任も含めた「序列」が送付されてきて、半年後に序列1位の姫山椿が死亡。彼女の遺書が配られたクラス全員がその遺書を公開し真相に迫るのだが…(ネタバレ感想あらすじ↓)
映画名/邦題 | 遺書、公開。 |
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日本公開日 | 2025/1/31 [予告] 上映時間:119分 |
監督・キャスト | 英勉[キャスト] |
映倫区分 | 日本:PG12(小学生指導必要) |
配給/製作 (画像出典) | 松竹/HI-AX、ダブ |
日本興行収入 | 2.3億円 興行収入ランキング |
平均評価 平均:100換算 | (興収・評価: 2025.2.11更新) 72 |
シリーズ 関連作品 | マンガ実写化一覧 |
参考・出典 | 公式サイト上映映画館 |
キャラ・ランキング(キャスト/出演者)
個人的なキャラクターランキングです。
※キャラクター名(キャスト/出演者/声優)
- 御門凛奈/みかど(髙石あかり)序列3。姫山椿の親友でテニスのダブルスペア
- 廿日市くるみ/はつかいち(志田彩良)序列20。池永とよく話す。人間観察が趣味
- 千蔭清一/ちかげ(宮世琉弥)序列16。冷静沈着な変わり者
- 池永柊夜/しゅうや(吉野北人)序列19。廿日市とよく話す。鉄道好き
- 姫山椿(堀未央奈)序列1。性格がよくてクラスの人気者
- 赤﨑理人(松井奏)序列2。姫山椿の恋人
- 甲斐原誠(忍成修吾)序列10。2年D組の担任教師
- 谷地恵/やち(兼光ほのか)序列15。バドミントン部。姫山椿の秘密を知る
- 沢渡すずこ/さわたり(鈴川紗由)序列22。何者かに遺書を奪われた
- 絹掛愛未/きぬかけ(青島心)序列24。ずっと不登校
ネタバレ感想『遺書、公開。』解説と評価
以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!
『遺書、公開。』原作は?監督とキャストは?
映画『遺書、公開。』の原作は、陽東太郎の同名コミックです。
監督の英勉(はなぶさ つとむ)は漫画原作の実写化を得意としており、最近も『映像研には手を出すな!』『東京リベンジャーズ』『映画 おそ松さん』等を監督。脚本は賛否の分かれる鈴木おさむ。
主演の吉野北人は『HiGH&LOW THE WORST』『私がモテてどうすんだ』等、宮世琉弥は『恋わずらいのエリー』『アンダーニンジャ』等、髙石あかりは ベイビーわるきゅーれシリーズ、『スマホを落としただけなのに最終章』等に最近出演。
遺書公開の目的は?序列とは?1位は誰?
新学期のクラス替え直後、2年D組の担任教師も含めた25人に「全員の序列を番号で記したリスト」がメール送付されてきます。その半年後、序列1位の姫山椿(堀未央奈)が学校で自殺。その後、全員宛に彼女の「遺書」が届けられます。
遺書は受取人と姫山との関係性により全て違う内容。姫山と親友だった御門凛奈(髙石あかり)(3=以下 序列)や大島由梨(5)の提案で、姫山の自殺理由を探るため数回のホームルームで希望者から順に「姫山からの遺書を公開」することに。
最初は姫山とつきあい薄かった者たちの、当たりさわりない遺書だったが皮肉もこめられてると判明。谷地恵(15)は姫山から親が離婚したという秘密を聞き、1位の秘密を知る者とアピールしたくて拡散してました。
以上、導入部分はスピード感ありスムーズで情報も最低限しか見せずわかりやすかったです。序盤の生徒役はなじみない俳優が多かったが、谷地恵 役の兼光ほのかはキャラ変がややオーバーだったが最初の盛り上がりシーンでした。
現実的にこのホームルームを行うとしても1,2日で完結させるだろうとは思いました。数日に分けたのは、池永と廿日市のやりとりを見せたかったのだろうけど、それは作成側の都合であり、視聴者側としては飲み込みづらかったです。
序列の作成・送付犯人の正体は?序列の意味は?
姫山の恋人の赤崎理人(2)は、茅野鞠華(13)と一緒に外出してたことを黒瀬蓮司(23)に暴露され、沢渡すずこ(22)の遺書を盗んだ犯人とも明かされ動揺。沢渡は、赤崎の発言「1位の恋人になり自分を高く見せたい」を聞いたので遺書を奪われました。
その発言は姫山も聞いてたが、その後も何知らぬ顔でつきあってました。相畑詩帆(17)は姫山と漫画の趣味友だったが自分が下位なので姫山から離れたようです。山根裕基(最下位25)の遺書には「あのことは内緒にする」と。
山根は「序列メール送付」は自分のしわざと自白。そのウソは真犯人でお調子者の三宅雄大(11)をあぶり出します。しかし三宅は拾った序列の紙を送付しただけ。千蔭清一(宮世琉弥)(16)の遺書はシンプルだったが、姫山との会話から序列作成は人間観察が趣味の者と推測。
そこで人間観察が趣味の廿日市くるみ(志田彩良)(20)が序列の作成者と自白し謝罪。しかし順番は序列ではなく「ホームルームで発言しそうな順番」だったと。姫山の親友だった御門(3)は、廿日市が姫山を死に追いやったと批判。
中盤では、序列の送付者・作成者が判明。それぞれ別の人でした。しかも順番は序列ではなかったと明らかに。それまで自白することは難しかったとの廿日市の発言には納得するが、人の死を誘発しただけにメンタルの強さは異常とも感じたが理由は後に判明。
2人目の豹変者は姫山の恋人だった赤坂。恋人をトロフィー的に考えてた人の典型だが、本当に驚きなのは姫山がその後もつきあい続けたこと。この理由は後にも明らかになるが、姫山は気にしてない発言とは逆に1位の維持に執着してます。

遺書を配った犯人の正体は?親友の真相は?
テニス部で姫山のダブルスペアでもあった御門凛奈(高石あかり)(3)が遺書公開。ところが「1番の親友だよ」の記述が借りた漫画で親友と別れる名シーンだと知らず、御門が漫画を読んでなかったこと、親友と思われてなかったことが判明。
開きなおった御門は姫山の性格が最初から嫌いだったこと、1位の親友の地位がほしかっただけと自白。笹井夏月(6)や名取恭四郎(18)は、本音を見せない姫山に気味悪さを感じ距離をおいてたと告白。最後の遺書公開は池永柊夜(吉野北人)(19)。
池永柊夜は小学校3年生時、広田椿(母の離婚前で旧姓)と鉄道を一緒に見てた時期があるが姫山が引っ越し、高校で再会。遺書は「柊ちゃん」へ宛てた親しげな内容だったが「しゅうちゃん」は鉄道の路線名からの命名なので姫山が書いてないと気づいてました。
ずっと不登校だった絹掛愛未(24)が池永から手紙をもらい久々に出席。絹掛は、池永が遺書を配った現場を見たので警戒。そして姫山が匿名で書いてたネット掲示板の存在を示し、クラスメイトなら誰でも全員分の遺書を書けると主張。
御門の親友とは思ってなかった宣言は予想どおりで、キャラ変も谷地や赤坂に次いででマンネリ感あったが、高石あかりが演じてるだけあり生徒役の中では一つ抜けてる感じ。現実的にはあそこまで白状しないでしょうけど…
池永が最後なのも予想どおりだが、あの文面なら最初に公開したくなると思うのですが。遺書を書いた人物を特定できてなくても、かばったのかもしれないがどうせ最後に読むのでただの時間かせぎ。これも物語を面白くするためのご都合主義に思えます。
ラスト結末は?序列を作り遺書を書いた真犯人の動機は?
ネット掲示板で「1番になりたい」と書いた姫山に「1番にしてあげる」と返信した者の正体は廿日市くるみで、リスト順番はやはり序列だったと白状。何でも1番だった姉の死に思い悩み自分も同じ心境に近づきたがった姫山に協力したそうです。
そして姫山が1位だったことをクラスメイトの記憶に強く残すため、廿日市は全員分の遺書も作成し、姫山と親しかった池永に姫山からと思わせて配らせました。そして目立ちたい大島由梨(5)への内容で遺書公開の流れも誘導。
しかし1位の実力を備えてない姫山は結局絶命。姫山のためにした廿日市は同級生から深く追求されなかったが本当の動機は自分が想いを寄せる池永と親しい姫山の排除でした。姫山を姉と同じ境遇にすれば自殺すると確信してたのです。その後、何者かによる2-D新序列が公開(続編か)
終盤からラストは遺書の作成者と姫山の死の真相に迫るが、序列の配布者・作成者の後なのでさすがに繰り返し感。というか序列じゃなかったとウソついた廿日市が、実は序列でしたというオチはミステリ的には面白みがなかったですね。
本当の動機が淡い恋心というのは、ありきたりな感じだが現実的にはありえそうかも。結局クラスでの暴露合戦のほとんどは廿日市のせいなので、通常ならクラスに居づらくなりそうだが普通にしておりサイコパス味を感じます。
映画『遺書、公開。』ネタバレ感想と私の評価
原作漫画は未読で内容も全く知らなかったこともあり、ストーリー面では退屈せず驚きや意外性もあってかなり楽しめました。邦画ミステリの良作は昨年から増えてるが、本作もその復活の兆しになりえるかも。
原作力を活かし、謎を解明しながらあぶり出される人間関係の真実、伏線回収後のラスト余韻など見どころも充分。俳優では高石あかり、宮世琉弥の存在感が抜きん出てるが、志田彩良、吉野北人らも好演。
長編漫画を2時間にまとめてるので、繰り返しや引っ張りすぎを感じる部分はいくつも気になったが、おおむねいい感じのストーリー展開や構成だったと思います。続編も作れそうな終わり方なので、蛇足じゃなければ観たいかも!
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