実写映画『岸辺露伴は動かない懺悔室』呪いの真相と解き方?ラスト結末は?考察ネタバレ感想

漫画家の岸辺露伴は、ベネチアの教会で恐ろしい懺悔を聞き、思わず「人の記憶を読み、指示もできる能力ヘブンズドアー」を使ってしまう。すると露伴にも呪いが襲ってきて…(ネタバレ感想あらすじ↓)
映画名/邦題 | 岸辺露伴は動かない 懺悔室 |
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日本公開日 | 2025/5/23 [予告] 上映時間:110分 |
監督・キャスト | 渡辺一貴[キャスト] |
映倫区分 | 日本:G(年齢制限なし) |
配給/製作 (画像出典) | アスミック・エース/NHKエンタープライズ、P.I.C.S. |
日本興行収入 | 8.1億円 興行収入ランキング |
平均評価 平均:100換算 | (興収・評価: 2025.6.24更新) 80 |
シリーズ 関連作品 | マンガ実写化一覧 前作『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』12.5億 |
参考・出典 | 公式サイトWiki上映映画館 |
キャラ・ランキング(キャスト/出演者)
個人的なキャラクターランキングです。
※キャラクター名(キャスト/出演者/声優)
- マリア(玉城ティナ)仮面職人
- 岸辺露伴(高橋一生)人の記憶を読み、指示もできる「ヘブンズ・ドアー」の能力者
- 水尾(大東駿介)ある呪いをかけられた男
- 田宮(井浦新)懺悔室で露伴に自らの「あやまち」を告白する謎の男
- ソトバ(戸次重幸)謎の浮浪者
- 泉京香(飯豊まりえ)岸辺露伴の担当編集者。おしゃべりだが仕事はできる
- ロレンツォ(Andrea Bellacicco)露伴を招いた大学講演の関係者
ネタバレ感想『岸辺露伴は動かない 懺悔室』解説と評価
以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!
『岸辺露伴は動かない 懺悔室』原作は?監督とキャストは?
実写映画『岸辺露伴は動かない 懺悔室』は、荒木飛呂彦の同名漫画を原作とする実写化版です。NHKのTVドラマシリーズ『岸辺露伴は動かない』の番外編で、スタッフや主要キャストはドラマ版や前作『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』からほぼ続投。
ちなみに「岸辺露伴」は、荒木飛呂彦の人気漫画シリーズ『ジョジョの奇妙な冒険』の第4部で初登場したキャラクターで、人の記憶を読み書きできるスタンド能力の使い手です。映画でもそのスタンド能力を使います。
監督の渡辺一貴はNHKドラマ版と前作や、映画『ショウタイムセブン』等も監督。
出演者達の最近の出演作は、高橋一生は『スパイの妻』『るろうに剣心 最終章TheBeginning』等、飯豊まりえは『いなくなれ、群青』『シライサン』等、玉城ティナは『恋のいばら』『366日』等。
岸辺露伴が懺悔室に入った経緯は?
イタリアのヴェネツィアの大学講演会に呼ばれた岸辺露伴(高橋一生)は栄枯盛衰の地を歩いた後、スリ男2人に遭遇するがヘブンズドアーでスリを卒業させます。彼らが盗んだマスカラを店へ返しに行くと、仮面職人マリア(玉城ティナ)が喜びます。
その後岸辺露伴は、ひっそりした教会の懺悔室に入ってみました。すると露伴を神父と思った謎の日本人が奇妙な告解を始めます。
イタリアで旅行資金を盗まれて無一文になった男は、外国人差別されながらギリで生活。その日も昼食時に過酷な仕事を命令されます。そこへ薄汚れた日本人浮浪者が現れ食べ物を懇願。しかし男は後で食事を与えると言って自分の仕事をさせます。
すると浮浪者は階段から落下し絶命。直後に男は浮浪者につかまれ「おまえが幸運の絶頂時に絶望を味わわせる」と呪われてしまいます。その後、男には恐ろしいほどの幸運が続き、やがて結婚し娘も生まれます。
以上が序盤あらすじ。この規模の映画でヴェネツィア・ロケとかめずらしいが、その価値あって映える映像美と雰囲気が本作の見どころとなっています。仮面職人マリアを演じた玉城ティナの演技と雰囲気もよかったですね。
そして懺悔室でなぜかたまたま日本人の告解を聞くことになる露伴と、呪われた男の話の序盤もジョジョ世界を感じさせて好みでした。ただ、これら導入部分が一番の見どころだったかも知れません…
幸せの絶頂はいつ?呪いが殺害した男の正体は?
男は幸運の絶頂にならないよう、2番目などちょうどいい幸福で満足し、結婚相手の令嬢も1番目は選びませんでした。ところが娘だけは選べず、愛するあまり幸せの絶頂に達し呪いが発動。憑依された娘の舌に人面が現れ、男に試練を与えます。
それはマリアが挑戦してた遊び。街灯より高く投げたポップコーンを3回連続で口に入れられれば呪いは解除。1投目は太陽光に邪魔され少しずれたが唇で運び成功。2投目はハトが狙ってきたが地面にポップコーンを巻いて注意をひきギリ成功。
3投目はハトが集まりすぎて絶体絶命だったが、ポップコーンに火をつけ投げてハトを寄せつけず。しかし失敗し男は逃走中に絶命。では懺悔室の男は誰なのか?実は絶命したのは、男が大金で雇い整形させてマリアの父親を演じさせてたのです…
以上が中盤あらすじ。1番目の幸運をさけ続けた男が、娘への愛だけは2番目にできなかったというエピソードは好き。ただ、舌の人面は漫画ではありだが実写映画として見せられるといまいち。というかCGの技術不足かも。
ポップコーン3投は本作のメインで楽しいが、さすがにだらだらと長すぎ。そもそも短編の内容を2時間映画にする時点で無理があるのかも。娘への呪いは原作漫画になかった気がするので追加シナリオと思うが、それがあっても間のび感はあり。
また、整形して顔と姿を似せた男に演じさせたのは面白いアイデアだが、あそこまで危機感持って3投を続けるかという点や、呪いが顔だけでだまされるのかという点などが気になりました。呪いがスタンド能力ではなく、男の心からのモノなら成立するのかな。

ラスト結末は?呪いの解き方は?
今度は、浮浪者と整形男の2人が男を呪い「娘が幸せの絶頂時、男に絶望を味わわせる」と。男は離婚し、娘にも何事も2番で我慢させます。ところが娘マリアの結婚式まであと数日。しかも結婚相手は露伴を招待した大学関係者のロレンツォ。
男の記憶をヘブンズドアーで読んだ露伴にも幸運が続いたが、実力以上の漫画増刷は我慢できず呪い消滅を計画。結婚式を早め男の妨害を阻止。だが男の部下が花婿を銃撃し、かばったマリアの心臓に。絶望とは「男の死ではなく愛する娘の死」でした。
そこへ来た男は「自分の命は助かった」と言うが絶望でさまよいます。実はマリアの血は偽装で、撃った部下はヘブンズドアーで空砲を使うよう命令されてました。これでマリアと露伴の呪いは解除。編集者・泉京香は「今が幸せの絶頂でも明日はもっと幸せかも」と。
以上がラストまでのネタバレあらすじ。自分だけでなく娘の幸福すら妥協しながら生きていくのは、もはや死に匹敵するほどの苦しみでしょう。それを体験してる時点で男への呪いは発動してる気がしますね。
呪いの正体は明確にはされませんが岸辺露伴の語りから次のように推察。浮浪者の死を誘発してしまった男が罪悪感から、自らの心に「幸せを味わう資格はない」と呪いをかけたのではないでしょうか。
ただ、露伴への幸運の感染もあったので、なんらかの不思議な力がはたらいたのは確かなようですね。浮浪者がスタンド能力者(ジョジョシリーズの特殊能力)だった可能性も捨てきれないけど真相は闇です。
実写映画『岸辺露伴は動かない 懺悔室』ネタバレ感想と私の評価
ヴェネツィア・ロケの効果はすさまじく、臨場感は段違いなので予算でちゅうちょせず他作にも続いてほしいところ。場面の締まり具合だけで評価も倍増しますが、ジョジョ世界にマッチした導入部も素晴らしくて先が気になりました!
ところが、最初の呪いが発動したあたりからの、だらだら描写にはやや間延び感もあり、そもそも2時間で語る内容にしては物語が薄すぎると感じました。男の呪いを避ける方法には感心したが、根本的な解決法や呪いの正体なども長編映画としては拍子抜け。
俳優の演技はよかったです。高橋一生はハマり役すぎてもう岸辺露伴にしか見えないほど。玉城ティナはイタリア語を話しても違和感ないし、ジョジョ世界の住人として遜色なし。井浦新もさすがだが、大東駿介のクドさが作品の雰囲気を押し上げてます。
ストーリーは冗長に感じたこともあり前作『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』の方が好みだが、ヴェネツィアの風景と独特の世界観を味わえる作品としては貴重。続編も作れそうだが短編なら90分くらいがいいのかも。
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