映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』ネタバレ感想解説/結末は?本の秘密とは?女性の正体は?

『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』あらすじ概要
人の記憶を読み指示もできる能力「ヘブンズ・ドアー」を持つ漫画家の岸辺露伴は、かつて想いをよせた女性が語った「最も黒い絵」を探しに、フランスのルーブル美術館へ行くが誰も存在を知らず…。黒い絵の画家と露伴の関係とは?(ネタバレ感想考察↓)
映画名/邦題 | 岸辺露伴 ルーヴルへ行く |
日本公開日 | 2023/5/26 [予告↓]上映時間 118分 |
映倫区分 | 日本 G(年齢制限なし) |
映画監督 | 渡辺一貴 [キャスト↓] |
配給/製作/画像 | ©アスミック・エース/アスミック・エース、NHKエンタープライズ、P.I.C.S |
シリーズ/関連 | サスペンス/ミステリ映画 |
日本興行収入 | 3.1億円(興行収入ランキング) |
参考/出典 | 公式サイトWiki映画館 |
平均評価★★★★★75(私の評価は含まず) |
『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』予告動画
キャラ ランキング(キャスト/出演者/吹替声優)
個人的なキャラクターランキングです。
※キャラクター名(キャスト/出演者)
キャラ・ランキングは公開後すぐ更新します!
- 1位岸辺露伴(高橋一生/青年期:長尾謙杜)人の記憶を読み指示もできる「ヘブンズ・ドアー」の能力者
- 2位奈々瀬(木村文乃)かつて露伴が想いをよせた謎の女性
- 3位泉京香(飯豊まりえ)岸辺露伴の編集者。おしゃべりだが仕事はできる
- 4位エマ・野口(美波)ルーヴル美術館の日系フランス人の職員
- 5位辰巳隆之介(安藤政信)東洋美術の調査員。キュレーター
ネタバレ感想『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』解説や評価レビュー
この先はネタバレありの感想考察です。続編前作や関連映画は、サスペンス/ミステリ映画一覧もご参考に。
原作はジョジョ?監督やキャストについて
映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』は、荒木飛呂彦の2009年の同名漫画を原作とする実写化版です。NHKが制作したTVドラマシリーズ『岸辺露伴は動かない』に続く物語で、スタッフやキャストはテレビドラマ版から続投。
ちなみに「岸辺露伴」は、荒木飛呂彦の人気漫画シリーズ『ジョジョの奇妙な冒険』の第4部で初登場したキャラクターで、人の記憶を読み書きできるスタンド能力の使い手です。映画でもその能力を使います。
渡辺一貴監督は、ドラマ版『岸辺露伴は動かない』の他、数々のNHKドラマを手がけています。劇場映画監督としては本作がデビュー作となります。
出演者達の最近の出演作は、高橋一生は『スパイの妻』『るろうに剣心 最終章TheBeginning』等、飯豊まりえは『いなくなれ、群青』『シライサン』等、木村文乃は『ザ・ファブル』『99.9 刑事専門弁護士』等。

映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』ネタバレなし感想と評価
漫画のジョジョシリーズは『ジョジョリオン』まで読了してますが、『岸辺露伴シリーズ』は未読です。アニメ版は4話まで観てるので世界観はつかめますが、実写版のNHKドラマは1話も観てないので、高橋一生のハマり度は未知でした。
そんな状態で映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』を観たのですが、全体的には予想を上回るほど好きでした。序盤は「ルーヴルいつ行くの?」とNHK的で退屈でしたが、ラストへかけての畳みかけやミステリ/ホラーな展開と伏線回収は好み。
ストーリーには、最後まで解かれない謎や矛盾や強引さがちらほらあるので、原作ではどうなのか気になります。役者陣は総じて見事。特に高橋一生、飯豊まりえはハマり役だし、木村文乃のあやうい美しさも素晴らしかったです。
ドラマ続編にありがち映像のチープさは残念だが、わざと荒木飛呂彦ぽく陰鬱な空気を見せてたのかも?物語のわりに上映時間が長すぎたので、もう少し時間とエピソードを圧縮してればもっと評価できたかもしれません。
ルーヴル美術館へ行くことになる理由とは?
あやしい古物商に来た岸辺露伴は、贋作や転売などの違法行為を見抜き、ヘブンズドアーで店主に「作品に敬意をしめせ」と書き込みます。露伴は、そこで見つけたオークション誌の「モーリス・ルグランの真っ黒い絵画」が気になります。
編集者の泉京香と共に、そのオークションに参加した岸辺露伴は、150万円もかけて黒い絵を入手し持ち帰ります。するとオークションで競った男が侵入し絵を持ちさるが、裏紙をはがしただけで絵は置き去りにし、何かに襲われ絶命。
黒い絵の裏には「ルーヴルの黒 後悔」とフランス語で書かれてます。岸辺露伴は、過去の記憶から「山村仁左右衛門」が描いた「最も黒い絵」と、その話をしてくれた気になる女性・奈々瀬を思い出し、ルーヴル美術館へ行くことを決断。
以上が序盤あらすじです。いきなりのスタンド能力「ヘブンズ・ドアー」や、森で車にひかれた男など、不可解なのに最後まで説明のない事象については、ジョジョもドラマ版も観てない人には意味不明なのでは?
とはいえ、露伴の能力と「この世には不思議な力が存在する」ことさえ飲みこめれば、本作はジョジョを全く知らなくても問題なく理解できそうです。
岸辺露伴の恋バナと黒い絵の関係とは?
岸辺露伴(高橋一生)は漫画家として売れる前、祖母の下宿屋で執筆してたが、もう1人の下宿人の奈々瀬(木村文乃)のことが気になり始めます。ある日、奈々瀬の部屋に誘われ「最も黒い黒」について聞かされ、黒髪にこだわり始めます。
昔々、山村仁左衛門という絵描きが「最も黒い黒」を得るために御神木を倒してまで描いたのが「最も黒い絵」と呼ばれる作品だが消失したらしい。別の日、露伴が漫画を見せると、奈々瀬は自分が描かれた原稿をやぶり、その後消失。
それと前後して、祖母は保管されてた美術品を外国人に売却し、露伴が引き渡しました。現在の露伴は「最も黒い絵」から奈々瀬を思い出し、ルーヴル美術館に行けば何か手がかりがつかめると期待したのかも。
山村仁左衛門と最も黒い絵についてのさらなる詳細は後述。最後まで観ると、メンヘラな奈々瀬の存在は現実かまぼろしか微妙なところですね。祖母の反応もあいまい。露伴は奈々瀬を抱きしめた時、ヘブンズドアー使いかけたがもう能力者だったのかな?
奈々瀬を演じた木村文乃のメンヘラ演技は、短時間だが素晴らしかったですね。彼女と出会ったことにより、岸辺露伴のマンガの女性キャラはより魅力的に描かれるようになったのではないでしょうか。
最も黒い絵はどこに?見るとどうなる?
ルーヴル美術館に着くと、職員の野口エマ(美波)に案内されて、編集者の泉京香(飯豊まりえ)は宮殿前で記念撮影。山村仁左衛門の絵画を検索してもらうと、未使用の地下倉庫Z-13にあるとわかり向かいます。
途中で日本人の東洋美術キュレーター辰巳隆之介と、全てのドア鍵を持つ随行必須の消防隊員2人も合流。Z-13庫にある「フェルメールの未発表絵画」を、辰巳は「贋作」だから処分しろと指示するが、露伴は「本物」だと見抜きます。
岸辺露伴は、モーリス・ルグランは贋作画家で、この場所で模写した絵画を本物として残し、本物は自分の絵の裏に隠してオークション等で販売してたのだと謎解きします。辰巳や消防隊員もグルです。ルグランはその時、黒い絵を見たのです。
部屋の奥の闇にまぎれた「最も黒い絵」を見た人々は、過去の出来事や先祖の罪を「後悔」させられ死へと導かれます。露伴は炭化していき、迫る山村の亡霊にはヘブンズドアーが使えず。山村を抑え込む奈々瀬の幻影の助言で「自分の記憶を消去」し逃れます。
露伴はその後、自分の腕のメモを読んで記憶を戻します。「最も黒い絵」に描かれてたのは、真っ黒い奈々瀬の顔と髪でした。露伴と同じく「女性の顔」を見た泉京香ですが、彼女には「後悔」がないらしく呪いも無効で露伴は感心します。
そんな泉京香ですが、5歳の時に亡くなった父が「ルーヴル美術館の前で記念撮影した写真」を大切に保管してて、今回自分も同じ構図で写真撮影したようです。不要だと思ったキャラですが、最後に愛着わいてきました。
パリのルーヴル美術館をもっと見せてもらえると思ってたのに、すぐ地下へ入ったので残念。映った「モナリザ」は本物だったのでしょうか。2016年にルーヴルで発見された「モネの睡蓮 柳の反映」や消防隊員の常駐等はトリビアな小ネタ。
ヘブンズ・ドアーの詳細ルールは不明だが、自分の記憶も書き換えできたり、忘れた記憶も戻せたりと万能すぎる気はします。記憶を消したのではなく、深層心理に追いやっただけだと解釈します。山村と奈々瀬の亡霊が現れた理由は後述。
結末は?黒い絵の秘密とは?女性の正体は?
日本に帰国後、露伴は御神木の場所をつきとめます。奈々瀬が現れ、露伴は記憶をのぞきます。奈々瀬は、藩のおかかえ絵師の家系の山村仁左衛門に嫁ぎました。自由を求める仁左衛門は家を出るが、奈々瀬が重病となり家へ戻ろうと考えます。
父に自信作を見せろと言われた山村仁左衛門は、創作に取りつかれて「もっと黒い黒」を探し求めます。奈々瀬が神だのみの道中で見つけた御神木の樹液が、仁左衛門が求める黒でした。しかし家系を引き継ぎたい仁左衛門の弟が密告。
奉行が来て、邪魔した奈々瀬は殺害され、怒った仁左衛門は奉行達を斬って逃亡し、原因となった御神木を切り刻んで亡くなったようです。山村仁左衛門が描いた「最も黒い絵」は、現在まで「後悔」の呪いで多くの犠牲者を出しました。
奈々瀬はそれを止めてもらうために岸辺露伴の前に現れたのです。露伴の漫画をやぶったのは「最も黒い絵」と同じく自分が描かれたからでしょうか。露伴が選ばれた理由は、奈々瀬の旧姓が「岸辺」だから、つまり露伴が子孫だからです。
「最も黒い絵」の呪いでは先祖が現れますが、露伴には山村仁左衛門と奈々瀬が見えてました。つまり仁左衛門も露伴の先祖ということになります。絵にこだわる漫画家の露伴が「絵に取りつかれた仁左衛門」の血縁のなのは納得できます。
映画では明確にされず原作も未読なので推測ですが、仁左衛門と奈々瀬には子が産まれてて、岸辺家で育てられたのでは?岸辺露伴はその血を継いでると考えると、全て整合性が保たれます。なぜそういう設定を見せなかったのか疑問。
もう1つの伏線回収は、祖母が売却した絵画こそが「最も黒い絵」だったこと。岸辺露伴が自分自身でフランス人に手渡してたのも鳥肌。ただ、だとすると奈々瀬は、黒い絵が家にある間に処分してもらえばよかったとも思えるのですが…
続編前作や関連映画は、サスペンス/ミステリ映画一覧もご参考に。
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