『99.9刑事専門弁護士THEMOVIE』感想ネタバレ解説/真相や真犯人は?謎の弁護士の正体は?
テレビドラマの映画化。型破り弁護士の深山の事務所に、15年前の天華村毒物ワイン事件の依頼がきます。謎の弁護士・南雲とその娘エリが関わってるとわかるが、思わぬワナが…。大逆転の行方は?ワナとは?(ネタバレ感想あらすじ↓)
映画名/邦題 | 99.9 刑事専門弁護士 THE MOVIE |
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日本公開日 | 2021/12/30 [予告] 上映時間:119分 |
監督・キャスト | 木村ひさし[キャスト] |
映倫区分 | 日本:G(年齢制限なし) |
配給/製作 (画像出典) | 松竹/TBSテレビ |
日本興行収入 | 30.1億円 年間12位 |
平均評価 平均:100換算 | (興収・評価: 2024.8.15更新) 76(私の評価は含まず) |
シリーズ 関連作品 | TVドラマ映画化一覧 |
キャラ・ランキング(キャスト/出演者)
個人的なキャラクターランキングです。
※キャラクター名(キャスト/出演者/声優)
- 深山大翔/みやまひろと(松本潤)斑目法律事務所 法務部 刑事事件専門ルームの弁護士
- 河野穂乃果/こうのほのか(杉咲花)斑目法律事務所 法務部刑事事件専門ルームの新米弁護士
- 佐田篤弘/さだあつひろ(香川照之)斑目法律事務所の所長
- 南雲恭平/なぐもきょうへい(西島秀俊)謎の弁護士
- 太田保(ベンガル)天華村の有力者
- 山本貴信(渋川清彦)15年前に毒物ワイン事件で逮捕され獄中死。エリの実父
- 南雲エリ(蒔田彩珠)恭平の娘。天才少女ピアニストの女子高生
- 尾崎舞子(木村文乃)東京地方裁判所の裁判官。元 斑目法律事務所の弁護士
- 重盛守/しげもりまもる(道枝駿佑@なにわ男子)事件が起きた村の青年
- 立花彩乃/たちばなあやの(榮倉奈々)元 斑目法律事務所の弁護士
- 斑目春彦/まだらめはるひこ(岸部一徳)斑目法律事務所の元所長
- 丸川貴久/たかひさ(青木崇高)東京地方検察庁の検察官
- 大友修一(奥田瑛二)東京地方検察庁の元検事正。ヤメ検弁護士
- 川上憲一郎(笑福亭鶴瓶)東京地方裁判所の所長
ネタバレ感想『99.9 刑事専門弁護士 THE MOVIE』解説と評価
以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!
TVドラマ続編?監督とキャストについて
『99.9 刑事専門弁護士』は、2016年から放送されたテレビドラマシリーズで、SEASON I、SEASON II(2018年)の計19話の法廷ミステリードラマです。『99.9 刑事専門弁護士 THE MOVIE』はその続編としての位置づけ。
木村ひさし監督は多くのテレビドラマを手がけてきたが、映画でも『仮面病棟』『屍人荘の殺人』等を監督。
主演の松本潤(嵐)は『花より男子』シリーズや映画『ナラタージュ』等で主演。杉咲花は『湯を沸かすほどの熱い愛』『青くて痛くて脆い』に出演。
香川照之は『るろうに剣心』『七つの会議』に出演。西島秀俊は『空母いぶき』『サイレントトーキョー』『ドライブ・マイ・カー』等に出演。
天華村のダジャレの意味?新しい容疑者の正体は?
日本の刑事事件の裁判有罪率は「99.9%」。残り0.1%の無罪を追求する「斑目法律事務所の刑事専門ルーム」では、深山(松本潤)と新人の河野穂乃果/ほのか(杉咲花)を中心に「不理崖/ふりかけ?殺人事件」の真相を暴きました。
その動向を見守る謎の弁護士・南雲恭平(西島秀俊)ですが、娘エリ(蒔田彩珠)の過去には何かありそうです。そんな中、深山たちへの新依頼は「15年前に犯人が獄中死した『天華村毒物ワイン事件』」の再捜査。エリは犯人夫婦の娘でした。
深山たちは村人の反発にあうが、村の青年・重盛守/まもるの協力を得て「天華ノ輪稲荷(天華のワイナリー?)」で当時の天華一葡萄会(天下一武道会?)を再現。すると真犯人として村の有力者の太田(ベンガル)が浮上…。
以上が中盤までのあらすじ。私のようなテレビドラマ版を未視聴の人にもわかりやすい説明が冒頭であります。主要な人物相関図はそれで理解できたのでよかったです。ただ、南雲弁護士との因縁はあっさりすぎて今でもよく理解できてません。
かなり骨太の法廷ミステリを期待してたので、コメディ寄りな演出には正直がっかりでしたが、日曜夜に高齢視聴者の支持を得るには最善のバランスなのでしょうね。松本潤演じる深山だけは、シリアス演技よかったです。
そんな序盤のダジャレ攻撃に辟易しながらも「天華一葡萄会」の再現が終わった頃から、事件の真相にせまり「99.9 刑事専門弁護士」というタイトルの意味がわかり始めます。「真犯人はカメラマン」は映像ミステリでは使い古されたネタなので結局ミスリードでしたが、気づかなかった警察・検察は無能すぎでは?
毒ワイン事件の真相とは?黒幕と真犯人の正体は?
守の父(高橋克実)の告発もあり村の有力者の太田(ベンガル)が、犯人の山本(渋川清彦)の名前で毒物を入手してたことが判明。しかし毒物は未開封とわかり容疑者から外れます。それでも深山はあきらめず、つぎ足されたワイン写真を疑います。
所長の佐田(香川照之)も巻きこんで村と太田に謝罪し、再び「天華一葡萄会」を再現。今回、深山は「毒ワイン患者を病院へ運んだ」後まで再現を希望して「村人により仕掛けられたワナ」を見抜きます。
真相は「毒入りワイン樽」は処分し、警察来る前に「毒なしワイン樽」をその場所に置いて「山本家から盗んだ毒物」を混入してたのでした。深山は優れた洞察力で「樽の横に村長のボケでついた傷」を見逃さず真相を解き明かします。
証拠隠滅を行った黒幕は「村人全員」。村人達が守りたかった真犯人の正体は「4歳児の重盛守とその友人」。子ども達は、家の倉庫から持ち出した薬品を「ワインが美味しくなるように」混入したのです。覚えてなかった守も驚愕。
こんな簡単なトリックにだまされた警察・検察には残念ですが、それを暴けなかった西島秀俊が演じる南雲にもがっかり。「山本を助けられる証言」もあったが「法廷でウソはつけなかった」と嘆いてたけど、嘆くポイントがズレてますね。
そんなモヤモヤ感はありますが、この衝撃の真相には驚かされたと同時に涙もこぼれました。予想もできなかったので、意外性だけでいうと2021年で1,2を争います。ただ、悪人(村人)に裁きがくだされない点はすっきりしなかったです。
今はいい父(西島秀俊)と暮らせてるけど、本当の両親を無実の罪で失ったエリの立場で考えると、村人全員に無期懲役くらいの償いは与えてほしいですね。復讐鬼エリや、雇われた仕事人の物語を別ドラマでもいいので観たいほど。
映画『99.9 刑事専門弁護士 THE MOVIE』私の感想と評価
テレビドラマ版は1話も観てないけど、それなりには楽しめました。何よりもラストの衝撃の事実には驚愕とともにやられた感あります。かなり気持ち悪い真相だしハッピーエンドでもないので、TVではNGでしょうが映画ではありですね。
一方、コメディ演出は過剰さを感じました。昨年も今年も韓国の映画やドラマ(イカゲーム等)が世界中でヒットしましたが『99.9 刑事専門弁護士 THE MOVIE』は海外でウケるかと言われれば厳しそう。特に笑えるのは日本人だけかも。
ドラマ未見なのでゲスト出演者のネタはさっぱりでしたが、木村文乃だけはもっとからんでほしかったです。杉咲花、榮倉奈々、香川照之、西島秀俊はこんな演技で満足してるのか心配。鶴瓶は、大物に見えないけど大物役なんでしょうか?
総括すると「ドラマ視聴者へのごほうび的なファン向け映画」にとどまってますが、初めての私も事件の真相だけは驚けたので、気になる人は配信されてからでも観てみてください。
私の評価 60/100(60が平均)
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