評価感想『ザ・ウォッチャーズ』結末は?ネタバレあらすじ/監視者の正体と目的は?
Mシャマラン監督の娘の長編デビュー作。28歳アーティストのミナは、不気味な森に迷いこみ車もスマホも故障。避難したガラス張り部屋には「3つのルールを破ると監視者に殺される」と告げる3人がいるが…(ネタバレ感想あらすじ↓)
映画名/邦題 | ザ・ウォッチャーズ |
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日本公開日 | 2024/6/21 [予告] 上映時間:102分 |
製作国 | アメリカ |
原題/英題 | The Watchers |
監督・キャスト | イシャナ・ナイト・シャマラン[キャスト] |
映倫区分 | 日本:G(年齢制限なし) USA:PG-13 |
配給/製作 (画像出典) | ワーナー・ブラザース映画/New Line Cinema、Blinding Edge Pictures、Inimitable Pictures |
日本興行収入 | 1.2億円(興行収入ランキング) |
世界興行収入 | 0.3億USドル [出典] |
平均評価 平均:100換算 *批評家と一般は単純平均 | 63 |
シリーズ 関連作品 | シャマラン映画一覧 |
参考・出典 | 公式サイト映画館 |
キャラ・ランキング(キャスト/出演者)
個人的なキャラクターランキングです。
※キャラクター名(キャスト/出演者/声優)
- ミナ(ダコタ・ファニング)28歳のアーティスト。謎の森に迷いこみ…
- マデリン(オルウェン・フエレ)60代女性。リーダー的存在
- ダニエル(オリバー・フィネガン)最年少の19歳男性。未熟で衝動的
- キアラ(ジョージナ・キャンベル)20代の若妻。ジョンの妻
- ジョン(アリスター・ブラマー)キアラの夫。小屋を脱出したが…
- キルマーティン教授: 大学でウォッチャーズを研究
ネタバレ感想『ザ・ウォッチャーズ』解説と評価
以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!
原作は小説?監督とキャストは?
映画『ザ・ウォッチャーズ』の原作は、A・M・シャインによる同名小説(2021年出版)です。監督は『シックス・センス』のM・ナイト・シャマラン監督(映画一覧)の娘イシャナ・ナイト・シャマランで、本作は長編映画デビュー作です。
主演ダコタ・ファニングは「I am Sam アイ・アム・サム」の子役でブレイクし、最近は『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』『オーシャンズ8』等に出演。
キアラ役のジョージナ・キャンベルは『バーバリアン』に、マデリン役のオルウェン・フエレは「マンディ 地獄のロード・ウォリアー」に最近出演。
事件の発端は?3つのルールとは?
アイルランドの28歳アーティストのミナは、双子の姉とは疎遠。ペットショップで頼まれた「鳥かごに入ったオウム」を運んでる時、森でスマホも車も故障して迷います。車は消え、何かの気配を感じたミナは、老女に誘われ小屋へ。
小屋には老女マデリン以外に、若い女性キアラと19歳男性ダニエルも。日が暮れるとマデリンの指示で、4人は鏡の前に立ち、新人ミナを紹介。外からガラス張りの小屋を監視するウォッチャーズは拍手。キアラのダンスが好評らしい。
翌朝、ミナは森を抜けようとしたが失敗。少し前にキアラの夫ジョンが助けを呼びに走った(冒頭シーン)が帰ってきません。他の人も試したが不可能でした。マデリンは次の3つのルールを守れば殺されないと。
- 鏡(監視者)に背を向けてはいけない
- 日没後は小屋に入りドアを開けてはいけない
- 光の当たらない穴に入ってはいけない
以上が序盤あらすじ。鳥かごのオウムを運んでたら、自分が鳥かごに入れられ観察される立場になるという皮肉からはじまります。オウムが人マネをするのも伏線。深読みすると、鳥かごの配送を依頼した人もウォッチャーズ側だったのかも。
謎の3人に救われた小屋ではウォッチャーズという得体のしれない生物に監視されるという怒涛の展開は、先が気になる導入部で見事。森の穴の存在や3つのルールも期待度高まりますが、中盤以降はやや失速する感じが少し残念。
監視者の姿は?穴には何がある?
3人は数ヶ月以上も小屋にいて、森で採取や狩猟して食いつなぎながら脱出方法を探してます。ある日、ミナは掟を破って森の穴の中へ侵入。自転車などを回収するが、穴の奥から何かが「アリンリクタン」とささやくのを聞き逃げます。
回収したビデオカメラをドア外に設置。その晩、キアラの夫ジョンが戻って来るが、マデリンは「ワナだ」とドアを開けさせません。ジョンは彼しか知らない質問には答えられず放置され、ウォッチャーズに連れ去られます。
翌朝、マデリンの指示で自転車等を穴へ戻します。脱出したいダニエルとマデリンが衝突する機会が増えます。ある日、ダニエルがドアを閉め、夜に外に残されたマデリンとミナは、背高くひょろ長い監視者の姿を見ます。監視者達は2人を探しに散会。そのすきにドアを開けてもらい中へ。
以上が中盤あらすじ。いきなりルールを破り穴に入ったミナだが、その後の展開は予想外に拍子抜け。ジョンが来てドアを開けるかどうかの葛藤は興味深いが、もし開けてもウォッチャーズの目的を考えると殺されないのでは?
外に残されたマデリンとミナが、ウォッチャーズの姿を見ますが、あれが本作のピークだったかも。マデリンの正体を知ったあとでは、あの時以降のマデリンの行動が不自然に思えてモヤモヤするし…
結末は?ウォッチャーズの正体と目的は?生存者は?
戻ってきた監視者たちは小屋へ入ろうとします。ミナ達4人は床に地下へ降りるハッチを見つけ避難。そこは数十年前、キルマーティン教授がウォッチャーズを研究してた施設でした。教授は捕らえたウォッチャーズを殺害し、自分も自殺。
翌朝ミナ達4人は、教授が用意してた「回帰不能地点134奥のボート」へ出発。途中見つけた円形墓石により「ウォッチャーズ=妖精=チェンジリングは、人間に敗れて翼を失い地下に追いやられた。人間に変身するために観察してた」と判明。
ダニエルは、ジョンに変身した者に殺害されるが、残り3人は帰宅。ミナは教授の大学研究室で「ウォッチャーズと人間のハーフリングは高い変身能力を有する事」と「教授の亡き妻マデリンの写真」を発見。危険を感じキアラの家ヘ。
キアラに「マデリンがハーフリング」と教えるが、キアラはジョンに変身。帰宅した本物キアラを負傷させます。ミナが「デイウォーカー仲間はいるはず」と説得すると、変身マデリン=アリンリクタンは羽で飛び去ります。しばらく後、ミナは姉ルーシー親子に会います。外から少女に変身した者が監視。
以上がラストまでのネタバレあらすじ。数ヶ月も滞在して床のハッチを見つけられないのはさすがにご都合主義だが、ガラス張りの小屋の謎や、ウォッチャーズの正体の解明が一気に進む興味深い展開です。
少し疑問だったのは、マデリンに変身したウォッチャーズの正体。映画内では「教授が捕まえたウォッチャーズ」としか語られないが「変身能力が優れてるハーフリング」の方がしっくりくるので、教授とウォッチャーズによるハーフ説を推したいです。
ラストの考察も数パターン考えられるが、ミナもウォッチャーズの遠い血縁なのでは。ウィッグ被りダンサー名乗るほど変身願望があり、母親の事故死のきっかけも作り、マデリンを説得できたりと。姉ルーシーの娘が変身少女に狙われてるという考察もありかと。
映画『ザ・ウォッチャーズ』ネタバレ感想と私の評価
『シックス・センス』でのブレイク以来「ラストの意外性」を期待されすぎてるM・ナイト・シャマラン監督。その娘イシャナ・シャマランの長編デビュー監督作ということで、一定の期待感をこめて初日に映画館で鑑賞。
ひきつけられて先が気になる序盤、謎が謎を呼ぶ中盤など、父シャマラン監督を継承する手腕は見事。しかしラストのロジックの弱さまで引き継いでるように感じたのは、前半で風呂敷を広げすぎるからなのか。
暗いシーンが多いのを除けば、映像技術面と演出ではデビュー作と思えない高水準。問題なのはやはりストーリー。親娘とも序盤はとても上手いが、終盤の展開で詰めこみすぎる傾向にあるのでバランスを考えれば大成しそう。いろいろ惜しい映画です。
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