映画『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』ネタバレ感想解説/結末は?敵の正体は?新型は?
『ガンダムSEED DESTINY』の2年後。ブルーコスモスとの戦争は継続中。初代総裁ラクスの世界平和監視機構コンパスは、新興国ファウンデーションに合同作戦を提案されるが…。敵のねらいは?生き残るのは誰?(ネタバレ感想あらすじ↓)
映画名/邦題 | 機動戦士ガンダムSEED FREEDOM |
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日本公開日 | 2024/1/26 [予告] 上映時間:124分 |
監督・キャスト | 福田己津央[キャスト] |
映倫区分 | 日本:G(年齢制限なし) |
配給/製作 (画像出典) | 松竹/サンライズ、バンダイナムコフィルムワークス |
日本興行収入 | 48.6億円(年間5位) |
平均評価 平均:100換算 | 82(私の評価は含まず) |
シリーズ 関連作品 | SF/ファンタジー映画一覧 |
参考・出典 | 公式サイトWiki映画館 |
キャラ・ランキング(キャスト/出演者)
個人的なキャラクターランキングです。
※キャラクター名(キャスト/出演者/声優)
- シン・アスカ(鈴村健一)ガンダムSEED DESTINY主人公。デスティニーのパイロット
- アスラン・ザラ(石田彰)ガンダムSEED主人公。キラの旧友。元ジャスティスのパイロット
- アグネス・ギーベンラート(桑島法子)シンと同期。ギャンのパイロット。キラに気がある
- キラ・ヤマト(保志総一朗)ガンダムSEED主人公。フリーダムのパイロット
- アウラ・マハ・ハイバル(田村ゆかり)ファウンデーション女王。幼女だが…
- オルフェ・ラム・タオ(下野紘)ファウンデーション宰相。親衛隊ブラックナイトスコードの長
- ラクス・クライン(田中理恵)プラントの元歌姫。平和の象徴
- シュラ・サーペンタイン(中村悠一)ファウンデーション国防長官。ブラックナイツ隊長
- ヒルダ・ハーケン(根谷美智子)コンパスのMS小隊リーダー。ギャン、ゲルググに搭乗
- ルナマリア・ホーク(坂本真綾)メイリンの活発な姉。モビルスーツパイロット
- カガリ・ユラ・アスハ(森なな子)オーブの代表
- メイリン・ホーク(折笠富美子)ルナマリアの妹。情報処理能力に優れている
- ムウ・ラ・フラガ(子安武人)エンデュミオンの鷹と呼ばれた名パイロット
- マリュー・ラミアス(三石琴乃)アークエンジェル艦長。ムウのパートナー
- イングリット・トラドール(上坂すみれ)ファウンデーション国務秘書官。オルフェに想いを寄せる
- イザーク・ジュール(関智一)
- ディアッカ・エルスマン(笹沼晃)
- グリフィン・アルバレスト(森崎ウィン)
ネタバレ感想『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』解説と評価
以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!
TVアニメの続編?監督とキャストは?
映画『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』は、2002年のTVアニメシリーズ『機動戦士ガンダムSEED』とその続編で2004年の『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』の、20年ぶりの続編です。
監督の福田己津央は『機動戦士ガンダムSEED』シリーズからの続投。
声優もテレビアニメシリーズからの続投だが、カガリ・ユラ・アスハ役の声優は進藤尚美から、森なな子に変更。新キャラの声優として、俳優の森崎ウィンも出演します。
SEEDとDESTINYの簡単あらすじ?
コズミックイラ=C.E.70年。「地球連合」は宇宙のスペースコロニー群「プラント」に宣戦布告。連合が農業コロニー「ユニウスセブン」を核で壊滅した「血のバレンタイン事件」でさらに激化。
C.E.71、中立国オーブのコロニーで極秘開発中の連合軍モビルスーツ通称ガンダム4機が、プラントのザフト軍「クルーゼ隊」に奪われます。オーブの学生キラ・ヤマトは「ストライク」に搭乗し、旧友アスラン・ザラの「イージス」と戦闘に。
遺伝子改良された人類「コーディネイター」のプラント・ザフト軍と、旧人類「ナチュラル」の地球連合軍との戦争は地球の中立国オーブの姫カガリ・ユラ・アスハや、プラントの歌姫ラクス・クラインも巻き込み、地球の後ふたたび宇宙へ。
仮面の男クルーゼの正体は、キラの父ユーレン・ヒビキが生んだ、ムウの父のクローン。キラとカガリは兄妹とも判明。人類絶滅を狙うクルーゼは、プロヴィデンスに搭乗するが、キラのフリーダムにヤキン・ドゥーエ宙域戦で討たれます。アスラン搭乗ジャスティスがザフトの兵器を破壊し戦争終結。
(DESTINY)議長デュランダルのプラントで、新型MSが奪われ「ガンダム・インパルス」に搭乗のシン・アスカが奮戦。シンは先のオーブ戦で家族を失ったので、オーブ代表カガリと同伴アレックス(正体はアスラン)には反発。
ザフト兵の一部がユニウスセブンを地球へ落下させようとし、ブルーコスモス盟主ジブリールは連合としてプラントに開戦。中立でいられないオーブで政略結婚のカガリを、フリーダム搭乗のキラが誘拐。キラとアークエンジェルは第3勢力に。
プラントのデュランダルは連合の虐殺を公表し、軍需産業ロゴスを悪の元凶として打倒宣言。ステラの死で憎しむシンはキラ、そしてデスティニーガンダム搭乗でアスランに勝利。デュランダルは偽ラクスのミーアで人民をトリコに。仮面の男ネオの正体ムウは記憶も戻り、カガリからのアカツキで出撃。
ミーアも、多大な被害をまねいたジブリールも死亡。遺伝子管理社会「デスティニープラン」を発表したデュランダルだが、キラとアスラン達に破れ、クルーゼのクローンのレイに撃たれ、レイとタリアと共に死亡。ラクスが停戦発表。
その後の世界と陣営は?ファウンデーションとは?
プラントと地球連合との戦争は終わったが、コーディネイター(遺伝子操作された新人類)を排斥するナチュラル(従来の人類)の団体「ブルーコスモス」の軍は各地でゲリラ的に戦闘を拡大。そのリーダーのミケールは正体も所在も未だ不明。
平和を願う地球連合の大西洋連邦と、オーブ、プラントは共同で、初代総裁をラクスとする世界平和監視機構「コンパス」創設。シン、ルナマリア等がそのモビルスーツ軍として各地で活躍。しかしキラが1人で前線を制圧し、シン達は不満。
ユーラシア連邦から独立し急速に発展中の新興国ファウンデーションは、ブルーコスモスへの共同攻撃をコンパスに要請。総裁ラクスは、ファウンデーション女王アウラと謁見し、宰相オルフェの不思議な能力で親密になっていきます。
共同作戦中、ファウンデーションのブラックナイツ隊長シュラの洗脳でキラがユーラシア連邦の領域侵犯。報復の核が町も母艦アークエンジェルも大破。ブラックナイツ隊は、キラ、シンのガンダムを破壊。キラ隊のアグネスはギャンごとファウンデーションに転身…
以上が序盤あらすじ。前作でデュランダルに人類の未来を約束したキラだが、2年経ってもブルーコスモスとの戦闘に成果を出せてない状態。コンパスという組織も新たな連合にしか思えず、結局はMSによる武力行使しかなく…
キラとシンが同じ軍なのはアガったが「全て自分でやった方が楽」というデキる中間管理職にありがちなキラは闇落ちフラグ。ラクスのために戦ってるという一人よがりの思いと、オルフェの特殊能力で、ラクスの心が一時的に動いて事態は悪化。
それを利用されたキラ、シンはガンダムと母艦を失うことに。新キャラのアグネスは、キラの能力の高さにほれるが拒絶され「強さは美しさ」と認めてくれたブラックナイツ隊長シュラのもとへ行きます。この考え方は後の伏線になっています。
アウラ女王の正体と目的は?ラクスの正体は?
ファウンデーションのアウラ女王と親衛隊ブラックナイツ達は宇宙へ。彼らの目的はかつてデュランダルが提唱した「デスティニープラン(遺伝子解析で適材適所で働かせる)」の再始動。反発するユーラシア連邦モスクワをレクイエムで焼失。
女王アウラの正体は、コーディネイター以上の新人類「アコード」を生み出した遺伝子研究者で、自らも幼女に若返りました。アウラは宰相オルフェと、コンパス総裁ラクスの母であり、その2人による新世界の実現を夢みてます。
ブラックナイツに完全敗北したキラ、シン達は、隠密組織ターミナルのアスランが搭乗するMSズゴックに救われ、メイリンとも合流。ラクスがファウンデーション側に行ったことで混乱したキラを、アスランがなぐって目覚めさせます。
キラ達はオーブ着艦の戦艦ミレニアムを平和的に強奪し、ラミアスが艦長となり宇宙へ。旧来のMSに搭乗することになり、アスランはフリーダム、シンはデスティニー、ルナマリアはインパルス、ヒルダはゲルググに…
以上が中盤あらすじ。SFでは何度か聞いたことある「遺伝子解析や操作による管理社会化」ですが『ガンダムSEED DESTINY』ではデュランダルが提唱し、キラとラクス達が止めました。アウラはその時の遺伝子工学の研究者。
しかも社会管理のためだけでなく、コーディネイターも超える人の革新も研究し「アコード」という旧ガンダムのニュータイプのような超能力者を生み出しました。完全にマッドサイエンティストで、世界観を大きく変えそうな技術です。
親の話があまり出ない?ラクスの出生の秘密が明らかになったのは、SEEDシリーズの前進ですね。ただ、アウラの子だとしても、いつ生み出されたのか謎。ラクスはSEEDのC.E.71から存在してるので、デスティニープランもその前から始まってたのか?
ガンダムSEEDシリーズの数少ない不満点は、中盤くらいで搭乗機を破壊され、すぐに都合よくもっと高性能なモビルスーツを提供される点でした。今回は旧機とはいえ都合のよさは健在で、さらなる新兵器まで用意されてて「プラモデル」商戦の本気に感服です。
結末は?ラスボス機は?生き残るのは誰?
キラはミラージュ・ズゴックで敵母艦へ侵入し、監禁されたラクスを救い出します。ラクスは全世界へファウンデーションの悪事を公表。アカツキ搭乗のムウがレクイエムを爆破。ルナマリアは、ギャン搭乗のアグネスを倒します。
アスランはズゴックの正体インフィニット・ジャスティスで、ブラックナイトスコード・シヴァ搭乗のシュラの心を読む能力に苦戦。しかしカガリとの妄想で翻弄し、カガリによる遠隔操作で先を読ませない工夫によりシュラに勝利。
「ジャスティスだから負けた」と言い訳するシンはデスティニーによる分身攻撃で、ブラックナイツ4体を撃破。ラクス搭乗「プラウドディフェンダー」と合体したキラの「マイティーストライク・フリーダムガンダム」は、宰相オルフェとイングリット搭乗のブラックナイトスコード・カルラを愛の力で撃破。
ミレニアムは敵母艦に体当たりし、アウラ女王も死亡?し、ファウンデーション側についたザフト艦隊もイザーク、ディアッカが破壊。アグネスは救助され、ムウはラミアスとキス。シンはルナマリアの所へ。キラとラクスは浜辺で抱き合います。
以上がラストまでのネタバレあらすじです。ラクスの言葉「必要だから愛するのではなく、愛してるから必要なのです」が本作のテーマですね。普段キラキラ系ラブストーリー映画は観ないけど、まさかガンダムに「愛」を教わることになるとは(笑)
心を読む相手に対し、アスランが遠隔操作のカガリに交代して攻略する方法は見事。そして本作で一番成長したシンの「ジャスティスだから負けた…」の言い訳はかわいすぎますね。姉御キャラのルナマリアとはお似合いだと思います。
ラスボス機のブラックナイツ・カルラもかっこいいが、合体フリーダムとそのチート攻撃はすごすぎ。気持ちが割れてるオルフェ・イングリット側と、愛に満ちたラクス・キラ側は対照的で「愛」での勝利は気恥ずかしいくらい…
結局、キラ、ラクス、アスラン、シン、ルナマリア、カガリ等の主要キャラはやはり生き残りました。世界秩序もスタート時と変わらず、安心した反面、また振り出しに戻った思いで物足りなさは感じます。宇宙クジラはまたお預けだし…
映画『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』ネタバレ感想と私の評価
本作公開にまにあわせて『機動戦士ガンダムSEED』『DESTINY』を初めて観たが、ガンダムシリーズで観た中では一番好きかも。初期の映像や演出はやや古いが、キャラの関係性の変化、モビルスーツ戦、主題歌は今でも通じる完成度。
映画『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』では主要キャラのオールスターに加え、アグネスやオルフェ、アウラ、シュラなど魅力ある新キャラも多数登場し、キラ、ラクス等オリジナルキャラ達の葛藤と殴り合いまで描いててかなり満足。
一方、モビルースーツ戦にはあまり斬新さが見られず。また新勢力との抗争のみで終了したため、ブルーコスモス戦に進展が見られなかったのは残念。「ミケールの正体はクルーゼのクローン(笑)」と深読みしてたのに続編持ち越しですかね…
それでもラストバトルの物量・情報量は半端なく、多幸感の嵐で大満足。今の時代にしては恋愛や女性性を描き過ぎかなと感じる部分も多かったが「愛」がテーマのガンダムシリーズなので必要不可欠とも感じました。続編、外伝の続報も楽しみ!宇宙クジラの謎も(笑)
私の評価 75/100(60が平均)
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