『科捜研の女 劇場版』評価は?ネタバレ感想考察/トリックの秘密とは?敵の目的と結末は?

『科捜研の女 劇場版』あらすじ概要
TVドラマの劇場版。科捜研のマリコたちは、京都で転落死した女性教授を鑑定するが殺人の証拠は見つからず。やがて国内外の科学者が同様の死の連鎖に巻きこまれ…。真犯人の正体と動機は?マリコ最後の行動とは?(ネタバレ感想考察↓)
映画名/邦題 | 科捜研の女 劇場版 |
日本公開日 | 2021/9/3 [予告↓]上映時間 108分 |
映倫区分 | 日本 G(年齢制限なし) |
映画監督 | 兼﨑涼介 [キャスト↓] |
配給/製作/画像 | ©東映/東映京都撮影所 |
シリーズ/関連 | TVドラマ映画化一覧 |
日本興行収入 | 5.4億円(興行収入ランキング) |
平均評価★★★★★73(私の評価↓は含まず) |
『科捜研の女 劇場版』予告動画
キャラ ランキング(キャスト/出演者/吹替声優)
個人的なキャラクターランキングです。
※キャラクター名(キャスト/出演者)
- 1位榊マリコ(沢口靖子)科捜研(科学捜査研究所)法医研究員。優秀だが変人
- 2位加賀野亘(佐々木蔵之介)東京の帝政大学・微生物学教授。ダイエット菌の研究中
- 3位森奈々枝(駒井蓮)東京の帝政大学の大学院生。加賀野の実験台となりダイエット菌でやせた
- 4位森友希枝(水島麻理奈)奈々枝の双子の姉妹。東京の帝政大学の大学院生。太る家系
- 5位土門薫(内藤剛志)京都府警 捜査第一課の警部補。マリコの理解者
- 日野和正(斉藤暁)科捜研の所長兼文書研究員
- 宇佐見裕也(風間トオル)科捜研の化学研究員
- 橋口呂太(渡部秀)科捜研の物理研究員
- 涌田亜美(山本ひかる)科捜研の映像データ研究員
- 吉崎泰乃(奥田恵梨華)サイバー犯罪対策課。元は科捜研の研究員
- 藤倉甚一(金田明夫)京都府警の刑事部部長(警視正)土門の上司
- 風丘早月(若村麻由美)洛北医科大学・法医学教室教授。解剖医。第1犠牲者の発見者
- 秦美穂子(佐津川愛美)洛北医科大学・ウイルス学研究室の助教授
- 倉橋拓也(渡辺いっけい)マリコの元夫。警察庁・刑事指導連絡室・室長
- 榊伊知郎(小野武彦)マリコの父。科学鑑定監察所・科学監察官
ネタバレ感想『科捜研の女 劇場版』解説や評価レビュー
この先はネタバレありの感想考察です。続編前作や関連映画は、TVドラマ映画化一覧一覧もご参考に。
TVドラマ続編?監督とキャストについて
『科捜研の女 劇場版』は、20年以上も続く人気テレビドラマ初の映画化作品です。『科捜研の女』は、2021年現在でシーズン20、計250話以上が放映された長寿ドラマシリーズです。私は1話も観たことないので人物相関図を理解できるか不安です。
監督の兼崎涼介は『科捜研の女』等、多くのTVドラマに関わってきました。映画では『自殺キャロット』(2003)を初監督したようです。
主演の沢口靖子は、主にTVドラマで活躍してるようで、私が観た出演映画は『ゴジラvsビオランテ』だけです。佐々木蔵之介は『嘘八百』『空母いぶき』等に出演。
他、若村麻由美、風間トオル、金田明夫、渡辺いっけい、戸田菜穂、佐津川愛美、内藤剛志などしぶい名俳優女優たちが登場するようなので競演も楽しみですね。

落下死者の共通点とは?容疑者は誰?
洛北医科大学で「助けて!殺される」と聞こえた後、屋上から女性教授が転落死。科捜研が解剖して死因を調査するが、自分の意志で飛び降りた自殺説が濃厚に。そんな時、京都医科歯科大学の准教授も、法医学者の目の前で飛び降り自殺。
京都府警の刑事部長は事件性はないとみて血税での検死を許可しません。一方、捜査一課の土門(内藤剛志)は、犠牲者の足取りを追い、東京の帝政大学でダイエット菌について研究中の微生物学教授・加賀野亘(佐々木蔵之介)にたどり着きます。
科捜研研究員の榊マリコ(沢口靖子)は、被害者の遺体の衣服から乳酸菌飲料に近い成分を検出。2人目の犠牲者も研究内容が近く、最後に受けた電話番号も一致。しかし加賀野が捜査一課の任意提出要請に抗議し、科捜研も監察官に調査されます。
- 加賀野教授(佐々木蔵之介)
- 森友希枝(水島麻理奈)双子
- 森奈々枝(駒井蓮)双子
- 秦美穂子(佐津川愛美)加賀野の信者
- 風丘早月(若村麻由美)第1発見者
私は『科捜研の女』のドラマ版を1話も観たことないので、犯人探しが可能なフーダニット型なのか、事件を追うサスペンス型なのかはわかっていません。結果的には後者のサスペンス型なので、視聴者が謎を解く鍵は全く提示されません。
ちなみに私は、2つの事件の第1発見者である、風丘早月(若村麻由美)と佐沢真(野村宏伸)の共犯説も考えました。カナダ研究員や、榊マリコ犯人説も。ところで野村宏伸は「学校の怪談」からは想像できないほどウザくなってて驚きました。俳優としては幅が広がったのでしょうね。
真犯人の正体は?犯行の動機と方法は?
カナダの科学捜査センター研究員・相馬も似た事件に遭遇し、榊マリコの要請で腸内成分と被害者が受けった日本からの箱の調査を開始。ロンドンでも似た事件が発生。マリコは警察庁勤務の元夫・倉橋(渡辺いっけい)に強引に頼みこみ、カナダからのデータを入手。
榊マリコは刑事部長の許可ももらい、2人目の検死を行い乳酸菌飲料に似た成分を確認。カナダ被害者も同様。そしてダイエット菌の毒素が、インフルエンザ薬のように衝動的な行動(高い場所から飛び降りたり)を引き起こす可能性も推測。
マリコは、元上司が勤めるSPring8という特殊化学調査機関と、科学監察官である父に強引に頼みこみ、被害者の腸内に残ってた「その他 0.01%」の成分を調べてもらいます。そこにはなんと「人間の唾液」も含まれていました。
加賀野はダイエット菌による「ダイエット薬」の完成を急ぐあまり、毒素の中和を可能とする前に特許を取得しようとしてました。慎重すぎる日本の科学者が、特許で先を越されつづける状況に危機感を持ってたためです。
その危険性に気づいた4人の科学者は、ダイエット菌の強い毒素によって殺害されました。犯人の正体は、加賀野の実験台となってた女子学生の森奈々枝(駒井蓮)です。彼女は太る家系なのに、ダイエット菌を飲み続けてやせました。
毒素は胃酸で無効となるはずが、許容量を超えた彼女は狂人に変わりはて、加賀野の障害となるだろう科学者4人に「ダイエット菌の毒素」をあびせて自殺させました。飲むふりしたダイエット菌を口から出して殺人に使ったので、微量な彼女の唾液が混入したのです。
真犯人である森奈々枝の犯行目的はある程度納得できるけど、「ダイエット菌」をあびせただけで高確率(劇中では100%)で自殺させられるという便利設定は、SFでも滅多に見られないし軍事レベルの危険薬品です。科学を扱う作品ならもっと抽出困難な物質にした方がよかった気がします。
マリコのおとり捜査の賛否は?
榊マリコは加賀野教授の研究所で挑発後、犯人に赤い風船によって「ダイエット菌」をあびせられます。科捜研を休んだマリコのもとに、被害者が受けたのと同じフリーSIMの携帯番号から電話があり、京都の東福寺へ呼び出されます。
マリコは電話で命令されたとおり東福寺から飛び降ります。しかし視聴者全員が思ったとおり「演技」でした。犯人を誘いこむために、京都の東映撮影所(東映太秦映画村?)の協力で、マリコが一芝居うってマットに飛び降りたのです。
マリコはダイエット菌をあびた後、中和させる薬を飲んでましたが、飛び降りる演技までしたのは納得しづらいです。「TVドラマ」ではアリかもしれないけど映画館で観るとありえません。ツッコむ気もしないほどの悪演出。
捜査一課は犯人の目星をつけて尾行してたので、電話した時点で取り押さえることができたでしょう。それに、マットがあるとしても年配女性があの高さを飛び降りて無事である保証はないと思いますが。警察が許容したのもファンタジー。
映画的ハイライトとして「ライトアップされた紅葉の東福寺」をラストシーンにして、マリコと土門の(鑑識と捜査の)夫婦ぶりもアピールしたかったのでしょうね。「清水の舞台」から飛び降りた方がドラマチックだけど、清水寺は許可されなかったのかな。
『科捜研の女 劇場版』私の感想と評価
TVドラマ版の存在も初めて知り、1話も観たことなかったけど、人間関係はすぐ把握できるよう配慮されてたし、何よりも「まじめそうなのに変人な榊マリコの言動」にはひきこまれました。終盤の強引さもご都合主義だけど笑えました。
『科捜研の女 劇場版』の魅力である、科学捜査と倫理的な推測と推理により事件の真相に近づく展開は好みでした。しかし「科学が主役」のはずなのに、装置や科学的根拠はほぼ示されず結論だけしか教えてもらえないのは物足りなかったです。
同窓会のように一瞬しか登場しないキャラが続々出てきたり、急ぎ足でシーンを切り替えていく様子はダイジェストのようで、1つの物語としては薄っぺらく見えました。加賀野の台詞「なんど京都から東京に来るの?」は視聴者の代弁ですね。
あと、どの組織にも役立つ若者が少なくて、いてもお飾りあつかいで残念。榊マリコを「お嬢さん」と呼ぶことから、主要な制作陣にも若者がいない気がしますが…菅田将暉くらい起用してほしかったかも!
本作は「テレビドラマの2時間スペシャル」でよかったのでしょうが、私のように『科捜研の女』を初めて知る人もいるだろうから、一定の成果はあるのでしょうね。設定は魅力的なので、マリコが悪に染まったり、本当に命をかけた最後の事件ならまた観たいかも!
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