映画『夏目アラタの結婚』考察ネタバレ感想/ラスト結末は?真犯人と真相は?真珠の正体は?
日本中を震撼させた連続バラバラ殺人事件の犯人・品川ピエロこと品川真珠。ある目的のため真珠に結婚を申しこんだ児童相談所職員の夏目アラタは、数々の証言を得て衝撃の真相に近づくが…(ネタバレ感想あらすじ↓)
映画名/邦題 | 夏目アラタの結婚 |
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日本公開日 | 2024/9/6 [予告] 上映時間:120分 |
監督・キャスト | 堤幸彦[キャスト] |
映倫区分 | 日本:G(年齢制限なし) |
配給/製作 (画像出典) | ワーナー・ブラザース映画/オフィスクレッシェンド |
日本興行収入 | 4.6億円 (興行収入ランキング) |
平均評価 平均:100換算 | (興収・評価: 2024.10.16更新) 73 |
シリーズ 関連作品 | マンガ実写化一覧 |
参考・出典 | 公式サイトWiki上映映画館 |
キャラ・ランキング(キャスト/出演者)
個人的なキャラクターランキングです。
※キャラクター名(キャスト/出演者/声優)
キャラ・ランキングは公開後すぐ更新します!
- 品川真珠(黒島結菜)連続殺人事件の死刑囚
- 夏目アラタ(柳楽優弥)消えた首を探す元ヤンキーの児童相談員。タイプは桃山香
- 藤田信吾(佐藤二朗)死刑囚アイテムコレクター。裁判傍聴が趣味
- 桃山香(丸山礼)品川真珠に心酔するアラタの先輩
- 宮前光一(中川大志)品川真珠の無罪を信じる弁護士
- 大高利郎(立川志らく)アラタを心配する児童相談所の所長
- 桜井健(福士誠治)品川真珠を追い詰める検察官
- 井出茂雄(今野浩喜)拘置所の刑務官。アラタと真珠の面会を見張る
- 神波昌治(市村正親)品川真珠の本心を疑う控訴審の裁判長
ネタバレ感想『夏目アラタの結婚』解説と評価
以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!
『夏目アラタの結婚』原作は漫画?監督とキャストは?
映画『夏目アラタの結婚』の原作は乃木坂太郎による漫画です。2024年に全106話で完結済み。単行本と電子書籍の合計発行部数は230万部(2024年3月時点)を突破してる人気マンガです。
監督の堤幸彦は、最近『十二人の死にたい子どもたち』『望み』『ファーストラヴ』なども監督。
主演の柳楽優弥は『今日から俺は!!劇場版』『太陽の子』等に、黒島結菜は『サクラダリセット』『鋼の錬金術師 最後の錬成』等に最近出演。
他、中川大志、立川志らく、福士誠治、佐藤二朗、市村正親、丸山礼、今野浩喜などが出演。
死刑囚と結婚した目的とは?
児童相談所で世話した小学生が「父親の首を取り戻すため、相談員の夏目アラタの名前を使い文通をはじめ、直接会いたいと連絡がきた」ことから物語は始まります。夏目アラタ(柳楽優弥)は、最初は仕方なく連続殺人犯に面会へ。
しかし品川ピエロこと品川真珠は一目だけで去ろうとしたので、夏目アラタは相手に興味を持ってもらうために「結婚しよう」と言ってしまいます。真珠の容姿が想像以上にかわいかったのも理由の1つだろうが他の真相も(後述)。
直接的な結婚理由は、行方不明の首の場所を聞き出すためです。
品川真珠の正体は?隠蔽方法は?いじめの理由?
真珠の母・品川環は、三島との娘・真珠を1歳の時に亡くし、2年後に出産した娘を真珠として育てました。品川真珠の正体は、実際より約2年も若い無戸籍の女性です。
母はそれを隠すために、乳歯のはえかわりでバレないよう歯科検診に行かせず、歌の上手い真珠に「歯並びが変わると歌声も変わるから」と納得させてました。幼少期は年下に見えないように高カロリー食品で肥満体型に。
学校でのIQテストは年齢により判断されるため、実年齢より2歳も低いと幼少期はかなり低めになります。学校の勉強や運動でも2歳低いと未熟でついていけず、同級生も2歳年上なのでいじめの対象となりやすかったのです。
控訴棄却とは?真珠の釈放計画とは?黙秘の理由?
真珠が2年間黙秘をつづけた理由は、裁判を早く終わらせて死刑囚となり、母が求めたように楽になりたかったから(と推測)。しかし夏目アラタと結婚後は、三島の殺人に利用されただけと。これは夏目が証拠を見つけるまでの時間かせぎ。
真珠のネックレス印の切り株の下で、夏目はスーツケースに入った謎の赤子の骨を発見。DNA鑑定で真珠と同じ母親から生まれた赤ちゃんと判明。これが真珠の2歳年上の姉で「本物の品川真珠」だったのです。
また、母のスマホから「2003年9月30日の妊娠写真」が発見され、今の真珠が犯行時に18歳未満だった可能性が浮上。未成年だったなら前提条件が大きく変わるため「控訴棄却」となります。
「逮捕されてない状態」になった真珠は、勤務時間交代の17時にすぐには逮捕状が発行されないのも利用し、司法の慣例で拘置所に任意同行しようとする警官から逃げます。夏目アラタは弁護士の入れ知恵で「上告放棄書」を提出しバイクで真珠を連れ出します。
ここは映画『夏目アラタの結婚』で最も頭脳戦に特化した部分なので大好き。控訴棄却なんて方法が成立した例が現実であるのか知らないけど、そこに司法の慣例などのすきをついた展開はワクワクしました。
真犯人の正体や動機は?最終的な判決は?
3人の男の連続殺人事件の真犯人の正体は品川真珠でした。真珠は「一緒に死んで楽になろう」と言った母の言葉を無視し、その後の苦しいだけの母の人生を見て育ちました。だから「死にたいと言う人は死んだ方が幸せ」と思い直し、それが殺した動機です。
真珠は、社会的地位は高いが何かの理由で死にたがった3人の男性に、看護学校から盗んだ薬品を注射して殺害。そして真珠の出生の秘密を知ってて、それでおどして金をまきあげるニセ父親の三島も殺害。
ただ、犯行時に18歳未満の未成年だったと判明した真珠は死刑にはならず、懲役13年の判決がくだされます。
夏目アラタの結婚を真珠が受けた真相は?
真珠は多くの手紙をもらってたが、その中で「夏目アラタからの手紙」だけを気に入り面会まで申し出ました。その理由は、大人にしては稚拙な手紙(実際は小学生が書いてたから)が同級生と比べて未熟だった真珠に過去を連想させたからです。
思い描いてた幼稚な男性ではなかったため、真珠は最初の面会時に拒絶。しかしその後の手紙や、差し入れのスポーツブラのニオイをかぐと、過去に自分を助けてくれ勇気をくれたヤンキー風の男を思い出します。
終盤の面会時に「児童相談員になった理由」を尋ねられた夏目アラタは、自分よりもっとひどい境遇の子どもを助けたいと思ったからと発言。そのきっかけになった子どもこそ1人でシーチキン缶を食べてた品川真珠だったのです。
つまり、品川真珠と夏目アラタは運命の結婚相手だったわけです。真珠はX印のハンカチをもらったので気づいてるが、夏目アラタは気づいてない感じ。拘置所がX型だったのも軽い伏線だったんですね。
映画『夏目アラタの結婚』ネタバレあらすじ/ラスト結末は?
3男性の連続殺人事件犯として現場で遺体切断中に逮捕された品川ピエロこと品川真珠は、2年間黙秘で死刑囚となりそうな状況。父の首を探したい息子が真珠と文通し面会することに。名前を使われた児童相談員の夏目アラタが変わりに面会するが拒絶されとっさに結婚しようと告白。
真珠は一転して父の三島が殺害し切断を手伝わされただけと無罪を主張するが三島は実父でないと判明。真珠は夏目に切断部だけでなく母の遺品の場所も教えます。発見された赤子の骨は本物の真珠であり、スマホ写真から今の真珠は2歳下の無戸籍で犯行時18最未満だったと判断され控訴棄却に。
夏目は弁護士の入れ知恵で上告放棄し再逮捕までのすきに真珠をバイクで連れ出します。翌日真珠は1人で再逮捕されます。夏目はメモから頭部を発見。真珠は殺害した三島の頭だと認め、3男性も希望どおり毒殺したと自白。未成年を考慮され13年の懲役に。
夏目に殺人鬼と言われた真珠は真実の愛を感じ感動。夏目は真珠からの離婚届を破り神前式の結婚式をあげ、真珠も獄中で思いをはせます。エンドロール後、夏目が児童相談員を目指すきっかけになった運命の子が品川真珠だったと判明。
映画『夏目アラタの結婚』ネタバレ感想と私の評価
原作漫画は未読ですが、ミステリ好きなので気になり映画館で鑑賞。囚人と結婚という映画はいくつか観たが、本作の黒島結菜演じる真珠は群を抜いての異常者と感じられ、柳楽優弥演じる夏目との駆け引きに目が離せなくなりました。
展開や演出にツッコミどころはあるが、原作力を活かした緻密なストーリー、見事な伏線回収、どんでん返しや法のスキをつく頭脳戦など最後までスリルを感じながら楽しめました。2人の出会いの真相も衝撃的で好き。
一方、連続殺人事件については雑な情報が知らされるばかりだったのでミステリとしては物足りなさを感じました。2年以上前の事件なのにまるで警察は何もしてなかったみたいに、次から次へと証拠が飛び出すのも苦笑。
内容的には2時間テレビドラマでもよさげだが、意外と血が多いのでプライムタイムは難しそうでやはり映画向きなのかも。風呂敷広げて畳めない邦画ミステリが多い中、本作は良質な方だと感じたしかなり好みの作品となりそうです!
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