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映画『ファーストラヴ』評価は?ネタバレ感想考察/動機は?隠された過去とは?

映画ファーストラヴ

『ファーストラヴ』あらすじ概要

父を殺害し逮捕された女子大生は「動機はそちらで見つけてください」と。公認心理師・真壁由紀は義弟で弁護士・庵野迦葉と共に面会を重ねて動機を探るが、自分の過去を呼び覚まし…。由紀と迦葉の関係とは?(ネタバレ感想考察↓)

映画名/邦題 ファーストラヴ
日本興行収入6.1億円興行収入ランキング
平均評価★★★★★74私の評価↓は含まず)
日本公開日 2021/2/11 [予告↓]上映時間 119分
映倫区分日本 G(年齢制限なし)
映画監督堤幸彦 [キャスト↓]
配給/製作/画像©KADOKAWA/角川大映スタジオ、オフィスクレッシェンド

『ファーストラヴ』予告動画

キャラ ランキング(キャスト/出演者/吹替声優)

個人的なキャラクターランキングです。
※キャラクター名(キャスト/出演者)

  • 1位聖山環菜(芳根京子)父を殺害した容疑で逮捕された。動機を話さない
  • 2位聖山昭菜(木村佳乃)環菜の母
  • 3位真壁我聞(窪塚洋介)由紀の夫。庵野迦葉の義兄
  • 4位庵野迦葉(中村倫也)由紀の夫・我聞の義弟。弁護士。由紀とともに環菜を探る
  • 5位真壁由紀(北川景子)環菜の動機を探る公認心理師。過去の記憶を呼び覚まし…
  • 聖山那雄人(板尾創路)環菜の父。環菜により殺害された
  • 賀川洋一(清原翔)環菜の大学時代の元恋人
  • 小泉裕二(石田法嗣)環菜の初恋の人?
  • 真壁早苗(高岡早紀 )由紀の母。由紀の父の秘密を暴露

ネタバレ感想『ファーストラヴ』解説や評価レビュー

この先はネタバレありの感想考察です。他の映画はおすすめ映画ジャンル別も参考にしてください。

私の評価 ★★★★★67/100(60が平均)[レビューサイト評価↑]

原作小説・監督や北川景子らキャスト陣

原作は、島本理生の長編ミステリー小説『ファーストラヴ』(2018年刊行)です。第159回直木賞の受賞作。2020年にはNHK BSにて真木よう子主演、上白石萌歌などの出演でテレビドラマ放送もされました。

映画『ファーストラヴ』の監督・堤幸彦は、多くのTVドラマや映画をてがけています。最近も『人魚の眠る家』『望み』等ミステリー・サスペンスが続いてるので本作とも相性はよさそうです。

主演の北川景子の最近の出演作は『ドクターデスの遺産』『約束のネバーランド』等。芳根京子は『累 かさね』『居眠り磐音』等、中村倫也は『屍人荘の殺人』『サイレントトーキョー』等に出演していました。

映画ファーストラヴ

殺人犯・環菜の幼少時代の秘密とは?

父親を刺した容疑で逮捕された女子大生・聖山環菜(芳根京子)は、供述内容を切り取られた「動機はそちらで見つけてください」や「美人すぎる殺人者」として世間の注目を集めてます。真壁由紀(北川景子)は環菜の心理診断に関わります。

由紀は、環菜の大学時代の恋人や環菜の母親(木村佳乃)から話を聞き、環菜の虚言癖の裏に何かを感じます。環菜の父は著名な画家で、以前は生徒に絵を教えました。小学生の環菜は全裸男性と共にモデルにされ、複数の男性生徒の視線にさらされたようです。

ミステリ調ではじまる序盤は物語進行としてはスロースタートですが、登場人物たちの人間関係がしっかり描かれ、後半の伏線につながる部分もあり見事な脚本です。深読みしすぎて、理想の夫婦、由紀と真壁我聞(窪塚洋介)が心配になります。

我聞の義弟・庵野迦葉(中村倫也)が環菜の弁護士として登場しますが、由紀とのただならぬ関係ぶりも感じます。迦葉の秘書女性の由紀への視線も気になりました(笑)。キャッチーな部分のみ切り取るマスコミへの皮肉も描かれてます。

豪華キャストの競演ぶりも序盤から目が離せません。特に木村佳乃のサイコパスっぽさは『ドクターデスの遺産』を想起。芳根京子、中村倫也も秘めた狂気を感じさせます。それらにノマれてない点で、北川景子もしっかり存在感を発揮できてました。

由紀と迦葉の過去やトラウマとは?タイトルの意味は?

由紀は、環菜と父との関係性から自分の過去を思い出します。由紀は成人式の日、母から「父は東南アジアで少女回春してた」と聞かされます。幼少時代に父の車で見つけた幼い少女達の写真はロリコン趣味だったと、その時わかりました。

由紀は大学時代に庵野迦葉と出会い男女関係になりかけるが、父のトラウマで「男性不信」でした。一方の迦葉も母に捨てられたトラウマから「女性を愛せない」状態で2人は別れました。その時聞いた迦葉の義兄の写真展で、由紀は我聞と出会いやがて結婚。

面会する由紀の顔が環菜と重なっていく見せ方は『三度目の殺人』と似てます。由紀の父が海外で少女回春してたのはショックですが、バブル時代の商社マンや海外勤務者にはよくあった話らしいので、実は身近な家庭にもありそうな話です。

しかしそれをさらっと話した由紀の母もこわすぎ。父が欲求の対象として見てた娘・由紀に対して嫉妬を抱き、その復讐をしたようにも感じます。ここでテーマの1つ「男性はみんなロリコン」が浮かび上がり「性搾取される少女」が強調されます。

もちろん今では、未成年アイドルや女優俳優を愛でるのは男性だけでなく女性も多いことが知られてて「少年趣味=ショタコン」という言葉もあります。ただやはり、性搾取の対象は圧倒的に女性の方が多いので「生物学的にも男は気持ち悪い生き物」なのでしょう。

この映画『ファーストラヴ』を観た後「父と娘が一つ屋根の下で暮らす異常性」すら感じてしまいました。そのタイトル「フォーストラブ=初恋」の1つの意味が「由紀の迦葉への初恋」であることも判明。

しかしそれは未遂に終わったので、本当の由紀の初恋相手は、迦葉により導かれた写真家・我聞だったと解釈できます。男性恐怖症ぎみの由紀を全て受け入れてくれた我聞との出会いが、由紀と環菜の人生の決定的な違いなのでしょう。

父への動機とは?母が娘を救わない理由は?

由紀は、環菜の初恋相手の小泉裕二を探し出し、彼のアパートが環菜の逃げ場所になってたと知ります。裕二が環菜に手を出そうとした時「慣れてるからいいよ」と言われます。やがて環菜は父に連れ戻され、裕二と会うこともなくなりました。

環菜はモデルとして複数男性の目にさらされるのがイヤだったし、その後の飲み会でつきあいをせまられるのも苦痛だったのです。母が救わない理由は、環菜が同棲中の元彼の子という弱みがあったからです。父は「別の男の娘」として環菜に憎しみを抱き、汚したかったのでしょう。

「母の元彼の子」という事実により両親の愛情はゆがんでいたのですが、幼い環菜は親に従うのが正しいと思うしかなく、結果的に心を病んでいきます。由紀や迦葉のように、トラウマから救ってくれる大人が周りにいなかったのが悲劇です。

コンビニ店員の裕二なら救える可能性もあったのですが、欲望を感じただけで本当に環菜のことを考えることはできませんでした。しかし妻娘がいる身なのに証人になってくれたので、由紀の父ほどゲスではないし後悔もしてたようです。

ここでもタイトル「フォーストラブ=初恋」の1つの意味が判明。環菜の初恋相手は、元コンビニ店員の裕二でした。しかしそれは「恋」というより「両親よりましな逃げ場所」にすぎなかったのでしょう

そんな環菜は、母の初恋相手との子であった可能性があります。しかし父にとってはたとえ母が初恋相手であっても、自分の子では決してないのです。その悲しい現実を思い出させる環菜の存在が、父を苦しめ環菜への罰を実行させたのでしょう。

環菜が自傷した理由は?母の秘密は?我聞の存在意義?

由紀は自分の過去を話して環菜と心理的に近づき「環菜の父の死は事故だった事実」を引き出します。裁判で環菜は「殺してない」と主張。弁護士の迦葉は、環菜の自傷行為(リストカット)を母親が気づいてない点や、父の娘に対する仕打ちを見逃してた事を追求。

それでも環菜に殺意がなかったことは認められず、裁判結果は懲役8年。由紀は、環菜の母の手にもリストカットの傷跡を見つけます。環菜が自傷した理由は「傷が治るまでモデルしなくていい」からですが、母は「同族嫌悪」で娘を避けたのです。

環菜は有罪となりましたが、個人的には妥当と判断。カッターではなくナイフを購入し、個室トイレへ父を呼び出してる時点で、言い逃れは難しいと思います。倒れてきても、そこにナイフがなければ刺さらなかったのですから。

環菜が父に会いに行った理由は、民放局アナウンサーの採用面接で複数男性に視線を集中されるという点でモデルした時を思い出したからです。「自傷行為⇒モデルしなくていい」から「自傷⇒嫌な面接等から逃げられる」に飛躍したのかも。

そもそも大勢の人に見られるアナウンサーという仕事を反対されながらも選んだ理由も、幼少時代のモデル経験の影響なのでしょう。しかし面接に失敗し、父に「治るまでしなくていい」と言われたいためと、父への復讐がごちゃまぜになり、あの事件に終息したのだと思います。

ただ「少女が大人の男性達の視線にさらされる」のと「面接で男性達に見られる」のでは意味合いが全く異なるため、きっかけだとしても同列で語るのはどうなのかと感じます。圧迫面接やセクハラ面接だと言い切った方がよかったかも。

ラストで、由紀の夫・我聞が「由紀と義弟・迦葉との関係に気づいてた(迦葉から聞いてた)」と明かします。これにより我聞のように「欲だけでは動かない大人の男性」もいることが強調され、効果的だったと思います。

タイトル「ファーストラヴ」の本当の意味とは?

上で書いたように「由紀の迦葉への初恋」「環菜の元コンビニ店員裕二への初恋」が、ファーストラブ=初恋を表してるのは明白です。

ただし、タイトル「ファーストラヴ」の本当の意味とは、人間が「最初に受ける愛情=ファーストラヴ」だと感じました。つまり幼少時代、子ども時代に一番身近なのは親なので「子が感じる親からの愛情」のことです。

由紀も環菜もその母親も迦葉も、幼少時代に親からゆがんだ愛情をそそがれたため、大人になっても性格に影響が出てしまってます。一方、親からの愛情をしっかり受けて育った我聞は、とてもいい性格に育っていて対照的です。

『ファーストラヴ』私の評価と感想

ミステリー調で始まる序盤ですが、動機の解明や主人公の過去との向きあいが描かれるにつれ、ヒューマンドラマ要素の方が濃くなります。個人的にはもっとミステリ寄りが好みですが、よくある動機を見せ方を変えた工夫などは評価したいです。

ただせっかく解明された動機かつテーマが深掘りされなかったのは残念すぎます。逆に「父親が倒れこんできたから殺人ではない」という結論に時間をさきすぎで、もっとさらっと描けばよかったと思います。

ある事件に関わった心理士と弁護士が偶然にも義姉弟かつ元知合いだったり、容疑者のトラウマと自分のが似ていたり、10年もの昔のコンビニバイト店員が見つかったり、と「都合よすぎる偶然が多い」のも気になりました。

サイコパスや狂人を感じさせた芳根京子、木村佳乃、中村倫也は生き生きと演じてましたが、内面的な役の北川景子も力は入りすぎてるけど女優としての成長を感じます。演技はともかく中村倫也の役って、必要だったか?とは感じましたが。

一時なら最も狂人に見えただろう窪塚洋介が聖人キャラなのは、深読みの意表をつかれました。テーマの扱いがややもったいないけど、豪華キャスト競演や先が気になるストーリー展開は映画に慣れてない層にも届きやすく仕上がってるのでおすすめ!

他の映画はおすすめ映画ジャンル別も参考にしてください。

『ファーストラヴ』含む映画ランキングや映画賞

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