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ネタバレ感想『三度目の殺人』法廷で優先されるのは真実か勝利か忖度か/あらすじ評価

三度目の殺人

『三度目の殺人』あらすじ(ネタバレなし)

日本アカデミー賞6部門で最優秀賞受賞作。殺人を自供した三隅を弁護することになった重盛は、真実よりも減刑を勝ち取ることにこだわるが、三隅の供述が変化するにつれ考えが変わってきて、三隅が仲良くしてた被害者の娘の咲江から衝撃の事実を聞くと...(ネタバレあらすじ↓)

三度目の殺人の予告動画

映画『三度目の殺人』評価まとめや作品情報

興行成績、公開日、上映時間などは↑に掲載してます。
DVD/ブルーレイ レンタル開始日,発売日
2018.3.7(販売中
原題/英題
The Third Murder
映倫区分
日本: G
配給/製作
(C)東宝、ギャガ、フジテレビジョン、アミューズ、ギャガ
参考
 Wikipedia⇒
映画監督
是枝裕和
キャスト/出演者
福山雅治、役所広司、広瀬すず、斉藤由貴、吉田鋼太郎、満島真之介、市川実日子
レビューサイト平均評価 ★★★★★69/100換算

『三度目の殺人』ネタバレあらすじや結末

この先はネタバレありのあらすじです。関連映画は是枝裕和監督の映画一覧などで探してみてください。

弁護士の重盛朋章(福山雅治。しげもり)は摂津大輔(吉田鋼太郎)が担当してた事件の弁護を引受け、部下の川島輝(満島真之介)と3人で刑務所へ向かいます。三隅高司(役所広司。みすみ)は30年前にも殺人を犯した前科があり刑務所を出所後、雇われた工場の社長を殺してガソリンで火を付けたと自供してます。

三隅は毎回供述が変わり、この日は「ギャンブルの金のため衝動的に殺し、ガソリンを工場へ取りに戻り、焼いて右手の火傷を負った」と言うが摂津は以前の内容「いつか殺したかった」と違うと指摘します。重盛は勝ちにこだわる弁護士で、事実や容疑者の理解には無関心で、死刑を無期懲役に減刑しようと考えます

重盛と川島は調査をはじめ、事件現場の河川敷では十字架型の焼け跡を見つけます。三隅が犯行後に乗ったタクシー映像や検察側の証拠から、財布はガソリンをまいた後に盗んだと判明し、重盛は強殺(強盗殺人)より軽い「解雇による怨恨で殺害後に窃盗」で考えます。被害者宅では、娘の山中咲江(広瀬すず。さきえ)と妻の美津江(斉藤由貴)に会います。

しかし週刊誌の取材で三隅は「妻の美津江に携帯メールで頼まれ、保険金目当てで殺害し、50万円が三隅の口座に入金された」と証言し、重盛は「美津江が主犯格」に切替えます。重盛は検察官の篠原一葵(市川実日子)に「あなたのような弁護士が、犯罪者が罪と向き合うのを妨害する」と言われます。

三隅のアパートには被害者の娘の咲江がよく来てたとわかり、三隅は飼ってたカナリア5羽を生き埋めにして十字架をつけ、家賃もいつもより早めに支払ってたことから、逮捕を覚悟してた可能性を重盛は三隅に問いかけます。三隅は接見室の仕切りごしに重盛と手を合わせ「こうすると人の考えがわかる」と言います。

重盛は妻とは別居中で、さみしい娘は万引きやウソ泣き披露などで重盛の気を引こうとします。その娘の存在を知らないはずの三隅が指摘し、重盛は少し動揺します。重盛の父で30年前に三隅の裁判長をつとめた彰久(橋爪功)は「三隅を死刑にしなかったから、今回また人が殺された」と嘆きます。

三隅は仮釈放中に彰久に、娘と雪で遊んだ思い出を書いたハガキを送ってました。重盛と川島は三隅の故郷の留萌で、30年前に三隅を逮捕した元刑事から「恨みは感じず、空っぽの器のようだった」と聞き、30歳を過ぎる娘が勤めてた店では「警察が来て町にいられなくなり父(三隅)を恨んでた」ことが聞けます。

重盛は電車内で、三隅と咲江と重盛が雪合戦する光景を夢に見ます。三隅は娘を探しに行った重盛に「生まれてこなければよかった人間もいる」と言い、川島は「そんな人間いません」と主張します。重盛は足の不自由な咲江に、三隅にも足の不自由な娘がいたことを伝えますが、咲江は初めて聞いたようです。

第1回公判では、三隅は被害者社長の妻の美津江に依頼されたと主張しますが、美津江は否定し、夫が送信したもので自分は知らないと言います。実は50万円は食品偽装の件で、美津江は咲江にも口止めします。公判後、咲江が重盛の事務所を訪れ、父にレイプされてた事を三隅に話し殺害願望が伝わったと言います

『三度目の殺人』ネタバレ結末と最後/ラスト

咲江は三隅を救うために「母の美津江のように見てないふりはしたくない」と言うが、重盛は法廷でつらい思いをすると念を押します。咲江の件を聞いた三隅は「実は殺害してない」と犯行を否定し、重盛「事実を教えてくれ」、三隅「法廷戦術より、あなたは信じるのか信じないのか」、重盛「尊重する」

犯人性は争わないはずなので今さら否認すると「裁判に負ける」と摂津は重盛に言います。重盛は咲江に、三隅が否認するため証言しないよう説得します。三隅が否認すると重盛は裁判長に責められるが、裁判員の日程や関係者の評価の実績数かせぎなどで裁判はやり直しにならず、やがて三隅の死刑判決が下されます。

三隅の否認は「責任のがれ」と判断されたのです。三隅は退廷時に重盛に礼を言い、咲江の前を通る時も顔を伏せたままですが、閉じてた両手を開き1羽だけ逃したカナリアを解き放つような動作をします。三隅を救いたかった咲江は落胆し「ここでは誰も真実を話さない。誰をさばくかは誰が決めるんですか」

最後の面会で、重盛「否認したのは咲江につらい証言をさせないためだろ」、三隅「だからあなたも否認にのったんでしょ?」、重盛「えぇ。違うのかな?」、三隅「いい話だ。いるだけで人を傷つける、生まれこなければよかった私も人の役に立てた」、重盛「僕がそう思いたいだけ?あなたはただの器?」、三隅「器ってなんですか?」。重盛は十字架のような交差点で青空と電線を眺めます。

ネタバレ感想『三度目の殺人』考察・評価・レビュー

この先はネタバレありの感想です。関連映画は是枝裕和監督の映画一覧などで探してみてください。三度目の殺人

★★★★★ 63点/100(60が平均)

是枝裕和監督が『そして父になる』の時の福山雅治、『海街diary』の時の広瀬すずと再タッグを組んで製作したオリジナルの法廷サスペンス映画です。持ち味だと思われてたヒューマンな展開とは大きくかけ離れている点でもド肝を抜かれた感じがします。

私のひとこと感想や評価は「犯人や動機探しのミステリーだと思って見てたら、とんでもない展開に巻き込まれ、司法のあいまいさや恐ろしさを見せられた後、モヤモヤしたまま終わってしまいました。評価はとても難しいけど、エンタメやミステリー要素を満たしてほしい私としては少し物足りなさが残りました」

内容的に多くの人が楽しめるとか、おすすめできる映画ではないけど、完成度は高いので心にささる人はいるかと思います。犯罪者と言えど100%の悪人ではないし、被害者の家族や弁護士も100%の善人ではないという方向性や、視聴後感は『スリー・ビルボード』に近いなとも感じます。

テーマは「真実を暴くことが二の次になっている司法制度の問題点」や「父と娘の関係性」などだと感じます。見どころは「福山雅治演じる重盛と、役所広司演じる三隅のコミュニケーション」「法廷での立場による落とし所の違い」「役所広司のサイコパスぶり」「広瀬すずのかわいさと心が読めない感じ」等です。

結局真実はわからず映画は終わるけど私の予想は「三隅(役所広司)が娘と重ね合わせた咲江(広瀬すず)の思いを忖度して、見て見ぬふりできずに社長を裁き(二度目の殺人)、生まれてこなければよかった側の自分も死刑に(三度目の殺人)して、咲江をカナリアのように空に解き放った」です。

可能性としては、咲江関与説と咲江主犯説もあり得ますが、私的に「咲江は黙秘はしても嘘はついてない」と判断してます。咲江は母の美津江(斉藤由貴)の、食品偽装や自分への父の行為を見て見ぬふりしたことを責めたりして「正義」を振りかざしてるからです。ただ咲江もサイコパスであれば私は欺かれてます。

福山雅治演じる重盛は最初は勝ちにこだわる弁護士ですが、結末周辺では「負けても真実を知りたい」という風に完全に三隅の術中にハマってしまってます。ラストの接見では、仕切りに映る重盛の顔が三隅の顔を追いかけるように描写され「ただの器」と表現された三隅に重盛自身が吸い込まれてるように感じます。

三隅が自分を裁いた裁判長に送付したハガキの内容は、自分と娘との思い出ではなく、咲江と雪で遊んだことだと思います。重盛は雪原に自分も含めた3人が横たわるシーンをイメージしたけど、三隅と咲江だけは「十字架」の型で寝てて、裁かれる側だと勝手に認識したのでしょう。

重盛の考えがブレ始めるのは、三隅と手を合わせてからですが、その行為ではなく「父と娘の関係」が暗示のようになったのだと考察できます。つまり「裁判に勝つ」や「真実を知る」こと以上に「娘と重なる咲江を社会から守りたいだけ」が使命だと感じるようになったのだと解釈でき、もはや弁護士ではなく父です。

三隅は重盛の父である裁判長のことを「人の生死を左右できる職業なのであこがれ」と言いますが、三隅自身も他人を裁ける「そちら側」の人間になってるのは皮肉です。ただし「一度目の殺人」は許されることもあるけど「二度目の殺人」は許されず、最高でも「三度目の殺人」(死刑)までしか人を裁けません

上のように考察(ピーナッツバターやニモなども触れたかった)したけど正解はないようなものなので、一度観てからいろいろ解釈するのが楽しいかもしれません。映画とは無関係だけど、この事件の後に重盛(福山雅治)が今までどおり弁護士を続けられるのかは微妙な気がします。家族等にはおすすめしづらいけど、多くの映画賞も受賞してるので、気になる人はぜひ観てください!

続編や前作は、是枝裕和監督の映画の順番一覧で確認できますよ。

三度目の殺人のシリーズ順番や映画ランキング

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ゆめぴょん(管理人・執筆・映画好き)
ゆめぴょん@ピクシーン
世界一周で世界遺産595訪問後、映画に再ハマり。家視含め3年で1500本。新作映画は、2017年 181本、2018年 42本
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