映画『サイダーのように言葉が湧き上がる』評価は?ネタバレ感想考察/すれ違いの理由は?結末は?

『サイダーのように言葉が湧き上がる』あらすじ概要
内気な俳句少年チェリーは、コンプレックスをマスクで隠す少女スマイルと出会い、SNSで距離を縮めます。2人は老人が思い出のレコードを探すのを手伝うが、ある出来事をきっかけに…。レコードを探す理由とは?どこにある?(ネタバレ感想考察↓)
映画名/邦題 | サイダーのように言葉が湧き上がる |
日本公開日 | 2021/7/22 [予告↓]上映時間 87分 |
映倫区分 | 日本 G(年齢制限なし) |
映画監督 | イシグロキョウヘイ [キャスト↓] |
配給/製作/画像 | ©松竹/FlyingDog、シグナル・エムディ、サブリメイション |
日本興行収入 | 公表後すぐ更新(興行収入ランキング) |
平均評価★★★★★78(私の評価↓は含まず) |
『サイダーのように言葉が湧き上がる』予告動画
キャラ ランキング(キャスト/出演者/吹替声優)
個人的なキャラクターランキングです。
※キャラクター名(キャスト/声優)
- 1位スマイル/星野ユキ/ほしのゆき(杉咲花)18歳の女子高生。常にマスク顔。ライブ配信者
- 2位チェリー/佐倉結以/さくらゆい(市川染五郎)内気な17歳の俳句好き男子高生。常にヘッドホン
- 3位フジヤマ(山寺宏一)俳句の達人。思い出のレコードを探してる
- 4位ジャパン(花江夏樹)チェリーの友人。アイドルオタク。リサイクルショップ店員
- 5位マリ(諸星すみれ)スマイルの妹/末っ子。中学三年生。ITにくわしく、ネットゲーム好き
- 6位ジュリ(中島愛)スマイルの姉/長女。くせっ毛と大きなメガネが特徴でマイペース
- 7位ビーバー(潘めぐみ)チェリーの友人。ラテンアメリカ系の明るい少年。
- タフボーイ(梅原裕一郎)チェリーの知人。フジヤマの孫。ヤンキー気質。あき子に想いをよせてる
- つばき(井上喜久子)想い出のレコードを探しているフジヤマの娘
- 紘一(神谷浩史)チェリーの父
- まりあ(坂本真綾)チェリーの母。ぎっくり腰でパートをチェリーに代わってもらっている
ネタバレ感想『サイダーのように言葉が湧き上がる』解説や評価レビュー
この先はネタバレありの感想考察です。他の映画はおすすめ映画ジャンル別も参考にしてください。
原作は?監督やキャスト/声優について
映画『サイダーのように言葉が湧き上がる』は、アニメ音楽レーベル「フライングドッグ」の設立10周年記念のオリジナル作品です。監督・脚本・演出のイシグロキョウヘイはアニメ『四月は君の嘘』を初監督。他も多くの作品に関わってます。
主演チェリーの声は、なんと声優初挑戦の歌舞伎役者・市川染五郎 (8代目)です。やや不安材料ではあります。ヒロイン・スマイル役の杉咲花は『思い出のマーニー』や『メアリと魔女の花』の主演で声優経験があります。
他の声優は、山寺宏一、潘めぐみ、花江夏樹、井上喜久子、神谷浩史、坂本真綾など、売れっ子やベテランが演じるので全く問題なさそうです。

運命の出会いのキューピッドは誰?犯罪が気になる?
チェリー/佐倉結以/さくらゆい(声:市川染五郎)は、人前で話すのが苦手で話しかけられないよう常にヘッドフォン姿。俳句が好きで、季語辞典「歳時記」とスマホは欠かせません。ぎっくり腰の母の代わりに福祉施設で働いてて、老人フジヤマとモール内を散策中。
スマイル/星野ユキ(声:杉咲花)は、トレードマークだった前歯の出っ歯が気になり矯正中なので、いつもマスク姿。キュリオ・ライブの人気動画配信者で「カワイイ」を探すのが趣味。モール内で「赤ちゃんハイハイレース」を見つけます。
その2人に、モール関係者に追われるビーバーという少年が激突。マスクのはずれたスマイルの前歯を見て、チェリーが「矯正器」と言葉にし、スマイルは逃げ出します。その時、2人はスマホを取り違えてしまい…
以上が冒頭のあらすじ。ボーイミーツガールの王道ですね。チェリーとスマイルの出会いのキューピッドはビーバーです。ただ、この時ビーバーが追われてた理由は「萌キャラの等身大パネル盗難(犯罪)」なので、それが気になりすぎて「運命の出会い」に集中できませんでした。
しかもパネルは、リサイクル店員ジャパンに渡して報酬を得る計画だったようなので完全に泥棒。他にもビーバーが「タギング」といいながら、車や公共場所のあちこちに落書きしてるのも犯罪。物語終盤まで罪を問われないのは完全に雑音。
チェリーが「矯正器」と口走ったのは違和感あったけど、その前にも「フライング」とか気になる言葉を集めてたのでその流れでしょう。ただ、一番気にしてることを口に出されたスマイルにとっては「最悪の一言」だったでしょうね。
老人がレコード探してる理由とは?伏線回収を解説
福祉施設の変わり者じいさんフジヤマは、空のレコード入れを持ち歩いてます。痴呆(ぼけ)もあるのか、その理由は誰にも話しません。そんな時、チェリーが引っ越し準備で見つけた古い雑誌から、レコードの歌手は「藤山さく」と判明。
フジヤマじいちゃんの娘の話で、じいちゃんがレコードを探してる理由は、亡き妻「藤山さくら」の歌「YAMAZAKURA」を聴きたくなったからだとわかります。皆で探しても見つかりませんが、ある場所で発見。「古雑誌の発見場所」が伏線でした。
他にも見事な伏線回収がいくつもあります。日本語を勉強中のビーバーが「葉」と「歯」を間違えたのを利用し、チェリーが告白俳句を作ったり、終盤にチェリーを引き止めた時にも使われました。序盤から意味ありげだった掛け時計も伏線。
モールが昔レコード製造所だったのは、序盤でスマイルが配信したダルマとともに映されていました。藤山さくらが「出っ歯」を長所にしてたのは、ラストでスマイルがマスクをはずすきっかけとして伏線回収されます。
藤山さくの楽曲「YAMAZAKURA/山桜」も「出っ歯」を連想させる言葉です。彼女は自分の「出っ歯」をコンプレックスではなく長所として考え「山桜」というタイトルで明るく歌ったのでしょう。
フジヤマじいちゃんがレコード探してる理由は、序盤からいろいろ予想してたんですが、全く予想外で意外性がありました。この事実を施設の地元民が誰も知らないのは違和感でしたが、「藤山さく」の知名度が低かったのでしょうね。
2人がすれ違った理由とは?
チェリーとスマイルは、ある事件がきっかけですれ違い始めます。その事件とは、スマイルが不注意でフジヤマのレコードを割ってしまった件です。その時のみんなの様子はあえて描かれませんが、かなり失望の雰囲気だっただろうと想像できます。
スマイルは夏祭りの花火大会にチェリーを誘うことで頭がいっぱいで、割る前からレコードを雑にあつかってました。その不穏な空気を感じさせた描写はホラーっぽくて見事です。割ったのは不注意だけど、擁護はしにくい状況ですよね。
すれ違いが生じたことで、チェリーはまたヘッドフォンをはめて「引っ越しで花火大会に行けない」とを言う機会も逃します。チェリーの母親が施設に最後の挨拶に来た時に、スマイルにも「引っ越し」がバレて2人の距離はますます離れます。
コンプレックスを克服?得意分野を活かせ
人前で話すのが苦手なチェリーは、得意の「俳句」で「やまざくら かくしたその葉 ぼくはすき」とスマイルに告白。「やまざくら」は「出っ歯」を連想させ「葉」は「歯」のことです。いろんな意味で気の利いた素晴らしい俳句です!
スマイルも、得意のライブ配信を使い「施設の夏祭りの曲『YAMAZAKURA』」を、引っ越して行くチェリーに聞かせます。ビーバーとタフボーイが仕込んだ?俳句を見たチェリーが車を降りて走るシーンは、青春映画の王道でアガりました。
チェリーはやぐらの上に登り、人前で数種の俳句を詠み「やまざくら かわいい笑顔 ぼくはすき」と、ついに本物の告白もします。「笑顔」=「(英語で)スマイル」ですからね。ここでチェリーはコンプレックスを克服します。
動画撮影してたスマイルもマスクをはずし、チェリーが好きという前歯の出っ歯を見せます。スマイルがコンプレックスを克服した瞬間です。若かりしフジヤマが、出っ歯のさくらを好きになりキスした回想シーンでは泣かされました。
チェリーの俳句で「サイダーのように言葉が湧き上がる」というのもありましたが、伝えたい言葉が次々とわいてくるチェリーはもはやコミュニケーション障害も克服。ちなみにチェリーが「サイダー」を飲むシーンもあり、父親の「ビール」も対照的。
ツッコむとすれば、チェリーが櫓(やぐら)で俳句を読むのは、現実なら「放送事故」で止められるでしょう。そもそも人前で俳句を読む必然性は感じません。普通はスマイルの場所を探すでしょうね。劇的にコンプレックス克服を描きたかったのでしょうけどやりすぎです。
映画『サイダーのように言葉が湧き上がる』私の感想と評価
思ったのとは違った内容だったけど、王道ボーイミーツガールでありながら、ストーリーじたいが俳句のように短くかなり練られた脚本で美しく感じました。コンプレックスを抱える男女が、得意分野を活かして成長する恋物語は感動的。
一方、冒頭のビーバーの犯罪行為や、それをとがめないジャパンに違和感があり、序盤は物語に集中できなくて残念でした。作画についても、クレしんやコナンほどではないが角ばりを感じたし、色使いもポップすぎて少し気になりました。
声優は専業の人は高い水準で満足でしたし、杉咲花や心配した市川染五郎も最高とはいわないけど問題ないレベルでした。ただのラブストーリーはあまり観ませんが、本作の計算されたような物語とテーマ性にはハマれたので肯定したい作品です!
他の映画はおすすめ映画ジャンル別も参考にしてください。
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