実写映画『約束のネバーランド』評価は?ネタバレ感想考察/ママとスパイの正体は?世界の真相は?
孤児院「グレイス=フィールドハウス」で楽しく暮らす子どもたちは、里親に引き取られる日を待ちわびています。しかしエマたちはそこが楽園ではないと気づき、脱獄計画をたてるのだが…。孤児院の目的は?脱出は成功?(ネタバレ感想あらすじ↓)
映画名/邦題 | 約束のネバーランド |
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日本公開日 | 2020/12/18 [予告] 上映時間:118分 |
監督・キャスト | 平川雄一朗[キャスト] |
映倫区分 | 日本:G(年齢制限なし) |
配給/製作 (画像出典) | 東宝/オフィスクレッシェンド |
日本興行収入 | 20.3億円 (年間15位) |
平均評価 平均:100換算 | (興収・評価: 2024.8.16更新) 61(私の評価は含まず) |
シリーズ 関連作品 | ジャンプ映画ドラマ一覧 |
キャラ・ランキング(キャスト/出演者)
個人的なキャラクターランキングです。
※キャラクター名(キャスト/出演者/声優)
- エマ(浜辺美波)高い運動神経と学習能力を持つ天才。誰一人見捨てない優しさの持ち主
- イザベラ/通称ママ(北川景子)子供を愛し愛される優しいママだが…
- シスター・クローネ(渡辺直美)本部から派遣された補佐役。パワフルで豪快だが目的は…
- ノーマン(板垣李光人)優れた分析力と冷静な判断力を備えた天才。常に笑顔のリーダー格
- 謎の男(松坂桃李)世界の秘密を知る男
- グランマ(三田佳子)ママたちを統率する者
- レイ(城桧吏)エマ、ノーマン同様の天才。クールで冷静沈着。読書好き
- ドン(山時聡真)グレイス=フィールドハウスの年長者の1人
- ギルダ(安藤美優)グレイス=フィールドハウスの年長者の1人
ネタバレ感想『約束のネバーランド』解説と評価
以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!
原作やアニメ・監督や浜辺美波らキャスト
原作は、白井カイウ(原作)、出水ぽすか(作画)による少年漫画です。集英社『週刊少年ジャンプ』で2016-2020年に連載。2020年10月時点で2500万部を突破。全12話のシーズン1がアニメ化され、続くシーズン2も2021年に放映予定です。
監督の平川雄一朗は、多くのテレビドラマ/映画の演出や監督をつとめた経験があり、最近の映画では『僕だけがいない街』『記憶屋 あなたを忘れない』等が記憶に新しいです。今回は原作を改変し、孤児の年齢を12歳から16歳に引き上げてます。
主演の浜辺美波は『君の膵臓をたべたい』『アルキメデスの大戦』『屍人荘の殺人』等、幅広い作品で活躍中の若手女優です。北川景子はモデル出身ですが『スマホを落としただけなのに』『ドクターデスの遺産』等で女優としても注目されてます。
ママの正体や孤児院の目的とは?予告でネタバレ?
孤児院グレイス=フィールドハウスでは、血のつながりない子どもたちが、母親代わりのママ(北川景子)のやさしさに包まれながら楽しい日々を過ごしてます。毎日の勉学もおこたらず、6歳から16歳の間に里親が決まって送り出されます。
もうすぐ16歳の年長者エマ(浜辺美波)、ノーマン、レイは学科テストで常に満点の天才達で、年少者の面倒も見てます。ある日、里親の所へ行くコニーがぬいぐるみを忘れたので、エマとノーマンが届けに行くが、死体のコニーを発見。
隠れたエマとノーマンは、異形の鬼に「食肉出荷」するママを見てしまいます。グレイス=フィールドハウス孤児院の目的は、鬼のための人肉飼育場だったのです。ママの正体は、人肉となる子どもたちの監視・管理人と判明。
逃げ帰った2人は翌日から脱出を計画。エマは全員連れて行くと言いはり、レイも加わって鬼ごっこ等で子ども達の体力や逃げ足をきたえ始めます。一方、真実を知ったエマらの監視係に、本部からシスタークローネ(渡辺直美)が派遣されます。
私はアニメ版を始めて観た時、孤児院やママの秘密を知って驚きました。あの驚きは一度しか味わえないので実写映画でもこのネタバレを推すと思ったのですが、公式HPや予告編では一切隠さずに前提として語られてたのが残念でした。
それでもCGで実写化された異形の鬼の姿は衝撃的。見どころ少ない本作の中で、最も見ごたえあるビジュアル。北川景子は優しいママとホラー顔をうまく使い分けてましたが、レイ役の城桧吏が滑舌わるすぎたのは残念。その分、浜辺美波のうまさは目立ってました。
シスタークローネの目的とは?その結末は?
容姿も不気味だが言動もサイコパスっぽいシスタークローネは、エマ、ノーマン、レイに近づき味方だとアピールします。しかしシスタークローネの目的は、ママの失態をあばいてその座を奪うことなので、子どもたちの味方ではありません。
エマらもシスターへの警戒はおこたらず情報だけ得ようとします。しかしシスターの方がうわてで、耳に埋め込まれた発信機の破壊方法を発見したことに気づかれます。エマらは破壊装置を隠すが、シスタークローネに見つかってしまいます。
しかしシスタークローネは本部命令により、別のハウスのママとして送り出されることに。でも実際は、ママを統率するグランマが待っていて、シスタークローネは異形の鬼に殺害されます。ママによる策略かもしれません。
シスタークローネを演じた渡辺直美は、1週前に公開の『新解釈三國志』でも貂蝉として登場してたので人気あるのでしょうか。説明セリフと雑な早回しは気になったけど、顔芸と不気味さは見事に演じてました。
ただ、グランマにより殺害された理由はよくわかりませんでした。ママにとって邪魔なのはわかるけど、本部に不利益にはならない気がするのですが。シスタークローネもママも孤児院出身で、子どもたち同様に本部から監視されているようです。
スパイの正体は?ノーマンがあきらめた理由は?
ノーマンは年長者ドン、ギルダを仲間にする時、ママとの密通者をあぶりだします。スパイの正体はレイでした。レイは年少時に既に孤児院の秘密に気づき、ママのスパイになるかわりに命は助けるという約束をしてたのです。
しかしレイは、エマとノーマンの命も守りたいため二重スパイとなります。そんな時ノーマンの出荷が急に決まり、エマらは逃がそうとするがノーマンは戻って来て自ら出荷されます。ノーマンは逃亡で警戒レベルを上げたくなかったのです。
ノーマンは人肉として出荷される時、謎の男(松坂桃李)との会話で、この世界には鬼と敵対する者や子どもたちを助けたい者がいることを知り安心します。一方、ママに足を折られたエマもレイも、逃亡をあきらめたように静かになります。
レイの演技や発声が不自然すぎて、スパイの正体はすぐ予想できます。16歳に設定を変更(原作は12歳)したので、エマの足を折ろうとするママには対抗できそうとも感じました。年長者5人なら勝てそうだけど、実際は監視員がいるのでしょう。
主役級のノーマンが殺害されるとは予想外だけど、さすがに犠牲者1人もなしに脱出できるのは甘すぎですかね。ノーマンなら策を考えると思ったけど、確かにここで逃亡が成功すれば、エマらの逃亡はほぼ無理になるから仕方ない結末です。
ママの子どもは誰?脱出は成功するのか?
レイはママに裏切られ、次に出荷されることに。気力を失ったエマは、ママことイザベラの推薦で別のハウスのママになることを提案されます。レイは出荷当日、自分で油をかぶって火をつけママを引きつけるすきにエマ達を逃がそうとします。
エマは出荷の可能性のある6歳を超える子どもたちを連れて壁を登ります。実はエマはあきらめたふりして、ドンとギルダに準備させていたのです。エマに連れてこられたレイも一緒に、監視された橋とは逆へ走り、子どもたちを崖ごえさせます。
最後のエマの前にママが追いつきます。ママことイザベラもかつてここから逃げようとしたがあきらめ、愛した男性の子を産んだそうです。イザベラは逃げるエマのロープを切ろうとするが、子どもたちへの愛は本当なのでそのまま逃します。
グランマと謎の男の前でイザベラは鬼のえじきとなります。ある日、イザベラは妊娠中に歌った歌を、胎内記憶の残るレイが口ずさんでるのを聞きます。ママは、死んだと思ってた我が子はレイだと気づきスパイにして助けようとしたようです。
脱出に成功したエマとレイ達は、崖の下に広がる本当の世界をながめます。謎の男が語った、鬼に反乱する人間や死んだかもしれないミネルヴァを探す旅が始まるのでしょう。子どもたちを連れたまま困難は続きそうですが続編が楽しみです。
あきらめたふりして、仲間に準備させてたエマの策略は見事。エマとレイに注意をひきつけて、ドンとギルダをノーマークにしたのが功を奏しましたね。ラストで、ママの子がレイと判明したのは驚きです。ママも一緒に脱出してほしかったです。
鬼や世界の真相とは?
ここに書くのは、映画内で語られる真相のみです。かつて鬼と人間が戦争を開始し、人間側が不利になった時点で共存するしくみが作られました。鬼が知性を保つには人間の脳を喰う必要があるので、人間側は食用児を育てる農園をつくります。
知能の高い脳ほど美味なので、独特の教育システムで賢い子を育成します。世界の秘密を知った子や、知能の低い子は年少のうちに「里親のもとへ」という名目で出荷されます。知能の高い人肉は、鬼の中でも支配層によって食されるようです。
食用児のための農園は「孤児院」として運営され、優秀な頭脳を出荷し続けるママは評価されます。ママやシスターも元孤児です。世界に孤児院は複数あり、ママを統率するのがグランマです。謎の男によると、抵抗する人間達もいるようです。
孤児院内の本を寄付したミネルヴァは既に死んだそうですが、そのスタンプにはモールス符号で世界や孤児院の秘密が隠されていました。「住める世界がないなら、自分たちで作ればいい!」と叫ぶエマ達の戦いのゆくえは気になります!
映画『約束のネバーランド』私の評価と感想と続編
週刊少年ジャンプでも人気漫画だった『約束のネバーランド』なので、ストーリーのできの良さは言うまでもないです。かなりダイジェスト感はあるけど、孤児院の雰囲気や鬼との遭遇、脱獄計画のハラハラ感などのバランスは保たれてます。
一方、子役の演技はかなりひどくてテレビドラマ水準だと感じました。特にレイはクールな切れ者には見えず、エマ役の浜辺美波との年齢ギャップも気になります。セリフもかみまくってるので、これでOKした監督達が一番わるいと思いますが。
原作に忠実な髪型や色にするための「かつら」感も気になりました。子役がひどかった分、浜辺美波のうまさや存在感はずば抜けてます。北川景子、渡辺直美もこれまでの作品と比べると格段によくて、もう他の女優は思いつかないほどです。
あまり期待してなかった「異形の鬼のCG」は予想以上によかったので、それだけで続編を期待してしまいます。ストーリーはとてもいいので、原作知らない人の方が楽しめたのではないでしょう。レイと子役しだいですが続編も観たいと思います!
私の評価 63/100(60が平均)
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