映画『新解釈 三國志』評価は?ネタバレ感想考察/赤壁の戦いに勝つ奇策とは?
1800年前の中国大陸は三国「魏・呉・蜀」が争う戦国時代。民のため立ち上がった蜀の劉備は孔明や武将とともに平和な世をめざし、魏の大軍との赤壁の戦いのため呉と組むのだが…。貂蝉の正体?天才軍師の正体は?(ネタバレ感想あらすじ↓)
映画名/邦題 | 新解釈・三國志 |
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日本公開日 | 2020/12/11 [予告] 上映時間:113分 |
監督・キャスト | 福田雄一[キャスト] |
映倫区分 | 日本:G(年齢制限なし) |
配給/製作 (画像出典) | 東宝/クレデウス |
日本興行収入 | 40.3億円(年間4位) |
平均評価 平均:100換算 | 55(私の評価は含まず) |
シリーズ 関連作品 | 実話/歴史/時代/西部/戦争映画一覧 |
キャラ・ランキング(キャスト/出演者)
個人的なキャラクターランキングです。
※キャラクター名(キャスト/出演者/声優)
- 黄夫人(橋本環奈)公明の妻。鬼嫁だが実は…
- 貂蝉(渡辺直美)絶世の美女?踊りも上手?
- 劉備(大泉洋)平和な世の中にするため、義兄弟と挙兵?した将軍
- 趙雲(岩田剛典)三国志で一番のイケメン武将。言動が鼻につく
- 周瑜(賀来賢人)呉国一の軍師。劉備軍との同盟には反対
- 呂布(城田優)三国志で一番の強豪武将。董卓に従っている
- 孔明(ムロツヨシ)劉備の軍師。三国志で一番の策士のはずだが…
- 曹操(小栗旬)魏を拡大し、幼帝を従える大勢力に
- 関羽(橋本さとし)劉備の義兄弟。武力も知力も高い
- 張飛(高橋努)劉備の義兄弟。おこりっぽいが強い
- 蘇我宗光(語り部)(西田敏行)現代の歴史研究家。新解釈・三國志を語る
- 孫権(岡田健史)呉の若き君主。素直
- 小喬(山本美月)周瑜の美女妻。曹操にねらわれてると聞き…
- 黄蓋(矢本悠馬)呉の老将
- 夏侯惇(阿部進之介)曹操の腹心武将
- 黄巾(山田孝之)黄巾の乱の首領。砦に立てこもる
- 董卓(佐藤二朗)幼帝を従えて、悪政のかぎりをつくす暴漢
ネタバレ感想『新解釈・三國志』解説と評価
以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!
原作は?監督やキャストについて
中国の後漢末期から三国時代(180年-280年頃)を記した歴史書『三国志』や、それを物語にした小説『三国志演義』が原作。しかし福田雄一監督による「新解釈」なので、史実とは違うコミカルなオリジナルストーリーが期待できそうです。
福田雄一監督は多くの映画やドラマを手がけてます。映画『銀魂』で注目をあび、『新解釈・三國志』と同年2020年には『今日から俺は!!』『ヲタクに恋は難しい』もヒットさせています。独特なコメディなので賛否は分かれます。
劉備役の大泉洋は福田監督作に初出演。『探偵はBARにいる』3部作、『アイアムアヒーロー』『こんな夜更けにバナナかよ』等で活躍してて、2021年に延期になった『騙し絵の牙』でも主演です。
孔明役のムロツヨシと小喬役の橋本環奈は、佐藤二朗とともに福田監督作の常連です。3人とも『銀魂』『今日から俺は!!』に出演。橋本環奈は『弱虫ペダル』『キングダム』でも活躍中。
他も豪華キャストで、からみ具合いが楽しみ。賀来賢人、山本美月、渡辺直美、岩田剛典、小栗旬、城田優、山田孝之、矢本悠馬、岡田健史、阿部進之介、高橋努、橋本さとしや、語り部の西田敏行など。
絶世の美女のラストは観る価値あり?選択エピソードは?
物語は、現代の語り部で歴史研究家の蘇我宗光(西田敏行)による新解釈として進行します。桃園の誓いでは、劉備と関羽と張飛が義兄弟のちぎりを結ぶが、劉備は「一緒の日に死にたくない」「戦争はきらい」とダダをこねるキャラと判明。
三兄弟は黄巾族を討伐して勢力を拡大。黄巾が山田孝之だけなのは、さすがに手抜きすぎ。劉備は、董卓討伐の連合軍を欠席。呂布の豪傑ぶりは、関羽と張飛の2人がかりでも倒せないほど。劉備は、鼻につくイケメン武将の趙雲が選んだ、絶世の美女・貂蝉(ちょうせん)を董卓に献上。
渡辺直美を美女役にして笑いをとりにくるのは知ってたので「押し付けあい」で争わせるのかと思ったら、「時代考証的にこの時代の美女」としたのは驚き。美女に見えてない三兄弟のセンスは現代風というかメタ的に映画の枠を超えてますね。
貂蝉でさらに驚いたのは「踊りが下手すぎる(わざと?)」ことよりもその正体。まさかのシークレット女優の広瀬すずが登場。『新解釈・三國志』で唯一観る価値あるかもなシーン(笑)
董卓と呂布が争った後、魏の曹操が勢力を拡大して劉備軍は南へ敗走。趙雲が劉備の子・阿斗(あと)を救出するエピソードはあったが、張飛の長坂橋の仁王立ちがなかったのは残念。三顧の礼の必要もなく、諸葛亮孔明が軍師になります。
赤壁以外の主なエピソードは以上です。小コントをつなげて長編にする福田雄一監督の手法は今回も健在。ただ、コントのキレは今まで以上に低レベルで笑えませんでした。笑ってる客も多数いたので、私が少数派かもしれませんが。
赤壁の戦いの勝因は?真の天才軍師の正体とは?
逃走した劉備軍は、テキトー孔明の浅知恵で呉の孫権と同盟を結び、長江に80万の大艦隊を展開する曹操軍を「赤壁の戦い」でむかえ撃つ準備をすすめます。呉の名軍師・周瑜(しゅうゆ。賀来賢人)は『今日から俺は』の三橋とほぼ同じキャラ。
孔明は、美女と名高い周瑜の妻・小喬(しょうきょう。山本美月)を曹操がねらってるとウソつき、周瑜に開戦を決意させます。山本美月が曹操の所へ行きたがってるのはウケたけど、賀来賢人の妄想1人芝居は長すぎ!
周瑜は「10万本の矢を用意せよ」と無茶ぶりするが、孔明は「3日間でできる」と安うけあいし、ついに真の天才軍師の正体が明らかに。孔明の妻・黄夫人(橋本環奈)こそが、テキトーな孔明に秘策を授けていた張本人だったのです。
見事に曹操軍が射た矢で10万本以上を集めた孔明だが、今度は冬には吹かない「東南の風」を約束してピンチに。しかし黄夫人の予言どおり風はふき火計は大成功。曹操軍の疫病を恐れて逃走した劉備が、酔った勢いで曹操軍に追い打ちをかけます。
「赤壁の戦い」の火計の成功は『三国志演義』では、黄蓋の苦肉の計、龐統による連環の計(船をくさりでつながせる)などのおかげですが『新解釈・三國志』ではそれらは省略。新解釈の勝因は「牛油」を敵陣にばらまき燃えやすくしたこと。
福田雄一監督が『新解釈・三國志』を制作したいと思ったきっかけのネタは、真の天才軍師の正体だったのではないでしょうか。橋本環奈は貫禄ある演技だったけど、佐藤二朗、ムロツヨシ同様に福田監督作に慣れすぎてるのは役者としては不安。
『新解釈・三國志』私の評価と感想
賛否の分かれる福田雄一監督作ですが、同年の『今日から俺は』等、一般層にはウケて邦画実写で最も興行収入を稼げる監督であるのは間違いありません。豪華キャストが次々に登場してコントするのも見どころの1つです。
一方、コントをつなぎあわせて長編にする手法は、1本の映画としては評価しづらいです。特に今回のように各コントが笑えない場合は、どんどん視聴者のテンションが落ちていき挽回するのが難しそうです。
『新解釈・三國志』の数少ない見どころは、貂蝉の正体、天才軍師孔明の正体、赤壁の戦いの新解釈な勝因くらいでしょうか。家でのんびり観るには適した映画と思うので、DVD/Bluray化や動画配信されたら観てもいいかもしれません。
私の評価 60/100(60が平均)
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