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映画『キングダム』評価は?ネタバレ感想考察あらすじ/続編は?夢に集う強者の秘策とは?長澤まさみの美技

映画キングダム

『キングダム』あらすじ概要

原作は原泰久の人気漫画。中国の春秋戦国時代、秦の漂と信は奴隷から抜け出すため剣の修業にはげむが、漂は王宮に召し上げられます。ある晩、王弟の謀反に巻き込まれ重傷の漂が信に地図をたくし…。漂と秦王の関係は?玉座に戻る作戦とは?(ネタバレあらすじ↓)

映画名/邦題 キングダム
日本興行収入57.3億円年間9位
平均評価★★★★★78私の評価↓は含まず)
シリーズ/関連キングダム実写映画 続編 >
日本公開日 2019/4/19 [予告↓]上映時間 134分
映倫区分日本 G(年齢制限なし)
映画監督佐藤信介 [キャスト↓]
配給/製作/画像©東宝、ソニー・ピクチャーズエンタテインメント/CREDEUS

『キングダム』予告動画

キャラ ランキング(キャスト/出演者/吹替声優)

個人的なキャラクターランキングです。
※キャラクター名(キャスト/出演者。日本語吹き替え声優)

  • 1位嬴政/えいせい(吉沢亮)秦国の王。母は踊り子だった。弟の成蟜の謀反により玉座を追われる
  • 2位楊端和/ようたんわ(長澤まさみ)山の民の王。仮面を取った素顔は美女。剣術に優れている
  • 3位(山﨑賢人)奴隷として売り飛ばされ、漂と出会い剣の修行をして一緒に大将軍をめざす
  • 4位河了貂/かりょうてん(橋本環奈)山の民の末裔。鳥のようなわらをかぶる少女
  • 5位王騎/おうき(大沢たかお)かつての秦の六大将軍の1人。政治には興味ないが何を考えてるか不気味
  • 6位(吉沢亮)奴隷として働きながら剣の修行をし大将軍をめざす。昌文君により王宮へ召し上げられる
  • 7位成蟜/せいきょう(本郷奏多)嬴政の義弟。王の血統を継ぐのは士族の子の自分だと主張
  • 昌文君/しょうぶんくん(髙嶋政宏)嬴政に仕える大臣。漂を宮中に召し上げたり策をめぐらす

『キングダム』ネタバレあらすじ

この先はネタバレありのあらすじです。続編前作や関連映画は、キングダム実写映画一覧もご参考に。

2022年7月14日公開の続編『キングダム2 遥かなる大地へ』もご参考に。

中国の春秋戦国時代、西の大国の秦の六大将軍の1人、王騎(大沢たかお)の勇姿をながめる奴隷商人の馬車から、幼い信も見ていました。信は売られた家の奴隷の漂と共に剣の修業にはげむが、ある日漂は王宮へ召し上げられます。

漂が守ろうとしたのは?運命の出会い?(ネタバレあらすじ)

信(山﨑賢人)は1人でも修行します。ある晩、瀕死の漂が戻ってきて信にある場所へ行くよう地図を渡して絶命します。信は盗賊や追手を倒し、漂が命をかけて守ろうとした秦王の嬴政(えいせい。吉沢亮)と山の隠れ家へ向かいます。

河了貂(かりょうてん。橋本環奈)という山の民の末裔の少女も同行します。隠れ家で昌文君(髙嶋政宏)の軍と合流すると、山の民の王の楊端和(ようたんわ。長澤まさみ)に会い同盟を願い出ます。楊は政の壮大な夢に同調して協力します。

少数軍で王座を取り戻す作戦とは?(ネタバレあらすじ)

王宮では王弟の成蟜(せいきょう。本郷奏多)が謀反で玉座を奪い、士族と軍の多くを掌握して政の首を狙ってます。山の民は軍に加わりたいと偽り、少数だが王宮内に入れてもらい反乱を起こします。政と楊端和たちは時間稼ぎで戦います。

信と河了貂と少数精鋭は隠れ通路から玉座の成蟜へ向かいます。待ち伏せ軍や巨人のランカイに苦戦するもたどり着くが、元将軍の左慈にかなわず…。政や楊端和たちも大軍を相手に体力をけずられ…。一方、王騎将軍も不穏な動きを見せ…。

ネタバレ感想『キングダム』解説や評価レビュー

この先はネタバレありの感想考察です。続編前作や関連映画は、キングダム実写映画一覧もご参考に。

私の評価 ★★★★★70/100(60が平均)[レビューサイト評価↑]

漫画実写映画化は原作ファンも満足できたか?

原泰久による原作漫画『キングダム』は現在(2019/4/20)時点で、単行本の発行部数が3800万部を超える大ヒット作です。私も数年前にハマり読み続けてて、今も連載中のマンガの中では最も好きです。最近はビジネス書にもなってますね。

『キングダム』はジャンル的には中国の歴史大河なので、ヒットしてもここまでの旋風を巻き起こすのはめずらしいです。その魅力は、個性的なキャラ、夢を語る台詞や問答、立身出世、ロジカルな戦闘、尊敬できる将軍達など盛りだくさんです。

そんな原作大ファンが見ての感想は「熱くなれて、わくわくできる良作!序盤のスピーディな展開ですぐ引き込まれました。各役者陣も最高パフォーマンスを発揮。終盤のアクションも邦画と思えないレベル。不満点は止まってしゃべりすぎ」

実写映画化を聞いた時の不安は吹き飛びました。もちろん言いたいことはあるので以下で書きますが、細部の減点法では語りたくないほど全体的には楽しめました。漫画実写化としてはちはやふるるろうに剣心と並んでほしいです。

映画キングダム

佐藤信介監督の過去作と悪いクセ?

佐藤信介監督はこれまでも『GANTZ』『図書館戦争』『アイアムアヒーロー』『デスノート Light up the NEW world』等の漫画やラノベ原作を実写映画化してきた実績があります。

興行収入はGANTZをピークに下がってますが、20億円くらいは取れる実写化監督として評価されたのでしょう。しかし昨年公開の『いぬやしき』『BLEACH』はいずれも10億円に達せず、内容的にも人にすすめたくなる水準ではありませんでした。

アクション映画を多く手がけてて戦闘演出はうまいなと思うのですが、肝心な場面で戦闘を中断したり倒れたままで会話させたりしてスピード感・緊張感を損なうのがもったいないです。『キングダム』も序盤や終盤でこの悪いクセが出てます。

主役の山﨑賢人と主な出演者たち

山﨑賢人はラノベ・漫画実写化には欠かせない存在で、最近でも『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』『四月は君の嘘』『斉木楠雄のΨ難』『氷菓』などで主役をつとめてますが、大当たりはない印象です。

個人的には『キングダム』の信は、山﨑賢人の代表作になると思います。今までいろんなタイプの漫画キャラを演じてきた経験が発揮されていました。ただ残念なのは「顔が整いすぎててやさしすぎる」のでハングリー精神を一切感じません。

吉沢亮は奴隷の漂と秦王の嬴政の二役を演じきっています。眼力と滑舌の良さと声量は、イケメン俳優から少し抜け出したと感じさせられました。終盤はもう秦王にしか見えないです。橋本環奈は漫画ぽい河了貂をかわいく演じています。

山の王の楊端和も難しい役ですが、長澤まさみが見事なクールさで演じました。戦闘シーンでもスピーディでアクロバティックな見せ場がいくつもありかっこよすぎです。王騎大将軍を演じた大沢たかおも、出番少ないけど存在感はさすがです。

最大のテーマは「夢を語ること」?

原作『キングダム』でも同じですが、最大のテーマは「夢を語ること」です。「夢」がテーマではなく「語ること」が大切なのです。「心に秘めて実現に向かう『夢』」を描く物語も多いけど『キングダム』のテーマは「夢を語ること」です!

大声で「夢を語ること」で周囲にも伝搬・感染していき、やがて聞いた人々も各自の「夢を語りだします」。本作で一番最初に語ったのは「漂」です。「剣で奴隷から抜け出し、天下の大将軍になる!」という漂の夢を聞いた信に継承されました。

そんな信の馬鹿正直ぶりに影響を受け、ついに秦王の嬴政も「夢を語り」だします。楊端和に「国境をなくす!」と宣言し、王騎大将軍に「中華統一して唯一王になる!」と回答し、2人の強者の心を動かす場面は下記の見せ場と並ぶ名シーンです。

ただ、何度も同じ夢を同じ言葉で聞かされたり、アクション中に「立ち止まって、うだうだ夢を語り、その間は敵も攻撃をやめてくれる」展開が繰り返されると飽きあきしてくるし残念なので続編では改善してほしいですね。

見せ場は「漂との別れ」「楊端和との会見」「最終決戦」

原作でも冒頭の名場面である「信と漂の2回の別れ」は映画でもていねいに描かれていて涙しました。そして政と信との出会いと初めての共闘、河了貂との出会いから昌文君の軍との合流まで、原作どおりだけど無理なくスピーディです。

そして山の民に捕らわれ命をかけた会見シーンからの、楊端和が仮面をはずして(長澤まさみの)美顔をさらすシーンまでのくだりは緊張感も持続できてるし、動きは少ないけど本作では屈指の名シーンだと感じます。

山の民を引き連れて王宮での最終決戦が始まると、早々に弓矢で全滅の危機にあいます。「弓対策として盾を用意してないの?」と思いきや、射られた偽装を使って敵軍をハサミ打ちにして戦闘を優位に始めます。

最終決戦では、吉沢亮の政、長澤まさみの楊端和、髙嶋政宏の昌文君が剣での見せ場を演じ、隠し通路では山﨑賢人の信、満島真之介の壁などが死闘を繰り広げます。特に長澤まさみの回転旋風剣はやりすぎ感あるけど大興奮でした!

アクション映画として世界に通用するか?

結論からいうと『キングダム』のアクションや戦闘シーンでは世界に見せるのが恥ずかしいです。佐藤信介監督は、戦闘の演出は素晴らしいのですが、戦闘中にグダグダしゃべりすぎで、スピード感・緊張感をいちいちリセットするのが悪いクセ

アイアムアヒーロー』の頃から指摘されてたと思うけど『BLEACH』ではさらに助長してたし『キングダム』でも全く改善されてないので、反省するどころか「監督ポリシー」としてつらぬきとおすつもりなのでしょうか。

しかし洋画の世界ヒット作、例えばマーベルMCUシリーズジュラシックパークシリーズ等を観るとアクションの動きを止めずに会話をはさむ手法が見事です。予算の都合があるならせめてもっと上手くごまかしてほしいです。

特に政が信と出会い、敵にふっ飛ばされて起き上がれず、信が敵を倒した瞬間、政も立ち上がってとどめを刺し「急ぐぞ!」と言ったシーンには興ざめでした。そんなに元気ならすぐ立ち上がりなよ!同様のシーンは終盤も何度も繰り返されます。

洋画やアメコミ映画にもそういうシーンはあるけど、邦画実写ほどは多用されません。日本漫画じたいに「倒れたまま会話する」というエモ演出が定石化してるのはわかるけど、映像で見せる時はアクションを止めない配慮を重視してほしいです。

あと、戦闘シーンがわかりづらいです。役者の殺陣(たて)の未熟さをごまかすために、格闘中もアップに寄りがちですが、それだと敵や剣の動きが見づらくなり、結果的にどうやって倒したのかわかりません。カメラと敵の配置も重要です。

レーティング(全年齢で見れるよう)を配慮して、斬る瞬間や血しぶきなどの残酷描写を回避する意図もありそうですが、それにしても見せ方が下手です。特に暗い通路でのランカイとの戦闘シーンは、誰がどうなってるのか分かりづらいです。

実写版『キングダム』総括と続編について!

邦画実写大作は不作つづきで、特に漫画原作の実写化は成功率も低いので、観客も期待しなくなっています。その結果「余命系ラブストーリー」「東野圭吾系ヒューマン涙ドラマ」「叫ぶ系の誇大広告映画(中身は小粒)」が量産されています。

この現状がつづくと、大作実写映画を作るノウハウじたいがなくなり、世界に誇れる邦画はアニメだけになる可能性すらあります。「得意なアニメ」に絞り込み徹底的に追求して、世界でMCUに勝つ!というのも悪くないですが。

しかしやはり日本の役者が世界で活躍する姿も見たいので、大作実写邦画も作られ続けてほしいです。『キングダム』はそんな現状を打破できる最後のビッグコンテンツの1つなので、続編も含めて中華統一までのシリーズ化を希望します!

MCUも初期の作品はかなり見づらいけど、反省点をふまえ改善が進み、現在の結果に結びついています。『キングダム』も今回の作品では至らなかった点は次作で改善すれば、シリーズとしては成長していけるし指示する人も増えていきます。

キングダム続編は「信の立身出世と王騎大将軍編」になるだろうけど、実写邦画からノウハウが枯渇しかけてる「大戦シーン」の見せ方が鍵になります。個人的にはキングダムで一番好きな王騎の活躍を余すところなく見たいので応援します!(2020年4月時点で四部作構想だそうです)。

続編前作や関連映画は、キングダム実写映画一覧もご参考に。

『キングダム』シリーズ順番・映画ランキングや映画賞

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