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映画『ボーダーライン』考察ネタバレ感想/ラスト結末は?謎の男の正体と目的は?

ボーダーライン 映画/ドラマ

国防総省の部隊に勧誘された元FBIのケイトは、謎のコロンビア人が主導する作戦に参加するが麻薬カルテルの捜査は想像以上に過酷で混乱のうちに…(ネタバレ感想あらすじ↓)

映画名/邦題ボーダーライン
日本公開日2016/4/9 [予告] 上映時間:121分
製作国アメリカ
原題/英題Sicario
監督・キャストドゥニ・ヴィルヌーヴ
キャスト
出演者
エミリー・ブラント、ベニチオ・デル・トロ、ジョシュ・ブローリン、ビクター・ガーバー、ジョン・バーンサル
映倫区分日本:R15+(15歳以上) USA:R
配給/製作
(画像出典)
KADOKAWA、ライオンズゲート(USA)/ブラック・ラベル・メディア、サンダー・ロード・ピクチャーズ
日本興行収入1.2億円(興行収入ランキング
世界興行収入0.8億USドル [出典]
製作費0.3億USドル
平均評価
平均:100換算
*批評家と一般は単純平均
(興収・評価: 2024.8.26更新)
77私の評価は含まず)
シリーズ
関連作品
ミステリ/サスペンス映画一覧
続編『ボーダーライン ソルジャーズ・デイ』1

ネタバレ感想『ボーダーライン』解説と評価

以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!

監督と脚本家と続編について

『プリズナーズ』『メッセージ』など先を予想させないドゥニ・ヴィルヌーブ監督と、『最後の追跡』『ウィンド・リバー』など濃密な脚本家テイラー・シェリダンが中心となり製作された、麻薬カルテルを扱うクライム・サスペンスです。

注目されているドゥニ・ヴィルヌーブ監督作ということで、大ヒットではないけど一定の評価は得たようです。続編『ボーダーライン ソルジャーズ・デイ』の2018年公開も決定し、脚本家テイラー・シェリダンは続投、監督は変わるようですが楽しみです。

ボーダーラインの原題Sicario(暗殺者)とは?

『ボーダーライン』はアメリカとメキシコの国境だけでなく、合法と違法の境界、人間と非人道の境界などを表す素晴らしい邦題ですが、原題『Sicario(暗殺者。シカリオ)』の方が、最初観た時の違和感や置いてけぼり感はなかったと思います。

主人公は誰?エミリーブラントではない?

最初から大量の死体が見つかったり、爆発で死傷者が出たりと不穏な雰囲気が続きますが、一番不可解だったのは主人公が最初から最後まで蚊帳の外で、おとりにされたり味方に「邪魔するな」と撃たれたりして、全く活躍できないまま映画が終わることです。

でも主人公はケイト(エミリー・ブラント)でいいと思います。ただ、ケイトの物語ではなく、ケイトの目線はあくまでも観客である私達と同じなのです。何も説明されないままメキシコの麻薬カルテルに乗りこみ、プロの行動を黙って見てるだけでいいのです。

しかし密輸トンネルでボーダーを超えた時点で、それまで主人公だったケイトは撃たれて退場となり、撃ったアレハンドロ(ベニチオ・デル・トロ)が主人公となります。アレハンドロが麻薬王ファウスト・アラルコンとその家族を殺害するまでが映されます。

ボーダーライン 映画/ドラマ

ケイト(エミリー・ブラント)の真の役割とは?

ケイトは、捜査中に悲惨な誘拐被害者たちを見たため、その首謀者を逮捕したいという「正義」の気持ちで作戦に志願しました。しかしマットの思惑は「CIAはアメリカ国内での捜査活動ができないため、FBIに同行してもらいその権限を利用」することでした。

ケイトの同僚のレジーは法律の知識があるため、そのことにすぐ気づく可能性があるので同行させませんでした。もっと無能で従順なFBI捜査官を選べばいいのではないかと思いましたが、そういう人の方が口止めは難しいからインテリを選ぶのでしょうか。

ちなみに、ケイトは良い関係になりかけたテッドが汚職警官だと気づき首を締められそうな時にアレハンドロに助けられ、おとりにされたと知りますが、これは作戦ではなく状況を利用されただけだと感じます。

ケイトが銀行に入り防犯カメラに顔を映された時、おそらく汚職警官に顔を知られたのだと思います。そしてテッドはケイトを締め上げて作戦を聞こうとしたのでしょう。ディアスの金を束ねたゴムバンドが伏線になってたのは、わかりづらいけど見事です。

マット、アレハンドロの正体と目的とは?

マット(ジョシュ・ブローリン)は最初にケイトの前にサンダル姿で現れた時は「国防総省の顧問」と名乗りますが実は「CIAエージェント」です。メキシコ「ソノラカルテル」を、米政府が制御しやすいコロンビア麻薬カルテルに支配させるのが目的です。

アレハンドロ(ベニチオ・デル・トロ)は、メキシコの元検事だと名乗りますがその真偽は不明です。その正体はコロンビアの麻薬カルテル「メデジン」に雇われた傭兵・暗殺者です。妻と娘を殺害させたメキシコ「ソノラカルテル」麻薬王への復讐が目的です。

映画『ボーダーライン』複雑ストーリーを整理

かなり詰め込まれたストーリーなので、次々にミッションを達成していきますが、ケイト(エミリー・ブラント)と視聴者には何が進行してるのかがさっぱり明かされません。大きな流れは下のとおりです。ケイトが関わる部分だけは細分化しています。

ケイト達FBIがアメリカ国内で発見した大量の死体は、メキシコ麻薬カルテルが報復や隠蔽のために隠したものです。そこで目をつけられたケイトはマットらに勧誘され作戦に志願しますが、事前説明とは違ってメキシコのフアレスへ装甲車の列で入ります。

FBIはアメリカ国外では捜査権限を持てないのでケイトの存在は無意味です。「フアレス・カルテル」(ソノラカルテル)のアメリカ側ボスのディアスの兄弟ギレルモを、メキシコからアメリカへ移送してディアスの居場所を拷問で聞き出すのが目的です。

ディアスがいるであろうノガレスのトンネルの正確な位置を、アレハンドロとマットは不法入国者から聞き出します。同時にディアスの米国内の銀行口座を凍結し、ケイトの失態をおとりとして使って汚職警官の情報を入手し、密輸トンネルを襲撃します。

フアレス・カルテルのトンネル襲撃は、アレハンドロをメキシコへ送るための偽装作戦で、ケイトは気づいて追うがアレハンドロに防弾チョッキごと撃たれて米国内へもどされます。アレハンドロは1人で麻薬王ファウスト・アラルコンと家族の暗殺に成功します。

何度かメキシコ警察官シルヴィオとその妻や息子の家族風景が映し出されます。結局シルヴィオはアレハンドロに利用された末に射殺されます。家族描写の意図は、汚職警官も悪人ではなく生活のために仕方なくカルテルに従う一市民だと見せるためでしょう。

『ボーダーライン』は実話なのか?

メキシコ麻薬戦争やカルテルの残酷さをあつかった映画は数多くあります。『悪の法則』やドキュメンタリー映画『カルテル・ランド』も話題になりましたが、実態は『ボーダーライン』よりもっとひどそうです。

カルテルは麻薬を売買して資金稼ぎして装備を整え、軍隊のように強大になり、メキシコ政府や警察も手をおえなくなってるとも聞きます。本作のようにボス宅へ1人で侵入して暗殺するなんてのは、映画だけの夢物語だと思います。

トランプ大統領が「メキシコ国境にメキシコの税金で壁を作る!」と言った時にはその差別発言に驚きましたが、本作のような映画を見ると、壁はともかく簡単に行き来できるようにすると国内の治安が心配なので周囲に住む人は支持するかもしれません。

最近世界各国でマリファナなど常習性の低いドラッグの一部が解禁されていってますが、この流れはマフィアやカルテルの資金稼ぎを縮小するためでもあるようです。「法律で禁止するから、カルテルが高くで売って儲けられる」のだそうです。

私はアメリカ周遊旅行中に国境の町エルパソへも行ったことがありますが、物価は安くて旅行者も多いし夜歩いても危険を感じることは全くなかったです。しかし今後行く人は、常に警戒心は怠らず行動した方がよさそうです。

私の評価 72/100(60が平均)

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