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ピクサー映画『リメンバーミー』考察ネタバレ感想/タイトル意味?先祖の真相は?本当の死とは?

リメンバー・ミー 映画/ドラマ

ピクサー映画。ココひいばあちゃんの父親のせいで、メキシコの少年ミゲルは好きな音楽を家族に禁止されます。ミゲルはあこがれの音楽家デラクルスがその父だと知り、死者の国で探すのだが…。ココの父はどんな人?写真が重要?(ネタバレ感想あらすじ↓)

映画名/邦題リメンバー・ミー
日本公開日2018/3/16 [予告] 上映時間:105分
製作国アメリカ
原題/英題Coco
監督・キャストリー・アンクリッチ(キャスト
映倫区分日本:G(年齢制限なし) USA:PG
配給/製作
(画像出典)
Walt Disney Studios Motion Pictures/Walt Disney Pictures、Pixar Animation Studios
日本興行収入50.0億円 年間8位
世界興行収入8.1億USドル [出典]
製作費1.8億USドル
平均評価
平均:100換算
*批評家と一般は単純平均
(興収・評価: 2024.8.20更新)
84私の評価は含まず)
シリーズ
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登場キャラクター(キャスト/出演者)

ネタバレ感想『リメンバー・ミー』解説と評価

以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!

監督や音楽担当やキャスト声優について

『リメンバー・ミー』は、ピクサーのアニメ映画ではめずらしく(初めて?)ミュージカル要素がある映画です。ただし歌でいきなり踊り出すタイプではなく、音楽コンテストのような楽曲シーンが中心となっています。

監督のリー・アンクリッチは、名作『トイストーリー3』を監督する前も、数々のピクサー製作アニメ映画の編集・共同監督などを務めてきたベテランです。

音楽は『アナと雪の女王』の「レット・イット・ゴー ありのままで」を手がけた、クリステン・アンダーソン=ロペス&ロバート・ロペスが担当し、今回も高評価されてアカデミー賞なども受賞してます(受賞歴↑)

『リメンバー・ミー』の原語オリジナル版の声優たちは、あまり日本では知られてないようです。日本語吹き替え版では、タレントが多く採用されてますが違和感はなかったし、歌も素晴らしいです。ただ、歌は原語版の方が好みです。

主人公ミゲルの吹き替え声優は石橋陽彩、ヘクター役は藤木直人、ママ・イメルダ役は松雪泰子が演じていて、ゲスト出演としてフリーダ・カーロの声を渡辺直美がつとめています。

死者の国の音楽コンテストで、ミゲルを評価してくれたグループ「ロス・チャチャラコス」の声や歌「リメンバーミー」は、シシド・カフカと東京スカパラダイスオーケストラのタッグによるものです。

『リメンバー・ミー』邦題の賛否は?

本作の原題は『Coco』です。ミゲルのひいおばあちゃん「ココ」がそのままタイトルになっています。邦題(日本語タイトル)の『リメンバー・ミー』は、本作の人気ミュージシャンのエルネスト・デラクルスの代表曲(真相は下にて)です。

「リメンバーミー」は、ミゲルの好きな曲のタイトルでもありますが「人々に忘れ去られた時が最後の死」というテーマとも一致してるので、原題よりもいいと思います。原題『Coco』には、ココが重要というネタバレ要素も含みますし。

メキシコの「死者の日の祭り」とは?

中南米ラテンアメリカ諸国で、毎年11月1、2日の死者の日(メキシコ語でディア・デ・ロス・ムエルトス。Dia de Muertos)に行われる祭りです。特にメキシコでの祭日は最大規模で、私もオアハカの祭りを楽しんだことがあります。

メキシコでは、祖先のガイコツを飾る風習や、旧文明アステカ族の冥府女神ミクトランシワトルに捧げる祝祭や、スペイン人侵略後のカトリック諸聖人の日の祭りや、ハロウィーンの習慣などが合わさって発展しました。

メキシコの死者の日には、日本のお盆と似た習慣で、死んだ先祖の写真や好物(オフレンダ)や関連品を祭壇(アルタール)に飾ると、死者が霊として会いに来てくれるという風習が残っています。

リメンバー・ミー 映画/ドラマ

ミゲルの家族構成は?音楽禁止は誰のせい?

冒頭で、ミゲルのリヴェラ家の先祖について説明がありますが、ミゲルの大家族構成について少し混乱する人もいるでしょうから一覧にしてみました。家族の「音楽禁止の掟」は、ヘクターが音楽家をめざして家族を捨てて出ていってからです。

赤字の人物だけ覚えてれば問題ありません。祖母などの表記は全て「ミゲルからの続柄」です。「死者」表記がなければ「生者」です。ミゲルの妹はラストシーンで誕生してますが、名前の「ソコロ」はココの本名からもらっています。

ミゲルのリヴェラ家の人々

ミゲルと犬が死者の国へ迷いこんだ理由は?

ミゲルは、あこがれのミュージシャンのエルネスト・デラクルスが「ココの父親つまりミゲルのひいひいじいちゃん」だと思いこみます。デラクルスの「夢は実現する」の映像を見て、マリアッチ広場の音楽コンテストに参加しようと決めます。

しかし家族の「音楽禁止のおきて」をやぶろうとし、祭壇を侮辱したミゲルは、怒ったエレナばあさんにギターを破壊されます。コンサートに参加したいミゲルは、デラクルスが葬られてる霊廟に忍びこみ、飾られてるギターを手にし弾きます。

死者の国の人が言ってましたが、ミゲルが死者の国へ迷いこんだ理由は、死者の物つまり「エルネスト・デラクルスのギター」を盗んだからです。犬のダンテが死者の国へ行った理由は、ミゲルが投げたお墓のお供え物の肉を食べたからです。

ちょうど「死者の日」だったことや、死者と生者の国の架け橋になる「マリーゴールドの花びら」が敷かれてたことも関係してそうです。ちなみに家族の物(ヘクターのギター)や写真を持ち去るのは問題ないようです。

死者の国から生者の国へ行く方法とは?

ミゲルは、ママ・イメルダの祭壇の写真を持参してしまいました。祭壇に写真が飾られていない、イメルダひいひいばあちゃんは死者の日なのに生者の国の子孫たちに会いに行けません。それ以前の先祖が無視されてるのはツッコミどころですが。

死者が「死者の日限定」で生者の国へ行く方法は、祭壇に写真が飾られていることが条件です。迷いこんだ生者が生者の国へ戻る方法は、死者の家族の誰かにマリーゴールドの花びらを持って祝福されることが条件です。

ただし日の出前に生者の国へ戻らないと、体は完全にガイコツ化して本当に死者の国の住人となってしまいます。

死者の家族は「生者の国へ戻る条件」を付けることができます。ママ・イメルダは孫のミゲルに「二度と音楽しない」の条件をつけて祝福したが、ミゲルはすぐにデラクルスのギターを弾いてしまい、また死者の国へ戻ってきます。

ヘクターの正体は?死の真相とは?

死者の国の家族から逃げたミゲルは「デラクルスと知り合い」だと言うヘクターと出会い、デラクルスの所へ連れてってくれるよう頼みます。そしてデラクルスのパーティーへ参加するため、音楽コンテストに出場し優勝をねらいます。

ギターを手に入れるため、2人はヘクターの友人のチチャロンを訪ねます。ヘクターは「あこがれのファニータ」を弾いて、二度目の最後の死をむかえるチチャロンが消える前に「グラシアス」と感謝されます。

ミゲルは音楽コンテストの「ウン・ポコ・ロコ」で人々の注目を集めたが、ママ・イメルダやアレブリヘ「ペピータ」に追われて優勝をのがします。しかし評価してくれたグループ「ロス・チャチャラコス」の協力でパーティーに忍びこめます。

遅れてフリーダ・カーロに変装して侵入したヘクターは、デラクルスが楽曲「リメンバー・ミー」を独占したことを追及します。そして「チョリソーでの食中毒死」だと思ってたヘクターは、デラクルスに毒殺されたことを知ります。

真実を知ったミゲルとヘクターは、地下洞窟セノーテ(地底湖)へ落とされるが、そこでミゲルはヘクターの正体がココの父親、つまりミゲルのひいひいじいさんだと気づきます。デラクルスは先祖ではなく、ヘクター殺しの犯人だったのです。

ヘクターが孫の孫のミゲルの顔を見ても、子孫と認識できないのは不思議です。しかしヘクターは一度も祭壇に写真を飾られてなければ、死者の日にミゲルを見たもことないだろうから納得はできますね。

ただ、ヘクターが今までデラクルスにもママ・イメルダにもその他の家族にも、死者の国で会って話をしてないという設定には無理があると思います。

デラクルスの結末は?

有名ミュージシャンでミゲルのあこがれだったエルネスト・デラクルスは、死者の日のコンサート会場で真実を暴露し、ミゲルを突き落とした光景をカメラ中継されます。

観客に非難されたデラクルスは、アレブリヘのペピータに飛ばされて、最初に死んだ時と同じように鐘の下敷きになります。この状態は「最後の死」ではないけど、もう身動きできないのでしょう。

最後の死とは?ヘクターも消滅するのか?

映画『リメンバーミー』では、死ぬと「死者の国」へ行きます。さらに「生者の国」で、覚えていてくれる人、記憶してくれてる家族も誰もいなくなった時「二度目の死」をむかえて消滅し、それが「最後の死」となります。

ヘクターの友人チチャロンも「二度目の死」で消滅しました。ヘクターも消滅しそうです。ヘクターを記憶してくれてる唯一の家族「実娘のココ」が、高齢か認知症か寿命のせいで忘れかけてるためです。

消えかけてるヘクターはミゲルを「生者の国」へ帰します。ミゲルが、ココひいばあちゃんに「リメンバーミー」を歌って聞かせると、ココは幼少期に父ヘクターが歌ってくれた曲を思い出して涙し、引き出しを開けて父の顔写真を取り出します。

ココが思い出したことにより、死者の国のヘクターも消滅せずにすみます。やがてココばあさんも亡くなると、死者の国でママ・イメルダとパパ・ヘクターと共に、死者の日にはマリーゴールドの橋を渡って生者の国の家族に会いに行きます。

祭壇にはヘクターとココの写真も供えられてるので、ずっと家族の記憶に残って消滅せずにすみそうです。死者の国のココが父ヘクターより年寄りなのは違和感あるけど、死んだ時の年齢を反映した姿になるからでしょうね。

アレブリヘとは?フリーダカーロって誰?

映画『リメンバー・ミー』には、カラフルで独特なアレブリヘの動物たちが登場します。ママ・イメルダのペピータは、ジャガーの顔と体にワシの翼やトカゲの尻尾があるアレブリヘです。犬のダンテも後半アレブリヘ化して翼が生えました。

アレブリヘとは、メキシコの木彫りの伝統工芸品で、独特な色づかいの動物や怪物であることが多いです。本作では、工芸品ではなく、カラフルな珍獣のことをアレブリヘと呼んでいます。

フリーダ・カーロは、世界的に有名なメキシコを代表する女性画家です。日本では知られていませんが、メキシコの博物館や美術館へ行くと彼女から影響を受けた作品を多く見れます。本作のフリーダ・カーロのアレブリヘはカラフルな緑の猿です。

隠れキャラ発見!ニモ・トイストーリー等

映画『リメンバー・ミー』には、ディズニー・ピクサーに関連する隠れキャラ・トリビアがいくつか登場します。ミゲルが犬のダンテと町を走ってる時に『トイストーリー』のウッディやバズが吊るされてるのが見えます。

町中の露店のおもちゃ屋には『ファインディングニモ』のニモやドリーっぽい人形が一瞬だけ映ります。ミゲルの家の祭壇の右側のガイコツの横には、ニモらしきおもちゃが飾られています。

映画『リメンバー・ミー』私の評価と総括

本作はメキシコの「死者の日」という日本の「お盆」に似た祭りを体験させてくれ、カラフルで独特な世界観を、ノリのいいラテンミュージカル風の音楽とともに見せてくれます。「歌は人をつなぎ幸せにする」ことに気づかせてくれます。

また「先祖を敬い感謝を忘れないこと」「自分も忘れられないように、夢を実現させよう」というメッセージ性も感じます。デラクルスやヘクターの正体は予想どおりで意外性はなかったけど、ココの記憶との関係性はせつなくて涙しました。

ミゲルの家族が多すぎるわりに、キャラが生かされてない点は残念でしたし、ママ・イメルダとヘクターの交流ももう少し深く描いてほしかったです。それでもカラフルな死者の国、幻想的なろうそくの死者の日を体感しながら、先祖について考えたくなるピクサーの外国を舞台にした意欲作です!

私の評価 67/100(60が平均)

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