『トイストーリー3』考察ネタバレ感想/ラスト結末は?おもちゃの幸せとは?涙腺崩壊の終活
ディズニーのピクサー映画。アカデミー賞受賞作。アンディが大学寮へ引っ越すことになり、片付け中のおもちゃが手違いで保育園に寄付されます。唯一残されたウッディは仲間を助けに行くが…(ネタバレ感想あらすじ↓)
映画名/邦題 | トイ・ストーリー3 |
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日本公開日 | 2010/7/10 [予告] 上映時間:103分 |
製作国 | アメリカ |
原題/英題 | Toy Story 3 |
監督・キャスト | リー・アンクリッチ(キャスト) |
映倫区分 | 日本:G(年齢制限なし) USA:G |
配給/製作 (画像出典) | Walt Disney Studios Motion Pictures/Pixar Animation Studios |
日本興行収入 | 108.0億円 年間2位 / 歴代41位 |
世界興行収入 | 10.6億USドル [出典] (歴代42位) |
製作費 | 2.0億USドル |
平均評価 平均:100換算 *批評家と一般は単純平均 | (興収・評価: 2024.8.31更新) 86(私の評価は含まず) |
シリーズ 関連作品 | ピクサー映画一覧 前作『トイ・ストーリー2』34.5億 続編『トイ・ストーリー4』100.9億 |
登場キャラクター(キャスト/出演者)
- ウッディ(トム・ハンクス。日本語吹き替え声優:唐沢寿明)仲間思いのカウボーイ人形。アンディの最もお気に入りのおもちゃ
- バズ・ライトイヤー(ティム・アレン。所ジョージ)スペースレンジャー人形でウッディの親友。ボタン押すと「無限の彼方へ」と発声
- ジェシー(ジョーン・キューザック。日下由美)カウガール人形。ウッディの妹的キャラ。バズに好かれている
- ロッツォ・ハグベア(ネッド・ビーティ。勝部演之)ピンク熊のぬいぐるみ。以前の持ち主少女デイジーにかわいがられてたが…
- アンディ・デイビス 17歳(ジョン・モリス。小野賢章)ウッディ達おもちゃの持ち主。成長して大学寮に入るため、おもちゃを整理中
- ボニー(エミリー・ハーン。諸星すみれ)ウッディを拾って、遊んでくれた少女
ネタバレ感想『トイ・ストーリー3』解説と評価
以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!
ピクサー映画の本気!前作を観る必要ある?
ピクサー製作のアニメ映画を世界に知らしめ、最も高評価なシリーズの3作目です。アンディに遊んでもらった記憶を冒頭の思い出映像で見せてくれるので、過去作みてなくても問題なく楽しめます。
ただ、もし時間があるなら1、2作目も観ることをおすすめしますよ。アンディとおもちゃの関係性だけでなく、おもちゃキャラクター達の志向や関係もよく理解出来るし、何よりも他のテーマが描かれている良作ですので!
テーマは「おもちゃの幸せや終活とは?」
ピクサー映画はテーマがわかりやすいのが多いです。『トイストーリー3』のテーマは「おもちゃの幸せとは?」「おもちゃの終活」などと感じました。
おもちゃは「最初から成熟・完成されてて成長しないどころか古くなるだけ」です。一方の子どもは「成長し続け、やがておもちゃは不要と」なります。そんな人間の子どもとおもちゃが「一緒に遊べる時間は短くて奇跡のよう」なのです。
おもちゃにとっての幸せとは「人間の子どもに楽しく遊んでもらうこと」なので「子どもが成長するのに比例して皮肉にも、おもちゃは不幸に近づく」のです。こんな闇の法則を、暗い物語にしないピクサーはさすがです。
「おもちゃの将来や死」というダークサイドな結末にはせず、おもちゃの終活の1つの着地点として「おもちゃで遊んでくれる子どもに譲られること」を見せてくれます。ちなみに燃やされそうになったのも、終活の1つです。
1つ疑問に思ったのは「おもちゃは年少組の子どもに乱暴に遊ばれた場合、つらいの?」ということです。遊んでくれる人がおらず忘れさられるよりは、乱暴にでも遊ばれる方がうれしいのでは?という気もしたのですが本作では辛そうですね。
ヴィランへの罰が重すぎるのでは?
ヴィラン(敵)としてのピンク熊のぬいぐるみロッツォや、巨大赤ちゃん人形ビッグベイビーは、表の顔と裏の顔の二面性が対称的でホラーのように描かれています。でも彼らも人間に置き去りにされた犠牲者なので同情の余地はあります。
そんなヴィランのロッツォは保育園で恐怖支配しただけでなく、ゴミ処理場でロッツォにだまされたオモチャらは燃やされそうになります。ロッツォは、そこまで根っからのクズなので、最後はトラックのフロントに貼り付けられます。
この「罰(ばつ)」は重すぎる気もしますが、おもちゃは全員燃やされる可能性もあったので「殺人未遂犯」の罪に対しての罰なのでしょう。でも子どもも観る映画なので「人間の愛情を再び知ることで改心する結末」の方が個人的に好みです。
見どころはアンディとおもちゃの結末
『トイストーリー3』最大のみどころは結末シーンです。アンディの家に戻れたおもちゃ達は、ウッディの作戦によって幼い少女ボニーに譲られます。アンディがボニーに、1つずつオモチャの説明をするシーンは涙腺崩壊ものです。
そして、アンディは大好きなウッディだけは手元に残すつもりでしたが、他のおもちゃと一緒にボニーに遊ばれる方が幸せだと思い、ウッディとの思い出もボニーに語りながら譲ります。そして大学寮へ行くアンディを、おもちゃ達が見送ります。
おもちゃを手放したり、自然と遊ばなくなったり、誰かにあげたりして別れを経験した記憶は、大人なら誰にでもあると思います。その体験を見事に再現して、思い出させてくれた『トイストーリー3』を制作したピクサーは素晴らしすぎます。
映画『トイストーリー3』感想と続編について
おもちゃ達は子どもに忘れ去られる運命だと気づき、新天地を求めるがパラダイスは存在せず失望し、再び遊んでくれる子どもの家へ譲られて、またしばらくは安泰だという物語です。個人的にはピクサー映画で一番好きです。
冒頭のアンディとの思い出映像と、ラストの別れのシーンを思い出すだけで涙が止まらなくなります。子どもに見せると「おもちゃを捨てられなくなる」ので要注意ですが、逆に自分の子どもならそういう風に育ってほしい気もします。
本作は世界中の子ども達に観てほしいけど、むしろ忙しい大人達にも時間を作って観ることをおすすめしたいです。物質主義や消費社会にどっぷりつかってる人ほど、大きな精神ダメージを受けるかもしれません(笑)
新しい映画と比べるとストーリーがあっさりすぎたり、焼却炉からおもちゃ達が助かる場面でもうひと工夫ほしかったりしますが、結末の感動に全てを持ってかれるのはいつ観ても同じです。
2019年には『トイストーリー4』も公開されるので楽しみと不安が混在してますが、またウッディやバズやジェシーに会えるのならうれしいし、ピクサーが製作するなら大ハズレはないだろうから期待したいです。
私の評価 87/100(60が平均)
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