『クリード3/過去の逆襲』ネタバレ感想解説/結末は?勝者は?過去の過ちとは?
ロッキー後のクリードシリーズ3作目。ロッキーの好敵手アポロの息子クリードは栄光を勝ち取ったが、復讐心にもえる幼なじみが現れ、過去と決別するため再びリングへ立つのだが…。今回の強敵は誰?友情のゆくえは?(ネタバレ感想あらすじ↓)
映画名/邦題 | クリード 過去の逆襲 |
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日本公開日 | 2023/5/26 [予告] 上映時間:116分 |
製作国 | アメリカ |
原題/英題 | Creed III |
監督・キャスト | マイケル・B・ジョーダン[キャスト] |
映倫区分 | 日本:G(年齢制限なし) USA:PG-13 |
配給/製作 (画像出典) | ワーナー・ブラザース映画/メトロ・ゴールドウィン・メイヤー・ピクチャーズ、チャートフ=ウィンクラー・プロダクションズ、プロキシミティ・メディア、アウトライアー・ソサエティ |
日本興行収入 | 0.9億円 興行収入ランキング |
世界興行収入 | 2.7億USドル [出典] |
平均評価 平均:100換算 *批評家と一般は単純平均 | (興収・評価: 2024.8.14更新) 69(私の評価は含まず) |
シリーズ 関連作品 | ロッキー/クリード一覧 前作『クリード 炎の宿敵』3.2億 |
キャラ・ランキング(キャスト/出演者)
個人的なキャラクターランキングです。
※キャラクター名(キャスト/出演者/声優)
- アドニス・クリード(マイケル・B・ジョーダン)ロッキーのかつての好敵手アポロの息子
- デイミアン・アンダーソン/通称ダイヤモンド・デイム(ジョナサン・メジャース)アドニスの訳ありな幼なじみ
- フェリックス(ホセ・ベナビデス・Jr)クリードのジムの看板ボクサー
- ビアンカ・クリード(テッサ・トンプソン)アドニスの妻。元歌手で現在プロデューサー
- アマーラ・クリード(ミラ・デイヴィス=ケント)アドニスとビアンカの一人娘。耳が聞こえない
- メアリー・アン・クリード(フィリシア・ラシャド)アドニスの母。ロッキーの亡き相棒の妻
- ヴィクター・ドラゴ(フロリアン・ムンテアヌ)前作のクリードの好敵手。ロッキーの敵の息子
ネタバレ感想『クリード 過去の逆襲』解説と評価
以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!
前作クリード2までのネタバレ簡単あらすじ
ロッキーの宿敵・相棒だったアポロ・クリードの息子アドニス・クリードは、悩んだ末にロッキーを師としてボグシングに挑み、世界ヘビー級チャンピオンに昇りつめました。結婚したビアンカとの間には娘アマーラも産まれます。
そこへ、父アポロをリング上で死においやったイワン・ドラゴが現れ、息子ヴィクター・ドラゴとの対戦を望みます。怒りがおさえられないクリードは、ロッキーに止められても対戦しあっさり敗北。ロッキーがクリードの再起を助けます。
ロシアでのアウェーの再戦はヴィクター・ドラゴが有利だったが、アドニス・クリードはねばりぬいて勝利を勝ちとります。国と妻に捨てられたイワンは息子を復讐兵器に育てたが、最後はアポロの死を悔いて息子ヴィクターを救ったのです。
映画『クリード3 過去の逆襲』ネタバレなし感想と評価
クリード・シリーズは1作目が素晴らしい出来栄えで、2作目もロッキーを継承するために超えねばならない試練という感じで楽しみました。そんな頂点に立ち、ハングリー精神のかけらもなさそうなクリードに続編があると知り驚きです。
今回は、クリードがロッキーに出会う前の黒歴史と過去に向きあうために再びリングに立つという物語です。その着眼点はいいのですが、実際観ると語るべき物語はあまりなさそうで拍子抜け。もっと動機を肉付けしてほしかったかも。
また、マイケル・B・ジョーダンが映画監督に挑戦したということですが、演出面が薄味でどのシーンも印象に残りません。デイムがうらむ原因を作ったある人物の行為や、肉親の死、娘があこがれるもの等、どのエピソードも中途半端。
マイケル・B・ジョーダン、ジョナサン・メジャースの肉体美に関しては文句なしでした。ボクシングの試合も演出ひかえめだが、2人の戦い方には整合性があるためよかったです。さすがにもう続編は不要と思うので、完結編として楽しみましょう。
幼なじみデイムの望みとは?
15年以上前、子ども時代のアドニス・クリードは里親の家を夜ぬけ出し、親友デイムが参戦する賭けボクシングのセコンドにつきます。得た賞金で商店へ向かう途中、クリードは施設時代にDV/暴力をうけた男を見つけなぐりかかります。
15年後、南アフリカのヘビー級ボクシング大会でコンランに勝利した後、クリード(マイケル・B・ジョーダン)は引退。
現在。クリードは、耳の不調で音楽プロデューサーに転身した妻ビアンカ(テッサ・トンプソン)と、難聴が進行して手話で話す娘アマーラ(ミラ・デイビス・ケント)とで幸せに暮らしてます。そこへ幼なじみのデイムが訪ねてきます。
クリードは、刑務所のデイムに1度も面会へ行かなかったのを後ろめたく思い、経営するボクシングジムへ誘います。が、ジムでは不評。デイムは、ジムの看板フェリックスとのタイトル戦を希望。皆に反対されるが、クリードは悩みます。
以上が序盤あらすじです。冒頭、アドニス・クリードの黒歴史が描かれるが、1作目でも子ども時代の素行のわるさは語られたので意外ではなかったです。その時の親友デイムとの因縁が、本作の試合へと導きます。
ただ、ずっと刑務所できたえてきてハングリー精神も最高潮だとはいえ、18年ぶりにリングに立って世界チャンピオンを目指せるのかは疑問です。しかも引退するような年齢で。その点が最後まで気になりました。
ドラゴを負傷させた黒幕は誰?対戦の勝者は?
娘アマーラが学校でいじめっこをなぐる事件で、クリードら両親は呼ばれます。妻ビアンカは、怒りを抑える方法を教えねばと考えるが、クリードは娘の要望どうりボクシングを教えてやります。
デイムも招待されたビアンカの音楽関係パーティーで、暴漢がヴィクター・ドラゴを襲い負傷させます。それで対戦相手のいなくなったフェリックスに、クリードはデイムを推薦。父アポロが、負け犬ロッキーに機会を与えた試合のように。
試合は反則すれすれでデイムが有利に進め、フェリックスに予想外のKO勝ち。モヤモヤしたクリードは、母がデイムからの全手紙を封印してたと知り母を責めるが、その後、母は倒れて息子のおかげで父を許せたと感謝して息をひきとります。
クリードは、母が保管してたデイムの刑務所仲間の写真を見て、ヴィクター・ドラゴを負傷させた黒幕の正体はデイムだと気づきます。デイムに指摘すると本性をあらわしクリードを殴ります。TV出演中のクリードは、デイムからの挑発で対戦を決めてしまいます。
以上が中盤あらすじです。前作でクリードを苦しめたヴィクター・ドラゴですが、毒な父親から解放されてボクシングを続けてるようなのでよかったです。ドラゴがデイムのコーチにつくかと予想したが、役割はもっと小さくて残念。
クリードはデイムに弱みを握られてるとはいえ、自分のジムの看板であるフェリックスの対戦相手に指名するのは現実的ではないですね。そもそもクリードもフェリックスも、プロでもないデイムをなめてたのでしょうけど。
本作では、母親の罪と死がテーマの1つと考えられますが、演出は意外とあっさりです。もっと母の死を燃料にする展開も考えられるだけに、マイケル・B・ジョーダンの監督慣れしてない感じが伝わります。
結末は?ラストバトルの勝者は?2人の関係は?
クリードは妻に過去の真相を語ります。クリードは、施設での暴力男を見つけてなぐりかかったが、男の仲間達が加勢に来ます。それを見たデイムことディミアン・アンダーソンは銃を向けたが、かけつけた警官にデイムだけ逮捕されたのです。
久々の対戦に備えるクリードは、ジムのデュークとヴィクター・ドラゴのサポートのおかげでカンを取り戻し試合にのぞみます。最初から汚いプレーのデイムは有利に進めるが、野生を取り戻したクリードとは子供時代のようなファイトに。
2人とも体力つきそうで最終ラウンドへ。腹にパンチを受けてダウンしたクリードだが立ち上がり、最後の力でデイムをダウンさせて勝利。試合後、クリードはデイムに謝罪し、お互いの責任ではなかったと和解しあいます。
過去の真相はもっと深い物語があると思ってたが、それほどでもなくて薄味。逆にこれだけで18年も刑務所はありえないので、その後も犯罪を繰り返したのでしょうか。当時、クリードが告白しても黒人に厳しい時代だから罪が軽くはならなかったのかな。
クリードとデイムのラストバトルは特筆すべき展開はなかったが、お互いに野性的ななぐりあいになっていき、子ども時代のけんかのようにも見えて、ある意味で楽しそうでした。クリードの勝利は予想どおりなので緊張感は少なかったけど。
デイムとの和解もわりとあっさりで、もう少し熱い演出がほしかったかも。試合中に少しずつ和解していく展開の方がボクシング映画である意味は感じられたと思うのですが。
最後にリングに娘アマーラが上がる演出は不要に感じたが、続編でアマーラがボクサーになるとか?可能性は低そうですね…
ラストで『クリード 新時代』という短編SFアニメが日本だけ?で上映されます。日本の漫画やジャンプが大好きというマイケル・B・ジョーダンによる感謝のしるしと考えるとうれしいけど、本編後ではなく特典動画とかで見せてほしかったかも…
私の評価 57/100(60が平均)
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