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映画『クルエラ』評価は?ネタバレ感想考察/出生の秘密は?悪役になった理由は?

クルエラ 映画/ドラマ

パンクブームの70年代ロンドン。デザイナーを目指す少女エステラは、カリスマデザイナーに才能を認められるが、その出会いで運命が大きく変わり…。母の正体と死の真相は?ダルメシアンとの因縁は?(ネタバレ感想あらすじ↓)

映画名/邦題クルエラ
日本公開日2021/5/27 [予告] 上映時間:134分
製作国アメリカ
原題/英題Cruella
監督・キャストクレイグ・ガレスピー[キャスト
映倫区分日本:G(年齢制限なし) USA:PG-13
配給/製作
(画像出典)
ウォルト・ディズニー・ジャパン/ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ、Marc Platt Productions、Gunn Films
日本興行収入5.2億円 (興行収入ランキング
世界興行収入2.3億USドル [出典]
平均評価
平均:100換算
*批評家と一般は単純平均
(興収・評価: 2024.8.15更新)
76私の評価は含まず)
シリーズ
関連作品
ディズニー実写映画一覧

キャラ・ランキング(キャスト/出演者)

個人的なキャラクターランキングです。
※キャラクター名(キャスト/出演者/声優)

  1. エステラ・ヴォン・ヘルマン/クルエラ・ド・ヴィル(エマ・ストーン。柴咲コウ)ファッションデザイナーを夢見る少女。バロネスとの出会いで運命が変わる
  2. バロネス(エマ・トンプソン。塩田朋子)世界を代表するカリスマ的ファッション・デザイナー。目的のためには手段を選ばない
  3. アーティ(ジョン・マクリー。花江夏樹)服飾店の店主。トランスジェンダー?。エステラと気が合う
  4. ジャスパー(ジョエル・フライ。野島裕史)母を亡くした幼少エステラの家族のような存在。ビジネスパートナー
  5. ホーレス(ポール・ウォルター・ハウザー。かぬか光明)母を亡くした幼少エステラの家族のような存在。ビジネスパートナー
  6. ジョン(マーク・ストロング。広瀬彰勇)バロネスに信頼される側近。ミステリアスで何考えてるか不明
  7. アニータ(カービー・ハウエル=バプティスト。村中知)エステラのかつての学友。タブロイド紙のジャーナリストになる

ネタバレ感想『クルエラ』解説と評価

以下ネタバレあり感想考察なのでご注意を!

101匹わんちゃん前日譚?アカデミー女優の競演?

1961年に公開されたディズニーアニメ映画『101匹わんちゃん』や、1996年公開の実写映画『101』の前日譚です。ヴィラン(悪役)クルエラ・デ・ビルの悲しい幼少期から、夢を追い求める時期、悪役に目覚めるきっかけが初めて描かれます。

『101匹わんちゃん』や『101』のように犬や動物たちがメインではなく、クルエラやカリスマデザイナー・バロネスらの生きざまと関係性の変化が主なストーリーなので、子どもウケは悪そうだけど、いいヒューマンドラマに仕上がっています。

主演エステラの成人以降を演じるエマ・ストーンは、二面性あるキャラを見事にみせてくれます。幼少期エステラを演じた子役もかなりいい。エマ・トンプソンはカリスマデザイナーになりきってます。2人のエマはアカデミー主演女優賞経験者でもあるので、ぜいたくなキャストですね。

悪役は先天的?ダルメシアンとの因縁とは?

天才で学校になじめなかった娘エステラですが、母は見捨てずむしろ才能をのばそうと考えます。しかしパーティー会場の庭で、ある女性に金を要求した母は、エステラを追いかけてきた3匹のダルメシアン犬に転落させられて亡くなります。

孤児になったエステラは、ジャスパーとホーレスと共に生きるために泥棒しながら成長します。ある日、エステラは2人から「有名なデザイナー事務所の採用通知」を誕生日プレゼントされ就職。しかし雑用ばかりで才能を見せる機会はなし。

序盤のあらすじはこんな感じです。エステラは先天的に「残酷面クルエラ」を持つ二重人格者であることが明かされます。「母親の教育と愛情」のような後天的な良環境により「クルエラ」出現を最小限に抑えられていたのです。

学校ではエステラは、髪の左右が白黒という異質な容姿や頭の回転の早さ、他とは違うデザインセンス等でいじめの対象でした。これは「平均的な才能だけを目指す学校教育の限界」の皮肉を物語っています。

『101匹わんちゃん』や『101』で、クルエラがダルメシアン犬を「毛皮の材料」としか見ない理由は、母を死に追いやった実行犯として記憶に刻まれたからでしょうね。しかし本作では犬の命まで奪おうとしないし、真犯人も明らかになるので因縁としては弱いと感じます。

母殺害の真犯人は?出生の秘密とは?

ある日エステラは、カリスマデザイナー・バロネスに才能を認められ、ニューモデルのデザインを提案できるまでに出世します。ところがバロネスはヒステリックで冷淡で、自分の評価を上げるためには手段を選ばないサイコ異常者でした。

そしてエステラは、母のペンダントや犬笛をバロネスが持つことから、母を死に追いやった真犯人がバロネスだと気づきます。その時から復讐鬼となり「残酷面クルエラ」を前面に出して、バロネスの評判を落とし、ファンション業界で躍進します。

エステラは、バロネスの近くで仕事しながらペンダント強奪の計画を進めるがバレます。そしてペンダントを飲みこんだダルメシアンを誘拐するが、殺害するほど悪役にはなりきれずフンを待ちます。が、バロネスの返り討ちで家を焼かれます。

バロネスの側近ジョンに救われたエステラは、この瞬間から第二の人生「クルエラ・ド・ヴィル」として生きることになります。ド・ヴィル(De Vil)は実在するイタリアの車メーカーの名前で、英語の悪魔(デビル=Devil)とのダブルミーニングです。

ペンダントは鍵になりクルエラの出生の秘密も判明。バロネスの実娘エステラは愛されなかったので、死を偽装して雇われ人だった母(育ての母)が引き取りました。エステラのサイコ人格クルエラは、バロネスDNAの遺伝の産物だったのです。

まさに、ヴィラン(悪役)クルエラ誕生の瞬間が明かされました。「悪」が母親からの遺伝と、母の愛情を受けずに育ったため、という使い古された結末にはがっかりです。が「生みの母が育ての母を殺害」という三重苦まで加わり、狂人になった経緯としては同情できるし納得です。

クルエラ 映画/ドラマ

クルエラが着た最初の「生き物」とは?101ネタだらけ?

世間から死んだと思われたエステラは、バロネスのパーティーに潜入し、育ての母と同じ崖でバロネスにつき落とされます。クルネラの策略で、多くの招待客にその現場を見られたバロネスは逮捕されます。後ろに気づかないのは不自然でしたが。

クルエラは、奇抜なスカートに仕込んだパラシュートで生きのびます。エステラとして最後の衣装デザインも「ガのさなぎで飾ったドレス」です。後に羽化した蛾の大群がバロネスの衣装部屋を汚します。もう完全に狂ってますね。

さなぎを身に着けた発想こそが、生きた虎や101匹わんちゃんを毛皮にしようとするクルエラにつながります。

クルエラは、バロネス・フォン・ヘルマンの豪邸を手に入れ「ヘルマンホール/HELLMAN HALL」を「ヘルホール/HELL HALL」にしました。つまり人間(MAN)をやめた地獄(HELL)の悪魔(Devil)クルエラ・デ・ビルの誕生です。

ヘルホールに集まったのは、幼少期からの泥棒仲間ジャスパーとホーレスと、バロネスの側近だったスキンヘッドのジョンです。ジョンがスキナーだとすると『101匹わんちゃん』や『101』でも登場するクルエラの忠実な手下も誕生です。

バロネスの3匹のダルメシアンのうち、ポンゴは作曲家ロジャーに、パーディタはジャーナリストのアニータに送られます。白人アニータが黒人に変わり、職業も違いますが2人は『101匹わんちゃん』『101』で出会うことになります。

クルエラがダルメシアンを送った理由は明確ではないため、無理してつなげた感じはします。そもそもロジャーもアニータも昔の作品のキャラとは全くの別人なので、本作『クルエラ』の正統続編が制作される可能性もありそうです。

『クルエラ』私の評価と感想

本作『クルエラ』は、旧作『101匹わんちゃん』や『101』の前日譚でかつ最悪ヴィラン・クルエラの誕生を見事に描いています。彼女に流れる血の宿命や、実母に愛されず、育ての母を殺害された悲しい過去には同情します。

一方、「犬」は孤独なエステラを癒やす存在でもあり、ジャスパー達の泥棒稼業の手助けもしてた相棒でもあったのに『101』では動物たちに敵視されてたのが違和感。検討中の『クルエラ』続編で、動物達との敵対が描かれるのでしょうか。

ちなみに犬がねずみに変装するのは、ディズニーのミッキーマウスにちなんだのかも?。あと、悪に染まったクルエラがダルメシアンやバロネスを殺害しないのは、設定が似てる『ジョーカー』と比べるとゆるすぎます。子ども向けのディズニー映画らしいけど大人には物足りないです。

純粋ディズニー実写映画で一番好きな『マレフィセント』にも到底およびません。『101』への伏線やオマージュ等は、旧作を覚えてる者にとってはうれしいサービスでしたが。

クルエラの出生の秘密や母の死の真相、ダルメシアンとの因縁などのミステリ要素は楽しめました。見どころであるアカデミー主演女優の2人、クルエラ役のエマ・ストーン、バロネス役のエマ・トンプソンの演技合戦を観られるのも貴重ですね。

私の評価 66/100(60が平均)

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